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フォアグラ さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/12/03

    メシアンのオーケストラ主要作を年代順に聴けるというのがありがたいが、何より演奏が飛びぬけて素晴らしい。かつてのブーレーズ/ドメーヌやコンスタンにみられたゲンダイオンガクをやっているぞ、というピリピリ感はどこにもなく、実にまろやかで豊麗な演奏になっている。演奏技術の向上による情報量の増加も凄い。正直メシアンの音楽は、70年代からは、良く言えば「円熟」、悪く言えば「パターン化」「長すぎて退屈」と思ってきたが、これだけ演奏が優秀だと退屈など全くせず、法悦の音楽を満喫できる。メシアン死後の録音というのもいいのかもしれない。メシアンは生前自作の録音を必ず監修し、神学的、神秘主義的解説を書いていた。私はそれを読むのがストレスだったが、当然このセットにはないし、演奏家もある意味束縛なく演奏できたであろう。メシアンは幸せな作曲家で、ワーナー、DGからも大きなセットが出ているが、私はこのカンブルランのSWR盤を第一としたい。メシアンに対して不当に評価の低いジョリヴェも最新録音のセットをどこか企画してくれないだろうか。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/11/23

    ラロは「スペイン交響曲」の一発屋という印象が強いが、私は結構気に入っている作曲家だ。チェロ協奏曲もいい曲だし、ラロ畢生のオペラ「イスの王様」もメロディに溢れ波乱万丈の聴きごたえのある作品である。全曲で100分少ししかなく、物語をもっと掘り下げたほうがよかったと思うのだが、ラロは冗長になるのを嫌ったのだろう。いずれにしても序曲しか知られていないのはもったいない。クリュイタンス盤は代表盤、というか水準以上のものはこれしかないのだが、ミショー、ゴールの主役二人が素晴らしい出来だし、クリュイタンスの覇気に満ちた指揮も見事。ただし、1957年録音なのにモノーラルで音も良くない。58年まで待ってステレオで収録していたら、このオペラももっとポピュラーになっていたのではないだろうか。それでも一聴の価値はあるし随分安いのでお勧めだ。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/11/22

    関西の大学に通ったので、70年代末に朝比奈/大フィルはよく聴きに行った。大フィルは下手でクライマックスに金管がひっくり返ることもしばしば。アンサンブルの密度も低くがっかりすることのほうが多かったが、なにより朝比奈の緻密さに欠けた指揮が問題だと思った。唯一聴けたのがブルックナー。局面変化の少ない曲想が朝比奈の鈍重な指揮でもなんとかなったのだろう。ケーゲルが客演したとき一気にアンサンブルが引き締まったのを聴き、指揮者の力量の差を痛感したものだ。この頃に宇野が朝比奈/大フィルを絶賛し始めたのだが、正直当惑するばかり。宇野の名調子でクラシックファンが増えたことは間違いないが、ミスリードされた面も多いと思う。朝比奈/大フィルはその代表だろう。この演奏も深遠さと非力による弛みとの境界は微妙であり、当時の大フィルを知っている者としてはあまりに褒められると「違うよなあ」という感想をもたざるをえない。宇野のおかげで朝比奈は幸せな指揮者人生を送れたが、関西楽界としてはどうなのだろう。

    13人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/10/27

    グリーンドアから出たオドノポソフのブラームス、ブルッフのあまりの素晴らしさに驚き、私にとって未知だったこのヴァイオリニストの録音を集めようと思っていた矢先、メンブランから10枚セットが発売。嬉しい限りだが、売れるんだろうかと心配になる。メンブランは復刻に問題のあるレーベルであり、このセットの音も良好とはいえないが、ブラームス、ブルッフをグリーンドア盤と比較すると、むしろメンブランのほうが聴きやすく、まずまずの出来なのだと思う。それにしてもこれほどの人がメジャーへの録音がなく「知る人ぞ知る」状態になったのはどういうことだろう。イザイ・コンクールでオイストラフと1位を争ったというのも少しも不思議ではないし、私の好みはオドノポソフ、そのくらいの人なのだ。このセットでも期待を裏切るものはひとつもない。抜群の美音と確かなテクニック、そしてエスプレッシーヴォ。どの曲にもオドノポソフの高い音楽性を感じずにはいられない。音が古いので評価は星4つかな、とも考えたが、やはり多くの人に聴いてほしいという気持ちが強く満点とする。コンサートホール盤は指揮者、オケは二流どころばかりだが、演奏は悪くない。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/10/19

