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フォアグラ さんのレビュー一覧 

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     2016/05/14

    Eテレでパーヴォ・ヤルヴィ/N響とのブラームスをやっていたが、とても良かった。ところが、このCDでは悪くはないが琴線に触れるものがない。基本同じスタイルなのに。ヤンセンは生を聴いたことがあり、極めて繊細な表情からエスプレッシーヴォな表現まで幅の広い優れた演奏家だと思った。CDではその魅力がなかなか出てこないのは残念なことだ。このブラームスでは、ローマのオケの下手ではないがコクのない響きが足を引っ張っているのも一因だが、ヤンセンの表現も軽いというか真実性が薄く感じられるのはもしかしてデッカの音にも原因があるのかな。

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     2016/05/13

    ザラ・ネルソヴァを初めて聴いたが、素晴らしい演奏だった。私がこれまでに聴いたブロッホではベスト。これほどの人の録音が少ないのはどういうことだろう。アンセルメの指揮はバーンスタインの強烈な演奏を聴いた耳にはいかにも淡泊に感じられる。むしろ無名のスイス作曲家オブシェとガイザーの方にアンセルメの良さが出ている。オブシェはなんとなくマルタンを思い出させるし、ガイザーはヒンデミットそっくり。この辺が無名で終わった原因だろうが、曲自体は決して悪くない。スイス・ロマンドもいつになく頑張っている。

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     2016/04/22

    OVPPによる演奏で声楽は総勢5人のためマス的な迫力は望むべくもない。にもかかわらず聴後の不足感はない。むしろ各パートがいかなる時も明晰に聴き取れる良さのほうが上回っている。声楽陣も素晴らしい出来であり、バットの早めの快適テンポもあって、あっという間に聴き終えてしまった。そしてまたすぐに聴きたくなる。アルトが男声ではなく女声なのもよい。OVPPの是非に関係なくもっと知られるべき名盤だ。

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     2016/04/09

    カルロス・クライバーの伝記を読むとミレッカーが出てくる。偽名でのオペラデビューはミレッカーの「ガスパローネ」であり、この「乞食学生」も指揮している。クライバーというと「こうもり」の印象が強烈なため、オペレッタを得意としていたと思われるかもしれないが、そんなことはなく、どうしてミレッカーか、と興味が沸く。さて聴いてみると、実に楽しく面白くてびっくりだ。演奏も素晴らしい。嫌われ役オーレンドルフのナンバーが最高で、これをプライが楽しそうに歌っている。67年の録音なので(台詞だけ70年代に採ったらしい)シュトライヒもゲッダも十分に魅力的だ。これをクライバーが振ったらどうだったかとつい考えてしまうが、アラースの老練な指揮も見事なもので何の不満もない。

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     2016/03/18

    遅いというよりのろいといったほうが合っている演奏。「キリエ」を聴きとおすのは苦行に近い。クレンペラーやジュリーニ、リヒターだって結構遅いテンポなのだが、シェルヘンの場合はそれでスケールの大きな世界を構築するわけでなし、必然性が希薄なため辛くなってくる。独唱陣も心に残る歌唱をしているのはメリマンだけであり、ナイトリンガーなんて笑ってしまうレベルだ。シェルヘンならなんでも聴きたいという人向け。

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     2016/03/17

    レハールの後年の作品はアンハッピーエンドが多いそうだが、この「フリーデリケ」も悲恋もの。「メリー・ウィドウ」に比べ、はしゃいだところはなく、しっとりとしたロマンティックな音楽だが、メロディーの豊富なところはさすがにレハールだ。演奏も優れている。ヘレン・ドナートはモンテヴェルディからヒンデミットまでこなす万能ソプラノだが、出てきた瞬間にぱっと明るくなるような美声と初々しさはいつもながらに魅力的。ワルベルクの指揮は、もっと濃厚にやってもいいかなとも思うが、それはミュンヘン放送管の限界なのかもしれない。

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     2016/03/05

    6つのパルティータはバッハの最高峰の曲集のひとつだが、驚くほど録音が少ない。平均律クラヴィーアやゴルトベルクとは比べものにならないばかりかイギリス組曲やフランス組曲よりも全然少ない。チェンバロではレオンハルトの旧盤くらいしか優れたものがなく(新盤はリピートを全て省略した淡泊なものになってしまった)、コープマンの録音は待望のもの。楽器や装飾に完全に満足したわけではないが、それでも現段階ではこの曲集の最高のものといってよさそうだ。コープマンも録音を熱望していたとライナーノーツに自身書いており、万全を期して挑んだのだろう。3番、4番と曲が深みを増すにつれ、幽玄といっていい味わいを醸し出しており、繰り返し鑑賞したい逸品である。

