Top 100 Albums - No.38

2004年4月16日 (金)

前作『レッド・ツェッペリン�V』でサウンドに変化を見せたレッド・ツェッペリンが更にハードな面を押し出した1971年発表の4作目のアルバム『レッド・ツェッペリン�W』。ジャケットは額に入った老人の絵が壁に掛かっているものが描かれているだけでバンド名、タイトルなど何のクレジットも入っておらず、CDでリリースされたものには背にはなにやら不思議なマークが4つ記されている。そのため「フォー・シンボルズ」や「ルーン・アルバム」とも呼ばれているレッド・ツェッペリンを代表する名盤だ。

すでにセカンド・アルバム『レッド・ツェッペリン�U』で大成功を収めていたツェッペリンンは前作『レッド・ツェッペリン�V』でサウンドに変化を見せ始めていた。それはハード・ロックを踏襲しつつもアコースティク・サウンドも展開し様々なジャンルの音楽要素を取り入れたものでハード・ロックという枠にとらわれないものだった。そのためファンは困惑したものの『レッド・ツェッペリン�V』は全米、全英チャートでNo.1を獲得している。

そして、『レッド・ツェッペリン�V』で困惑したファンが次の作品へ大きな期待を寄せる中1971年に『レッド・ツェッペリン�W』は発表された。このアルバムでは全体にギター・リフとうねるようなグルーヴ感が存在している。曲も前作で酷評されてしまったものからよりハードな面を押し出したものが多く“ブラック・ドッグ”、“ロックン・ロール”は従来のツェッペリンを彷彿させるロックン・ロール・ナンバーとなった。

しかしなんといってもこのアルバムは、“天国への階段（Stairway To Heaven）”のためにあるのではないだろうか？それは初めてジャケットに“天国への階段（Stairway To Heaven）”の歌詞を載せたことでも分かるとおり、重要な楽曲として位置づけられている。

「あの歌詞は聴くものを惹き付けるものでロバート・プラント自身があの歌詞から霊感を強く感じ取った」とあるインタヴューでジミー・ペイジが答えているのを見たことがあるのだが、実際この曲の前半でロバート・プラントは歌詞を生かすような丁寧な歌い方を何度も練習しマスターしている。そして曲は静かなアコギの爪弾きに始まりロバート・プラントが意味深い詞を淡々と綴っていき最後の最後でハードに昇り詰めるという当時のアレンジとしてはユニークで独特のスタイルを持つナンバーとなった。

この曲は現在もロック史に語り継がれる名曲となっていて、全米では今でも一番の人気を誇るシングルとして挙げられているという。

またこの曲の前奏とも言える“限りなき戦い（Battle Of Evermore）”には フェアポート・コンヴェンションを脱退したサンディ・デニーが参加している。

このアルバムはチャート最高位こそ全米2位、全英では11位だったものの、全米チャートに合計234週間ランク・インし続けるという大ロングセラー作となった。