シューベルト(1797-1828)

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CD 輸入盤

ピアノ三重奏曲第1番、第2番、アルペジョーネ・ソナタ、他 クリスティアン・テツラフ、ターニャ・テツラフ、ラルス・フォークト(2CD)

シューベルト(1797-1828)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ODE1394
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


シューベルト:ピアノ三重奏曲集、アルペジョーネ・ソナタ

「あまり時間が残されていないなら、お別れにはこれがふさわしい。君たち二人は最高だ。クリストフも実に素晴らしい。そしてフランツときたら。信じがたい。なんという表現。なんという壊れやすさ。なんという愛」

このアルバムの録音を聞いたラルス・フォークトがクリスティアン・テツラフとターニャ・テツラフに宛てた言葉です(「クリストフ」は録音プロデューサー兼エンジニアのクリストフ・フランケ、「フランツ」は作曲者のシューベルト)。
 ドイツの中堅世代を代表するソリスト3人によるシューベルトの後期作品を集めたアルバムは、フォークトの早すぎる死により、このトリオの最後の録音となってしまいました。録音セッションが行われたのはフォークトが癌の診断を受ける少し前でしたが、彼はセッションの合間に痛みをこらえてソファに横たわることもあったそうです。しかし録音からはそのような気配は感じられず、端正で軽やかに、必要とあらば地響きを感じさせるほどの力強さでピアノを奏で、テツラフ兄妹と一体となり触発し合って間然するところの無い音楽を奏でています。3人の技術・解釈は言うまでもなく最高水準で、後期シューベルトならではの天国的な「歌」の魅力と、和声の変化がもたらす明暗の情感も十分に表出。フォークトが「僕の人生のすべてはここに向かっていたんじゃないかとさえ思える」と語った第2番をはじめとする会心の出来。選曲の充実と相まって後期シューベルトの世界に深く浸れるアルバムとなっています。
 輸入盤ブックレット(ドイツ語・英語)にはテツラフ兄妹がこの録音の思い出を7ページにわたって綴っており、フォークトを知る人は特別な思いを禁じ得ないでしょう。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)

【収録情報】
Disc1
シューベルト:
1. ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 D.898, Op.99 (1827)
2. ノットゥルノ D.897, Op.148 (1827)
3. ロンド D.895 (1826)
〜ヴァイオリンとピアノのために

Disc2
4. ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 D.929, Op.100 (1827)
5. アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821 (1824)
〜チェロとピアノによる

 クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン:1-4)
 ターニャ・テツラフ(チェロ:1,2,4,5)
 ラルス・フォークト(ピアノ)

 録音時期:2021年2月21-25日(2-5)、6月10,11日(1)
 録音場所:ブレーメン、ゼンデザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


ユーザーレビュー

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期せずしてラルス・フォークトの遺作録音と...

投稿日:2023/07/08 (土)

期せずしてラルス・フォークトの遺作録音となってしまったが、そういう感傷を抜きにしても、圧倒的に素晴らしい録音。「すっきり爽やか」に奏でられがちな第1番の第1楽章からして、この演奏はすこぶるスケールが大きく、ロマンの深みを感じさせる。心持ちテンポを落とす第2主題の美しさはふるいつきたくなるほどだ。逆に第2楽章はやや速めのテンポ。明らかに子守歌の性格を持つこの楽章だが、リズムの揺れが快い。スケルツォは実に繊細、終楽章は元気溌剌だ。第2番は曲の性格通り、一段と大柄な演奏。名高い第2楽章はリズムの刻みが明確で、葬送行進曲の性格が明らか。中間部の修羅場も凄まじい表現力を見せる。ノーカットかつ提示部のリピートを含めて演奏すると19分台の演奏時間を要する終楽章は難物だが、この演奏は提示部の反復こそ省くものの、ペータース版以来の98小節に及ぶ展開部のカットは復元。かねてより、しばしば採られている折衷案だが、この演奏はアレグロ・モデラートという割にはかなり速いテンポで、音楽がだれないように配慮している。結局、演奏時間は15:17。「天国的な長さ」という印象にはほど遠いが、現代人のための演奏としては大いにありうる解釈だろう。他にはヴァイオリンとピアノのためのロンド ロ短調がヴィルトゥオジティ炸裂、まさしく白熱的な演奏。 

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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R.フォークトの逝去を知った上での鑑賞ゆ...

