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Organ Works Vol.2 : Giorgio Benati, Fausto Caporali, Alessandro Perin (5CD)

Langlais, Jean (1907-1991)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
BRL96361
Number of Discs
:
5
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description


優秀録音によるオルガンの大型企画!

ラングレー: オルガン音楽 第2集(5CD)
ジョルジョ・ベナーティ、ファウスト・カポラーリ、アレッサンドロ・ペリン (オルガン)


CD20枚以上になる予定の大型プロジェクトの第2弾。ラングレーの弟子だったオルガニストのジョルジョ・ベナーティが監修し、ブックレットの解説もベナーティが執筆。レコーディングは音楽のスタイルや要件に適した楽器をイタリアの様々な教会から選んでおこなわれ、ベナーティのほか、ファウスト・カポラーリとアレッサンドロ・ペリンも加わって膨大なラングレーの遺産に挑んで行きます。

ラングレーの作風を捉え切った優秀録音
ラングレーの作品には、カトリック圏オルガンならではの壮大な音響を聴けるものも多く、また、ラングレーはペダルの達人でもあっただけに、オルガンならではの低音の魅力も満載ですが、このシリーズの録音では、弱音から轟音までリアルな質感で収められており、オルガン低音の心地良さに浸れる場面が多いのも朗報です。
  その他、内省的な静寂系の音楽や、多彩なレジストレーションを駆使する曲などもあって、録音はなかなか大変そうですが、ここではオルガン録音で実績豊富なフェデリコ・サヴィオがプロデューサーとエンジニアを兼ねて万全のサウンドをつくりだしています。

ブックレットとケース
英文ブックレット(32ページ)には、オルガンや演奏家のカラー写真が掲載されていて参考になります。監修者で演奏者のベナーティによる解説もすっきり読みやすいものです。ケースは一般的なサイズ(厚さ24o)のプラスチック(ポリスチレン)製で、5枚収納のマルチ仕様となっています。

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 演奏者情報

ファウスト・カポラーリ (オルガン)

1958年、クレモナで誕生。ミラノのG.ヴェルディ音楽院でジャンフランコ・スピネッリに師事し、1981年にオルガンおよびオルガン作曲のディプロマを取得。続いてヴァティカンの教皇庁付属アンブロジアーノ音楽院で学び、1983年にグレゴリオ聖歌のマエストロの称号を取得。
  その後、大学院課程在籍中に、ハラルト・フォーゲル (北ドイツのバロック・オルガン音楽)、アンドレ・イゾワール (バロック期のフランス音楽)、リオネル・ロッグ (バッハ、モーツァルト、即興演奏)、マル=クレール・アラン (バッハ、アラン)、ダニエル・ロト (フランス近代の交響的音楽)などを学び、ダニエル・ロトからはパリで個人的な指導も受けています。
  学業終了後、メシアンを研究し、彼のオルガン作品に関する論文を執筆。著書はほかに「オルガン即興演奏の理論と実践の方法」、「オルガン即興演奏の前衛的な手法」があるほか、バロック作曲家の未発表曲を集めた出版物の編集にも携わっています。
  研究と並行してコンクールにも出場し、1995年と1997年にビアリッツのオルガン即興コンクールで共に第2位、1996年にヴァレンナで開催されたAGIMUS作曲コンクールで第3位を獲得。
  以後、ヨーロッパ各国でソロとアンサンブルの両方で活動しながら、作曲や教育、批評もおこなっています。
  現在、クレモナ大聖堂大オルガンの第1奏者であり、トリノ音楽院でオルガンとグレゴリオ聖歌について教えています。
  CDは、Brilliant Classics、Bel Air Music、MV Cremonaなどから発売。


アレッサンドロ・ペリン (オルガン)

