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rela-cla88 さんのレビュー一覧 

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     2021/04/02

    ヤングのブラームスには驚いた。懐が深く膨よか。まさにブラームスの響き。ビオラ、チェロの盛り加減が素晴らしく、ハーモニーの厚みがまさしくブラームス。巨匠的と言っても良い程、ゆったりとして恰幅のある演奏だと思う。この1番も素晴らしい演奏。出だしを聴き、黙って正座してしまう程の貫禄だ。かと言って演出めいた表現は皆無。真摯にブラームスと向き合い、流れの中で演奏している。本当に素晴らしいのだ。問題は4楽章最後の最後の和音。ここご不納得。ここだけが。何故か分からぬが寸足らずに聴こえる。ここまでこれだけ懐深く朗々と、素晴らしい音を積み上げ響かせながら、何故この短さなのか?これで良かったの?足りないでしょう?あぁ勿体ない。

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     2021/04/01

    間違いなくロットは素晴らしい才能の持ち主だったでしょう。学生時代の習作と言っても良いこの曲ですが、若きロットの頭の中にある表現したい音楽が、全て詰め込まれた感じがします。確かにブルックナーやワーグナー に似た響きは少なからず聴こえてきますし、模倣めいたフレーズもありますが、それよりも、次なる時代の音を予感させる、ロマンに満ちた響きが溢れ出ていると感じます。おそらくは後期ロマン派の大作曲家になっていたのではないでしょうか。若くして亡くなってしまったことが残念でなりませんね。ヴァイグレ / MRO は丁寧実直な演奏で、この曲の魅力を分かりやすく紹介してくれています。もう少し掘り下げて欲しい感じはありますが。解釈、表現方法が深まり、更にロットの魅力を伝えてくれる演奏も出てくるでしょう。録音も次々と増えてくるはずです。これからも、マーラーに勝るとも劣らぬ天才ロットの音楽を聴き続けていきたいと思います。

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     2021/03/31

    これは若き小澤の代表的演奏のひとつ。 DG 名録音の一連。高校時代にこの LP と出会い、小澤が振る「ロメジュリ三景」の謳い文句に魅力を感じて購入しましたが、当時から企画の新鮮さが話題になっていたと思います。特にチャイコフスキー「幻想序曲」の劇的な表現を聴いて私もそれこそ劇的に感動し、クラシック音楽を真剣に聴くようになる大きなキッカケとなりました。全体的な音楽の起伏には、師匠のカラヤン譲りかと思わせる展開力と高揚感がありますが、小澤の鋭いリズム感とバランス感覚によって爽やかな独自の響きを生み出しています。溌剌とした情熱が真っ直ぐ伝わってくる素晴らしい演奏で、最後の場面での表現には凄みさえ感じるほど。特にティパニーの劇的な響きは物凄く、強く胸に刻まれています。私にとっては青春の名盤。SACD での発売を強く希望します。

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     2021/03/31

    ミュンシュ / ボストン 62年の幻想。剛健で男っぽい演奏。パリ管とは色彩感が放散するような「凄み」のある名演奏だったが、ボストンとはオケの馬力全開で力強い演奏。オケの纏まりと迫力は此方の方が上かも知れない。ステレオ感の強い録音なのか多少左右に分かれた聴こえ方がする。その影響もあると思うが、5楽章のティンパニーが左右から炸裂して鳴り響く迫力は「凄み」満点!弦も深くて厚みがある音。さすがに当時のボストン交響楽団は上手くて、まさしく名人オーケストラの響き。パリ管との演奏も素晴らしいが、どちらかと言えばボストンとの演奏を聴くことが私は多いかも。

