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Review List of フォアグラ 

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     2017/10/21

    レイ・コニフのCDはソニーのコレクタブルで数枚持っているが、このイギリスのELというレーベルの復刻は本家ソニーをはるかに凌いでいる。コレクタブルではハイ上がりでうるさい音なのが、ここでは重心が低くなり落ち着いた音で分離もよく、とても1958年録音とは思えない。ジャケット写真がコロンビアが当時原盤提供していたフィリップスのものなので、復刻にフィリップス盤を使ったのかもしれない。2枚分の収録だが、オリジナルが2枚組だそうで、レイ・コニフの自信作だったのだろう。後年のコーラスが前面に出たものよりバックでスキャットしているこの時代のもののほうが楽しめる。

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     2017/10/02

    スタンフォードは交響曲で知られるようになり、その後歌曲、宗教音楽ときて最近室内楽も出るようになってきた。それでも弦楽四重奏曲は珍しい。実際これは世界初録音のようだし、8番は作曲されて50年たった1968年に初演された忘れられた作品のようだ。いずれも20世紀に入ってからの曲であり、時代遅れと判断されてきたのだろう。しかし聴けば、こんないい曲がどうして知られなかったんだろうと思うこと確実。スタンフォードはアイルランドのドヴォルザークと呼びたいような、メロディに溢れしかも熟練の作曲技法を持った人であり、ほんとに外れがないのだ。イギリスの(ヴィオラは日本人に交代している)ダンテ・カルテットも好演。インターミッションにヨアヒムのヴァイオリンとピアノの小品が置かれているのもしゃれている。

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     2017/10/01

    サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲全集はありそうで実際手に入るものは非常に少ない。たしかにサン=サーンスは大作曲家ではないが職人としての腕は確かで作品に外れはない。1番も2番ももっと聴かれてよい曲だ。EMI唯一の全集がヘルシャーというのも意外だが、演奏は大変結構なものだ。来日時にナマも聴いたが、実力のわりに不遇な印象だったこのヴァイオリニストの代表盤といっていいだろう。デルヴォーの指揮も老練で見事だ。唯一の欠点は録音。EMIのアビーロード・スタジオ録音に名録音なし、はよく知られたことだが、当時まだあったキングズウェイで録音してほしかった。

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     2017/08/31

    現時点でマゼール最後の録音。誰もレビューを書いていないのが不思議だが、これは大変な名演奏だ。聴き終って、凄い演奏を聴いたという感想を持つことは近年めったにないことであり、実際これはカラヤン/ベルリン・フィル以来のものではなかろうか。演奏を貫くのは静謐な美しさだ。もちろん「ディエス・イレ」は凄まじい迫力だが(ここでのグランカッサの衝撃は過去最高だし、それを捕えた録音も素晴らしい)、それ以上に随所に深く美しい祈りの瞬間が現れる。同方向のアーノンクールなどに比べ、音楽の成熟度がまるで違う。フィルハーモニアとのマーラーを聴いて、マゼールは新しい次元に入ったとレビューに書いたが、このヴェルディを聴いてそれは確信に変わった。そしてマゼールの境地を聴ける機会は極めて短かった。ミュンヘン・フィルも自主レーベルを開始したが、ゲルギエフなんかはいらないからマゼール晩年の録音を出してもらいたい。

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     2017/08/24

    ロンドンのオケというとレッグ時代のフィルハーモニアが最高だったといわれることが多いようだ。しかし私はこれが全く納得できない。その原因がオーボエ奏者(サトクリフだったかな)のニュアンスの乏しい演奏にある。当時のフィルハーモニアの木管陣はレッグが最高のメンバーを集めたと言われ、その評価が踏襲されているが、これはレッグやEMIの宣伝文句に乗っただけだと思うのだが、私のセンスがずれているのかな。さて、ヨッフムのブラームスである。ヨッフムについては言い尽くされているので敢えて触れない。それより、ここでのLPOの木管陣、特にオーボエの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。ブラームスの黄昏感をこれほど見事に表した演奏はないといっていい。特に3番の第2楽章。同じロンドンの奏者で(時代は違うが)これほどまでに違うとは。このオーボエで不滅のブラームスになっていると私は思う。

