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Review List of フォアグラ 

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  • 1 people agree with this review
     2018/04/27

    cpoやエームスのおかげでこれらの作曲家の歌曲は聴けるようになったが、オーケストラ伴奏のリートは多いとは言えず、遅れてきた後期ロマン派好きの私には好企画だ。曲はどれも美しい。マルクスなど20世紀前半の激動期の作品とはとても思えないお花畑ぶりだが、「前衛って何?」の現代なら時代性は関係なく楽しむべきもの。最後に最年長のプフィッツナーがくるが、音楽的深遠さは随一。ベテランのバンゼは誠実な歌唱だが、生真面目すぎてキュートさに欠け、声も美しいといえないのが残念。セヴァスティアン・ヴァイグレの指揮は雰囲気に溢れ満点の出来。

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     2018/04/14

    オーマンディの合唱付き「フィンランディア」を聴いたことがある人ならモルモン・タバナクル合唱団の名は忘れられないものになっているのではないか。その合唱団がマーラーの8番に挑む。これは聴かずにはおれない。全く珍しいことにライナーノーツにユタ交響楽団だけでなく合唱団、少年合唱団全員の名前がクレジットされている。それによると合唱400人、少年合唱50人で、「千人」とはいかないが総勢600人くらいになり、8番の演奏規模でもかなり大きなものといえるだろう。演奏は予想どおり合唱が圧巻。ティエリー・フィッシャーの指揮は際立ったものではないが、合唱がこれだけの表現をみせる中、これで十分。一方独唱はかなり落ちる。タバナクル公会堂はかなりの大きさのようで、そこで大合唱に向かうとどうしても声を張り上げてしまうのだろうが、そうならない成功例もあるのだから惜しい。独唱の出来もあって、これは星4つかなと思いながら聴き進んだのだが、「神秘の合唱」に至って感動で涙が止まらなくなった。こんな素晴らしい合唱は聴いたことがない。8番が真の傑作だということを改めて認識させる名演としてお薦めしたい。

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     2018/04/02

    新譜が出るとつい買ってしまう曲がある。「わが祖国」もそのひとつで気が付いたら数十種あるのだが、このフェドセーエフは持っていなかった。というのもレビュアーが星1つにしているし、フェドセーエフも私と相性の合う指揮者ではなかったからだ。今回クーポン目当てに価格調整として購入。安かったし。ところがこれが大当たり。全6曲、これまで全く聴いたことがない解釈。「ヴィシェフラド」がサクサク始まったり、「ボヘミアの森と草原より」は恐ろしく遅いテンポで開始したり。もちろんテンポは曲面で変わるが、それがことごとく予想を裏切る。一聴するとけれん味たっぷりの表現にも思えるが、そうではなくフェドセーエフは「わが祖国」をこういう曲だと心から考えてのものなのだ。それ故、こんなテンポで大丈夫かと思っていてもどの曲も大いに盛り上がるし感動もあるのだ。辛い点をつけている人はチェコ勢の解釈が絶対とお考えなのだろう。私もそれに異論はないしフェドセーエフをベスト盤に推す気もないが、この曲を愛する人ならこれを聴いて損はないと私は保証したい。廃盤になる前に手に入ってよかった。

