『死化粧師 オロスコ(完全版)』 釣崎清隆 インタビュー 第2回
Monday, March 10th 2008
![]() |
| Archive | |
|
|
|
『死化粧師オロスコ』
釣崎 行ったりきたりでしたね。僕が行く国っていうのは、コロンビアだけじゃなかったりしますし、世界中廻ってるんで。あの頃は年に3回くらいコロンビアに行って、出たり入ったりしてたんですけど。だから本当、タイミングによるというか。都合するとどのくらいだろうな、3ヶ月くらいですかね。 --- 全体のフィルムは、その3ヶ月くらいの滞在の中で、どのくらいの時間になったんですか? 釣崎 うーん、100時間くらいですかね。あれなんですよ、とにかくほんとに危ない場所なんで、カメラを出せないし、まず。いくつもそういう、キャッチなシーンを逃したりはしてますよね。
--- その100時間くらいあるフィルムの中で、『死化粧師オロスコ』は2時間弱の作品に編集されていますが、編集で一番大事にされたというか、どういう点を考えて編集されたのかなあと思いまして・・・。 釣崎 まあテーマとしてはまず本線で、”オロスコの日常”っていうか、はっきり言って、毎日毎日仕事の繰り返しなんですよ。それって一応、コロンビアの刺激的な日常なんだけど、ある意味、“退屈な暴力的な日常”っていうか。”日常生活の中の仕事”っていうことに託して描きたいっていうテーマが、まず一つあって。 音楽も自分たちで作ってるんですけど、ほんとにもう、ミニマルのループみたいなそういう、「延々と地獄のように繰り返す、繰り返しっていうのをやろう」ってことで。そういう部分に気を遣うっていうか、考えながら編集しましたね。 --- 死体をエンバームしていくオロスコさんを観ていても、ドキュメンタリーであるのに、コロンビアのボゴタで実際に行なわれているとは信じられないような、現実ではないように映りました。 釣崎 どっちにしろ、現実を表現できるわけがないので、少なくてもバーチャルな形ですから。あとやっぱり、意図はしてますよ?(笑)。「露骨になるべく撮ること、表現することでかえって、現実感のない感じにしよう」っていうね。それは一応、目論みは目論みなんですよね。で、それが一番、コロンビアの特性みたいなのにつながってて。 --- 先ほどもお話しされていましたが、オロスコさんはやっぱり、特別な存在でしたか? 釣崎 うーん、そうですね、僕から見れば、最初から違ったというか。でも、そこにずっと住んでる人だし、ネイティブの人からすると、いて当然っていうか、そこにいて当然の面構えというか(笑)。逆に言えば、そこにしかいないようなタイプの人間ですよね。だからそうですね、いてもなかなかいないっていうのは確かですね、彼みたいな人は。 --- 作品を拝見していて、初めは本当に目を背けたくなるようなシーンの連続だったんですが、だんだんと目が慣れてきて・・・。そうすると今度は、オロスコさんのエンバーミングをしているとは思えないような、美しい動きにみとれてしまったんですよね。映画の中でもう一人、エンバーマーの方、ウィパーさんと比べるとよけいに、オロスコさんのお仕事というのが美しかったり、丁寧な感じがすごくしたんです。 釣崎 なんか、あれですよね。愛情がこもってるっていうかね。それは”人間性の問題”もあると思うんですけどね。だけど今おっしゃったポイントはすごく重要なことで、もちろん、エンバーマーのウィパーっていうのは、テクニックは持ってる人で。 --- もう空気が全然違うなって思いました。 釣崎 僕自身、撮っててそういう気持ちになって撮ってるから、それも加味したら、やっぱりそういうことになってると思うんですけどね。まあでも、ちゃんとそういう風に見えてるんだなって思って、安心しました(笑)。
|
|
| Archive | |
|
|
|
|
最新インタビュー
|
ジャパニーズポップス ロック&ポップス ダンス&ソウル ジャズ/ワールド/イージーリスニング TV & 映画
|
![]() |


