Top 100 Albums - No.85

2004年2月29日 (日)

ピンク・フロイドキング・クリムゾンエマーソン・レイク&パーマーらと並ぶイギリスのプログレッシヴ・ロックのスーパー・グループ、 イエス。一時解散していた時期もあったが、再結成後は現在も活動を続けている。
メンバー・チェンジも激しく、サウンド・スタイルもその度に変化させているが、イエスを象徴する高度なプログレ・サウンドが最も輝いていたのは紛れもなく70年代前半の作品群だろう。今回の企画「Top 100 Albums」で85位にランクされた『こわれもの』(原題:Fragile)はイエスが1972年に発表した当時のプログレッシヴ・ロックを代表する作品で、ファンからも人気の高い盤である。

69年にデビューを果たしたイエスはレコード会社のアトランティックがレッド・ツェッペリン級の大型新人として大々的に売り込み、華々しいデビューを飾らせたものの思いのほかパッとせず、最初の2年くらいは鳴かず飛ばずぼ状態が続いていた。しかし71年にバンドにとって大きな転機が訪れる。
71年2月、脱退したギタリスト、ピ−ター・バンクスに代わり元ボーダストのスティーヴ・ハウが加入し、それまでのフォークやR&Bをベースにしたサウンドから、クラシックの要素を導入したプログレッシヴ・ロックにサウンド・スタイルを変貌させた。同年8月にはキーボード奏者のトニー・ケイが脱退。後任として元ストローブスリック・ウェイクマンが加入し、 ジョン・アンダースンクリス・スクワイアービル・ブラッフォードスティーヴ・ハウリック・ウェイクマンというイエス最強の布陣が構成される。
こうして磐石の態勢が整い発表されたのが『こわれもの』である。

本作は各メンバーのソロ作品を含む全9曲で構成されており、メンバーの個性が全面に打ち出されている。 強烈な独創性とプレイヤビリティを持つメンバーたちが楽器という武器を手にガチンコでぶつかり合うことで 逆にまとまりのようなものが生み出されているから不思議だ。
クラシックの要素を持ち込んだスティーヴ・ハウのギター・プレイ、キース・エマーソンと人気を二分したリック・ウェイクマンの派手なキーボードさばきが本作のキモとなっているが、クリス・スクワイアービル・ブラッフォード、のプレイも目を見張るものがあり、高度なテクニックに裏付けられたスリリングな演奏が堪能できる。 そうした素晴らしいサウンドを得たことによってジョン・アンダースンの美しいヴォーカルもここにきて本領を発揮した。こうして「イエス・サウンド」は完全に確立された。

クラシック・ギターとシンセサイザーのかけあいから始まる1曲目の“ラウンドアバウト”は全米チャート2位にまで上昇したヒット曲で、イエスといえばこの曲を頭に思い浮かべる人も多いだろう(最大のヒットは“ロンリー・ハート”だが)。ラストの“燃える朝焼け”も彼らの代表的なナンバーで全員での素晴らしいコラボレーションを聴かせてくれる組曲だ。

ちなみに アルバムのアートワークはロジャー・ディーンが担当し、以後イエスのアルバム・ジャケットには欠かせない存在となる。プログレ系にはロジャー・ディーンが残した素晴らしいアートワークがいくつもある。

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Fragile

CD 輸入盤

Fragile

Yes

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発売日:1994年08月16日
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