Top 100 Albums - No.77

2004年3月8日 (月)

70年代ニューヨーク・パンク・シーンの女王、パティ・スミスの1975年のデビュー・アルバム『Horses』が77位にランク・イン。このアルバムが生まれるまでをプロフィールを織り交ぜながらご紹介。

1946年アメリカ、シカゴに生まれたパティ・スミスはしばらくしてフィラデルフィアに移住、ここで多感な時期を向かえた彼女はその後の創作活動に大きな影響をもたらすこととなるフランスの詩人、ランボーや芸術作品に触れることとなった。この時期特に音楽活動など目立った行動は起こさなかったものの1965年に未婚のまま出産、子供を里子に出して働くという人生でも大きな経験をしている。

その後60年代後半、単身ニューヨークへとやってきたパティ・スミスはランボーやボードレール、ウィリアム・バロウズに影響を受け、マリアンヌ・フェイスフルやイーディ・シジウィックに捧げる詩を書き始めた。この頃パティはニョーヨークのアンダー・グラウンドなクラヴへも出入りを始め、トム・ヴァーレイン、トッド・ラングレン、ロバート・メイプルソープ、サム・シェパードらと交友を持つようになった。

70年代初頭に入ると書き溜めた詩を出版したり朗読するパフォーマンス、いわゆるポエトリー・リーディングを行うのだが、これが詩人はもちろんのこと、ロッカーやアート・シーンからも注目を浴びることとなった。ここで注目を集めたパティ・スミスは当初のピアノだけの伴奏からギターなど徐々に加えていきとうとうバンドを従えシンガーとしての活動をスタートすることなった。

ポエトリー・リーディングからバンドとしてのライヴを行うこととなったパティ・スミスはパティ・スミス・グループ(メンバーはレニー・ケイ、リチャード・ソール、イワン・クラール、ジェイ・ディ・ドゥーティー)を結成、またブルー・オイスター・カルトに詩を書くなどの活動を行ううちにアリスタ・レコードと契約、1975年にデビュー・アルバム『Horses』を発表する。

このデビュー・アルバム『Horses』はジミ・ヘンドリックスが建てたスタジオ、エレクトリック・レディ・スタジオにてレコーディング、友人でもある元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドジョン・ケイルをプロデューサーに迎え制作された。 このアルバムには詩人としてのパティ・スミスが色濃く投影されており、後に「NYパンク」と呼ばれる他のアーティストの作品などと比べると物静かな印象の作品だ。だが、しかし、パティ・スミスが求めていたサウンドが60年代のガレージ・ロック的なものということもあり、レニー・ケイのシンプルながらもパワフルなギター・サウンドに載せたパティ・スミスの艶やかな歌声、歌詞からはエネルギーが満ち溢れており内なるパワーを秘めているようだ。

またこのアルバムの1曲目には衝撃を受けたアーティストの一人、ヴァン・モリソンの楽曲“グロリア”のカヴァーが収録されている。これはただのカヴァーにとどまらず、ヴァン・モリソンの詩に自らの詩を加え壮大なものに仕上げた。そしてCD化された際に収録されたフーの“マイ・ジェネレーション”もパティ・スミスらしいアレンジでカヴァーされている。

なお、このアルバムのジャケットは言わずと知れたパティ・スミスの元恋人でニューヨクへやってきたばかりのパティ・スミスが詩を書くのに大きな影響をもたらしたとされる写真家のロバート・メイプルソープが撮影したポートレイトを使用しているのも有名だ。

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featured album

Horses

CD 輸入盤

Horses

Patti Smith

ユーザー評価 : 4.5点 (13件のレビュー) ★★★★★

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発売日:1996年07月01日
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