おとぎ話 インタビュー 【第2回】

2008年3月7日 (金)

無題ドキュメント
おとぎ話 有馬和樹


  Archive (更新の予定)
※更新日はあくまでも予定ですので、変更の場合があります。御理解の程を。
  第1回 「おとぎ話の軌跡」
  第2回 「『ハローグッバイ ep.』全曲解説」
  第3回 「影響を受けたアーティスト」
  第4回 「印象に残っているライブ」
  第5回 「これからの、おとぎ話」
  ※インタビューの最後に素敵なプレゼントがあります!

2008-03-05
2008-03-07
2008-03-11
2008-03-14
2008-03-14



第2回 「『ハローグッバイ ep.』全曲解説」



--- それでは、ここからは、3月5日リリースの『ハローグッバイep.』全曲解説に行きたいと思います。まずは1曲目の「SMILE」から。

有馬 「SMILE」はというか、『ハローグッバイep.』をリリースするきっかけは、前作のアルバムをつくっていたときからあって。アルバムをリリースしたらすぐにシングルでもいいから何かしらの形でリリースしたいと思っていて。
  というのも、周りの友達がファーストアルバムをリリースすると、自分の集大成を吐き出したかのように、一度歩みを止めてしまう事が多くて。次の一手を打つのに時間がかかるというか。それを見ていてすごくもったいないなぁと思っていて。だからこそ、早めのタイミングで何かを出したいと思っていて。
  しかも、出すんだったら必殺のシングルを出したいとも思っていて。そこでつくったのがこの「SMILE」なんですよね。

--- それでは、2曲目の「FLOWER」は?

有馬 「FLOWER」はもう、“みんなのうた”のような感じにしたくて、つくりました。それこそ、NHK教育テレビから依頼を受けていないのに受けているような感覚で(笑)、3分以内の曲をつくろうとして出来た曲です。
  だから、ちっちゃい子でもわかるような曲だと思うんですよ。実は、小学校の音楽の教科書に載っていてもおかしくないような曲をつくるのが僕の夢なので。そこから外れたくはないんですよ。それこそ、「贈る言葉」みたいな曲が書けるようになったらいいなと本気で思っているので。
  でも、なかなか難しいですよ。だって、こんなこと言いながら、レコーディングの時はトラックをオルタナ・ロックのような音色にしてしまうんですからね。なんか可笑しいですよね(笑)。

--- 3曲目の「HOPE」はリフ主体の楽曲ですよね。そこに歌詞を載せて韻を踏んでいるというか。

有馬 そうっすね。ゆらゆら帝国のように、言葉を擬音語として、音符のように乗っけるのを意識していましたし、延々と同じようなコード感を綴っていくところとか。さらに小学生に立ち戻ったかのように、アホな歌詞をぽろっと書き連ねて出来た曲がこの曲ですね。
  なんか自分の中ではおかしな曲だと思っていたんですけど、音楽雑誌のレビューでも「HOPE」を取り上げてくれていたり、難しい音楽を演っている友達や、インストバンドを演っている友達とかが、「HOPE」が良いって言ってくれて。かなり単純な曲なんですけど、そうやって評価されると不思議で、逆にこういうものが今は新鮮なのかなって思ってしまいますね。アンサンブル重視で勝負しているバンドが多い中で、こういう天然の良さがいいのかなとか(笑)。
  この前、バレンタインデーに演ったライブイベント(FACT & LIQUIDROOM present 
VALENTINE ROCK)で共演したくるりの岸田さんが凄く良くて、くるりを改めて最近聴き直してみてるんですけど、くるりの曲でもあまり深く考えずに天然で創っているような曲が入っているんですよね。
  でも天然だけではなくて。天然で出てきたモノを改めて考え直してつくっているというか。だからいいのかなって思います。メロディーが良い曲っていうのはそういう曲なのかなって最近強く思います。はい。

