Top 100 Albums - No.24

2004年4月30日 (金)

ピンク・フロイドの名作として知られる作品『狂気』(原題『Dark Side Of The Moon』) 。1973年発表の発表以来、実に741週にもわたってチャート・インし続けた。これはギネス・ブックにも認定された記録である。

作曲およびリハーサルが開始されたのは71年の12月。72年6月にEMIのアビイ・ロード・スタジオでレコーディングがスタートしたときは『Eclipse』というタイトルだったそうだが、全曲の作詞を担当したロジャー・ウォーターズによるコンセプト「狂気」が打ち出されてからというものの、楽曲のイメージは無限に広がってゆく。難航を極めたレコーディングは73年1月に終了。結局予定されていた『Eclipse』というタイトルはボツになり“狂人は心に”の歌詞の中の一節「Dark Side Of The Moon」が最終的なアルバム・タイトルとして採用された。素晴らしいジャケットのアートワークはヒプノシスが担当。見開きのジャケットにポスターとステッカーが2枚ずつ付けられる斬新なデザインで、(英国オリジナル盤には)バンド名もアルバム名もクレジットされていないことも話題をさらった。

シド・バレットが在籍した唯一の作品『夜明けの口笛吹き』もマニアから評価の高い作品であるが、一般的にピンク・フロイドの名盤と言えば『狂気』というのが妥当なところだろう。なにせ3,000万枚以上も売れているのだから。 『狂気』には人間の心臓の鼓動音がオープニングとラストに配されていて、その間に「宿命」「時への恐れ」「生への喜び」「現実の苦悩」といった人間の裏側に潜む深層心理が文学的な歌詞によって描かれている。そう、所謂コンセプト・アルバムだ。「歌詞」「曲」「アレンジ」「演奏」「録音」それら全てをひっくるめたひとつのアートである。こう書くとなんだか堅苦しいものとイメージされる方もいるかもしれないが、『狂気』はある種のBGMとしても鑑賞できるような聴き易さも備えている。そうでなければ3,000万枚も売れないよな〜。 もちろんこのアルバム1枚だけで1冊の本がかけてしまうほどに語りどころが多い作品でもある。テクノロジーがいまほど進歩していない時代の16トラックで録った作品だが、圧倒的なアイデアの多さには脱帽させられる。もっと詳しく『狂気』について知りたい方は、クラシック・アルバムというタイトルでDVDが発売されているのでそちらをどうぞ。

『狂気』は70年代半ばに4チャンネルのサラウンドで再生できる特殊なレコ−ドでも発売された。当然プレーヤーも専用のものでないと再生ができない。当時は専用の再生機が高価だったためこのレコードも市場に多く出回ることがなく、現在もレア盤として扱われている。しかし、73年の発表から丁度30年の時が経過した2003年に『狂気』は最新の音楽フォーマット、スーパー・オーディオCD(以下SACD)として生まれ変わった。このSACDのリミックスとリマスターは長年ピンク・フロイドのプロデューサー兼エンジニアを務めるジェームス・ガスリーによって行われた。SACDは専用のプレーヤーでのみ再生が可能。リスナーを取り囲むように配した複数のスピーカーから音声が再生されることにより、かつてない臨場感を味わうことができる。またこのSACDはハイブリッド仕様となっている。SACDレイヤーのほかにCDレイヤーも収録されており、そちらも最新の24ビットデジタル・リマスターが施されている。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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Dark Side Of The Moon

CD 輸入盤

Dark Side Of The Moon

Pink Floyd

ユーザー評価 : 4.5点 (139件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥3,289
会員価格(税込) : ¥2,862

発売日:1994年06月20日

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