    レナード・ローズはスターン・トリオの一員のイメージでソリストとしては記憶がない。この全集でも聴いたことがあるのはグールドとのバッハとワルターとのドッペル・コンチェルトだけ。ほとんどが初めて聴くものだ。ローズが活躍した50〜60年代といえば、フルニエ、ナヴァラ、トルトゥリエ、ジャンドロンのフランス勢をはじめ、ロストロポーヴィチ、ピアティゴルスキー、シュタルケル、デュ・プレ、ヤニグロ等々多士済々であり、ローズが埋もれたのも仕方がないのかもしれない。実際ローズのCDは殆ど出ていないし。ところが、このセットは思ってもいない音楽を聴く喜びを私に与えてくれたのだ。まず、「シェロモ」でのミトロプーロスの鬼神のごとき指揮に一歩も引かないローズの壮絶な演奏にやられてしまった。モノだが録音最優秀。HMVの紹介から漏れているが、同じCD2に収録されているセル/NYPとの「ロココの主題による変奏曲」での気品ある優しい表現のすばらしさ。この2曲はオーマンディとステレオ再録音しているが、オーマンディも悪くはないのだが、ミトロプーロス、セルと比べると深みがもう一つ。ドヴォルザークも美しい演奏だが、終楽章末尾はもう少しオーマンディに盛り上げてほしかった。一方でドッペル・コンチェルトはオーマンディとの再録のほうが断然いい。早めのテンポであっさりしたワルターに比べオーマンディはじっくりとこくのある表現で同曲屈指の出来になっている。ここまで聴いてきてローズの良さは、豪快さやスケールの大きさはない代わりに端正で伸びやかな表現にあるとわかってくる。そうしたローズには室内楽がいいのは自明だろう。特にサンダースとの「アルペジョーネ・ソナタ」とシューマンは味わい深い逸品だ。ソニーは忘れられつつある自社のアーティストのコンプリートを進めてくれているが、なかでもこれは白眉のセットだと思う。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/10/14

    クリュイタンスの録音は2017年リマスタリングとなっている。クリュイタンス没後65年BOXのリマスターと同じだと思うが、これが驚きの音質だ。演奏は素晴らしいのに録音が冴えないのが難点だったのが、今回鮮度、奥行きとも見違えるほど改善。元がよくないから優秀録音とはいかないが、充分に楽しめる音質になった。ワーナーには感謝しかない。フランソワのものは2010年リマスタリングであまり変わり映えしないが、それでもオリジナルジャケットでこの価格ならば、すでにEMIフランス盤をもっている人にも買い替えをお勧めしたい。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/10/09

    ドビュッシー・イヤーということで多数の録音が出たが、マイベストはラトルの「ペレアス」ではなく、クリヴィンの「海」でもなく、このメジューエワのアルバムだ。「映像」は大好きな作品集だが、これほど精緻に、そして煌めくように演奏されたものはないと思う。ピアノという楽器を忘れてしまうほどだ。仮面、子供の領分も非常に優れたもの。「前奏曲集」よりいっそうメジューエワは進化している。録音も優秀。

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  • 23人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/22

    HMVによるゴロワノフ年表を絶賛したい。これはそのまま良質のソ連史になっている。共産国家では多かれ少なかれ同様なことが起こっているが、改めて年表を見ると、ソ連の血塗られた凄惨な歴史に言葉もない。ゴロワノフにかかわらず、この時代を生き延びるのはさぞや大変であっただろう。ゴロワノフは私の好みに合わないが、この年表を見るともう一度ゴロワノフの演奏を再確認したい気持ちになり、購入を検討中である。

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     2018/09/20

    4番はこれまで出た同曲でオーケストラの上手さ、録音の良さが際立っている。ファゴット、トロンボーンのソロも実に上手い。ボストンは現在の米国オケでもトップではないだろうか。ネルソンスは、この上質のオケを駆使し、アヴァンギャルドな4番の面白さを明らかにする。これほどコラージュ的な手法が息つく暇なく展開される演奏は初めてかもしれない。一方で、この曲がもつどす黒い側面はあまり表出されず、聴き手を震撼させるには至らない。11番はハイティンク/コンセルトヘボウの超名演があり、それにどこまで肉薄できるか期待したが、やや力及ばずの印象。例えば第2楽章を早めのテンポで緊迫感の演出を図るが、じっくり描き出したハイティンクの完勝になっているし、虐殺シーンでグランカッサが強烈に鳴り響きすぎ、狂暴なティンパニがスポイルされたのも恐怖感を高めるのにマイナスだった。ただ、終楽章は見事で、まさに「警鐘」にふさわしい。ネルソンスの才気と未熟の両面を感じる2曲。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/14