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     2021/03/31

    幻想と言えば、皆さん必ず持っていらっしゃる程の名盤ですね。私が高校生の頃から常に決定盤でした。ミュンシュもパリ管もこれ以上ない程ヤル気満々で臨んでいるようで、とてもスタジオ録音とは思えぬ気迫と熱気に満ち溢れています。とにかくミュンシュの勢い最優先と言った感じで、多少のアンサンブルの乱れは気にせずに突っ走る「凄み」のある演奏です。おそらくは、指揮者もオケもゾーンに入っていたのではないでしょうかね。勿論さまざまな解釈、表現での素晴らしい幻想は他にも多数ありますが、ミュンシュのこの演奏は一生聴き続けていく幻想だと思います。

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     2021/03/27

    ヤンソンス / RCO マーラー8番は SACD+BD の豪華でありがたいセット。ハイレゾ音源を綺麗な映像見ながら聴けるなんて、この上なく悦ばしい。この曲の演奏にありがちな、大風呂敷を広げるような表現ではなく、きっちりとした構成感のある美しい「千人の交響曲」に仕上げている。纏まりが良いと言ってもスケールが小さいわけではなく、朗々として恰幅のある音楽が鳴っている。ヘボウのアコースティックも味方して、柔らかく美しい極上の響き。独唱陣も豪華な顔ぶれで、このようなステージに、我が藤村実穂子の姿があるのは誇らしい限り。児童合唱の活躍は特筆もので、完成度の高い澄みきった歌声を聴かせている。録音も優秀で、音の分離が良く、オケの各楽器、独唱、コーラスも混濁することなく定位が良くわかる。このような規模の曲としては最優秀録音の部類。美しい響きに浸り、満足感の味わえる素晴らしい演奏。皆さんにおすすめしたい。

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     2021/03/26

    ヘレヴェッヘ / アントワープ響 のシューマンはモダン楽器でのピリオドアプローチで、ほんのり暖かい音色。ロマン派らしい響きも感じられて想像以上に素晴らしい演奏。既にシャンゼリゼと古楽器の全集を録れていることもあり、今度は表情が変わるのではないかなぁ?と期待していました。私は特に4番が素晴らしいと思います、縦の線はきっちりとクサビが入り、横には抑揚がある演奏。ビシッと引き締まって響きは膨よか。2番の方は、楽曲の性格もあると思うけれど、縦が甘くなりがちで、横に流れてしまっている感じ。アントワープとの相性はかなり良いようで、ヘレヴェッヘの要求に応えようと献身的に演奏しているオケの姿が見えるよう。現在ヘレヴェッヘはアントワープの名誉指揮者とのことで、ロイヤル・フランダース時代から随分と長く振っているので、きっと良い関係が続いているのだろうと思う。今後もこのコンビの演奏を気にしてしまいそう。

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     2021/03/26

    72年から78年にかけて DG が録音した 小澤 / ボストン の名演のひとつ。なんとも若々しい演奏で、冒頭のティンパニーからブラームスらしい響きに引き込まれる。テンポはやや速めだが、厚みがあり品格の良い響きでホールが満たされてゆく。重厚感のある音ではあるが、響きが美しいので、どんよりとした重さは感じない。これは何処のオーケストラにも出せない BSO 独特のサウンド。素晴らしい。2楽章の弦楽の落ち着いた美しい響き、3楽章の木管も暖かみのある音で素晴らしいアンサンブルを聴かせている。4楽章は更に素晴らしく、入りから小澤のブラームスへの情熱が溢れ出している。オーケストラも小澤の想いに応えて一体となり、素晴らしい高揚感をもって締めくくる。まさにブラームスの響きである。この時期の小澤は、活き活きとして想いの強さが全て演奏に出ているように感じる。本当に素晴らしいブラームス。大切にしたい演奏だ。

