ヘンデルと同時期にロンドンで活躍していたリチャード・ジョーンズの作品集です。ヘンデルとは異なる構想と創作内容によるバロック組曲全6曲。18世紀前半のロンドンは、ヘンデルの存在に圧倒され、他の優れた音楽家の存在がなかなか見えてこなかった時代と言っても過言ではありません。このジョーンズもそんな不遇な作曲家のひとりで、資料もほとんど残っていません。ヴァイオリニストとして活動していたようですが、作曲家としての足跡を見つけるのは非常に困難です。
幸いにも残されたこの組曲は、ヘンデルやパーセルに匹敵するほどの変化に富んだ音楽と言えます。伝統的な組曲の順序とは異なっており、豊かな和声、大胆な発想は、勢いのあるリズムが印象的で、技術面でもかなり挑戦的であると言えるでしょう。知的自由、奇抜さ、独立性をもって自分の音楽を確立したリチャード・ジョーンズを知った喜びを感じずにはいられない1枚です。
演奏は、ワンダ・ランドフスカ国際チェンバロ・コンクールの協奏曲部門で第1位を獲得したフランチェスコ・フォルナサロ。熱心にジョーンズの研究をした証として、ブックレットの充実した内容も特筆できます(欧文)。ブリリアント・クラシックスへのデビュー・アルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
ジョーンズ:
● 組曲第1番ニ短調
● 組曲第2番イ長調
● 組曲第3番変ロ長調
● 組曲第4番イ短調
● 組曲第5番ロ短調
● 組曲第6番 in Various Keys
フランチェスコ・フォルナサロ(チェンバロ/Jim Hall, Amsterdam 2005, after Henri Hemsch)
録音時期:2021年11月
録音場所:イタリア、フィレンツェ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)