1984年、パドヴァ近郊のコンセルヴェで誕生。パドヴァ・ポリーニ音楽院でオルガンとオルガン作曲の修士号を取得し、パドヴァ大学で古典文献学を修了。その後、ヴェローナ・ダッラーバコ音楽院でロベルト・ロレッジアンに師事してチェンバロの修士号を取得し、ハンブルクの音楽演劇大学でヴォルフガング・ツェラー教授とメンノ・ファン・デルフト教授に師事してオルガンの修士号を取得。さらに、アンドレア・マルコン教授の指導のもと、スコラ・カントルム・バジリエンシスの上級コースでも学んでいます。
  2015年、パドヴァのサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂のオルガニストに就任。
  CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Tactusなどから発売。


ジョルジョ・ベナーティ (オルガン)

1953年、ヴェローナ近郊のノガローレ・ロッカで誕生。ミラノ音楽院でエミリア・ファディーニにチェンバロを、ヴェローナ音楽院でアントニオ・ザノンに作曲を師事。オルガンについては、ジャン・ラングレー、アントン・ハイラー、トン・コープマンの指導を受けながら、17歳からオルガニストとしての演奏活動を開始。イタリア各地のほか、パリ、ベルリン、ザルツブルク、ウィーン、リンツ、ストックホルム、ミュンヘン、マドリード、バルセロナ、サラゴサ、リスボン、ブダペスト、ブカレスト、モスクワ、プラハ、ワルシャワ、クラクフ、ニューヨークなどで演奏。
  活動10年目の1980年には、27歳でヴィチェンツァ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。4年後には他の音楽院でも教えるようになり、1994年には、ブレシアのルカ・マレンツィオ音楽院のオルガンおよびオルガン作曲の教授に就任。
  CDは、Da Vinci Classics、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。



 トラックリスト (収録作品と演奏者)

ジャン・ラングレー [1907-1991]
オルガン音楽 第2巻

CD1 75'45
交響曲第3番
1. I. 序奏 5'36
2. II. カンタービレ 8'31
3. III. 間奏曲 1'54
4. IV. ニューヨークの日曜日の朝 8'03
5. V. 雷雨 5'30

2つのオフェルトワール(奉献唱)
6. I. ミサ曲「星空の創造主」のパラフレーズ 4'55
7. II. ミサ曲「大いなる力を持つ神よ」のパラフレーズ 5'17

ブルターニュの8つの歌
8. I. 「天国」 3'03
9. II. 「ロザリオを唱えよ」 2'44
10. III. 「お告げの祈り」 4'51
11. IV. 「ブルターニュのクリスマス」 4'03
12. V. 「イエス、祝福されしわが救世主」 4'31
13. VI. 「イエスは私たちに祈るように言われる」 2'50
14. VII. 「銀の葉を持つユリ」 3'42
15. VIII. 「永遠について考えよ」 3'47

16. ◆ 「羊飼いの歌」 2'33

17. ◆ 「賢者の祈り」 3'45

ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日〜10月2日、ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会

CD2 73'28
「中世組曲」(低音ミサ形式)
1. I. プレリュード 2'49
2. II. ティエント 3'10
3. III. インプロヴィゼーション 1'37
4. IV. 瞑想 4'02
5. V. 喝采 5'38

「ソロ・ペダルのための7つの演奏会用練習曲」
6. I. 半音階 3'56
7. II. 対位法 1 4'14
8. III. 交替 4'11
9. IV. 対位法 2 5'35
10. VI. スタッカート 3'08
11. VII. トリル 5'09
12. VIII. アレルヤ 6'20

13. ◆ 「幸福の詩」 7'22

「三部作」
14. I. メロディー 5'22
15. II. トリオ 5'05
16. III. 終曲 5'10

アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日〜12月1日、パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂
CD3 71'50
「モザイク 1」
1. I. 「ガブリエル・フォーレのための石碑」 4'06
2. II. 「バッファロー・ビルの墓にて」 4'55
3. III. 「2人のオルガン奏者のための二重幻想曲」* 9'47
4. IV. 「ボーイズ・タウン、平和の場所」 6'17

