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エーテルの風 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/10/02

    ブラームス臭の濃い演奏ではないが、すべてが上質で、万人にお薦めできる全種である。ただ第1番と第2番に関して、我々はすでにロスフィルとの濃厚な名演を知っている。それらの路線で、3番と4番も録音してほしかったと言うのは私の贅沢な希望だろうか。ロスフィルとの、細部まで指揮者の凝視?が行き届いた演奏を「熱い」とか「ストレスが溜まる」と感じる向きには、このウィーンフィルとの演奏は最高の音楽となって響くであろう、ただ、ロスフィルとの続き?を期待して聴き始めたリスナーには、ちょいと「ありきたり」に感じるかもしれない。。。

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     2016/09/28

    ウィーンフィルとの同曲の演奏をブラームス風と評するなら、このシカゴsoとの演奏は Rシュトラウス風と言い得るかもしれない。録音年代を考えると、あの時代にこの演奏が!とも思えるほど完成され切っている。全体の見通しは完璧で、ハード面?ではこれ以上は望むべくもないような名演である。もし難を付けるとしたら、ブルックナーらしい幻想性に欠けるということくらいか?

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     2016/09/18

    高校生のときにモーツァルトのピアノ協奏曲にドップリはまり、どうしても「最高の名演」というものが聴いてみたくなり、かなり無理してこの”LP”を2500円で買ったのを憶えている。結果はガッカリ以外の何モノでもなく、とりわけ20番は今に至るまでほとんど再聴した記憶がない。24番に関しては、1楽章2楽章に 素晴らしい箇所が見受けられるものの、当時(高校生)愛聴していたカザドッシュのモノラル盤や、カーゾン盤に比して、勝るものはほとんどなかった。ハスキルは他の録音も聞いているが、ピアノそのものの音に透明感がなく、演奏技術が問題なのではないことにその後気付いた。しかし、オケの音にまろやかさというか、女性的な部分が皆無で、モールァルトらしくないことが、この録音の最大のネックになっていることは間違いない。

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     2016/09/16

    明らかに「他とは違う音」を持っているヴァイオリニストである。例えばDオイストラッフやAグルミィオーの演奏を「まろやか」と評するとすれば、川畠氏のつむぎだす音は「細くて薄い」。チョンキョンファの演奏を「熱い」と表するとしたら、川畠氏の音触は、人魂のように「温度を感じない熱さ」だ。これは決して貶しているわけではないが、好みは分かれるかもしれないなぁと思う。、

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     2016/09/16

    こんなにまで考え貫かれたこれらの演奏は聴いたことがない。「弾き振り」の凄さというか、メリットを最大限生かした稀有の名演と言える。ショパンは確かに個性的な作曲家ではあるが、これらの演奏は、ショパンとツィマーマンが5部と5部である。この演奏を体験した後では、他の(かつて私が聴いたことのある)同曲の演奏すべてが、ノリで演奏した神経の通わない音楽に聴こえてしまうだろう。実際こういう演奏は、神経質な間隔だけが耳に残り、音楽の勢いが殺げてしまって肩が凝るケースが多いが、この演奏はしっかり集中して聴きとおすことが出来る。

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     2016/09/09

    ベートーヴェンの演奏は、マーラーなどに比べると、録音が古くても、演奏がよければ、それで録音の貧弱さは充分にカバー出来る…という特徴があると思う。フルトヴェングラーの録音などがまさにソレだ。ただ3番や5番や6番などは、何故敢えてこのスタイルで演奏するのか?の必然性が(例えばフルトヴェングラーなどに比してしまうと) 極めて希薄になってしまっている。気に入った演奏としては、まず1番、そして4番 などの、比較的地味なナンバー、そして「第9番」が素晴らしい。「第9番」に関しては、「シェルヘンスタイル」の格好のサンプルになるのではないだろうか? シェルヘンの特徴を知りたいという「シェルヘン初聴き」のリスナーさんには、まずこの9番を薦めたい。 