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     2018/03/24

    中学生の時FMでバーンスタイン/NYPの9番を聴き大変な衝撃を受けた。途中でラジオを切れず友達との待ち合わせをすっぽかすことになるほどだった(当時は携帯ないしね)。ロックを聴いていた私が全く接したことがない音楽であり、ロックでは味わえない深い感動がそこにはあった。以来バーンスタインのマーラーのLPをせっせと購入、私の中学、高校時代はカラヤン、ベームではなくバーンスタイン、ブーレーズがメインだったのだ。さて、マーラー全集がオリジナルジャケットで激安で登場したことを不覚にも知らず最近慌てて購入。残念なことに6番、7番、9番のジャケットがLPと違うのだが、CBSソニー盤は米国盤とは変えていたのかな。LPを処分してしまったのであのジャケットを見たかった。演奏については、DG再録音が出たときに聴き比べ、1番から4番はCBS盤が、5番以降はDGがいいと思っていたが、今回久しぶりにCBS盤を聴いてかなり違う印象を持った。DGより落ちるのは5番と7番くらい。あとは同等かこちらのほうがよい。特に感銘を受けたのが8番。テンシュテットとノットの時も書いたが、この曲は合唱はもとより独唱も全員高い音楽性がなければ真の感動に至らない。改めて聴き、この条件を充たしているのはショルティとバーンスタイン新旧盤のみであると再確認。しかもこの難曲を大きな起伏をもって壮大にまとめあげる力は断然バーンスタインのほうが上だ。健闘しているリーズ音楽祭合唱団がクレジット漏れしているのは失礼。9番はかつて柴田南雄氏が出来が良くないといっていたが、私をマーラーに引きずり込んだ演奏だし、今聴いても少しも悪くないと思う。小澤征爾によるとバーンスタインのリハーサルは非効率だったそうだが、5番、7番にその欠点が出ているようで、指揮者の意図を叩き込む暇なく録音してしまった感がある。それでも思わずこんな長文を書いてしまうほど今も大変なインパクトのある全集。絶対のお薦めである。

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     2018/01/13

    大絶賛されていた全集をLP発売時に購入。学生だった私には大きな負担だったが、その割に内容がすっきりせず落胆した覚えがある。一番不可解だったのが、曲によってテンションが大きく変わること。クーベリックの解釈というよりオケとの相性だと思うのだが、その代表が6番。クーベリックは常に両翼配置のはずが、この6番だけ違う。理由は当時の解説にも書かれていなかった。さらに第1楽章展開部でリズムが大きく崩れるのだが、セッション録音なのになぜか取り直しなし。そして低テンション。はっきり言ってクーベリックはパリ管弦楽団に舐められていたのではないか。ウィーン・フィルとの7番も普通の出来。逆にクリーヴランドとの8番は異様にテンションが高い。全集でクーベリックのために一所懸命演奏したのはLSO、ボストン、クリーヴランドそれに手兵バイエルン、その他はそうではないように思える。クーベリックという指揮者の限界を感じてしまう。オケの音色の違いを聴く楽しみも思ったほどない。

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     2018/01/03

    バレンボイムが指揮を始めた初期の録音で、日本ではほぼ無視だが、外盤ではEMI、ワーナーと販売し続けられており、それなりの評価なのだろう。実際これは聴きごたえのある演奏だと思うのだ。モーツァルトはテンポも遅く、濃厚な表情付けをされた極めてロマンティックな表現であり、合唱も大編成。当時でもこんなモーツァルトをやる人はいなかったと思う。しかし現代のぜい肉のないスマートな演奏では聴けない激しい心情表現があり、こういう演奏のほうが好きという人もいるだろう。独唱ではF=ディースカウがバレンボイムの表現に悪乗りし大げさで分別くさいのがマイナス。ブルックナーはさらに優れた演奏で、バレンボイムの作る音楽のうねりが聴き手を感動に巻き込む。要のテノールを歌うティアーが優秀であり、ピッツ率いる合唱団も熱演。定盤として高い評価のヨッフム、レーグナーより余程素晴らしい出来だと思う。この時代のバレンボイムの演奏が好きなのだが、ECOとの「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」がCD2枚に入れるためレチタティーヴォをカットしてしまっているのは許せない。

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     2017/12/31

    リカルド・オドノポソフはアルゼンチン人で戦前ウィーン・フィルのコンサートマスター(ワルター時代だ)を務めた人。ユダヤ系のため38年に退団。後釜がバリリ。これは50年代の録音で、私は初めて聴く人だが、素晴らしいヴァイオリニストだ。ブルッフは遅めのテンポで熱っぽく歌い抜くが気品を失わない。ブラームスでの構築性も見事だ。テクニックも万全。バックのカール・バンベルガー(懐かしい!昔伯父からもらったコンサートホール盤にいくつかあった。著作でも有名)、ワルター・ゲールの指揮も立派なもの。コンサートホール盤からの復刻なので音がいいわけがないが、それでも貧しい音から真摯な音楽が心に届く。ステレオ時代の録音はないらしいのがとても残念。