3つのオフェルトワール(奉献唱)
5. I. 4'45
6. II. 6'01
7. III. 6'03

「聖なる三位一体についての3つの黙想」
8. I. 第1のペルソナ 父 5'05
9. II. 第2のペルソ 子 5'56
10. III. 第3のペルソ 聖霊 5'37

11. ◆ 「棕櫚の祝日」 7'05

12. ◆ 「聖なる日のための呪文」 6'04

ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
ルチアーノ・カルボーネ(第2オルガン/トラック3)
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院
CD4 72'55
交響曲第1番
1. I. アレグロ 10'28
2. II. 牧歌 7'48
3. III. コラール 5'33
4. IV. フィナーレ 9'51

聖三位一体の祝日礼拝
5. I. 入祭唱の前に 1'08
6. II. 奉献唱の後に 4'47
7. III. 聖体拝領の後に 4'45
8. IV. 聖体降福の後に 2'41

聖家族の礼拝
9. I. 入祭唱の前に 1'47
10. II. 奉献唱の後に 4'31
11. III. 聖体拝領の後に 2'34
12. IV. 聖体降福の後に 2'48

ファウスト・カポラーリ(オルガン)
使用楽器:ルッファーティ・オルガン(2000年建造)
録音:2023年5月24日〜10月2日、ミラノ、ヴィラ・コルテーゼ、サン・ヴィットーレ教区教会

2つの短い作品
13. ブレーヴェ I 3'44
14. ブレーヴェ U 2'06

簡単な3つの作品
15. I. リブレ 2'56
16. II. レチタティーヴォ 3'23
17. III. アレグロ 1'55

ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院

CD5 69'52
1. ◆ 祝祭 5'56

グレゴリオ聖歌風3部作 5'19
2. I. 薔薇の神秘 5'43
3. II.天国にて 7'55
4. III. アレルヤ 9'30

5. ◆ 2つの古いスコットランド民謡による幻想曲 9'30

民謡組曲
6. I. 「おお、子らよ」によるフーガ 4'05
7. II. 聖ニコラスの伝説 4'01
8. III. 賛美歌 4'51
9. IV. カンツォナ 3'08
10. V. 2つのクリスマスのラプソディ 6'36

アレッサンドロ・ペリン(オルガン)
使用楽器:タンブリーニ・ボナート・オルガン(1967年建造、1999年修復)
録音:2023年6月17日〜12月1日、パドヴァ、アーバノ・テルメ、サン・ロレンツォ大聖堂

11. ◆ ミニアチュールU 2'53

特徴的な3つの作品
12. I. 牧歌〜前奏曲 2'18
13. II. 間奏曲 4'07
14. III. 鐘 3'20

ジョルジョ・ベナーティ(オルガン )
使用楽器:ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年建造)
録音:2023年3月17日、5月26日、10月20日、イタリア、イーゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院
 Track list

Jean Langlais 1907-1991
Organ Music volume 2

CD1 75'45
TROISIÈME SYMPHONIE
1. I. Introduction 5'36
2. II. Cantabile 8'31
3. III. Intermezzo 1'54
4. IV. Un dimanche matin à New York 8'03
5. V. Orage 5'30

DEUX OFFERTOIRES pour tous les temps
6. I. Paraphrase de la messe “Stelliferi conditor orbis” 4'55
7. II. Paraphrase de la messe “Magnae Deus potentiae” 5'17

HUIT CHANTS DE BRETAGNE
8. I. Le Paradis 3'03
9. II. Disons le Chapelet 2'44
10. III. Angélus 4'51
11. IV. Noël Breton 4'03
12. V. Jésus, mon Sauveur béni 4'31
13. VI. Jésus nous dit de prier 2'50
14. VII. Aux lys avec leurs feuilles argentées 3'42
15. VIII. Pensez à l'éternité 3'47
16. CHANT DES BERGERS 2'33
17. PRIÈRE DES MAGES 3'45

