7月にメンバーの地元神奈川の野外で「DEAD POP FESTiVAL 2015」を開催するSiM。これをきっかけにさらなる飛躍が約束されている彼らが放つシングルだ。前シングル『EViLS』では違った表情を見せたが、今回はアニメ主題歌提供を経てついにフルヴァージョンがお目見えした“EXiSTENCE”を含み、とにかくヘヴィリフでガッツンガッツン攻めまくる、今のバンドの勢いを象徴するかのような2曲入りだ。とはいえ情景描写も豊かで、さらに洗練されたサウンドメイキングが光っている。

今年、何かやらかしそうな沖縄産バンド、ROACHの最新シングル。2013年にリリースした『GET MORE!!』はメロディに重心を傾けたが、昨年のシングル『CALL ME LAZY』と本作では、磨かれたメロディをしっかり残しつつも、再びヘヴィな方向へと揺り戻しが起こっている。カップリング曲“NO MORE”なんか、かなりのブルータルさを誇っている。リリース関係なくライヴを重ねている彼らだが、今年の動きにも期待がかかる。

2000年代中盤にデビューし、「新世代メタルの旗手」と言われたBULLET FORMY VALENTINEも、早くも5作目。立派な中堅バンドとして、キャリアを積んできた。今回は初のメンバーチェンジを経て制作されたアルバムだが、プロデューサーを初期のコリン・リチャードソンに戻す等、原点回帰的な側面も。近年は控えめだった硬質のヘヴィ・グルーヴに突進力のある鋭いギターリフ、刺々しいスクリームを復活させつつ、ここ2作品で見せたメロディを融合。新旧ファンを力技でねじ伏せる快作に仕上がった。Ozzfest Japan 2015での新メンバーお披露目も楽しみだ。

2014年に突如シーンに登場（各メンバーキャリアはあるのだけれど）した3ピース・バンドの1stフル。これがものすごい。ハードコアを主体にしているのは間違いないが、黎明期オルタナ、ノイズ、ジャンク、デスメタルほか、あらゆるエクストリーム・ミュージックを飲み込んだ、カオティックに入り乱れたサウンドだ。殺気だった気迫のようなものがみなぎっていて、血走った目で聴き手を追い詰めるが如し。とはいえ細部まで緻密に計算されており、最終的にキャッチーに仕上げる手腕は見事。初めて聴いたときにノーマークだったことを悔いることになる、新たな名盤だ。

再録ベスト『SKA BRAVO』を経てのニューアルバム。もちろんパンキッシュな疾走感も満載なのだけど、全編を通してリラックスした、スカパンクの楽しさをいっぱいに詰め込んだアルバムに仕上がっている。年相応にレイドバックしているけど、衰えなぞどこ吹く風。バンドの身上であるPMA（POSITIVE MENTAL ATTITUDE）を体現した、どこまでも明るく、ポジティヴで、しかし能天気ではない。日本のスカパンクの先駆者たる作品だ。9月に海外アーティストを呼び寄せて行うツアーも要チェック。

CRYSTAL LAKEほかで活躍する、ラウド界きっての名ドラマー、田浦楽のソロプロジェクトの2枚目のEP。楽器、ヴォーカル、果てはミックスやマスタリングまですべてを自分の手で行われている。スラッシーなリフをふんだんに盛り込んだ、モダンかつハイセンスなメタルコアをプレイ。自分の幼少期をベースにした楽曲や、作品名の通り、古き良き日本男児のありかた、大和魂に言及した歌詞にも注目。自身がギターを弾き、ほかのパートにサポートを迎えたライヴも、治安が悪いピットで必見だ。