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     2017/12/21

    「トロイアの人々」はとにかく長い。同じ長くてもワーグナーならば各幕に大きなクライマックスがあり興味を持続できるが、ベルリオーズはそうではない。コリン・デイヴィスはそこを力業で乗り切るが、このオペラのもう一つの側面である優美、叙情性がやや犠牲になる。デュトワはその逆だ。ジョン・ネルソンは硬軟のバランスが絶妙であり、躍動感に溢れながらも叙情性も置き去りにしない。知る人とぞ知るといった印象だったこの実力者の代表盤がやっと出たことを喜びたい。声楽陣ではディドナートが傑出しており、過去最高のディドンだと思う。合唱が強力なのもいい。今年の4月の演奏会形式上演ライヴが半年でリリースなのも少々驚いたが、歌詞対訳付きでカラー写真も満載、さらにライヴ映像(ハイライト)も付いてのこの価格は絶対お得だ。

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  • 8 people agree with this review
     2017/12/13

    メモリーズのブルックナー・セットから1年もたたずにSWRの正規盤が登場。半分ダブってしまうが仕方ない。正規テープの使用もありヘンスラーの復刻は優秀。どれも大変聴きやすい上質のモノラル録音だ。メモリーズで音がよくなかった2番はヘンスラー盤で見違えるほど魅力的になった。新登場では9番がよい。第3楽章クライマックスでの音のぶった切りとその後の虚無は衝撃ですらある。5番のスケールの大きな構築も印象的。モノラルでも必要な音は皆聴こえる点からも、改めてロスバウトの耳のよさと南西ドイツ放送交響楽団の高性能に感心させられる。現代のブルックナーと比較しても少しも聴き劣りしない優れたものだ。

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     2017/12/08

    ブルックナーが大好評のシューリヒトだが、このセットの本当の価値はベートーヴェンだと思う。もう1番から最高だ。瑞々しい感性と勢い、即興的な音楽づくりはこれが老人の指揮とはとても思えない。「田園」のみ録音が冴えないこともありもうひとつだが、他は録音も聴きやすく屈指の名演ぞろい。7番ではシュトゥットガルト放送の演奏とは全く違うバランスでオケを鳴らすなどシューリヒトの真骨頂。ステレオ収録された「合唱」はこの曲のベストを争うものだ。パリ音楽院管弦楽団がまた素晴らしいのだ。木管の多彩な魅力はもちろんだが、名匠を迎えての大企画に張り切っているのが音に出ている。アインザッツがずれるのはオケの能力というよりシューリヒトの即興的な指揮のせいだと思うが、そんなキズなど演奏の魅力が吹き飛ばしてしまう。カルショウの自伝にシューリヒトのエピソードが出てくるが、シューリヒトは老いぼれていてセッションの繋ぎで前部分のテンポで振れず呆れた、と酷いことを書かれている。そのデッカを離れた後にEMIで残したこの金字塔。プロデューサーはカルショウの前任者元デッカのヴィクター・オロフである。

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     2017/11/30

    ネルソンスの録音はゲヴァントハウスも加わり結構増えてきたが、今のところベスト演奏はこのショスタコーヴィチ第10番だ。この曲作曲のころにはショスタコーヴィチも粛清の恐怖から解放されており、8番のようなギリギリに差し迫った曲想ではなく、練達の技法にものを言わせて深刻ながらもサービス精神もきかせた面白い曲に仕上がっている。そこがネルソンスに合っているようだ。実際8番はこれほどの出来ではなかったと思うが。それともうひとつ。小澤、レヴァイン時代に低迷してしまったボストン交響楽団が見違えるほどシェイプアップした演奏を聴かせてくれるのもネルソンスの功績といってよかろう。なお、内カバーに6番、7番の予告ジャケットが載っているのだがいつになったら出るのか。6番はボストン響ボックスに収められたため出すのをやめたってことじゃないだろうな。

