Top 100 Albums - No.26

2004年4月28日 (水)

hmv.co.jpがお届けするカウントダウン企画「Top 100 Albums」の26位は、 ロック界指折りの天才ギタリストであり、またエリック・クラプトンジミー・ペイジとともに「英国ロックの3大ギタリスト」とも称されているジェフ・ベックが75年に発表した傑作『ブロウ・バイ・ブロウ』である。

ジェフ・ベックは1944年6月24日、イギリスのサリー州ウェストンに生まれた。工員をしていたベックが初めてのバンドを組むのは1962年、18歳の頃だった。ザ・ナイト・シフトを結成したベックは、フェアグラウンドでのギグをはじめとしてライヴ活動を開始。当時バンドはエディ・コクランジーン・ヴィンセントなどを演奏していた。またこの頃、ベックは妹の紹介でジミー・ペイジと出会ったという。

1963年夏、ジェフ・ベックはシリル・デイヴィス率いるオールスターズに参加し、初めてレコーディングを体験。またその直後にトライデンツというバンドに参加。トライデンツは、ジミー・ペイジが在籍したニール・クリスチャン&ザ・クルセイダーズロン・ウッド在籍のバーズ(Birds)などの前座を務めた。

当時、既にフィードバック奏法をマスターしていたと言われるベックは既に凄腕ギタリストとして評判を集めていた。 そしてベックジミー・ペイジの紹介により、エリック・クラプトンに代わる後任ギタリストとしてヤードバーズに参加する。

ベックは“ハートフル・オブ・ソウル”“ジェフズ・ブルース”といった名曲をヤードバーズ時代に残したが、突如骨髄膜炎で入院、夏には扁桃腺炎を患い、さらに秋にはそれを再発させ再び入院。1966年暮れに健康上の理由でヤードバーズを脱退した。しかし、脱退語すぐにベックはソロ・アーティストとしてレコーディングを開始。1967年に入ると、自らヴォーカルも披露するソロ第一弾シングル“ハイ・ホー・シルヴァー・ライニング”を発表。これが全英14位となるヒットを記録し、彼は自らのバンドを率いライヴ活動も開始した。またこの時期、先の曲に加え、“タリー・マン(Tallyman)”(全英30位)、“恋は水色(Love Is Blue)”(全英23位)とシングル・ヒットを放っている。

1968年春、ベックはソロ時代に関わった面々を中心に、第一期ジェフ・ベック・グループを結成。ベックのほか、ロッド・スチュワート(vo)、ロン・ウッド(b)、ミッキー・ウォーラー(ds)という布陣で制作されたアルバム『トゥルース』を同年8月に発表。また前後してグループはアメリカを中心にツアーを廻るが、1969年2月にロン・ウッドとミッキー・ウォーラーが突如脱退。グループは新たにトニー・ニューマン(ds)、ダグラス・レイク(b)、ニッキー・ホプキンス(p)を迎えたが、ダグラスが僅か一ヶ月でクビ。ロン・ウッドを再び迎え入れ次作の制作に入る。その作品 『ベック・オラ』は同年の6月に発表されたが、果たしてこの作品は好意を持って迎えられ大反響を得ることになった。そして、その後グループはアメリカ・ツアーを行うが、ここではレッド・ツェッペリンとの共演も実現する。しかしグループはそのツェッペリン人気にあてられる格好となり、そのショックもあって第一期ジェフ・ベック・グループはいきなり解散してしまうのだった。

後にベックは第二期ジェフ・ベック・グループやBBAを結成するがいずれのバンドも長続きすることはなかった。
再びソロ・アーティストとなったベックは、1975年に初のソロ・アルバム『ブロウ・バイ・ブロウ』を制作。このアルバムにはフィル・チェン(b)、リチャード・ベイリー(ds)、そしてかつてジェフ・ベック・グループに在籍していたマックス・ミドルトン(key)が参加。この壮絶なギター・インストゥルメンタル作品は、なんと全米4位を記録するインスト作品としては異例の大ヒットを記録した。

『ブロウ・バイ・ブロウ』ジミー・ペイジをして「ギタリストのギタリストによるギタリストのためのアルバム」と絶賛させたほどの革新性に満ちたギター・アルバムだ。マイルス・デイヴィスの『ビッチズ・ブリュー』に衝撃を受けて制作したとされる所謂フュージョン的な作品であり、プロデュースは5人目のビートルズとも呼ばれるジョージ・マーティンが担当している。1974年の秋に開始されたレコーディグ・セッションに参加したのはベックに加え、第二期JBGの中心人物だったキーボード奏者のマックス・ミドルトンとフィル・チェン(b)、リチャード・ベイリー(ds)の3人。リズム隊の二人は当時無名の存在だったが、抜群のフィーリングとテクニックを備えていた。特にベイリーは当時弱冠18歳!彼のハイハットの切れ具合は特筆すべきだろう(後にアシッド・ジャズ・グループ、インコグニートでもその腕前を披露している)。フュージョン的な作品と前述したが、『ブロウ・バイ・ブロウ』は「ながら」で聴けるようなヤワな音楽ではない。聴きドコロが多すぎて、どうしても音が耳をスルーしないのだ。“シーズ・ア・ウーマン”ではベックが考案したというトーキング・モジュレーター(ギターの音をパイプなどを通してプレイヤーの口の中に出音、共鳴させヴォーカル用マイクで音を拾うシステム)を使用しており、あたかも人間が喋っているかのようなギター・サウンドを披露。“スキャッター・ブレイン”ではベックのテクニシャンとしての一面が窺える。“悲しみの恋人達”はエモーショナルに感情移入されたプレイが堪能できる。発表当時の75年、このアルバムには『ギター殺人者の凱旋』という的外れで誰もがたじろいでしまうような邦題がつけられていたが、聴き込むうちになかなかどうして言い得て妙のような感じがしないでもない。

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発売日:2001年03月27日
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