Fausto Caporali organ (a)


CD2 73'28
SUITE MÉDIÉVALE en forme de Messe Basse
1. I. Prélude2'49
2. II. Tiento 3'10
3. III. Improvisation 1'37
4. IV. Méditation 4'02
5. V. Acclamations 5'38

SEPT ÉTUDES DE CONCERT pour pedale seule
6. I. Chromatique 3'56
7. II. Contrepoint 1 4'14
8. III. Alternances 4'11
9. IV. Contrepoint 2 5'35
10. VI. Staccato 3'08
11. VII. Trilles 5'09
12. VIII. Alleluia 6'20

13. POEM OF HAPPINESS 7'22

TRIPTYQUE
14. I. Melody 5'22
15. II. Trio 5'05
16. III. Final 5'10

Alessandro Perin organ (b)


CD3 71'50
MOSAÏQUE 1
1. I. Stèle pour Gabriel Fauré 4'06
2. II. Sur le tombe de Buffalo Bill 4'55
3. III. Double Fantaisie pour deux organistes* 9'47
4. IV. Boys town, lieu de paix 6'17

TROIS OFFERTOIRES
5. I. 4'45
6. II. 6'01
7. III. 6'03

TROIS MÉDITATIONS SUR LA SAINTE TRINITÉ
8. I. Première Personne Le Père 5'05
9. II. Deuxième Personne Le Fils 5'56
10. III. Troisième Personne Le Saint Esprit 5'37

11. DOMINICA IN PALMIS 7'05
12. INCANTATION pour un jour saint 6'04

Giorgio Benati organ (c)
* Luciano Carbone 2nd organist


CD4 72'55
PREMIERE SYMPHONIE
1. I. Allegro 10'28
2. II. Eglogue 7'48
3. III. Choral 5'33
4. IV. Final 9'51

OFFICE DE LA FETE DE LA SAINTETRINITE
5. I. Ante Introitum 1‘08
6. II. Post Offertorium 4‘47
7. III. Post Communionem 4'45
8. IV. Post Benedictionem 2'41

OFFICE POUR LA SAINTE FAMILLE
9. I. Ante Introitum 1'47
10. II. Post Offertorium 4‘31
11. III. Post Communionem 2'34
12. IV. Post Benedictionem 2'48
Fausto Caporali organ (a)

DEUX PIECES BREVES
13. Breve I 3'44
14. Breve II 2'06

TROIS PIECES FACILES
15. I. Libre 2'56
16. II. Recitatif 3'23
17. III. Allegro 1'55

Giorgio Benati organ (c)

CD5 69'52
1. FETE 5'56

TRIPTYQUE GREGORIEN 5'19
2. I. Rosa mystica 5'43
3. II. In Paradisum 7'55
4. III. Alleluia 9'30

5. FANTASY ON TWO OLD SCOTTISH THEMES 9'30

FOLKLORIC SUITE
6. I. Fugue on “O filii" 4'05
7. II. Legende de Saint Nicolas 4'01
8. III. Cantique 4'51
9. IV. Canzona 3'08
10. V. Rhapsodie sur deux Noels 6'36

Alessandro Perin organ (b)

11. MINIATURE II 2'53

THREE CHARACTERISTIC PIECES
12. I. Pastorale-Prelude 2'18
13. II. Interlude 4'07
14. III. Bells 3'20

Giorgio Benati organ (c)
Recordings: 24 May – 2 October 2023, Parish church of San Vittore M., Villa Cortese (Milan);
17 June – 1 December 2023, Duomo of San Lorenzo, Abano Terme (Padua);
17 March – 26 May – 20 October 2023, Abbey of Santo Stefano, Isola della Scala (VR), Italy