投稿日:2023/02/23 (木)

R.フォークトの逝去を知った上での鑑賞ゆえ、どうしても彼のピアノに耳と心を持っていかれてしまう。(先入観もあるのは承知の上で)私はフォークトのピアノを聴いていて「眼前に死を意識したからこそ、これほどの生の奔出」という印象をもった。それほどピアノの勢いと壊れそうなほどの優しさが特徴的なアルバムだ。最期の刻印は、長年の盟友テツラフ兄妹らと奏でるシューベルトの最晩年のトリオ(デュオも含む)。テツラフ兄妹だからこそこのすばらしいアルバムが制作できたのだと強く感じる。寄り添い、理解し合い、共に奏する…そんな室内楽のすばらしさを満喫できるのもこのアルバムのおすすめポイントだ。   1番の明朗とした音楽の中には痛みや哀しみが潜み、2番の大らかな音楽では狂気すれすれの恐れや苦しみ、絶望が次々に襲いかかるが歌の力でなんとか持ち直す心情が含まれていると思っている。このトリオはこの大曲を実にいきいきと表現しており、たとえフォークトの「最期」と知らずとも襟を正して聴いてしまう勢いと深みと痛みと優しさを感じてもらえると思う。   先にPentatone Classicsからリリースされた「白鳥の歌 D957他」と共に、フォークトの成し遂げた音楽の石碑がかくして遺された。おそらく故人に「私の遺言」という思いはなく、シューベルトの深さにのめり込んだだけ、という考えだろう。それでも結果的にはフランツとラルス両者が持った「死」への思いがあるからこそこの曲が作られ、奏されたのだと思わざるを得ない。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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「生のきらめき、死の影」 なんという...

投稿日:2023/02/20 (月)

「生のきらめき、死の影」 なんという、シューベルトのアンダンテ。 最後の二つの交響曲の緩徐楽章がそうであるように、シューベルトは美しいアンダンテを数多く書き残した。そのなかでも、D959、D960の第二楽章ともにピアノトリオ第2番の第二楽章は恐ろしいほどの傑作である。  見渡す限りの雪原をひとり歩き続けるような、絶対的孤独感。  しかし快適なリズムに乗って、足取りはむしろ軽やか。小さな星あかりさえ映して、夜も変に明るく、葬送のあゆみであるようなのに楽しげにも感じてしまう。  だが、このまま歩き続ければ、決して戻れない。そんな音楽。    細心のニュアンスを込めたチェロとバイオリン。フォークトのピアノは繊細過ぎる弦によってアンサンブルが解けてしまわないように、しっかりとした枠で支えているように弾かれる。  逆にピアノがメロディーを奏でる時は、弦は寄り添うように暖かな眼差しを向ける。  ピアノと弦楽器は音の出し方、終い方がまるで違うのに、どのように絡み合い、協調するのだろう。そんな事を意識させてくれたのは初めてかもしれない。  テンポ、ダイナミクス、音色、フレージングのひそやかな揺らぎにも、少しの破綻もない。  互いをいたわり合い、支え合うこの演奏はもちろん全曲を通してであるし、第1番のピアノトリオについても同じだ。  生と死が交差するシューベルト晩年の作品。これらの演奏がラルス フォークトの遺作になってしまったのは偶然だとしても、ここに引き寄せられた何かがあったのは違いないだろう。  優れた音楽家のご冥福を祈ります。

mimia さん | 石川県 | 不明

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