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     2017/11/06

    驚愕の演奏である。クルレンツィスは「悲愴」のスコアからテンポ、アクセント、アンサンブル・バランス等を徹底的に見直し、再構成している。あらゆる場面から聴きなれないパッセージが飛び出す。通俗名曲といってもいい「悲愴」にこれほどの可能性がまだ残っていたのかと誰もが驚くのではないか。私自身いったい何枚の「悲愴」のCDを持っているのかわからないが、クルレンツィスの演奏はそのどれとも全く似ていないと断言できる。しかも、音楽はとてつもなくエモーショナルなのだ。第1楽章展開部の入りは衝撃を受けるし、終楽章末尾ののたうち回るような表現も強烈だ。大した才能だというしかない。クルレンツィスのチャイコフスキーといえばコパチンスカヤの単にロマ風に悪乗りしただけのコンチェルトがあったが(あれを褒めた評論家は10年後も評価を変えずにいられるのか)、まさに雲泥の差である。ダイナミックレンジも広大だが、それを納め切った録音も絶賛したい。待った甲斐があった。

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     2017/10/29

    才気煥発、変幻自在なカルロス・クライバーの魅力が満喫できるこの録音にどうしても満点をつけられないのは残念だ。それはマルシャリンを歌うクレア・ワトソンの不出来にある。ワトソンは既に声を失っており、それを声色と大げさな表現でカバーしようとするのだが、そこに気品はなく、マルシャリンというよりアンニーナに聴こえてしまう。周りが声が絶好調の人ばかりだし、オックスのリッダーブッシュがことさら道化を演じないのでワトソン一人悪目立ちすることになる。許氏の指摘するとおりで、それでもクライバーが聴ければよい人ならいいが、マルシャリンが駄目な「ばらの騎士」は私にはありえないし、総合点で父エーリヒ、クナッパーツブッシュ、ベーム、ショルティ(評判はよくないが、いいんですよ)に及ぶものではないと思う。これよりはるかに優れたカルロスの実演を聴けたことがどれほどの幸運だったかしみじみ思い起こされる。

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     2017/10/28

    シューベルト3大歌曲集では「白鳥の歌」が一番好きだ。連作歌曲ではないし、そもそもシューベルトが編んだものでもなく、選曲、曲順に異論があるのも承知している。それでも、個々の曲の密度が圧倒的であり、心を揺さぶられる。曲順も出版のままがいい。ハイネで打ちのめされて終わるより、「鳩の便り」で希望が見えて終わってほしい。即興曲と同じく奇跡的な曲順だと思うのだ。一時は「冬の旅」ばかり出ていたが、ここにきて「白鳥の歌」の新譜が続くのは嬉しい。その第1弾としてゲンツを聴いたが、うーん。ソットヴォーチェで歌うというより語る。感情は吐露せず抑制に徹している。ダルベルトも同じ。私はシューベルトはプライのようにまず歌ってほしいし、感情が爆発する部分があってしかるべきと思うのだが。再度聴くと、抑制が曲のコアに迫っている部分もあることに気づき、一筋縄ではいかない表現ではあるが。

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     2017/10/23

    なんといういい音楽、いい演奏だろう。個人的には「アメリカ」よりずっといい曲だと思っているクインテットは、これが今後の代表盤になるだろう。さらに14番の溢れんばかりの歌心、親密なハーモニーの居心地よさ。この曲の魅力に目覚める人も多かろう。タカーチはデッカ時代も素晴らしかったが、ハイペリオンに移りメンバーチェンジをしてもその芸術性が少しも損なわれず、ベテラン・カルテットにありがちなアンサンブルの粗さを微塵もみせないのには最大級の賛辞を贈りたい。

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