フォークト、パリ室内管/モーツァルト:ピアノ協奏曲第9、24番

2023年07月21日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


ラルス・フォークトの遺産がまたひとつ登場。
53回目の誕生日にモーツァルト・アルバムをリリース


ドイツの中堅世代を代表するピアニストとして敬愛されてきたラルス・フォークト[1970-2022]が世を去ると、多くの演奏家から痛切な感情を伴った追悼メッセージが発信されました。そこで異口同音に讃えられていたのは、その真摯で虚飾の無い音楽性とあたたかな人柄。フォークトが生前に遺していた録音としては、先にテツラフ兄妹とのシューベルト:ピアノ三重奏曲集が発売されて大きな反響を呼んでいます。彼の53回目の誕生日となる2023年9月8日にリリースされる当モーツァルト・アルバムも、フォークトの音楽を愛する人にとってかけがえのないものとなることでしょう。
 フォークトは2020年にパリ室内管弦楽団の音楽監督に着任すると、次々と意欲的なプログラムに取り組みましたが、期せずして病が進行し、このコンビの録音としてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集とここに収録されたモーツァルトの2曲だけとなってしまいました。原盤解説書(英語と独語)には当録音のプロデューサーであるクリストフ・フランケ氏が7ページ余りにおよぶ回想を寄せています。それによれば、フォークトは録音期間中も闘病という現実に向き合いつつも常にものごとを前向きに考え、相反する感情の中を生きていたと言います。ここに聴かれる演奏も、決して自らの死を予感した人の悲しみ一色の演奏というようなものではなく、第9番の若々しい華やぎと中間楽章の悲嘆、第24番の暗く力強いドラマにはさまれた中間楽章の無垢な音の戯れなど、フォークトの円熟が自然体で伝わるものとなっています。
 フォークトの遺産としてのみならず、現代にふさわしい美感と様式感を備えた両曲の名演奏のひとつとして聴き継がれるに値する1枚と言えるでしょう。
 第24番のカデンツァはラルス・フォークトの自作。マルティン・ヘルムヒェンも「PENTATONE」盤でこのカデンツァを演奏しています。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)

【収録情報】
モーツァルト:
● ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271『ジュナミ(ジュノーム)』(1777)
(カデンツァ:モーツァルト)
● ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491(1786)(第1楽章のカデンツァ:フォークト)

 ラルス・フォークト(ピアノ、指揮)
 パリ室内管弦楽団

 録音時期:2021年4月25-28日
 録音場所:Salle des concerts, Cite de la musique, Paris
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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