 作曲者情報

ブルターニュの村の生まれ
ジャン・フランソワ・ヤサント・ラングレーは1907年2月15日、ブルターニュ地方のラ・フォントネルに誕生。ラ・フォントネルは有名なモン・サン・ミシェルの南約18kmにあるごく小さな村落で、水道設備も無い辺鄙なところでしたが、「聖サムソンの泉」と呼ばれる湧き水が村人の生活を支えていました。
  父ジャンは26歳の石工、母フラヴィー(旧姓:カント)は24歳の裁縫師で、前年の1906年に結婚、最初に授かった子に対し、長男には父の名を、長女には母の名を付けるというこの地方の伝統に従い、ジャンと命名していました。


村の中心の教会の裏手の物件に居住
父ジャンは親戚から、村の中心にある教会の裏手の墓地に隣接した家を借り受け、母フラヴィーの両親と共に居住(下の画像)。1914年8月にはフランスが第1次大戦に参戦し、父ジャンも衛生隊の担架兵として徴用、翌1915年5月に長女のフラヴィーが生まれ、終戦2年後の1920年には次男ルイ、その5年後の1925年には三男のアンリが誕生しています。


2歳で失明
ラングレーは生後6か月から先天性乳児緑内障の最初の症状に襲われ、治療の甲斐もなく2歳のときに失明。
  母は幼いラングレーが買物に行けるように訓練し、やがて500メートル離れた泉までバケツで水を汲みに行く体力も備わります。

公立小学校に通学
ラングレーは6歳からは1人で公立小学校に通い始め、集団生活の中で感覚と行動力が鍛えられた結果、自転車に乗ったり、木に登ったり、輪回しをしたりして友人たちと遊ぶことができるようになります。
  しかし普通の学校の教師(と教材)では、視覚障碍者向けの教育をおこなうことはできなかったため、ラングレーが理解できるのは、口頭でおこなわれる算数や歴史の授業などに限られるなど学業の面では大きな問題がありました。

遠縁の軍人からの支援によりフランス国立パリ盲学校行きが決定
公立小学校で不十分な教育を受けていたラングレー少年のことを知り、行動を起こしたのが遠縁の親戚でパリに赴任したばかりのジュール・ラングレー大尉でした。ジュール大尉は、フランス国立パリ盲学校への入学を勧めますが、父ジャンの徴兵により経済的に困窮していたラングレー家にはその資金が無かったため、大尉が奨学金を手配し、制服や靴、衣服などの付帯費用については大尉が負担するということで話を決定。この時点でラングレー少年は点字も知らなかったため読み書きができず、また、音楽についても何も知らないも同然の状態だったので、ジュール大尉の慧眼は驚くべきものでした。


フランス国立パリ盲学校
1917年11月、傷病兵の治療施設として3年間利用されていたフランス国立パリ盲学校の活動が再開されます。しかしドイツとの戦闘はまだ続いており、1918年3月には巨大な「パリ砲」がパリから約120km離れた地点でパリへの砲撃を開始。以後、長さ1メートル以上、重さ約100kgもある21p口径の巨大な砲弾が8月までの5か月間に300発以上もパリに向けて撃ち込まれ、中には盲学校から200メートルほどの場所に着弾したものもあり、入学間もない10歳のラングレーたちを怖がらせたものでした。


スペイン風邪
そして当時のもうひとつの脅威である「スペイン風邪」についても、発生源のアメリカから軍の大部隊と共に最初に持ち込まれたのがフランスだったこともあって感染の勢いも激しかったようで、ラングレー少年も罹患して苦しみますが、軍と違って優先的なアスピリン投与(過剰)の対象とならなかったこともあってか、ほどなく回復しています。