    バーンスタイン名盤1000シリーズはどれも本当に面白い。どのレパートリーにもバーンスタインの秀逸なアイデアが刻印されており、聴いていてわくわくが止まらない。このスパニッシュ・アルバムも抜群の出来。シャブリエの「スペイン」がこれほどノリノリで演奏されたものがあっただろうか。ファリャはアンセルメやフリューベック・デ・ブルゴスと比べるとリズムが重く、そこに違和感を感じる聴き手もおられるかもしれないが、音楽が熱をおびてくるとこの重さかがとてつもないパワーを生み出し、どんでもないテンションになる。これには興奮せずにいられない。この一連のバーンスタイン録音のカロリーに勝てる現役音楽家はいるのだろうか。録音良好。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/12

    「海」が実に傑出した名演だ。予想通りダイナミックでスケールも大きいが、それ以上にドビュッシーの多彩なパレットから精妙に音を選び出し繊細な味付けをしていることに大変感心した。オーケストラもうまく、アメリカのオケによるものとしてはライナー/シカゴと双璧といいたい(ミュンシュ/ボストン、ブーレーズ/クリーヴランドより断然いい)。「牧神」の熱帯夜のようなねっとりとした表現も面白いし、「遊戯」の若きバーンスタインの才気煥発さも楽しい聴きものだ。

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     2018/09/12

    「ツァラトゥストラ」はフレーズの意味を考え抜いた演奏である。そしてバーンスタインが感じた「ツァラトゥストラ」は思いのほか人間味に溢れたものになった。超人の音楽ではないし、後半のワルツもどこか不器用で人懐っこい。異色の演奏だが、個性という点で際立っており個人的に大好きだ。10年前の「ティル」「ドン・ファン」は実に鮮烈。ライナー、セルに見劣りしない。LPを買い損ねた外盤のジャケット採用は大変嬉しいが、ソニークラシカルのロゴは無粋。気に入っていた国内盤ジャケットを裏面に印刷してくれたらなおよかった。プレヴィンの「海の交響曲」をBMGジャパンが出したとき表が外盤、裏が国内盤ジャケットになっていて何て粋な計らいだろうと感激したのを思い出す。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/08/28

    2曲とも抜群に面白い。特に2番はよくもまあここまで曲の真価を掘り起こしたものだと感嘆せずにおれない。そう、ニールセンは曲の流れを阻害するかのようなエピソードが乱入し、ドイツ的交響曲の枠組を逸脱するところに醍醐味があり、それをバーンスタインほど深く理解し音化した指揮者はいない。LPで2番が出た時、その演奏を褒めた音楽誌はなく、当時バーンスタインの代名詞であった粗い仕上げ、アンサンブル不備で片付けられていたと記憶する。久々に聴いていかにバーンスタインが時代を超えた音楽家であったかを痛感した。4番は2番ほどの驚きはないが、それでも素晴らしい演奏。ニールセン生誕150年で出たヤルヴィ、ギルバート、ストゥールゴールズらがこうしたニールセンの楽想の抉り抜きを行わず、綺麗にまとめることを優先したのは本当に残念であり、バーンスタインの爪のアカでも煎じて飲めといいたい。録音良好。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/08/24

    20年ぶりの復活で初のオリジナルジャケット。今回のバーンスタイン名盤1000の中でも最も重要な復刻であり人類の宝といいたい遺産なのだから、限定生産ではなく常時手に入るようにしてほしいものだ。とにかく数ある「ミサ・ソレムニス」の中でもこれほどダイナミックで生命力に溢れ人生に対し肯定的な演奏はない。「グローリア」の激烈さも凄いが、圧巻は「クレド」のフーガで、もうこれはロックだ。ウエストミンスター合唱団も白熱的で独唱も優秀。コンセルトヘボウとの再録音も名演だがヨーロッパの伝統との接点を探っての演奏だったのが、このニューヨーク・フィル盤はバーンスタイン独自のベートーヴェン像がより明確になっており最も正統的な名演であるベーム(旧盤)、ヨッフムと対極にある。21世紀になってこれほどの燃焼度のあるベートーヴェンが皆無になってしまったのは寂しい限りだが、故にこの価値は絶大である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2018/08/24

    ジャケットにオリジナル・オーケストレーションと表示されているのが面白い。シューマンのスコア通りにやるのがまだ珍しい時代だったのだろう。演奏はバーンスタインの個性爆発。「ライン」でオリジナルスコアからこれだけ色々な音を引き出した演奏は珍しい。4番でのドイツ系とは違う構築と終楽章での圧倒的なクライマックスも見事。さらに驚いたのは私が愛してやまない「マンフレッド」序曲。この曲のフレーズをこんなに叩きつけるように奏したものは初めて聴いた。フルトヴェングラーのロマン性とは対極のストレートで激しい衝動に突き動かされるシューマンが描かれる。音質は「ライン」が荒く4番、マンフレッドはまずまず。2番のような酷さではないのが助かる。

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