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     2017/08/14

    ヒンデミットの弦楽四重奏曲全集は彼の作曲技法の変遷がよくわかるという点でも興味深いものだ。モロに後期ロマン派の1番、2番から表現主義の難曲3番を経て我々が良く知るヒンデミットの新古典主義的作風にいたる4番までたった6年。ヒンデミットに限らずこの時代の音楽状況の激変が伝わる。評価の低いアメリカ時代の6番、7番も十分面白い。録音は1995〜97年で、ジュリアードのロバート・マン時代の最後期にあたる。ときにマン75〜77歳。心配された技巧の衰えは殆ど感じないのは立派だが、心なしかアンサンブルは粗めに感じる。しかしそれがヒンデミットの音楽をドライに傾きすぎなくしており、聴きごたえのある演奏になっている。

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     2017/07/26

    プログラムは作品12-3から始まるが、この曲のこんないい演奏を聴いたことはないと思う。特にギレリスが素晴らしく陶酔しているうちに終わってしまう。「春」でもギレリスは絶好調。コーガンとの丁々発止の受け答えが見事だ。「クロイツェル」は鬼気迫る演奏で圧倒される。この二人にロストロポーヴィチを加えたトリオの録音はかなりあるが、コーガンとギレリスのデュオリサイタルの音源はこの1964年3月のものしかないらしく大変貴重だ。録音は鮮明だがハイ上がりでキンキンするのが残念。

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     2017/07/16

    「大地の歌」は交響曲か歌曲集か。近年交響曲と表記されないので、歌曲集よりに解釈されていると思うのだが、それならばまず歌手の出来が最優先されるべきだろう。ワルターのデッカ盤のようにいくらワルター/ウィーン・フィルが素晴らしくても歌手が駄目な演奏を高く評価するのはおかしい。このバーンスタイン2度目の「大地の歌」での2人の歌手は最上の一つ。若々しいコロのヤンチャな歌、ルートヴィヒの「告別」での格別の味わい、全く素晴らしい。バーンスタインの1回目でのキング、F=ディースカウをはるかに凌ぐ。かつてSQ4チャンネルで出たLPを持っていてイスラエル・フィルが随分粗く感じたのだがCDのリマスタリングで大改善、バーンスタイン入魂の唸り声とともに圧倒的な感銘を受ける。クレンペラーとともにベスト盤だと思うし、ジャケットのセンスも実にいい。

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     2017/07/01

    ハイドンの作品20はあまり演奏される曲集ではないが、どれも魅力的。キアロスクーロはいつも通りノンビブラートでフレーズの中心を膨らます奏法をとっているのだが、私には古臭い印象を受けた。30年前のアーノンクールを聴いているような。イブラギモヴァはフレーズの処理に凝る割には曲自体に新鮮な風を送り込んでいるとはいえないように思える。作品20-5、6の終楽章はフーガ風な展開だが、もっと面白い音楽なんじゃないか。リズムが鈍い部分もあるのが気になった。

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     2017/06/24

    ケンブリッジのチャペルに所属する合唱団としては、キングスカレッジのほうが知名度も評価も高いが、私はビクトリアもパレストリーナもこのゲスト&セントジョンズカレッジで知ったので強く愛着があり、ポツポツと集めていた。そこに思わぬボックスの登場。ゲストの録音で現在入手できるもの自体殆どなかっただけに朗報である。キングスカレッジのウィルコックスのおっとりとした指揮に比べるとゲストの指揮はシャープであり、今聴いても古さを感じない。ビクトリアのレクイエムにしても、タリス・スコラーズらの名演が出た後でも相変わらず屈指の演奏だと思うし、名曲「アベマリア」は現在現役盤がないだけに貴重でもある。ネヴィル・マリナー&ASMFの協力による演奏も多いが、ハイドンの7つのミサ曲に最上の成果がでている。トレブルによる技術的弱点は殆ど感じない。フランス物もとても良く、フォーレのレクイエムはコルボ/ベルン、フレモー/モンテカルロと並ぶ最高の演奏だと思う。聴いていて涙がぽろぽろ出てくる。録音もケネス・ウィルキンソンを中心としたデッカのベストスタッフによるもので悪かろうはずもない。最後の1枚のみASV原盤。合唱ファンには掛け値なしにお勧めする。