全寮制教育
当時この学校は全寮制で、1日10〜11時間の授業を10年間続けることにより、一般教養、音楽のほか、職業訓練までカバーするカリキュラムをこなし、盲人が社会で活動できるように育成する責任も担っていました。
  ラングレーは、ヴァイオリン、ピアノ、ソルフェージュ、和声、作曲、オルガン、ハルモニウム、合唱(典礼学習)に加え、学内オーケストラでの年4回以上の演奏をこなし、職業訓練を免除されるほど優秀な成績を収めています。


アンドレ・マルシャル
オルガンと作曲、対位法、フーガ、即興演奏の授業は、1923年、16歳の時にアンドレ・マルシャル[1894-1980]のクラスに参加することで始まっていますが、ラングレーは1925年には師の信頼を得て、有名なパリ最古の教会、サン・ジェルマン・デ・プレ教会での代理演奏もおこなうようになります。
  また、オルガンと共に力を入れていたヴァイオリンでは、1926年7月の学内コンクールで1位(バッハ:無伴奏ソナタ第1番)を獲得するまでに上達していました。


ルーツはルイ16世の王立盲学校
この「フランス国立パリ盲学校」の歴史は、ヴァランタン・アユイ[1745-1822]が1784年に設立し、ルイ16世[1754-1793]が1786年に認可して資金を出した生徒数120名の王立盲学校に始まっています。同校は世界初の大規模な盲学校で、早くから音楽教育もおこなわれた結果、19世紀半ばには30人もの盲目のオルガニストがフランス各地の教会や学校で働いていたという盛況ぶりで、その中には、6点点字発明者のルイ・ブライユ[18509-1852]の名もあります。

研ぎ澄まされた鋭敏な聴覚
乳幼児期に視力を失った人間の聴覚が非常に優れていることは、最近、パスカル・ブランらの科学的研究によっても証明されていますが、そうした研究に頼らずとも音楽の世界ではすでに自明のことでもあったようで、たとえばセザール・フランクは1884年にフランス国立パリ盲学校にカヴァイエ=コル・オルガンを奉納したほか、パリ音楽院などで盲人の音楽教育に情熱的に取り組んで、優れた音楽家を数多く育成してもいました。


パリ音楽院入学
1926年、盲学校のマルシャルはラングレーに対し、パリ音楽院に進めるよう検討していると伝え、ほどなくウジェーヌ・ジグー[1844-1925]の後任としてパリ音楽院オルガン科教授に就任したばかりのマルセル・デュプレ[1886-1971]に対して、ラングレーの演奏を聴くように依頼します。結果は良好でしたが、新任のデュプレはまず前任者ジグーの6人の学生たちの指導を優先し、ラングレーがメシアン[1908-1992]と共に聴講生としてクラス入りするのは1927年春のことでした。ラングレーとメシアンはすぐに親しくなり、その友情は以後60年以上も続くことになります。そして秋にはガストン・リテーズらも聴講生として参加し、翌年には正式な授業がスタートしています。


パリ盲学校の善意
ラングレーとリテーズは2人とも金欠だったため、パリ盲学校は、2人が名誉ある卒業生であるとして滞在を3年間も特別に許可し、これにより宿泊、食事についての経済的不安が無くなり、練習にも困らなくなったことから、2人はパリ音楽院での勉強のほか、お金を得るための演奏活動にも力を入れることができるようになります。
  とはいえ教会関係の仕事は低報酬なものが多く、パリ郊外の教会から打診されたオルガニスト職は月額100フランで、自腹交通費は110フランで赤字になるため話にならず、困っていたところに舞い込んだのが、毎週日曜日に午後4時から夜中まで近くのブラッスリーで演奏して欲しいという依頼でした。そこでラングレーはヴァイオリン、リテーズはピアノを担当して様々な曲を演奏し、1晩で300フランを稼げたことに大喜びしますが、残念ながら1か月ほどで終わっています。