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     2016/02/25

    「エロイカ」と3つの序曲が壮絶な演奏。これだけで購入する価値がある。定評ある9番とワルシャワ・フィルとの7番も素晴らしい。戦後間もない時期であり、オケのコンディションも万全ではないが、指揮者、オケとも苦難な状況を音楽で乗り越えようとする鬼気迫るものがあり、技術を超えて胸を打つ。44年の8番が磁気テープ録音のおかげで良好な音質なのも嬉しい。

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     2016/02/06

    コヴァセヴィチのスティーヴン・ビショップ時代の集成。オリジナル・ジャケットの復刻は嬉しいが、裏ジャケとディスク面の復刻はなし。このあたりがソニーのこだわりとの差だが、音質はフィリップスの暖色系の音が再現され極めて良好であり、良しとしよう。ベートーヴェンとブラームスが中心で、デビューが「ディアベリ変奏曲」というのはまさに超本格派だが、フィリップスにはアラウとブレンデルというこれまた超本格派がおり、レパートリーが完全に被っていたためコヴァセヴィチは常に3番手扱いであった。アメリカ人で「スティーヴン・ビショップ」という名前なのも特に日本ではベートーヴェン弾きとして不利だっただろう。私もEMI時代以降に聴きこんでおり、フィリップス時代はアルゲリッチとのデュオとバルトークくらいしか聴いたことがなかった。このセットで驚いたのは、ピアノの音の美しさ。実に芯があって輝かしく、EMI時代よりはるかに良い。フィリップス録音のほうがEMIより優秀なのも一因なのだが、そのおかげでどれも大変な聴きごたえだ。ベートーヴェンはコンチェルトと初期、中期ソナタが素晴らしい。後期3大ソナタは作品110の第2楽章のようにテンポが速すぎるところもあり、もう一息。一方で、バガテルやバルトークのミクロコスモスがとてもいい出来で、こうした小品を味わい深く聴かせる腕はたいしたものだ。コリン・デイヴィスもベスト・パートナーであり、ベートーヴェンが特に優れた演奏。ブラームスの2番はオケともども一味欠けるか。ともあれ、コヴァセヴィチの実力を再認識させる出色のセットであり、お勧めしたい。

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     2016/02/01

    コパチンスカヤのチャイコフスキーは賛否が割れるだろう。私は否だ。言いたいことはたくさんあるが、一番問題なのはコパチンスカヤに品格が認められないことだ。チャイコフスキーを自分のエモーション表現の道具としか考えていないように感じる。しかもその表現の底が浅いため、最初は驚かされてもだんだんネタが割れてきてしまう。一方、「結婚」は目の覚めるような名演奏だ。爆発的な生命力に、自然に体がリズムをとってしまう。クルレンツィスは時に地声を混ぜ土俗性を加味するが、それがストラヴィンスキーの意図を外れることは全くなく、キレのある最高にスリリングな演奏をなしとげている。ここがコパチンスカヤとの「芸格」の違いだ。迷演と超名演のカプリング。迷うところだが、「結婚」だけで十分価値あることから満点とする。

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     2015/12/31

    音が良くなっている。「ロメジュリ」はダブルデッカがメタリックでやかましい音でがっかりだったが、このセットでは本来の奥行と透明性を回復し、決定的名盤として蘇った。他の演奏も録音も素晴らしく、面白くて聴きだすと止まらない。プロコフィエフの5番でこれほど様々な音が聴こえてくるものはないし、ドビュッシー、ラヴェル、フランクも最高クラスの名演。「ポーギーとベス」も優れた演奏だが、ラトルのグルーヴ感はない。マゼールはノリで指揮することが全くなかったことが伺える。ブラームスも正統派の演奏にみえて随所に仕掛けが用意されており、こういうところをあざといと感じる人もいるだろう。しかし、それも含めてここには絶好調のマゼールとデッカ録音の絶頂が記録されている。生で聴いたこのコンビはむしろCBS録音の音に近かったが、マゼールの時に切れ味が鋭すぎ音楽の膨らみを失ってしまう欠点をデッカの圧倒的な色彩の録音がカバーし、相乗効果で最高の録音芸術になったと思う。マゼールがCBSに移籍して間もなくデッカは崩壊し、マゼールも大きな壁に突き当たることとなり、その音楽も変貌。バイエルン放送響とのブラームスなどけれん味しかない演奏で驚かされた。晩年にマゼールは復活するのだが、音楽業界不況で出ている録音が少ないのは残念。

