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1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/10/15
国内盤仕様で3,300円。ライヴでもあり少々お高いかなと思いましたが、外山は若い頃、名古屋フィル時代に親しんだ指揮者でもあり、常々、正統的で、外連のないオーソドックスな音楽をつくる職人として好きな指揮者なので、買ってみました。 外見があまり変わらないので、あまり意識していなかったのですが、いつの間にか89歳と、国内最高齢のマエストロになっていたんですね。名古屋フィル、仙台フィル、神奈川フィルと、地方のオーケストラの指揮者を務め、各楽団の実力向上に大きく貢献しました。 在京オケにも頻繁に客演していて、ここ10年ほどで聴いた実演では、NHK響とのメンデルスゾーン「スコットランド」、日本フィルとのベートーヴェン「英雄」などの名演が記憶に残っています。「スコットランド」はメリハリの効いた演奏効果が名人芸の域に達していて、「英雄」は押しても引いてもびくともしないインテンポの横綱相撲が印象に残っています。 さて、大阪シンフォニカーとのチャイコフスキー。大阪シンフォニカーは実演、録音とも初めて聴きました。やはり、といっては失礼ですが、大阪フィルほど上手くないです。弦の編成が少なめなのか、弦の響きがやや薄いですが、録音が近接しているので、物足りなさはさほど感じません。小編成という点では、同じ在阪の日本センチュリー交響楽団に似ていますが、小泉・センチュリーのブルックナーでの圧倒的な個々の技量に比べると、だいぶん落ちるといった印象です。(あくまでもCDでの比較ですが) さて、演奏ですが、先に書いた2曲でいうなら「英雄」のような印象です。あまりテンポを動かさず、リズムをじっくり踏みしめながら進んでいきます。ここぞというところでの金管やティンパニの強打も不足はありません。ただ、やはり日本センチュリーくらい音が洗練されていればなあ、と感じたのも事実ではあります。 第2楽章のメランコリックなメロディーも陶酔的に歌わせるような演奏はしない指揮者ですので、「硬派」な印象を受けます。第4楽章は管弦のバランスがややちぐはぐ(弦が弱く、金管が絶叫型になりがち)ですが、ここでも頑なにインテンポで押し切る迫力は相当なものがありました。演奏終了後にはブラボーの声も収録されています。 「ロメジュリ」も遅めのテンポ。各部の描き分けが見事で主部のトゥッティも迫力があります。オケの調子も良く、こちらは文句なしの名演といっていいのではないかと思いました。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/09/30
正直に言って、60年近く前に、これだけのバルトークが日本で演奏されていたとは驚きました。 相当準備をして臨んだのでしょう。6曲のどこをとっても、自信にあふれた演奏を繰り広げています。 巌本真理四重奏団は、チェロの黒沼俊夫が土台となり、その上で巌本が自由に歌い、内声の2人は今日の水準からするとやや控えめながら、適切に寄り添う、という形が基本フォームだと思いますが、このバルトークでは4人が比較的均等に自己主張しているように感じました。 ベートーヴェンが偉大すぎて、ロマン派の時代に今ひとつ発展しなかった弦楽4重奏曲の新たな扉を開いた1番から、民族性、独特のリズムを的確に表しつつ、誤解を恐れずに言えば、演歌調の「粘り」が耳をとらえました。バルトークの東欧的属性は、あるいは日本人と親和性があるのかもしれません。 最高傑作の4番はさすがに屈指の難曲だけに、現代の最新の演奏水準と比べると技術面で劣るのは仕方がないことですが、ここでもすべての楽章に確信を持って演奏している姿を頼もしくも感じました。 バルトークの弦楽4重奏曲は、アルバンベルク四重奏団やケラー四重奏団のように、荒々しいリズムや不協和音をかなり丸めてとにかく美しく聴かせる演奏が、現在は主流となっているように思いますが、私は昔のハンガリー四重奏団のような素朴な演奏の方が、より作品の持つ本質的な魅力を感じさせて好きです。 その意味では、この巌本真理四重奏団の全集(収録時間の関係で、第5番だけ第4楽章が欠けています)は、今でも十分聴く価値のあるものだといえるでしょう。 録音はAMラジオのモノラルで、時代を考えても少し聴きにくかったことは付記しておきます。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
6人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/08/07