マルセル・デュプレ
ラングレーがリテーズらと共に学んでいたマルセル・デュプレは、1日12時間を勉強や練習に割くよう要求する人物で、さらに1分の遅刻でも学生が教室に入ることを許さない厳格さで恐れられてもいました。
  そのため、盲学校の生活支援は有り難いものでしたし、さらに10年に及ぶ盲学校での準軍事的なほどの規律ある生活は、デュプレの分刻みの要求にも難なく応えることを可能にもしていました。
  また、ラングレーが盲学校にいた1920年には、デュプレはパリ音楽院でのリサイタルで、バッハのオルガン全曲を10回の連続公演で暗譜で演奏し、翌年には同じプログラムをパリのトロカデロ宮殿でも演奏するほどバッハに傾倒していましたが、それより古い音楽についてはあまり関心がなく、教会旋法もバッハのコラールと同じように扱ってしまうという当時一般的な考え方の持ち主でもありました。これはすでに盲学校でアンドレ・マルシャルからバッハより古い音楽についても十分に学んでいたラングレーにとっては、奇妙なことではありました。
  とはいえデュプレの教えは当時のクラシック楽壇の一般的な傾向を反映したものでもあり、デュプレはこのようなことも述べていました。「本当に重要な楽句では速度を落とし、フレーズのダイナミックな頂点となる和音は少し遅らせる必要があります。とはいえ、そうした方法を濫用することは、自分が演奏している作品に不誠実であることに他なりません。」


  ラングレーはデュプレの手法とはうまく距離を保ちながら、1930年には一等賞を獲得し、アレクサンドル・ギルマン賞受賞で500フランを得てもいました。
  また、シャルル・トゥルヌミール[1870-1939]のもとでは即興演奏を学んで1931年に「オルガン即興演奏グランプリ」を受賞。
  さらにポール・デュカス[1865-1935]に作曲を師事して1934年に作曲賞を受賞するという天才ぶりでした。

ノートルダム・ド・ラ・クロワ教会のオルガニスト
1934年、27歳のラングレーは、パリ最大級の教会のオルガニストに就任します。前任は同じく盲目のガストン・リテーズ[1909-1991]。ラングレーは1945年の終戦までの11年間、この巨大な教会で務めを果たしています。


フランス国立パリ盲学校
パリ音楽院卒業後、ラングレーは、母校のフランス国立パリ盲学校に就職。以後40年間に渡り、演奏活動と並行して同盲学校で教えることになります。


パリ・スコラ・カントルム
フランス国立パリ盲学校で教える一方で、ラングレーは1961年から1976年まではパリ・スコラ・カントルムでも教えており、ここでも多くの学生を育成していました。


サント・クロチルド大聖堂のオルガニスト
1945年、ラングレーは11年間務めたノートルダム・ド・ラ・クロワ教会での職務を終え、サント・クロチルド大聖堂のオルガニストに就任しています。この大聖堂のオルガニスト職は、セザール・フランクやトゥルヌミールも在職したパリの名門で、ラングレーは1987年まで42年間に渡って在職。


コンサート・オルガニスト
ラングレーの名声は次第に高まり、やがてコンサート・オルガニストとして世界的に活動するようになります。特にファンの多かったアメリカでは実に300回以上のコンサートを実施していました。

作曲
演奏と教育の両分野で精力的に活動していたラングレーは、同時に作曲にも取り組んでおり、1991年5月8日にパリで84歳の生涯を閉じるまでに、作品番号で254に及ぶオルガン曲、声楽曲、器楽曲など作曲していました。
  半世紀以上も教会オルガニストとして在職したラングレーの作風は、基本的には親しみやすいものですが、戦後は新古典主義、1960年代にはセリー主義など、同時代作曲界のイディオムを多少なりとも取り込む進取の姿勢が反映されているものもあり、時には驚くような音も聴こえてきます。