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     2015/12/23

    リヒテルのこの2曲は、圧倒的にDG盤が支持されているが、彼のピアニズムの凄みを味わうのなら断然このメロディア盤だろう。音が悪いので敬遠されているのかもしれないが、昔聴いていたものよりかなり音質改善もされていて鑑賞に支障ない。雄渾でスタティックなムラヴィンスキーと垢ぬけないザンデルリンクの指揮者の対比も面白い。

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     2015/11/27

    作曲家の吉松隆が6番を「銀河鉄道交響曲」と呼んでいたが、尾高の演奏はまさにその表現として理想的なものだ。各楽章のリズムの刻みは「夜汽車」を連想させ、終楽章で「夜汽車」のリズムが戻ってくると、なんとも切ない気持ちで一杯になる。この曲の名演の一つといえよう。7番も同様に極めて内省的な演奏だが、この曲には大自然と人の営みの先に宇宙への飛躍もある。尾高&札幌響の真面目で丁寧な演奏では、そこまでたどり着けなかった印象も残る。札幌響には弦のさらなる厚みと表現力を求めたい。

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     2015/11/12

    ヒンデミットは、フーガ、パッサカリアばかりで理屈っぽく金太郎飴的という誤解がまだ残っているが、本当はハードボイルドなかっこいい音楽を書いた人だ。30年代末に書かれた作品では「シンフォニック・ダンス」やヴァイオリン協奏曲とともにもっと評価されていい曲。シュタルケルは気に入っていたようだが、確かに彼にぴったり。一方、プロコフィエフについてはシュタルケルはヒンデミットより下と言っているが、そんなことはない。超絶技巧を交えながら曲想がどんどん変遷し、強烈なロマンティシズムとドライなタッチが交錯する実に面白い曲であり、70年代にはまだその面白さが理解されていなかったのかもしれない。この時代に既にラウタヴァーラを取り上げているのもちょっと驚き。シュタルケルの演奏はどれも素晴らしいもので、この3曲の代表盤といっていいだろう。録音も鮮明。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/24

    「リーダイ」の愛読者だった父がクラシックに興味がないのに見栄で購入したベートーヴェン交響曲全集。書斎の飾り物となっていたレコードを小学生の時に引っ張り出して聴いたのが私のクラシック入門になった。チャールズ・ゲルハルトの解説も何度も読んだ。これが私のベートーヴェンの規範であり、だからこそフルトヴェングラーを聴いた時の衝撃は大きかった。なんだこの、のろい、重苦しい演奏は、こんなのベートーヴェンじゃないと思ったものだ。今ではフルトヴェングラーの素晴らしさももちろん理解しているが、どちらが好きかと言われればレイボヴィッツだ。私と同様の経験をしている方も少なくないようなのも嬉しい。演奏はどれもいいが、特に3番、4番は大好きである。時代を切り開いていく前衛としてのベートーヴェン。ロイヤル・フィルも優秀。今回のスクリベンダム盤では、ベートーヴェン以外のリーダイ、RCA録音が初めてまとめられたのだが、ロイヤル・フィル以外は偽名オケやスタジオ・オケばかりで演奏も玉石混交。(なぜか今回1枚のみパリ音楽院管弦楽団が正式名称になっている。それにしてもインターナショナル交響楽団てなんやねん。)このうちロンドンの2つのスタジオ・オケ(ロンドン新響、ロンドン・フェスティヴァル管)のレベルが低いのが残念。「春の祭典」はリズムもボロボロ。レイボヴィッツがブーレーズの師匠というのが信じられない演奏だ。ロイヤル・フィルとのものはどれもよく、パリ、ローマのオケのものも独特の面白みもある(グロボカールのソロが有名なボレロなど)が、評価は星4つが妥当だろう。でも、ベートーヴェンの価値を含めて満点にしたい。

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