Top 100 Albums - No.43

2004年4月11日 (日)

クラッシュが1977年に発表したデビュー・シングル“白い暴動”のB面には“1977”という曲が収められている。ここでクラッシュュは「1977年にはエルヴィス・プレスリーもビートルズもローリング・ストーンズも必要ない!」と古い世代に対しての宣戦布告ともとれる高らかな宣言を吐き捨ててみせた。そんな血気盛んなパンク・バンドが僅か2年後にこんなにも素晴らしいレコードを作り上げるなんて誰が予想できただろう!

クラッシュが1979年暮れに発表した3rdアルバム『ロンドン・コーリング』はパンク史上…にはもちろんだが、それ以上にロック/ポップス史上に燦然と輝く大名盤である。

直情的で荒削りな勢いとギラギラとした眼差しがアツすぎるデビュー・アルバム『白い暴動』 、デビュー当時の衝動はそのまんまだが、バンドとしてのまとまりが顕著な2ndアルバム『動乱(獣を野に放て)』の2枚は間違いなくロンドン・パンクを代表するアルバムだ。で、本稿の主人公である『ロンドン・コーリング』はどうなのだろう… 『ロンドン・コーリング』は音楽的な意味においてパンク・ロックのアルバムではない。それは断言できる。ここでのクラッシュはスタイルとしての「パンク」を早くも捨て去ってしまったが、「反逆」のアティテュードはしっかりと根底に残している。そう、パンクではないのかもしれないが「レベル・ミュージック」であることは確かなのである!ジョー・ストラマーの言葉を借りればパンクとは「誠実さ」であり「シンプルでストレートな生き方」である。そういう意味では『ロンドン・コーリング』はやはりパンク・ロック・アルバムなのだろう。

『ロンドン・コーリング』は65分を超える大作で全19曲が収録されており、当時2枚組のレコードで発表された(現在はCDとして1枚にまとめられている)。レゲエ、スカ、R&B、ジャズ、ロカビリー、ロックンロールetc...これがあの攻撃的な音を出していたグループなのか?と耳を疑うほどにバラエティに富んだ内容で、所謂パンクの要素はゼロと言ってもよい。様々ななジャンルの要素が取り入れられてはいるが、とっ散らかった印象はない。むしろビシッとした統一感を感じるほどである(これは個人差があると思うが)。

アルバムのプロデュースにはモット・ザ・フープルとの仕事で知られるガイ・スティーヴンスを起用。
幾つかの曲でピアノやオルガン、ホーンをフィーチャーしているので何名かのゲスト・ミュージシャンも招かれている。

アルバムの中での(個人的な)ハイライトを幾つか・・・

“ロンドン・コーリング”
荒涼としたロンドンの街並みが目に浮かぶようなのイントロは何百回聴いても鳥肌モノのカッコ良さ!

“新型キャデラック”
50年代のロカビリー・シンガー、ヴィンス・テイラーのカヴァー。激クール!

“ジミー・ジャズ”
ダルでルーズなジャズ・ナンバー。シブ過ぎ!抱かれたい!

“しくじるなよ、ルーディー”
踊りださずにはいられないレゲエ/スカ・ナンバー。思わずほっこり。

“クランプダウン”
ジョーとミックの好対照なヴォーカルが楽しめる。オルガンやパーカッションの隠し味がいい感じ!

“デス・オア・グローリー”
レッチリの“バイ・ザ・ウェイ”のイントロにヒントを与えたと思しきナンバー。メロが最高。

これはほんの一部であり、ハイライトは全部!

『ロンドン・コーリング』で音楽探求に味をしめた(?)クラッシュは翌年さらにディープな『サンディニスタ』を発表。こちらは『ロンドン・コーリング』を上回る大作でLP時代は3枚組。レゲエ/ダブ化が進行し、ラテン、ゴスペル、ファンク、ヒップホップにも挑んだ異色作。近年では名盤/バンドの裏最高傑作として紹介されることも多い。

因みにアメリカの音楽雑誌「Rolling Stone」は80年代のロック・アルバムの第1位に『ロンドン・コーリング』を選出している。

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