マルティヌー [1890-1959]
ミゴ [1891-1976] (ギター系も)
サントルソラ [1904-1994] (ギター系も)
ショスタコーヴィチ [1906-1975]
ラングレー [1907-1991] (オルガン系)
アンダーソン [1908-1975]
デュアルテ [1919-2004] (ギター系)
プレスティ [1924-1967] (ギター系)
ヘンツェ [1926-2012]
坂本龍一 [1952-2023]
【指揮者(ドイツ・オーストリア)】

アーベントロート (ベートーヴェンシューマンブルックナーブラームスモーツァルトチャイコハイドン)
エッシェンバッハ
カラヤン
クナッパーツブッシュ (ウィーン・フィルベルリン・フィルミュンヘン・フィル国立歌劇場管レジェンダリー)
クラウス
クリップス
クレンペラー (VOX&ライヴザルツブルク・ライヴVENIASボックス
サヴァリッシュ
シューリヒト
スイトナー (ドヴォルザークレジェンダリー)
フリート
フルトヴェングラー
ヘルビヒ (ショスタコーヴィチマーラーブラームス)
ベーム
メルツェンドルファー
ヤノフスキー
ライトナー
ラインスドルフ
レーグナー (ブルックナーマーラーヨーロッパドイツ)
ロスバウト
【指揮者(ロシア・ソ連)】

アーロノヴィチ
ガウク
クーセヴィツキー
ゴロワノフ
ペトレンコ
マルケヴィチ
【指揮者(アメリカ)】

クーチャー(クチャル)
スラトキン(父)
ドラゴン
バーンスタイン
フェネル
【指揮者(オランダ)】

オッテルロー
クイケン
ベイヌム
メンゲルベルク
【指揮者(フランス)】

パレー
モントゥー
【指揮者(ハンガリー)】

セル
ドラティ
【指揮者(スペイン)】

アルヘンタ
【指揮者(スイス)】

アンセルメ
【指揮者(ポーランド)】

クレツキ
【指揮者(チェコ)】

ターリヒ
【指揮者(ルーマニア)】

チェリビダッケ
【指揮者(イタリア)】

トスカニーニ
【指揮者(イギリス)】

バルビローリ
【指揮者(ギリシャ)】

ミトロプーロス
【鍵盤楽器奏者(楽器別・生国別)】

【ピアノ(ロシア・ソ連)】

ヴェデルニコフ
グリンベルク
ソフロニツキー
タマルキナ
ニコラーエワ
ネイガウス父子
フェインベルク
フリエール
モイセイヴィチ
ユージナ
【ピアノ(フランス)】

ウーセ
カサドシュ
ティッサン=ヴァランタン
ハスキル
ロン
【ピアノ(ドイツ・オーストリア)】

キルシュネライト
シュナーベル
デムス
ナイ
レーゼル (ブラームスベートーヴェン)
【ピアノ(南米)】

タリアフェロ
ノヴァエス
【チェンバロ】

ヴァレンティ
カークパトリック
ランドフスカ
【弦楽器奏者(楽器別・五十音順)】

【ヴァイオリン】

オイストラフ
コーガン
スポールディング
バルヒェット
フランチェスカッティ
ヘムシング
リッチ
レビン
【チェロ】

カサド
シュタルケル
デュ・プレ
ヤニグロ
ロストロポーヴィチ
【管楽器奏者】

【クラリネット】

マンツ

【ファゴット】

デルヴォー(ダルティガロング)
【オーボエ】

モワネ
【歌手】

ド・ビーク (メゾソプラノ)
【室内アンサンブル(編成別・五十音順)】

【三重奏団】

パスキエ・トリオ
【ピアノ四重奏団】

フォーレ四重奏団
【弦楽四重奏団】

グリラー弦楽四重奏団
シェッファー四重奏団
シュナイダー四重奏団
ズスケ四重奏団
パスカル弦楽四重奏団
ハリウッド弦楽四重奏団
バルヒェット四重奏団
ブダペスト弦楽四重奏団
フランスの伝説の弦楽四重奏団
レナー弦楽四重奏団

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