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『死化粧師 オロスコ(完全版)』 釣崎清隆 インタビュー 第6回

Monday, March 10th 2008

無題ドキュメント 『死化粧師オロスコ』 釣崎清隆 6
 


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『死化粧師オロスコ』
2008年3月22日(土)アップリンクXにて、レイトショー!
★上映終了後、釣崎監督と日替わりでゲストによるトークショー開催
★イベント情報の詳細は、こちらより



第6回 「男の職業」


--- 今後も映像で、死体を撮り続けられるという・・・。

釣崎 そうですね、撮りますね。まあ全然、ビデオカメラとかを持っていかないことがほとんどだったんですけど、『オロスコ』とかを撮り始めるようになってから、常に携帯するようになって。
 はっきり言ってあれなんですよね、タイの交通事故の現場とかって、やっぱりもうめちゃくちゃスピーディーに仕事するから、どっちかって決めないと、まともなもの撮れないんですよ。で、20代の体力ある頃はですね、ニ挺拳銃でやってたんですけど、それでも結構まともに映ってたりとかしてて。でももう自信ないかもしれないですね。
 どっちかって決めないと、ああいう交通事故みたいな現場とかは、特にそうですけどね。なんて言っても、仕事のフィールドが報道の現場なんで、アーティストとして発ちまわるっていうわけにはいかないんですよ。で、「贅沢は言ってられない」っていうところはあって。
 でもその中でも、「これは映像」って決まって、スチールは最初から捨てるっていう場面も出てきたりとかして。だから、映像の比重は大きくなってますね、ここのところ。

--- 次回作は、どのような作品になりそうですか?

釣崎 次はですね、もう決まってるんですけど・・・高尚なものになります(笑)。

--- 高尚な・・・(笑)。完成はいつ頃になりそうですか?

釣崎 夏です。あのね、その企画が大阪のコラプテッドっていうドゥームメタルのバンドと仲良くさせてもらってて。2006年に出た、「EL MUNDO FRIO」、”冷たい世界”ってタイトルのアルバムがあるんですけど、70分の作品で。その曲にインスパイアされてなんとなく、4、5分の映像を作ってたんですけど、すごくいいものになって。で、「じゃあ70分のものを作ろう」ってなって・・・そんな企画です。

--- そのアルバムの長さに合わせた、70分の映像作品になるんですね。

釣崎 はい、そうです。PVっていったらそうなんですけど、この世界の残酷さとかそういうことに対して、朗々と悲しみを持って歌うっていう、こう壮大なスケールの・・・(笑)。『ジャンクフィルム』は、従来の残酷ドキュメンタリーとは違う部分をやってると思うんですけど、あれよりももっと、”アートの方向”に振ってみようかなって思ってやってますね。

--- そちらの新作も、たのしみにしておりますので。では最後の質問なのですが、釣崎さんにとって、アーティストとは?

釣崎 ・・・この世で一番かっこいい職業だと思いますよ。あとはね、”男の職業”。
 映画監督は、”男の職業”ってことです。映画って思うにですね、あらゆる表現の中で最も浪費するし、環境にも厳しい・・・優しくないメディアだと思うんですよ。それが出来る立場っていうのは、”責任”が伴うと思うんですよ。そんなせこいこと言ってもしょうがないな(笑)。
 偉い、人を使う仕事だし、お金も使うし・・・。あの、そういう人間じゃないと、器がある人間じゃないとやっちゃいけないと思うんですよね。だからすごく特権的な職業だと思いますけどね。
 スチールやってみて思ったんですけど、スチールの何ていうか、めちゃくちゃ研ぎ澄ました一瞬の表現って、やってみてそのすごさに気付きましたけどね。だから「スチールもやってみてよかったな」ってほんとに思いますね。
 “映画は全部詰まってる”っていう考え方をすると、逆につまんなくなってきて。だからって、「中途半端ってことかよ」みたいなね(笑)。そういう考え方もできるって言えば、できるじゃないですか?
 でも、「全部がパーフェクトだったら、それに越したことはない」っていうことでね。そういう意味でも、やればやるほどですし、”パーフェクトにできるのが一流の作家”なのかなって。そういう風になれたらいいなと思いますけど。まあなれたらいいっていうか、そんなもの成長してなれるものじゃないんで、自分はそういう風に信じてますけど・・・。こんな答えでいいのかな?(笑)。

--- はい、ありがとうございます。命はもちろん・・・わたしなんかが言うお話しではないですけれども、命だけは・・・。

釣崎 ああ、俺の命?(笑)。

--- はい(笑)、お気を付けて、今後も作品を作り続けて頂きたいと思っておりますので。

釣崎 そうですね、まあね、命を引き換えにやるくらいじゃないと対等になれないかなって思ったりします。だからわざと、危ないところに行ったりするっていうのは、そういう意味でも自分に対する納得っていうか、ありますよね。
  タイとかで・・・まあ、タイはいい国だし、何の問題もないんですけど、何か安易に撮ってる気がして。すごく自分の中で気持ち悪いんですよ。だからそういう意味ではやっぱり、自分のリスクを冒して・・・まあ、”マゾ”ですよね、要するに・・・(笑)。そんな感じですね(笑)。


おわり…

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