待望のCDがようやく届きました。 すべてではありませんが、何回か実演を聴いて、当時神様的な存在だった朝比奈隆さんとは正反対の、隅々まで磨き上げられた透明感のあるブルックナーに目からうろこが落ちた記憶があります(ちなみに、私は朝比奈さんのブルックナーも大好きです)。 感動、という点では、これも朝比奈さんと対照的に、フィナーレで大きな音が迫ってきて、背筋がゾクゾクする「音響的な」感動はありましたが、「ああブルックナーって良いなあ」と心の底から思えるような演奏ではなかったような気がします。朝比奈さんのブルックナーの「魂が抜かれた」ような体験を期待しては、肩透かしをくらうと思います。 まだ全曲を聴いていないのですが、5番を聴いて、テンポの設定がやや恣意的で独特な感性を感じました。また壮大なクライマックスでも各楽器がコントロールされているのはヴァントのようです。ライヴであっても、絶叫、ハリボテの音響にはならないところが、若杉さんの面目躍如となるところでしょう。彼のマーラー同様、熱くなるところはないので、そこをどう感じるかで好悪が分かれるでしょう。録音のせいもあるかもしれませんが、ティンパニがぶったたいてないので、これも物足りなさを感じる人もいると思います。 以前にキングで発売された86年のNHK響との「ロマンティック」は、前へ前へと豪放磊落に進める音楽でした。さらに最晩年の東フィルとの第9番では、巨匠風のスケール極大の演奏でした。その間にある今回の全集は、若杉さんの絶頂期、一番若杉さんらしいブルックナーなのではないか、などとも思いました。 付け加えると、解説が素晴らしいです。親しかった人が接したノーブルで教養豊かな人柄が偲ばれます。元日経の池田さんの解説は、ネタバレになるので書きませんが、若杉さんの人間性に隠された一面なども伝えていて一読の価値ありです。 録音もクリアーでまずは不足はありません。装丁もていねいな作りで、ARTUSさんが長年温めてきただけあって、素晴らしいCDだと感じています。
6人の方が、このレビューに「共感」しています。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/08/07
一番下の人はひどいですね。削除してほしいです。 たしかに、内田やポリーニ、バレンボイムのような巧い演奏ではありません。 技術的にはすごい切れ味はありません。今となっては語り口にやや古さを感じさせるのも事実です。 どちらかというと朴訥な演奏ですが、手作りの良さがあり、ケンプやツェヒリン系統のシューベルトが好きな人には受け入れられるのではないでしょうか。ピアノは何を使っているのでしょう。明らかにスタインウェイではないし、ベーゼンの重厚さもちょっと違うし、ベヒシュタインとかブリュートナーとかの素朴な硬質系の音はなかなか魅力的です。 学究肌の人らしいですが、頭でっかちな感じはありません。シューベルトその人が、「今度こんな曲を書いたよ」と、数人の友達に弾いて聴かせているような親密な雰囲気があります。 岩城宏之さんの本だったと思いますが、岩城さんがウィーン(?)のホテルおエレベーターでたまたまスコダさんと乗り合わせ、「シューベルトのピアノ曲は手の小さい人には弾きにくい。もしかしたらシューベルト時代のピアノは今より小さかったのではないか」などと語り合ったというエピソードを読みました。 スコダは楽譜の校訂にも尽力した人でしたね。そんな話も懐かしく思い出しました。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/06/25
一番下の方と同じで、私もLP時代に「40番&ジュピター」の組み合わせの廉価版でベームのモーツァルトを初体験しました。 ルビジウムカットの効果は大きいですね。中音域が格段に豊かになったように感じました。ただ、この演奏の特徴は「豊かさ」というよりも「切れ味」のように思います。 ベームのモーツァルトの後期交響曲は、晩年のウイーン・フィルとのものもあり、こちらはウィーンフィルの美感を生かしたどちらかというとゆったりとした演奏だったのに対し、旧盤はベルリン・フィルの質実剛健な響きときっちりしたリズムが特徴的です。歌にも不足しませんが、基本的に甘ったるくない「辛口」のモーツァルト演奏の代表格といえましょう。 こういう演奏なので、望むべくもないのですが、個人的な好みでいえば、もう少し「愉悦感」「リラックスしたゆとり」のようなものが欲しいところですが、ないものねだりというものかもしれません。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/06/25
ズザナ・ルージイチコヴァのバッハを集成したきわめて魅力的なボックスです。ジャケットの写真はたばこを持っていて、いまいちですが、女史はかなりの愛煙家だったそう。箱の意匠がとてもセンスがあり、箱を引き出して色とりどりの紙ケースを眺めているだけでも楽しいです。 ルージイチコヴァは、まだ子どもの頃、ナチスの収容所を転々とした厳しい経験をしました。ピアノを習っていた彼女が、イギリス組曲第3番の「サラバンド」の楽譜を持って収容所の門をくぐる話をどこかで読みました。 だいぶ忘れてしまったのですが、黒田恭一さんのインタビューでしたか読んだ記憶があります。「手がとても小さいでしょ」という話の流れから、ナチスに腕に押された焼き印を見せられ、黒田さんがとても動揺したという話を読みました。栄養不足で手が大きくならなかったので、ピアノをあきらめチェンバロを選んだというのも記憶しています。 そんな辛い経験をした人の演奏ですので、最初はどうしてもそういう風に聴いてしまいがちですが、虚心坦懐に聴き進めていくと、実に生き生きとした、喜びも悲しみもすべての感情が音楽にあることを教えてくれるような、素晴らしい演奏です。 チェンバロのバッハ演奏はリヒター、レオンハルト、ヴァルヒャなどを聴いたことがありますが、これらが厳格な演奏だとすれば、ルージイチコヴァのバッハは明るく柔軟。曲の中では、多彩な舞曲が集まった組曲が、各曲の性格の描き分けにも優れ、とりわけ魅力的です。 スーク、フルニエとのソナタも絶品。また最後に入っている、ランパル、スークとのブランデンブルク協奏曲第5番は、この曲最高の名演の一つといってもいいでしょう。
