16世紀初頭に使われていた規模が小さく、イタリアの檜材で作られたオープン・タイプのパイプ・オルガンを、当時最も著名な作曲家のモンテヴェルディが好んで使っていたと言われています。ブリリアント・クラシックスでモンテヴェルディのマドリガル集全曲録音中のコーツフェルトは、そのオルガンの音の再現に必要性を感じ、実現するための可能性を探り始めます。オランダの音楽基金を頼り、またオルガニストのピーター・ファン・ダイクと協議し、オランダのオルガン制作会社クロップ社の協力を得ながら、1600年頃のイタリアの音楽に適したオルガンを復元するというアイデアが徐々に形になってきました。当時のオルガンの設計図もない中で、記録をもとに木製パイプを制作し、開放的な形、手で操作する「ふいご」、複数のストップを持たせるなど、当時の全容に迫る見事なオルガンが完成しました。
この新しいオルガンが、フレスコバルディやフローレンスの作品で、独奏楽器として素晴らしい響きを聴かせています。モンテヴェルディが聴いていたオルガンの音が甦る傑作盤です。(輸入元情報)
【収録情報】
● フローベルガー:トッカータ第9番
● モンテヴェルディ:サルヴェ・レジナ第3番
● フローベルガー:トッカータ第1番
● モンテヴェルディ:おお盲いた人よ
● メールラ:カプリッチョ『ラ・ロダ』
● モンテヴェルディ:われ永遠より立てられ
● フレスコバルディ:聖体奉挙のための半音階的トッカータ
● フレスコバルディ:歌唱用の第5声部を伴うリチェルカーレ
● フレスコバルディ:Canzon post il Comune
● モンテヴェルディ:サルヴェ・レジナ第2番
● メールラ:カンツォン
● モンテヴェルディ:その時日がのぼり
● フレスコバルディ:バッサ・フィアメンガによるカプリッチョ
● モンテヴェルディ:彼は再び来るだろう
● フレスコバルディ:トッカータ第9番
● フレスコバルディ:主のしもべらよ、ほめまつれ II
キリン・コーツフェルト(オルガン/Klop Orgels, 2020, after period accounts of Monteverdian instruments)
レ・ヌオーヴォ・ムジケ
録音時期:2020年6月、9月
録音場所:Hoogland (Utrecht), Netherlands
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)