ベートーヴェンの弟子でリストの師、バッハの研究家でもあったカール・チェルニー[1791-1857]は、ピアニスト、作曲家、教育者として国際的に活動し、作品番号で861の作品を遺していますが、ひとつの作品番号で60曲も含むものもあるのでその実数は膨大。楽想に恵まれた作曲家でした。
英国教会オルガニストのために作曲
オルガン曲については、イギリスの教会オルガニストのために作曲し、1841年頃にロバート・コックスによってロンドンで出版されたものがすべてで、この2枚組CDはそれら32曲のヴォランタリー(前奏曲)と7つの前奏曲とフーガを音楽プログラムとして楽しめるよう各曲を配置したものです。
バッハ研究の成果上々
チェルニーはバッハの作品を研究していたため、どの作品も本格的な仕上がりで、英国教会のプロテスタント的な控えめな規模感を踏まえたような親しみやすい作風の音楽が楽しめます。
ちなみに「ヴォランタリー」は前奏曲のような性格の音楽ですが、多用途に使用されるため、ここでも穏やかなものから壮麗なものまで様々な曲調となっています。
大教会から小教会まで対応
これらの作品はイギリスのオルガンのために書かれた作品ですが、イギリスの教会(大聖堂)のオルガンは大小さまざまなため、Op.603とOp.698についてはペダル必須の指定もあります。また、Op.627については小さな教会でも可能なようにハルモニウムやピアノでも可能とされています。
現代オルガンによる
演奏のピエトロ・デッレ・キアイエは、1991年よりローマ、フラスカーティのサン・ピエトロ・アポストロ大聖堂の常任オルガン奏者および楽長を務めるほか、1998年からは、カペッラ・ムジカーレ・エンリコ・ステュアルト・アンサンブルの常任チェンバロ奏者およびオルガン奏者も兼務する人物。ここでは、イタリア中部の山間部にあるロッカ・マッシマの聖ミカエル大天使教会のオルガンを使用。
ブックレット解説はイギリスのオルガニスト
ブックレット(英語・12ページ)には、イアン・クインなどの解説を掲載。ちなみにクインはNaxosでチェルニーのオルガン曲集を録音していた人物で、そこでのブックレット解説はキース・アンダーソンでした。
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