Top 100 Albums - No.11

2004年5月13日 (木)

近年再評価が著しいジョージ・ハリスン。東洋思想に深い影響を受け、どこかシャイで落ち着いた佇まいを持っていたジョージ・ハリスンは日本のビートルズ・ファンに愛される親しみ易い存在だった。圧倒的な才能だったジョン・レノンポール・マッカートニーに次ぐ、ビートルズ第三の男としての地位から、徐々に自分の音楽に磨きをかけ頭角を表わしてきた部分に共感を覚えるファンも少なくないだろう。

そのジョージ・ハリスンが1970年10月に発表した『オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)』が今回ご紹介する11位にランク・インした作品だ。

ビートルズのリード・ギタリストとして、またバンド後期から作曲面でも実力を発揮し始めたジョージ・ハリスンは、ビートルズ解散後の70年5月から約4ヶ月にわたりフィル・スペクターとの共同プロデュースというかたちでレコーディングした初ソロ・アルバム。――それ以前の1969年にはサウンドトラック 『不思議の壁(Wonderwall)』『電子音楽の世界(Electric Sound)』をアップル・レコードから発表しているのだが本格的なものとなるとこのした『オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)』なので初ソロ・アルバムと呼ばせていただく。

アナログ盤でリリースされていた時代には3枚組という大作で、歌メロの何十倍も饒舌に語るイントロの高音域のスライド・ギターが印象的なジョージらしい名曲“マイ・スウィート・ロード”(76年にこの曲はシフォンズの“ビーズ・ソー・ファイン”の盗作と認定され58万7千ドルを支払うように命じられた)や“イズント・イット・ア・ピティ”、フィル・スペクターがプロデュースした“ワー・ワー”などに代表される「音の壁」70年代的展開がポップス・ファンの間でも話題となった。因みにLPの3枚目はのちのデレク&ドミノスを中心としたジャム・セッションとなっている。

3枚組という大作ながらも“オール・シングス・マスト・パス”というキャッチーな名曲を収録してあるということもあり全米でナンバーワン、全英で最高4位を記録するヒット作となった。
音楽的にも高い評価を受け、信頼感を得たジョージは翌1971年8月1日にはジョージのシタールの師ラヴィ・シャンカールの要請でNYマジソン・スクエア・ガーデンにて「バングラ・ディシュ救済コンサート」を主催している。(リンゴ・スターボブ・ディランエリック・クラプトンレオン・ラッセルいった錚々たるメンバーが揃った)

そして2001年1月にした『オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)』の発売から30周年を記念した『オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)』">『オール・シングス・マスト・パス〜ニュー・センチュリー・エディション』を発表して再びファンの心を熱くさせた。ここには2000年にジョージが録音した“マイ・スウィート・ロード2000“や、未発表だった曲なども収録されていて、オリジナルではモノクロだったジャケットがカラー化されているのも話題となった。

2001年11月30日、ジョージ・ハリスンは癌のためこの世を去ったのだが、80年代後半辺りから、ギャラクシー500の“イズント・イット・ア・ピティ”のカヴァーや、そのギャラクシー500のプロデュースでも知られるシミー・レーベルのクレイマーがオール・シングス・マスト・パスのパロディ・ジャケを持つ作品を発表する(クレイマーは大のビートルズフリーク)など『オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)』は世代を超えたアーティストやリスナーにも愛される作品として、そしてこのアルバムを作ったジョージ・ハリスンが再評価されている。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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All Things Must Pass -Remaster

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発売日:2001年01月22日

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