--- そのイベントで曽我部恵一さんとも共演しましたよね?今、曽我部さんって、ものすごいパワフルな活動をしてますよね。それってほんと良い意味での天然だと思うんですよ。ライブ演りたいから演る、曲が出来たからリリースする、という。
  さらに、曽我部さんというと、ちょうど同タイミングで曽我部恵一BANDの『魔法のバスに乗って』(注:1)がリリースなんですが、このシングルと『ハローグッバイep.』が鳴らす音像が図らずとも、もの凄く似通っている空気を感じたんですよ。

有馬 曽我部さんのフットワークの軽さから来る今の活動って、ほんと魅力的ですよね。それでも屈託のない歌詞が出てくるというのがすごいですよね。あの人は今、絵本を書いているような感覚で音楽をつくっているんじゃないかなって思いますね。 それに対して、今、僕はシンパシーを感じています。
  ていうか、あれっすよね? また今度アルバム出すんですよね?(4/15発売予定、曽我部恵一BAND、1stAlbum『キラキラ!』) 無茶苦茶っすよね!?(笑) すごいっすよ! やっぱああいう活動は憧れちゃいますよね。
  それと、『魔法のバスに乗って』。最近聴かせて頂いたんですけど、ほんとぶっちゃけた話、僕自身も同じ匂いを感じたんですよ。同じ共通項で『ハローグッバイep.』も語られるといいなって思ってしまいました。さらに同じ時期に出せるのがすごい嬉しいですね!

--- なるほど。それではタイトルトラックにもなっている、最終曲の「ハローグッバイ」について色々と聞かせて頂きたいのですが。

有馬 「ハローグッバイ」は、前作のアルバムを制作する前にはあって。この『ハローグッバイep.』の中で一番最初に出来上がった曲です。

--- この曲は、まさに、あのビートルズの名曲「Hello Goodbye」(注:2)から拝借した曲ですよね?

有馬 まさにそうですね(笑)。うちらって、メンバー4人ともにビートルズ・フリークで。曲をつくるとき必ずビートルズが話題に上るんですよ。それこそ、“この曲だったら、ジョンならどうする? ポールなら?”みたいな(笑)。尊敬しているしリスペクトしているからこそ拝借したということなんですよ。
  それと、おとぎ話で曲をつくるときには、常に新しいものをつくらなきゃいけないっていうのが無くて。今まであったもの、今すでにあるものもひっくるめて形にして、おとぎ話で演っていくことの意義というものを考えているんです。だから、「ハローグッバイ」の最後にビートルズの「Hello Goodbye」のフレーズを入れるのも、僕の中ではすごく理にかなっていて、そこに音楽の可能性を感じるんですよ。
  リスナーの方が僕達の「ハローグッバイ」を聴いた後に、ビートルズの「Hello Goodbye」を聴きたくなるようなことになれば、嬉しいですね。曲のコード感とかは、本家の「Hello goodbye」とは違うとは思うんですけど、どこか通じるところもあると思います。でも、その違いはやっぱり日本語の曲を書いているからなんだと思いますね。サウンドは洋楽的であっても…。
  僕、はっぴいえんどもすごく好きなんで。ああいう風にちゃんと日本語を日本語詞として乗せるようなことをやりたいんです。


続く…

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ハローグッバイEp.
 CDM  ハローグッバイ Ep

1.SMILE
2.HOPE
3.FLOWER
4.ハローグッバイ

 Profile

有馬和樹(Vo.& Gr.)
風間洋隆(B.)
牛尾健太(Gr.&Chorus)
前越啓輔(Dr.&Chorus)

 

 注釈

(注:1)
曽我部恵一BAND/魔法のバスに乗って
ロックというものはこんなにも儚く、煌びやかで希望に満ちた音楽であると証明しめした1枚 。曽我部恵一BANDキャリア史上最高の1曲。いや、ロック史に歴史を記す一枚と言っても過言ではない。限定盤!売り切れ必至!

魔法のバスに乗って

 CDM  魔法のバスに乗って


(注:2)
THE BEATLES/Magical Mystery Tour
「Hello Goodbye」が収録されているアルバムはいくつかあるが、やはりこのアルバムで聴くのがベスト。他にも彼らの名曲が並ぶ名盤。

Magical Mystery Tour

 CD  Magical Mystery Tour