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     2021/03/25

    これもまたヴィトの名演奏。オケは名門ワルシャワ・フィルです。ブラームスの傑作、ドイツ語によるレクイエムを、ヴィトはいつものごとくオーケストラをバランス良くコントロールして進めて行きます。声楽を伴う曲を統率する技量はピカイチで、見事にこの大曲を纏め上げています。いたずらにロマンを演出することもなく、粛々と音を重ねていき、積み上げた音楽から真っ直ぐに美しさやロマンを伝えてくれる素晴らしい演奏だと思います。あらためてこの曲の深々とした美しさを認識できました。正攻法で、勘所を押さえたヴィトの演奏。私には構築度が高く、恰幅のある堂々とした音楽として聴こえます。いつも、素晴らしい指揮者だと感服するのですが、何故か大きく注目されることが無く不思議です。エリシュカのような例もありますから、80歳を過ぎてからかも知れませんね。是非 ヴィト / ワルシャワ でブラームスの交響曲が聴いてみたいです。

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     2021/03/25

    グリーグを聴くとしてもペールギュントとピアノ協奏曲ばかりだったので、これでは寂しいなと思い、少しずつ他の作品を探しては聴いています。最近ではホルベルクと抒情小曲集を聴き、グリーグの印象が少し変わってきました。今度は交響曲と「秋」を目当てにして本盤を購入した次第。いやぁこの交響曲は面白かったですよ。グリーグっぽくはなかったけれど(笑)グリーグ自身が封印した曰く付きの曲とのことですが、若き日の習作とは言え、結構力んで作曲したのでしょう。カッチリの構成されていて「交響曲」らしいところが意外でした。民謡調だったり抒情的だったりを想像してましたが、どちらかと言えば重厚感のほうが強かったです。1864年に完成したとのことで、ブラームス やチャイコフスキーの1番シンフォニーより前ですよね。シューマンの後くらいかな。ロマン派的交響曲を書かなければと構えていたのかも知れませんね。グリーグの一面が見ることが出来たような気がして良かったです。小川典子のコンチェルトも良かったですね。細やかな表現で、丁寧に丁寧に演奏されています。この曲を大切にしているのだなぁと感じました。私が今までに聴いた演奏の中でも上位に入る素晴らしい演奏でした。小川さんの他の演奏も聴いてみようと思います。随分前ですがセントラル愛知交響楽団の定期で、小川さんのラヴェルのコンチェルトを聴いたことを思い出しました。

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     2021/03/25

    名盤の誉高いワルター のマーラー「巨人」です。私が知る、マーラーの下で直接関わった指揮者はワルター とクレンペラーですが、弟子の演奏した「巨人」はこのワルター の演奏だけですかね。まさしく青春の交響曲と言った感じで、マーラーの息吹が若々しく歌われています。ワルター らしい温和な音ですが、表現は大きく、情熱が伝わってくる演奏。細かなテンポの揺れよりも、全体の大きなうねりを大切にすることで、この交響曲に込められた感情を歌いあげています。最終楽章は恰幅のある大きな振り幅で進み、コーダの金管の迫力は最大に高揚し、素晴らしく立派な響きです。永遠に残る演奏のひとつでしょう。更に良質な音で聴いてみたいですね。

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     2021/03/24

    小澤 / ボストン のチャイコフスキー5番。私にとっては、言葉にならない程に素晴らしい演奏。心のあるがままに、想いの全てをぶつけたような熱意が伝わってきます。この時期の小澤 / BSO の録音は、本当に素晴らしい演奏ばかりだと思います。マーラー1番、レスピーギ、ブラームス1番、そしてこのチャイコフスキー。小澤の美感とほとばしる情熱が、真っ直ぐ伝わってきます。本盤の演奏での聴きどころは多々ありますが、私は特に2楽章の序奏、弦楽のコラール風な響きが美しい。少しずつ何かが始まるような雰囲気、この生命力ある厳かな響きに、いつも心が震えてしまいます。この何秒かの空気感は、他の演奏で感じることが未だかつて無いですね。その後に続くカヴァロフスキのホルンの美しさは格別の名人芸。また4楽章コーダ前の全休符の「間」、これが何とも絶妙で、小澤のリズム感の良さが如実に現れています。この「間」が、爽やかで活き活きとした躍動感を生み出し、最高の高揚感をもって全曲を締めくくります。後年、ベルリンフィルとの頗る完成度の高い素晴らしい録音がありますが、天下のベルリンフィルの完璧な演奏をしても「何かが足りていない」と思えてしまうほど、この 小澤 / ボストン の演奏は素晴らしい。是非とも若い人たちに聴いてほしい演奏です。

