Top 100 Albums - No.44

2004年4月10日 (土)

前作デビュー・アルバム『ディフィニトリー・メイビー』がイギリスで大ヒットを記録し、日本でも大注目を集めることとなったオアシスが全米をはじめとし世界中に自分たちの名前を広めることとなったセカンド・アルバムが1995年リリースの『モーニング・グローリー』

このアルバムはいわずと知れた90年代ロック・シーンを代表する1枚となるのだが、アルバムのリリース時の大狂乱ぶりはすごかった。もともとマスコミが煽った「ブラーVSオアシス」の影響もあったのだが、イギリスでは発売日に日付が変わると同時に売り出す店も続出したりしたこともあって「イギリス史上最も売れ行きの早いアルバム」記録を樹立してしまったのだ。

前作の大成功を受けておこなった初のアメリカ西海岸でのライヴの後94年12月にストリングス・アレンジが印象的な『ホワットエヴァー』のリリース、ノエルのポール・ウェラーのアルバム『スタンリー・ロード』へ参加したのを挟み1995年4月にシングル『サム・マイト・セイ』をリリース。そして8月にアルバムからのリード・シングルとなる『ロール・ウィズ・イット』をリリースした2ヵ月後、前作から約2年を経て待望のセカンド・アルバム『モーニング・グローリー』を発表した。

このアルバムからドラマーがオリジナル・メンバーだったトニー・マッキャロルからスタイル・カウンシルのスティーヴ・ホワイトの弟アラン・ホワイトへ交代している。交代というかトニーがギャラガー兄弟によって解雇されたのだが、これはこれからのオアシスの活動の上で最もな選択だったのではないだろうか?というのも、前作は楽曲のクオリティは最高なものだったのに対しドラムの音がすかすかで軽すぎてしまい曲によってはリズムがイマイチなものもあったからだ。このアランへの交代でアルバム全体のサウンドは厚みを増しより一層メロディが引き立つこととなった。

このアルバムを一言で片付けてしまうのならば、「飽きないアルバム」という風になるだろう。これといって新しい手法を取り入れているわけでもなく、本人たちも公言しているとおりビートルズへの憧れというのが大きいのでモロに影響を受けているような楽曲もあるのだが、やはりノエルのソングライティング・センスがただただ素晴らしく光っている。これは同年代のソングライターの中ではダントツの才能ではないだろうか。

アルバムのオープニングを飾るにふさわしい分厚いギター・サウンドに哀愁のあるサビが特徴の“ハロー”からはじまり、先行シングルでブラーと戦った“ロール・ウィズ・イット”のキャッチーで耳に残るメロディでグット惹きつけられると“ワンダーウォール” 、そしてオアシス史上不朽の名曲バラード“ドンと・ルック・バック・イン・アンガー”と続く。この“ドント・ルック・バック・イン・アンガー”はあまりの出来の良さにリアムに歌わせるのはもったないしイメージが違ってくるということでノエルがヴォーカルをとっている。これはノエルで正解。リアムの押しの強いヴォーカルだと曲の表情が単調になってしまっていたことだろう。

ちょうどアルバム半分の6曲目というところでインストの曲が入り前半が終了(このインストは確か“ワンダーウォール”のシングルに“スワンプ・ソング”としてフル・ヴァージョンが収録されているはず)。ここまででもお腹いっぱいな感じなのだが後半のハイライトの1つともいえる“サム・マイト・セイ”では伸びやかなリアムのヴォーカルと音の広がりが成長の著しさを感じさせるオアシスらしいナンバーを披露している。そしてアルバム中一番ポップで軽快な“シーズ・エレクトリック”、イントロや間奏部分にヘリコプターの音らしきものを取り入れたアルバム・タイトル曲“モーニング・グローリー”、そして引き続く形で6曲目と同じインストが入り、最後に “シャンペン・スーパーノヴァ”へと続くのだが、この曲にはノエルと師弟関係が結ばれたポール・ウェラーがギターとバック・コーラスで参加していてアルバムを締めくくるのには最高の壮大なバラードとなった。

このアルバムは全世界で1200万枚以上のセールスを記録しイギリスのバンドではなかなか難しいといわれている全米制覇も成し遂げた。ビートルズが登場したときにその世代の方がビートルズのメロディに魅せられたのと同じで、90年代の若者はビートルズ世代と同じ衝撃をオアシス、そしてこのアルバムに受けたのだ。

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ユーザー評価 : 4.5点 (283件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥2,739
会員価格(税込) : ¥2,520

発売日:1995年10月03日

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