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6 people agree with this review 2012/06/08
私の中でのベートーヴェン弾きの代表は,バックハウスとギレリスとグルダ。もちろんその他にも素晴らしいベートーヴェンを聴かせてくれるピアニストは多いですが,やはりこの3名です。 大雑把に言えば,作曲のイメージをそのままに力強くベートーヴェンを聴かせてくれるギレリス,面白くユニークな演奏で新たなベートーヴェンの魅力に気づかせてくれるグルダ,そして朴訥とした演奏で,虚飾を排した純粋なベートーヴェンを届けてくれるこのバックハウス。一切の雑念なく,本当にベートーヴェンを聴きたいなぁ…と思ったときには,必ずバックハウスに手が伸びます。技術的に彼より優れていると感じるものもありますし,彼より美しく演奏しているものだって沢山あるでしょう。だけど,彼ほど“ベートーヴェン”を演奏している人はいません。一人ひとり“ベートーヴェン”像は異なっているだろうと思います。私にとっての“ベートーヴェン”…それは紛れもなくバックハウスです。 真のベートーヴェン弾きをバックで支えるシュミット=イッセルシュテット&ウィーン・フィルも素晴らしいの一言。彼らの交響曲全集も素晴らしいけれど,ピアニストの真のベートーヴェンを汚さない(邪魔しない…?…どう言えばいいのだろう…)何も足さず何も引かないここでの演奏も交響曲群に負けず劣らずの素晴らしさ。
6 people agree with this review
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2 people agree with this review 2012/05/25
男気溢れる質実剛健の『新世界より』。余分な贅肉,余計な化粧,一切なし。聴いていて心地よいことこの上なし。第1楽章の少し固めのティンパニの何て爽やかなこと! 高音弦の精妙さにもうっとりだ。「あんまり俺の作品をいじらないでよ…」とか「あなた方の演奏は美し過ぎです…」とドヴォルザークも呟くんじゃないのかなぁ…と感じてしまうような演奏を沢山聴かされているような気もする今日この頃,アンチェル&チェコ・フィルのこの演奏が一層光を放っています。 音質(聴こえ方)に関しては,先にレビューされておられる春和紙さんのコメント,完璧です。
2 people agree with this review
3 people agree with this review 2012/05/25
ノイマン&チェコ・フィルの柔らかさ・温かさ,クーベリック&シカゴ響の純音楽的で見事な構成,そしてこのアンチェル&チェコ・フィル,私のベスト3がシングルレイヤーのSACDで聴けることになった。いずれも角が取れつつ華やかさが増した十分満足のいく音質改善。4,500円×3は大層な出費ですが…まぁ,仕方のないところかな…。週に1枚ずつ交互に聴いて,モトを取れるように頑張ろうか…! アンチェルの余計な化粧を施さない姿勢はノイマンと重なる部分が多いですが,気づかないような見事な“うっすら薄化粧”のノイマンに対して,アンチェルは正に“スッピン”の感。男気溢れたボヘミア男子が作り出す力強い音楽。この名曲を“鑑賞する”という立場でなら,クーベリック盤に手が伸びますが,「悪との抗争」という歴史的背景などを思いながら聴くとなると,やはりこの力強いアンチェル盤,となります。 アンチェル,ノイマン,クーベリック,『わが祖国』の素晴らしい三角関係…この一角を崩す演奏は現われそうにありません。
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12 people agree with this review 2012/05/21
