かつて新世代のパンクロックをけん引した、マッデン兄弟率いるGOOD CHARLOTTEの、6年ぶりの復活作。一時期エレクトロに寄ったり、ポップ化する等の試行錯誤もあったが、今回はサウンドしかり、ところどころに、自分たちのかつての曲名や作品名を忍ばせたりと、まさに原点回帰な作品。キャッチーかつやんちゃなサウンドは、まさに全盛期に負けずとも劣らぬものだ。ここ最近のベテラン勢の新作リリースとともに、パンクロック復権なるか?

スラッジ／ポスト・メタルの大親分、NEUROSISの新作。ここ数作での宗教的で静けさに重きをおいた作風から、今回は全盛期を思わせるダークさ、ヘヴィさが復活。巨大な怪物がゆっくりと歩いて迫ってくるかのような、危機迫るアルバムとなった。それでいて、ゆらめく炎のような神秘性もキープ。昨年で結成から30周年（GREEN DAYとはキャリア、地元ともにほぼ同期）を迎え、老いるどころかさらなる激しさと緊張感を追い求めるミュージシャンシップと崇高なサウンドに、精神も体も飛ばされる1枚。

PINK FROYD等と肩を並べるプログレッシヴ・ロックの代表格にして、メタル方面にも影響力の強いKING CRIMSONの最新ライヴ作。昨年のワールドツアー（日本公演の音源も含む）をまとめたCDと映像のセットで、トリプルドラムにサックスまで用いた、緊張感のあるアンサンブルをものすごい高音質＆高画質でお届け。40年近く前の曲も含むが、色あせるどころか、いまだ誰も到達できていない境地と、格の違いを見せつけている。

尾崎世界観（vo,g）の名前を冠したフルアルバム。先だって発売された初の小説が、本名である『佑介』をつけたこともあり、こちらはミュージシャンとしての自分の名前を採用したのだとか。グランジ／オルタナ〜ポストロックまでを通過したサウンドは、パっと聴くとポップかつ耳にもよく馴染むのだけど、どこかねじくれた空気感と、尾崎の歌声が一筋縄ではいかない空気を醸し出している。

今年のLOUD PARKにて、SCORPIONSとともにトリを務めるWHITESNAKEの、79年のアルバム。DEEP PURPLE解散後にデイヴィッド・カヴァデールが結成したWHITESNAKEにとって、本作は2作目のアルバムとなる。DEEP PURPLEのクラシック要素は鳴りを潜め、ブルージィなハードロックを展開。ポップなメロディも満載で、デイヴィッドの渋さと甘さを兼ね備えた歌声ともよく馴染む。長いキャリアのなかで多くの名盤を残しているが、まずはこれと87年の『白蛇の紋章』あたりが入り口にはいいだろう。

しばらくは活動休止するかと思われていたところに、突然発表されたKNOTFEST JAPAN 2016。両日のヘッドラインは、もちろんSLIPKNOTだ。本作はジョーイとポールというバンドのイメージや作曲面で特に貢献度の高かった二人を欠いて作られた最新作。とはいえ不気味なSEをより際立たせることで、薄気味悪いエクストリーム・ヘヴィロックの、SLIPKNOTのあるべき姿と意地を見せつけている。