Top 100 Albums - No.63

2004年3月22日 (月)

1970年、ドイツ西部の工業都市ドュッセンドルフで誕生した「発電所」という名を持つグループ。それがクラフトワーク (ドイツ語読みだとクラフトヴェルク)だ。日本のYMOに影響を与えたことや、テクノ・ポップのルーツとして語り継がれ、今なお第一線で活躍している。2003年には新作『ツールド・フランス・サウンドトラック』をリリースし、健在振りをアピールした。

クラフトワークはラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーの二人を中心としたバンドで、結成から現在に至るおよそ四半世紀の間に幾度ものメンバー・チェンジを行っている。70年代後半以降は各メンバーのキャラクターを意図的ににぼやけさせることで、バンド内の役割や立ち位置を曖昧にさせているが実権を握っているのは、ヒュッターとシュナイダーの二人に間違いない。その二人が最初に結成したバンドはオルガニザツィオーン(Organisation)という即興性の強い前衛的な実験バンドであり、アルバムも1枚リリースしているが商業的に成功することなく、このアルバム1枚でバンドを解散させている。オルガニザツィオーンの解散の後にヒュッターとシュナイダーすぐさま結成したバンドがクラフトワークである。

『アウトバーン』クラフトワークのディスコグラフィーの中で最も重要なターニング・ポイントとなった74年発表の4thアルバム。つまり2004年の今年で30周年を迎えることになるのだ(なにか記念盤出ないかなぁ、そろそろ紙ジャケとか!)。

『クラフトワーク1』『クラフトワーク2』『ラルフ&フローリアン』(いずれもメンバーの意向により未CD化)という3枚のアルバムで繰り返された実験的な試みがここにきて実を結んでいる。『アウトバーン』はそこかしこに実験的な側面を残してはいるが、一聴した印象は非常にキャッチーでポップ。クラフトワーク史上初のコマーシャル・ヒットを記録した作品なのだ。
圧巻なのは何と言ってもタイトル・トラックの“アウトバーン”。LP時代にはA面の溝を全て埋め尽くしたこの曲はなんと23分にも及ぶ。ドイツに実在する高速道路をイメージしたというこの曲は、当時車一台分の値段はするというブルジョア・アイテムだったミニ・ムーグを導入し、ドラム・マシーンとシーケンサーの反復リズムを軸にして作られたもの。反復するリズムにシンセサイザーによる自動者のノイズ、そして「僕らはアウトバーンを走る、走る、走る」という執拗に繰り返されるフレーズでもって不思議なトリップ感覚を醸し出している。
LPのB面に当たるM2〜M5は組曲となった4曲から構成されている。“アウトバーン”と打って変わって前3作を踏襲するような実験的なアプローチが全面的に押し出されている(M2は比較的ポップだが)。

『アウトバーン』は当時、母国ドイツのみならず、イギリスやアメリカでもトップ5入りするヒットを記録している。

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発売日:1995年11月08日

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