非常に美しく整った演奏。このようにしか感じられなかったのが残念…。ヴァントには,あの鋭い眼光で睨まれているかのようなハッとする瞬間が随所にある。シューリヒトには,たまらない寂寥感が。ヨッフムはガッシリと堂々。カラヤンはスーパー・モデルの趣。大河のごときチェリビダッケ。そして,最近一番心打たれたサヴァリッシュは勢いに溢れている。その“前進性”がたまらなく魅力的。 そんな中,このラトル…美しく整ったとしか感想を抱けなかった…。「美しく整っている」だけでも十分褒められるべきなんだろうけど,先に書いた名演奏たちをもう経験してしまっている耳には…やはり不完全燃焼感を抱いてしまう。 第4楽章…「ブルックナーは,こんな感じでこの曲を終わらせたかったのかな…」と少々懐疑的に…。何度か聴けば慣れてくるんだろうか…。暫くは,ブルックナーの第9の最終楽章はやはり第3楽章…となりそうだ。
12 people agree with this review
3 people agree with this review 2012/05/18
バーンスタインのマーラーには“ドラマ”がある。元々ドラマティックに書かれている作品たちだから,客観的なアプローチであってもドラマティックに仕上がる。インバル,シャイー,M.T.トーマス,ジンマン…それぞれ,マーラーのドラマティックな音楽の素晴らしさを伝えてくれた(いずれも高音質で!)。が,バーンスタインはただでさえドラマティックな作品に,更にドラマを積み重ねる。ドラマティックな作品をドラマティックに演奏して聴かせてくれる。その相乗効果たるや凄まじく,音が音楽が耳に押し寄せてくる。 第1番の冒頭,キーンと鳴っている弦の上を木管がさえずる…その時,私は野原に立って,鳥がさえずるのを聴いている。第2番では,彼らの音に乗って,私が現実に経験した苦しさの記憶が押し寄せてくる。第3番では,昔の北海道旅行で体験した大自然に包み込まれている感覚を思い出すし,第4番では…と,全てが全てことごとく自己体験につながっていく。私の自己体験を音として感じてしまう。素晴らしい演奏は多々あれど,こんな風に聴かせてくれるのはバーンスタインだけです。
1 people agree with this review 2012/05/18
様々な演奏を聴き比べましたが,ブレインの音…とにかく圧倒的に“甘い”(否定的な“甘い”ではありません)! この“メロウ感”は,絶対に彼にしか出せない…! モーツァルトの美しい音楽をかくも甘くメロウに響かせる…他に何が必要だろう…。 それから,カラヤンのバックも絶品。思い浮かんだのが杜甫の「江は碧にして鳥は逾よ白く,山青くして花然えんと欲す」。カラヤンの作り出す美しくシャープ(!)な碧・青をバックに,ブレインの音は鳥のように逾よ白く,花のように然えている。 多くのオーパス盤について言えることなのですが,他の盤に比べ迫力が増しているように感じます。“音圧”を感じるのです。 ブレイン,カラヤン,音質…ほんと,まさしく「絶句」…。
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0 people agree with this review 2012/05/18
様々な演奏を聴き比べましたが,ブレインの音…とにかく圧倒的に“甘い”(否定的な“甘い”ではありません)! この“メロウ感”は,絶対に彼にしか出せない…! モーツァルトの美しい音楽をかくも甘くメロウに響かせる…他に何が必要だろう…。 それから,カラヤンのバックも絶品。思い浮かんだのが杜甫の「江は碧にして鳥は逾よ白く,山青くして花然えんと欲す」。カラヤンの作り出す美しくシャープ(!)な碧・青をバックに,ブレインの音は鳥のように逾よ白く,花のように然えている。 ブレイン,カラヤン…ほんと,まさしく「絶句」…。
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2 people agree with this review 2012/05/12
デュプレ&バルビローリのコンビのエルガーの協奏曲に関しては,セッション録音でも十分にライブ感があるし,SACD化で音質も飛躍的にアップしたので,どうしてもそちらの方に耳が行ってしまいます。が,彼女の溢れるパッションは共通だし,バルビローリの包容力たっぷりのバックの見事さも共通だし,魅力満載のライブ演奏であることは間違いありません。 それにしても,このアルバムで聴けるバッハの無伴奏2曲は,いい! 弓のしなりや弦の振るえ,胴の震え,といったものまで聴こえてきそうな臨場感満点の演奏。そう,まさしく“演”奏。彼女はバッハの残した音楽を“演”じている。これは他の演奏からは決して味わえない感じです。