14人の方が、このレビューに「共感」しています。 2020/06/18
大分以前に「ヴェデルニコフの芸術」としてデノンから大量に発売されましたね。私はそのときはあまり関心がなかったので、ショパン、バッハ、ベートーヴェンを数枚買っただけだったのですが、その後、聴き込むほどに魅力にはまりました。特にバッハの求道者のような厳しさはとても惹きつけられました。 しかし、そのときにはすでに多くが廃盤になっていて、中古盤も、ものによってはかなり高値が付いていて、あのとき大人買いしておけば良かったなと後悔したことを覚えています。 下の方も指摘されているように、ベートーヴェンの最後の3曲のソナタ、ハンマークラヴィーア、ハイドンのソナタ、モーツァルトのソナタ、ブラームスの小品、バッハ「パルティータ全曲」、ロジェストヴェンスキーとのモーツァルトのピアノ協奏曲15、23番などがあったように記憶していますが、今回のスクリベンダムには入っていませんね。今回の編集をみていると、先に挙げた録音が含まれないなど、独墺系よりはロシア、フランスの作品に重点を置いているように感じました。 ヴェデルにコフは技巧派というよりは(技巧は十分にありますが)、作品の神髄に迫っていくような迫力が魅力でしょうか。音自体はそれほどきれいというわけではないですが、木質系の素朴な温かい音です。それだけにバッハ、ベートーヴェンが素晴らしいのは言うまでもなく、まだ全部聴いていませんがロシア物やフランス物でも、なかなか切れのあるテクニックで鮮やかに弾いているのが素晴らしかったです。 たぶんこれだけの規模で再発されることはもうないかと思いますので、興味のある方は早めに買っておいた方がいいかと思います。
14人の方が、このレビューに「共感」しています。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。 2015/10/08
ブルックナーでいえば6番が入っていないのは何故でしょうか?マーラーはたしか9番もあったはず。 せっかくセット化するなら、全部入れて欲しかったです。いずれ劣らぬ名演だけに残念です。 ほとんど持っていますが、演奏だけの評価は文句なく星5つ。一般的なブルックナー、マーラーの名演とはいえません。あくまでも冷静に、モダンな感覚で楽譜が透けて見えるような現代的な演奏です。オーケストラは金管が抜群に巧いです。同コンビのテラークの録音はやや鮮明さに欠けますが、デッカの録音は超優秀です。 どちらかというとマーラーよりブルックナーの方が面白く感じます。マーラーはやや常識的で、同系統としてはショルティだと思いますが、ドホナーニの方がさらに無機的。 ブルックナーはドイツ的、構築的な演奏とは対極的に、素材をそのまま出しました、といった演奏。マーラー同様熱くならず、宗教的な趣を期待する向きにはまったく受け入れられないでしょう。ここにはない6番第1楽章コーダでティンパニのリズムを崩したのを聞いたときにはのけぞりました。随所で、こうした独特な解釈が出てくるのも実に面白いです。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2015/10/05
柔らかい響きで丁寧に歌われたモーツァルト。ゼルキンと同オケと入れたピアノ協奏曲ではアバドの弦の歌わせ方の巧さに感心したものでしたが、それと同じ印象を受けました。とにかく品のある歌が2曲とも共通しています。弦だけでなくアバドの生涯通じた特徴でもある木管楽器、特にフルートへの偏愛といったものも強く出ていて微笑ましくなりました。 こういう演奏だけに40番の悲劇性、ジュピターの壮麗さといったそれぞれの曲の持つ特徴はやや後退していて、そこを不満に感じる人もいるでしょう。ジュピターではもう少しティンパニが鳴ってもいいかもしれません。 アバド、ロンドン響の純粋な音楽性で描かれたモーツァルトといっていいでしょう。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2015/09/18
