オペラ「アドリアーナ・ルクヴルール」と「アルルの女」で成功した作曲家チレアによる器楽作品と歌曲を収録した5枚組ボックス。
セットの内容は、既発売の協奏組曲集、室内楽曲集、ピアノ曲集、歌曲集をまとめたもので、ブックレット(英語・12ページ)には、それぞれの解説部分をそのまま掲載。
ベッリーニ(1801-1835)とフランスのマスネ(1842-1912)の影響を受けたチレアの場合、ヴェリズモ・オペラでも抒情味が勝っていたのが印象的。チレアの旋律表現はとても繊細で美しく、それが当時の絶叫や憐憫を求める台本の傾向と合わなかったこともあってか、成功作品のタイトル数は限定的でした。
そうしたチレアの個性は器楽作品に向いているようにも思え、実際にそれを確認できるのがこのセットに収められた作品の数々です。特に協奏組曲と室内楽は魅力的ですし、生涯の様々な時期に書かれたピアノ曲も傾向がいろいろあって楽しめます。
演奏は、スカラ座楽団員により構成される「イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・スカラ」や、ソロでも室内楽でも大活躍のマッシモ・クアルタなどイタリア人音楽家によるものです。
ヴァイオリンと管弦楽のための組曲
1946年作曲。第2次大戦終戦の翌年に書かれた作品。第1曲から甘美で哀調を帯びた旋律がチレア節絶好調という感じで、第2曲もオペラ風。第3曲ではマーラー7番第3楽章をどこか思わせる旋律も登場し、そして第4曲は元気な無窮動風な音楽で元気に締めくくります。
愛の歌
ミラノ音楽院で作曲と電子音楽を学んだイタリアの作曲家ラッファエレ・カッチョーラ(1965- )による4分ほどのチレアへのオマージュ作品。
チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲(第2番)
バロック後期、ナポリ楽派の作曲家レオナルド・レーオ(1694-1744)の1737年の作品を、ナポリ音楽院の院長だったチレアが1934年に編曲。チレアはレーオの組曲風な協奏曲から短い第4楽章と第5楽章をカットし、ラルゲットを第2楽章に、アレグロ・コン・ブラヴーラを第3楽章とし、第1楽章に複雑なカデンツァを、第3楽章に短いカデンツァを加えて3楽章制の協奏曲に仕立てています。
当時はバロック作品の普及を目指す「近代化」がよくおこなわれていた時代ですし、チレアにはこの曲の美しいメロディーを広めたい気持ちもあったのでしょう。1922年にはまず3楽章化したピアノ編曲をおこなっており、その12年後に完成したのがこの1934年の編曲です。
チェロと管弦楽のための小組曲
1931年作曲。同時代フランス作品の影響を感じさせる色彩的で親しみやすい作品。甘美な第4曲ノットゥルニーノはチレア節満載です。
チェロとピアノのためのソナタ
1888年に作曲。第1楽章の抒情美はまさにチレア的。穏やかな第2楽章では夜の雰囲気も喚起され、生き生きとした第3楽章では、登場人物が何人もいるような多彩な表現が楽しめます。
ヴァイオリン曲
「カント」と「主題と変奏」は1930年代の作品で、複雑な情感表現が味わえます。
ピアノ三重奏曲
1886年作曲。4楽章構成で、各パートの役割分担など手が込んでおり動機労作も充実しています。
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