珍しいクラリネット・レパートリーに精通した名手マジストレッリが、パリで活躍したドイツ人フリードリヒ・ベアの幻想曲ほかをレコーディング。クラリネットの表現力を十分に生かすために考え抜かれたかなり難しい技術的パッセージを含む選曲基準となっており、中にはクラリネット2本による「コリントの包囲」序曲という変わり種もあります。ブックレット(英文)にはマジストレッリ自身による詳細な解説が掲載されています。
フランスのベア
フリードリヒ・ベア(Friederich Berr)[1794-1838]は、若い頃にフランスに移り住んでフレデリク(Frederic)と名を変え、吹奏楽団のファゴット奏者を経て、パリ音楽院で作曲とクラリネットを学び、やがてパリ音楽院クラリネット教授となり、パリのオペラのオーケストラではクラリネット奏者フレデリク・ベルとして活動。作品の出版もおこないながら亡くなるまでパリで過ごし、レジオンドヌール勲章まで授与されていますが、ここではドイツ語の方の名前で記載しておきます。ちなみにほぼ同時代に、同じクラリネット奏者兼作曲家として、ヨハン・ヨーゼフ・ベーア(Beer、ベルリンのベーア)[1744-1812]と、フランツ・ヨーゼフ・ベーア(Bahr、Bar、Behr、ウィーンのベーア)[1770-1819]がいて紛らわしくなっていますが、ベアの活動場所はフランスだったので区別は容易です。
万全の選曲
パリの歌劇場や音楽院で活動していたベアは、同地の名士であるロッシーニの知己を得て、その成功作のアリアなどを編曲したり幻想曲に仕立てたりしますが、同時期に人気を博していたオベールのオペラについても幻想曲を書いています。このアルバムでは、ロッシーニ由来作を3曲、オベール由来作を2曲、自作独奏曲2曲、自作の指導的変奏曲を1曲収録しています。ベアは、2つのクラリネット協奏曲、多数のクラリネット二重奏曲、11のアリア変奏曲、11の独奏曲、28の幻想曲、吹奏楽のための約500の楽曲や編曲を遺しており、このアルバムではマジストレッリが良いものをチョイスして演奏しています。
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