1 people agree with this review 2012/05/11
こんなにピュアな美しいピアノの音を私は知らない…。半世紀も前のモノラル録音なのに,何でそうまで感じさせてくれるのか…(フェリアーの美声もそうだ…)。「美しいものは,余計なことは考えず,ただただ美しく演奏すべし!」そんなメッセージが発せられているように感じる。これほどピアノを美しく鳴らすピアニストはもう現れまい…。この2曲のこれほどの美演も,もう現れまい…。どれほどの才能,どれほどの録音技術でも到達し得ない“神秘的な”何かをこのアルバムは持っている。 復刻も見事! SACDとこちら…ほんとに迷うところ。
2 people agree with this review 2012/05/11
バックハウスのラスト・ライブ,アラウのファイナル・セッションズ,ギレリスのベートーヴェンの30,31番とともに,大ピアニストの白鳥の歌として忘れられぬ1枚です。 ただし,リパッティは他と違う…他の3名と違い,歳を重ねて…というわけじゃない。まだまだこれから…という時期のもの。なめらかな指の動きから紡ぎ出される美しい音たち…。ここに聴ける音楽のなんと溌剌としていることか…!なんと瑞々しく生きた音であることか…! それが尚一層,こちらの感傷を誘う…。 バックハウス,アラウ,ギレリスらの音の“深さ”,そしてこのリパッティの音の“儚さ”…彼らの音に出会えて本当に幸せです。
3 people agree with this review 2012/05/11
3 people agree with this review 2012/05/08
『フィンガルの洞窟』の冒頭から,グッと私の耳を釘付けにしてしまう。見事な海のうねり。目を閉じて浮かんでくるのは印象派J.ターナーのタッチじゃない。もっとクリアで冷たい。そのクリアな冷たさが自然が生み出した柱状節理の美しい正六角形を見事に描き出す。他の演奏よりも突出して聴こえる管楽器も,柱状節理の幾何学的美しさを見事に描写。このコンビの長所が最も発揮された名演ではないかと思います。 『スコットランド』もクリアな冷たさが最大限に生かされた名演。この幻想的な序奏はどうだろう…瞬時にスコットランドの冷涼感で耳を一杯にする。「長い序奏だなぁ…」と感じてしまう演奏も多いですが,これは違う。「もっと聴いていたい!」そんな序奏です。そして,感覚的には一気にエンディングへ…あっという間の時間です。ぎっしりと美しさの詰まった素晴らしい感覚的な短時間。 シューマンも,作品自体の持つ前進性たっぷりの迫力とクレンペラーの作り出す輪郭のはっきりとした造形が見事にマッチし,素晴らしい演奏に仕上がっているように感じます。 それにしても,国内盤とのこの価格差は…。
4 people agree with this review 2012/05/08
これほどストレートにこの第8番の素晴らしさを伝えてくれる演奏を私は知りません。マイ・ベストのカラヤン最後の第8には,やはり「カラヤン最晩年の〜」という冠が付いてしまう。ヴァントには「ヴァント&ベルリン・フィルの〜」と。チェリビダッケには「最も個性的で大きなチェリビダッケの〜」と冠が…。ところが,この演奏には特別な冠が付かないのです…。凡庸な演奏ではなく,こんなに素晴らしい演奏なのに…です。ほんと,まるでジャケットの絵の“スクッ”と立つ1本の樹のよう。 何も足さず,何も引かず…の姿勢がこのような演奏を作り上げたのでしょうか。この感じはムラヴィンスキーの演奏にも感じることです。楽譜に書かれていることにひたむきに向かっていき,それを忠実に音にしていく…。その楽譜がブルックナーの第8で,音を出す集団がウィーン・フィルですから,出来上がりが悪かろうはずがない…。 私には,名盤と言われているにもかかわらず,ピンとこないものが3点ありました。バックハウスのベートーヴェンの最後のソナタ,クライバーのシューベルトの『未完成』,そしてこのシューリヒトのブルックナーの9番です。理由はいずれも同じで,“あっさりしすぎ…”。聴後はいつも「もうちょっと思い入れたっぷりに表現してもいいんじゃないかなぁ…」となってしまうのです。 