Top 100 Japanese pops Artists - No.16

2003年11月15日 (土)

R.Cサクセションが、「The Remainders of The Clover Succession」だということをご存知だろうか?
ギンギンのメークに、粗々しい演奏、R.Cサクセションは、当時日本のロックンロールの象徴ともいえる存在だった。「い・け・な・いルージュ・マジック」で坂本龍一とキスして話題をさらった忌野清志郎を中心に、数々の伝説を残した彼らの歴史をちょっとだけご紹介。

70年代初頭、フォークが全盛期だった時代、テレビ番組『ヤング720』に主演したことから彼らの歴史は始まる。当時高校生であった忌野清志郎の甘く切ない恋の高揚感が綴られたデビュー曲「宝くじは買わない」、セカンドシングル「涙でいっぱい」、思春期的焦燥感あふれる「2時間35分」、初のヒット(?)シングルとなった「ぼくの好きな先生」など、本当に素敵なフォーク・ナンバーを数多く輩出している。が、しかし当時のセールス的にはまったくであった。

RCは、数々のミュージシャンとの交友から、その存在感を強めていったバンドでもある。当時、まだ古井戸として活躍していた仲井戸麗市(78年に加入)や井上陽水カルメンマキ&OZのギタリスト春日博文など、多くのミュージシャンが彼らの周りに集まった。そして、清志郎のブラック・ミュージック志向が嵩じて、音楽性を徐々にシフト・チェンジさせていく。

76年には、日本ロック史に燦然と輝くR&Bナンバー「スローバラード」、タワー・オブ・パワーも参加した強力作「シングルマン」をリリース。しかし、人気としてはまだ高いものではなかった。そして77年には、オリジナル・メンバーの破廉ケンチ(g)が脱退してしまう。そしてこの頃より、清志郎はグラム・ロックを意識したド派手なステージングを繰り広げ、徐々に話題の存在となっていく。

80年代になり人気はうなぎ昇り。パンクや竹の子族のムーブメントと重なったのも勝因の一つであろう。逆に言うと、それだけカンチガイしていた人も多かった。しかし、日比谷野音や武道館でコンサートを行う人気を獲得していた。また81年には、名曲「トランジスタ・ラジオ」を含むPleaseを世に送り出す。この作品はヒットし、日本全国のロック・ファンから、絶大な支持を獲得する契機となった。
また82年、清志郎と当時YMOで人気絶頂であった坂本龍一との共演シングル「い・け・な・い・ルージュ・マジック」が大ヒットを記録。社会現象とまで言える一大ブームとなり、知名度を爆発的にアップさせていった。しかし、連日のプロモーション活動、から騒ぎするファン、マスコミ、文化人らに清志郎は嫌気が刺して来て、対人恐怖症の傾向を見せ、サングラスをマジックで塗りつぶしてかけるといった行動を取るようになる。また、母親の危篤も追い打ちをかける。

84年にはレコード会社が本人達に無断で発売した「EPLP-2」、怒ったメンバーがライブなどで「買わないように」とファンに呼びかける。レコードは廃盤。この事件を境に、R.Cサクセションは事務所を離れ独立する。

こうしてライヴ・バンドとして、ヒット・メイカーとして、もはや押しもおされぬビッグ・アーティストとなった忌野清志郎、そしてRCサクセション。しかし、そこにあぐらをかくことなくアグレッシヴな姿勢をまったくくずさなかったところがすごい。それが顕著となったのが、88年のCoversにおける社会批評に富んだ詞作を巡る発売中止騒動であろう。当時の所属レコード会社・東芝EMIがカバー・アルバムCoversを発売禁止にする。理由は不明。数日後にキティ・レコードより発売。反戦・反核のメッセージの込められた内容が話題となった。オリコン1位を獲得。

さらに、清志郎(ZERRY)、三宅伸治(TOPPI)らによる覆面バンド、TIMERSが「夜のヒットスタジオRN」に生出演した際、予定曲を突如変更し、FM東京を批判:抗議する内容の歌を歌うという事件もおきた。歌詞中には、一般的に放送禁止とされている身体一部の名称の俗語を盛り込むなど徹底していた。FM東京のCOVERS全曲F放送禁止か、あるいは清志郎作詞作曲の歌が放送禁止にされた事への抗議が込められていたという。

そして90年、傑作『Baby a Go Go』を最後に20年以上に渡るアツき活動に終止符を打った。忌野清志郎は、2000年に、デビュー30周年を迎えているのもまたすごい。

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発売日:2011年11月23日
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