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     2016/09/09

    このCDを購入するリスナーであれば、たいてい「シェルヘンだったら、マーラーの各曲をこんな感じに演奏するだろう」という期待を持って聴き始めるだろうと思う、その期待は裏切られることなく、全曲楽しませてもらえること必至のディスクであるといえる。ハチャメチャでありながらノリノリで、タダのネズミには決して出来うる演奏ではない。また価格の安いのにも感動(最近円高気味だからだろうか?)。とにかく躊躇せずに「買い」であるという意味では★5つである。ただ他のマーラーの録音と比較して、決して万人に推薦できるシロモノではない。マーラーの場合、録音美人であることが大きなウエイトを占めるため、例えノリの悪い演奏でも、音響がギラギラと分厚く録音されている方が、総合的には「よいディスク」と評価されて仕方ないのかもしれない。とにかく音質に潤いがなく、スケール感が大いに欠けていることが残念でならない。余談であるが、「大地の歌」はともかく、今回の売出しには「4番」が入ってないのね。音源がないのかしら? 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/09/09

    このCDを購入するリスナーであれば、たいてい「シェルヘンだったら、マーラーの各曲をこんな感じに演奏するだろう」という期待を持って聴き始めるだろうと思う、その期待は裏切られることなく、全曲楽しませてもらえること必至のディスクであるといえる。ハチャメチャでありながらノリノリで、タダのネズミには決して出来うる演奏ではない。また価格の安いのにも感動(最近円高気味だからだろうか?)。とにかく躊躇せずに「買い」であるという意味では★5つである。ただ他のマーラーの録音と比較して、決して万人に推薦できるシロモノではない。マーラーの場合、録音美人であることが大きなウエイトを占めるため、例えノリの悪い演奏でも、音響がギラギラと分厚く録音されている方が、総合的には「よいディスク」と評価されて仕方ないのかもしれない。とにかく音質に潤いがなく、スケール感が大いに欠けていることが残念でならない。予断であるが、今回の売出しには「4番」が入ってないのね。音源がないのかしら? 

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     2016/07/18

    とりわけKegelに対する批評家の批評はまったくアテにならないことが多いが、ことこのマラ3に関しても、例えば第6楽章の批評として「最終楽章だけは騒ぎ疲れ枯れてしまっただけに聴こえる」(鈴木淳史氏)とあるかと思えば「極付は終楽章である…(中略)…これはケーゲルが作り上げた思考の演奏解釈」(許光俊氏)とも評され、「結局は好き嫌いか?」という結論にも行き着いてしまう。
    私自身の「感想」としては、どちらかと言えば許氏の感想に限りなく近い。正統的でこそないが、尋常ならざる好演だと思っている。ただ録音がいかにせん貧弱だ。他ならぬマーラーの録音でこのレヴェルだと、さすがに最高評はキビシい。ここまで素晴らしい演奏でなくても、録音のよいディスクに惹かれてしまうのも、マーラーの特徴のひとつと言える。

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     2016/07/12

    録音さえもう少し鮮明だったなら、ゴロワノフの評価は フルトヴェングラーやメンゲルベルグと充分に肩を並べる存在だったことは間違いない。事実この『悲愴』(や「モツレク」や「ラフマニノフの交響曲第2番」)に限って言うなら、これ以上の演奏は聴いたことがない。これだけ貧弱な録音でありながら、これだけの感動を与えてくれる演奏…という意味では、他のどんな演奏をも、ぶっちぎりで凌駕している。