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     2021/03/23

    アンスネスはトロールハウゲンのグリーグの部屋で、グリーグの使っていたスタンウェイで演奏しているとのこと。グリーグの部屋に響く音に「聴き耳」をたててしまいました。演奏も素晴らしいですが、企画としても素晴らしいですね。すごく繊細で美しい演奏だと思います。ギレリスの名盤もありますが、アンスネスも良いんじゃないですか。細やかな表現を活かすことを考えて選曲しているのではないでしょうか。静かな曲に味が出ているような気がしますし、賑やかな曲からも繊細さが伝わってきます。寒い国にショパンが居たらこんな曲を書いていたかもしれません。繰り返し繰り返し「聴き耳」をたてて聴いてみたいと思います。アンスネスのピアノ協奏曲も聴いてみようかと思ってます。

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     2021/03/22

    私が贔屓にしている ヴィト / ポーランド国立放送交響楽団 の美しいマーラー「復活」です。私もこの曲が好きでいろいろと聴いていますが、ヴィトは他とはかなり違う曲の捉え方で、響きの美しさでは一番の「復活」ではないかなぁと思います。「凄かった!」よりも「美しいなぁ」と感じてしまうような演奏。楽曲の構造を明確にすることに主眼を置いているような演奏で、大音響の場面でも嫌な音はせず、むしろ美しい響きによって音楽に恰幅を出しているように感じます。「オケと合唱のど迫力」を求めると肩透かしをくった気がするかも知れません。全曲を聴き終わると、マーラー交響曲第2番の姿や形が見えてくるような気がして、迫力よりも全体の響きの美しさが伝わってきました。録音は、ちょっと残響が多くて直接音が聴こえ難いです。常に正攻法でツボを押さえたヴィトの表現。私は巨匠と言っても良い指揮者だと思いますが、何故か地味な存在なんですよね。次は千人を聴いてみようと思っています。

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     2021/03/20

    少し前にヘレヴェッヘのフランクを聴きまして、あまりに素晴らしかったので、今度はベートーヴェンの交響曲全集を聴き出しました。まだ全曲は聴けていないのですが中々良いのでお伝えします。1番3番5番8番を聴き終わりましたが、1番3番8番が魅力的な演奏でした。オーケストラはロイヤルフランダースフィル。今はアントワープ交響楽団と言うそうです。演奏様式はモダン楽器のピリオドアプローチなので、古楽器古学期した音ではありません。モダンの余分な響きを削ってシャープにした感じです。でもモダンの響きの良いところは上手く活かしていて心地よい響きです。ヘレヴェッヘの要求は細かく厳しいはずですから、オケはよく頑張っていると思います。ところどころでの繊細な表現が伝わってきます。それから、どの曲にも共通していますがティンパニーがかなり効いています。清潔感はありますが結構強いアクセントをつけていてヘレヴェッヘの表現を底ざさえしています。かなり印書的でした。ヘレヴェッヘの解釈はスマートでテンポもそれほど早くないですね。中庸と言っても良いくらいです。特に変わったことはしていなくて正統的な演奏だと思います。これは素晴らしい演奏でした。フランクを聴いてからヘレヴェッヘのイメージが変わりましたね。5番はちょっと面白くなかったですけど、私には。普通の感じでサクサクっといってしまったので。未聴の5曲もじっくり聴いてみます。ロイヤルフランダースはかなり能力高いですね。確かワールトとのマーラーが出ていたと思うので聴いてみたくなりました。

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