現代曲はよくわからないので、モーツァルト、ブラームスの評価を。 どちらもトップレベルの素晴らしい演奏だと思います。浜中のクラリネットの音がテレビで見る限りやや細かったため、ランスロ風のものだと少し嫌だなと思っていたのですが、ドイツ風とまではいかないものの、やや落ち着いた音色。渋みはありませんが、モーツァルトなどは透明感があっていいと思いました。モーツァルトは弦も秀逸。特にチェロの安田はヴェテランとして名前はよく知られていますが、ここぞというときにアンサンブルを支えているのが良くわかります。 フランセは初めて聴きましたが、ウィットに富んだ魅力的な佳品。 ブラームスのソナタ第一番はランスロの名盤よりもかなりしっとりと落ち着いた表現。当然、曲想にはふさわしいです。弘中の安定感のあるピアノに支えられ、冒頭の寂寥感あふれるテーマが出てくるとたんに心を奪われます。技巧的にも万全で早いパッセージも危なげありません。ピアノともども楽想の変化にもうちょっと敏感であってもという場面もないではありませんが、そうなるとドラマティック過ぎて この曲の寂寥感とは違ったものになるのでしょうね。 ブラームスのトリオも同傾向の演奏です。ここでも安田のチェロが素晴らしかったです。 いずれをとっても、若いころN響のテレビで見ていた浜中を偲ぶいいCDでした。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2015/09/03
ホロヴィッツの「子供の情景」はこれ以外に晩年のDG盤があるほか、RCAの「ホロヴィッツ・イン・ロンドン」(82年ライブ)にも収録されているが、テクニック的にはこれが一番良い。 本当に独自の世界で、ホロヴィッツの独特の節回しが好きな人にはたまらない。大人が回想するた子供の心象風景とでもいうべきファンタジー性が素晴らしい。最後の2曲、「子どもは眠る」「詩人のお話」の語り口の巧さはやはり圧巻だ。 クライスレリアーナも名演。この曲はアルゲリッチやケンプ、内田光子など他にも個性的な名盤が多いが、ホロヴィッツのは完璧にコントロールされたテクニックの冴えとロマン的な感情が両立した素晴らしい演奏だ。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2015/01/19
メンデルスゾーンのピアノトリオは1番が有名で、実際に詩情あふれる佳作ですが、2番も円熟の時期に書かれたかなりの力作です。 ボザールトリオはアメリカの常設の団体ということで何となく軽く見られがちですが、ソリストが3人集まる臨時のトリオよりこういう団体の方が実力があったりします。 この2曲も知情意のバランスの取れた完熟の名演と評価したいです。 技術的に最高のソロが3人揃ったこともなかなか稀有のことですが、それぞれの奏者が長いキャリアを通じて培った室内楽的なやり取り、駆け引きを見事に駆使して、どの瞬間もため息しか出ないような巧さを発揮しています。特に演奏機会の少ない2番での激しい感情表現は出色のものといえるでしょう。 フィリップスの録音も自然でクリアなもの。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2014/11/15
この盤はヤンソンスの音楽づくりの特徴がよくわかる格好の1枚です。簡単に言うと「ヤンソンス・クレッシェンド」と呼ばれるデュナーミクが彼の音楽の本質です。大衆に分かりやすい演出のため、喝采を浴びるのは当然でしょう。「現代のカラヤン」といっていい存在です。 決してけなしているわけではありません。こういう分かりやすい音楽をつくる指揮者がいつの時代も人気があるのは当然ですし、クラシック全体のけん引役であるのは間違いないでしょうから。ただし、私は彼の演奏で心の底から感動したことはありませんが。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2014/10/30
分厚い弦のグランドスタイルによる「四季」。古楽器全盛の時代には「時代遅れ」と思っていたのですが、今あらためて聴いてみると、さすが聴かせ上手のカラヤンだけにどうしてなかなか聴かせます。 シュヴァルベのヴァイオリン・ソロも素晴らしい。こちらも美音とテクニックでぐいぐい弾き進めていき、コンサートマスターのヴァイオリンというより、ソリストとしての風格があります。 ソロも含めて人工的な「四季」ですが、こういうのもありかなと思います。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2014/10/30
「ます」が名演。レヴァインの清澄感のあるピアノ、ウィーン・フィル首席たちの精緻かつ伸びやかなアンサンブルがあいまって、この曲特有の爽やかさを引き立てている。レヴァインのピアノは定評があるが、こういう室内楽をやらせると実にうまい。ピアニストが有名だと、ピアノが目立ちすぎることもある曲だが、レヴァインはアンサンブルに徹し出しゃばらない。といって消極的なわけではなく、締めるところは締める。弦も当たり前だが、精緻なアンサンブル。弾き崩すということがまったくなく、細かい刻み一つとっても首尾一貫している。それでいながらウィーンの奏者たちならではの、何とも言えない典雅な雰囲気を失わないのが実にすばらしい。 「死と乙女」はアグレッシブな熱演。ただ、ややスケールが小さいというか線が細いというか、曲の深さや広がりがあまり感じられなかった。こじんまりとまとまった印象を受けた。
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