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     2016/06/18

    アバドのブルックナーと聞けば、そのイメージは「いわゆるブルックナーの”本質”とはかけ離れた、カラヤン並のツクリモノ演奏」というネガティヴなモノでした。しかし実際聴いてみて 確かにツクリモノ的演奏でないとは言いがたいが、耳当たりもよく、またオーケストラワークスとしては文句なく最高の解釈であると、確信を持って万人にお薦めできる演奏群であると言う感想に至りました。そう言えば30年も前になるでしょうか?「アバドのマーラー?」と聞いたときも、しょっぱなは同じようなイメージだったけど、実際聴いてみると「ツクリモノだが最高の演奏」という感想を持ったのと、今回もまた、同じだったことに気付きました。ツクリモノっぽいとはいえ、カラヤンのような押し付けがましい窮屈さとは正反対な自然体で、ただその自然体が、「森羅万象大自然の自然体」なのではなく、あくまで「普通の人間聴覚としての自然体」であることが特徴で、そう考えると「似た演奏(の他の指揮者のCD)が思いつかない」という意味において、非常に貴重な記録であると言う結論に至ります。あと、個々の演奏を評させていただくならば、「一番アバドの資質には向いている」ような気がする第7番だけは凡演に聴こえるのが意外と言えば意外。他4曲は、「聴かず嫌い」ならばそれは間違いなく大損ですよと、声を大にして言いたいような好演です。

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     2016/05/06

    この演奏お好きなヒトには申し訳ないが、私はたぶんあえてこのCDを再び再生装置に乗せる可能性はほぼないだろう。ヤンセンのソロは悪くはないが、バックのオケがベートーヴェンにしては著しく物足らない。貫禄はないし、豊かさもない。キレも普通だし、情熱も希薄。コレはどういうベートーヴェンを表現したくて録音されたディスクなのか? そもそもそのレヴェルの疑問が残った。ブリテンは聴いても理解できず、評は出来ません。

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     2016/02/09

    ハイドシェックのピアノソロは、指揮で言えばフルトヴェングラーにある種の近似性を感じたりもする。常にテンポが変幻する点、縦の線が微妙に合っていないように聴こえる点、即興を感じる点、そしてそれらすべてが「個性」として魅力となっている点である。しかしフルトヴェングラーが、暗くて、深刻で、ドラマティックで、精神的高揚感に満ち満ちているのとは対照的に、ハイドシェックの表現は、束縛から解放されたような自由奔放な個性が基本に添えられており、感覚的高揚感に満ち満ちている。このCDだけ聴いていると、ある意味「未完成な若さ」と捉えてしまうかもしれないが、彼のCD(私の聴いた限り)すべてがそのようなスタイルで演奏されていることに気付くとき、あらためてハイドシェックの、他では決して聴けない貴重な個性を感じたりもする。さてこれら3曲だが、上記のような個性を充分に堪能できるのは、悲愴の第1楽章、月光の終楽章、熱情の両端楽章など、アップテンポで音の数が多いパーツが特に顕著である。月光の第1楽章などは、あまりに人間過ぎて、(
    例えばホロヴィッツの名演のような)神秘性のカケラも無い。

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     2016/01/15

    名曲中の名曲なのに、ディスクの膨大な数に比して「名演」と呼ばれるものがほとんど存在しないのが、この「運命」だと思っていたが、1947年当時にコレだけの圧倒的な名演を録音されていては、あとに続く指揮者たちもビビらざるをえなかっただろうことが容易に想像できるほどの、まさに圧倒的名演。

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     2015/10/10

    初期ロマン派の作品群とバーンスタインの表現とは、まさに「水と油」の感がある。現にシューベルトを「単曲」で聴いたなら、未完成は★2つ。5番とグレイトは★3つ と言ったところか。。。だがシューマンは文句なく最高評だろう。通常あまり面白みの無いシューマンの交響曲にバーンスタインの個性で味付けしてくれたおかげで、化粧栄えする名曲群に生まれ変わったと言う感じだ。評価の難しいのはメンデルスゾーン。さっき書いたシューベルトと同じような感想を持つリスナーがいてもおかしくない。ただ渡し個人的には「好き」な解釈である。私はメンデルスゾーンの交響曲を、バーンスタイン/ニューヨークの演奏で聴き覆えた。そのせいもあり、一般的に演奏される「節度あるブルジョア音楽」というような視点で演奏された品のよい表現よりも、「汗をかく誠実な生活ぶり」を感じさせるバーンスタインのメンデルスゾーンのほうがシックリ来る。評価は★5としたが、これは個々の評ではなく、アルバムを作品として評した場合の感想。

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