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     2017/06/22

    ヒンデミット好きとしては最近新譜が続いているのは嬉しい限り。やっとこの作曲家の面白さが理解されてきたのかな。このクラリネット協奏曲も職人的な腕の冴えを見せた作品でシニカルな中にもウィットのある佳作だ。演奏も優れている。ファノーステュイスはブリュッセル・フィルの首席だそうだが、安定した技巧と美しい音色で十全の演奏。指揮のロサレスはエル・システマから出てきた人でシモン・ボリバル・ユース響の音楽監督を務める俊英であり、ドライに演奏されがちなヒンデミットから精妙で潤いのある音楽を引き出している。ソロと木管陣が協奏交響曲的に展開する部分ではセントラル愛知響の木管が好演している。ヴァン・デル・ローストの協奏曲も肩のこらない楽しい秀作。ここでのファノーステュイスの妖精のように飛び回るクラリネットも聴きものだ。録音良好。

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     2017/06/22

    シュミットといえば、第4交響曲と「七つの封印の書」が有名だが、メロディー・センスのない人だけに深刻な曲想の作品は正直かったるい。その点この第2交響曲は明るい曲調であり、メロディーが明確でなくてもはるかに聴きやすい。といってもかなり錯綜しているが。こういったロマン派終末期の爛熟した曲を振るなら、現在ビシュコフほど適任の人はいないのではないか。ティーレマンならもう少し骨ばったものになるだろうしパーヴォ・ヤルヴィならスリムになりすぎるかもしれないが、ビシュコフはウィーン・フィルの機能を最大限に活かし濃厚かつ分かりやすい演奏を実現している。ムジークフェラインでのセッション録音の割には音がもう一つなのが惜しいが、後期ロマン派ファンにはお勧めしたいし、今指揮者として絶頂期を迎えているビシュコフの録音の継続も期待したい。

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     2017/05/10

    教会での録音かと思うぐらい残響が長い。それ故トゥッティで響きが飽和状態になる部分もあるが、一方でホールを揺るがせるような重低音が出てくる。「典礼風」の「ディエス・イレ」での弦のばく進は恐怖さえ感じさせ鳥肌が立つし、グランカッサは部屋を揺らす。優秀録音かはわからないが、凄い録音だ。ヴェンツァーゴの表現自体は透明、明晰なもので、「3つのレ」ではこの曲のペシミスティックな表層から一旦離れ、コンチェルタントな面白さを引き出しているのも感心した。「ラグビー」の面白さも出色。「典礼風」で感じた恐怖はオネゲルの恐怖をそのまま演奏がストレートに伝えたのだろう。近年まれにみるオネゲル。

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     2017/05/07

    ロンバーグの代表作なのに意外に全曲盤は見かけなかった。演奏はオリジナルのミュージカル劇場での上演形態によるもので、オケも小編成。カーメン・ドラゴンやマントヴァーニのゴージャスサウンドで親しんできた人が聴くと、おや?となるだろう。でもロンドンやニューヨークで聴くミュージカルはこんな感じだ。歌手はさほど魅力的でないが、まあ健闘している。ただ、台詞の大半がないのは感心しない。ドイツ人主体のため軽妙なやりとりは難しかったのかもしれないが、アルバニーから出ている米国のライト・オペラ勢に比べて楽しさはどうしても半減する。

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     2017/05/05

    ジュリアス・カッチェンは20世紀最高のピアニストの一人である。デッカにはベートーヴェンのピアノ協奏曲全集がカッチェンの他にバックハウス、グルダ、アシュケナージ、ルプーがあるが、この中でカッチェンが最高と言ったら驚かれるだろうか。それは是非聴いて判断していただきたいが、前のレビュアーの方も指摘されているようにカッチェンがデッカからそれ相応の扱いをされてこなかったのもその後の評価に影響しているように思われる。ここでの収録曲を見ても、ブラームスのピアノ曲全集といういかつい大物がある一方、マントヴァーニとのガーシュインや「イスラメイ」を得意曲として嬉々として弾くカッチェンにどういうピアニストかイメージが湧きにくくなるのも事実。ベートーヴェンのソナタ収録も少ないし。なんかフィリップス時代の後輩コヴァセヴィチと重なるな。しかし、虚心に聴けば、その磨き抜かれたタッチ、抜群のテクニックとともに、ブラームスのソナタで聴けるスケールの大きな音楽構築、常に明晰でありながら深い含蓄のある表現など、その素晴らしさは容易に実感できる。レパートリの偏りはデッカもこんなに早く亡くなるとは思ってなかったのかな。それにしても、プリントミスもあるしオリジナルジャケットを使用しないとか手抜き感を拭えないのは残念だ。

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