ベートーヴェン以外はいずれも“未完”…そういえば,ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』も“未完”。この名作を読む時はいつも,最後の章「大審問官」はゆっくり・じっくり読んでしまう。「これがこの大作の締めくくり,ドストエフスキーの最後の表現なんだ…」という意識から,ついじっくり読もう,という気持ちになってしまうのです。 未完成作品を聴く時も同じ心理状態で聴いてしまっていないか…ということに気付きました。「これで終わることになるんだから,ゆっくり・じっくり・荘厳でなければ…!」と。ところが,実はまだ続きがあるはずなのです。『未完成』にしろ,この『9番』にしろ,この後,圧倒的な締めくくりがあったはずなのです。だからこそ,“あっけなく”終わる。『カラマーゾフ』も,もし第3部が完成されていたら,「大審問官」をゆっくり・じっくり読むような気持ちにはならなかったはず…。一刻も早く先を読みたくて,つい急いで読んでしまうかも…。 改めて気付きました。クライバーの『未完成』も,シューリヒトの第9も,最後の音が止んだ時,「あぁ…この続きを聴きたい…!」となる。もしかしたら,この感じこそ“未完作品”の理想なのかもしれない…。ヴァントのように「完全に完成された作品だ!」と感じさせてくれるような演奏,クライバーやシューリヒトのように「あぁ…この続きを…!」と感じさせてしまうような演奏,2通りのスタイル,どちらも素晴らしい。 ベートーヴェンの32番…弟子が「2楽章で終わりですか…?なんで続きがないんですか…?」と尋ねたらしい。この作品も弟子にとっては“未完”だった…。ベートーヴェンが弟子に聴かせた演奏,ベートーヴェンが本当に望んだ最後のソナタの姿は,バックハウスのような表現だったのかもしれない…。
4 people agree with this review
1 people agree with this review 2012/05/08
これほどストレートにこの第8番の素晴らしさを伝えてくれる演奏を私は知りません。マイ・ベストのカラヤン最後の第8には,やはり「カラヤン最晩年の〜」という冠が付いてしまう。ヴァントには「ヴァント&ベルリン・フィルの〜」と。チェリビダッケには「最も個性的で大きなチェリビダッケの〜」と冠が…。ところが,この演奏には特別な冠が付かないのです…。凡庸な演奏ではなく,こんなに素晴らしい演奏なのに…です。ほんと,まるでジャケットの絵の“スクッ”と立つ1本の樹のよう。 何も足さず,何も引かず…の姿勢がこのような演奏を作り上げたのでしょうか。この感じはムラヴィンスキーの演奏にも感じることです。楽譜に書かれていることにひたむきに向かっていき,それを忠実に音にしていく…。その楽譜がブルックナーの第8で,音を出す集団がウィーン・フィルですから,出来上がりが悪かろうはずがない…。
私には,名盤と言われているにもかかわらず,ピンとこないものが3点ありました。バックハウスのベートーヴェンの最後のソナタ,クライバーのシューベルトの『未完成』,そしてこのシューリヒトのブルックナーの9番です。理由はいずれも同じで,“あっさりしすぎ…”。聴後はいつも「もうちょっと思い入れたっぷりに表現してもいいんじゃないかなぁ…」となってしまうのです。 ベートーヴェン以外はいずれも“未完”…そういえば,ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』も“未完”。この名作を読む時はいつも,最後の章「大審問官」はゆっくり・じっくり読んでしまう。「これがこの大作の締めくくり,ドストエフスキーの最後の表現なんだ…」という意識から,ついじっくり読もう,という気持ちになってしまうのです。 未完成作品を聴く時も同じ心理状態で聴いてしまっていないか…ということに気付きました。「これで終わることになるんだから,ゆっくり・じっくり・荘厳でなければ…!」と。ところが,実はまだ続きがあるはずなのです。『未完成』にしろ,この『9番』にしろ,この後,圧倒的な締めくくりがあったはずなのです。だからこそ,“あっけなく”終わる。『カラマーゾフ』も,もし第3部が完成されていたら,「大審問官」をゆっくり・じっくり読むような気持ちにはならなかったはず…。一刻も早く先を読みたくて,つい急いで読んでしまうかも…。 改めて気付きました。クライバーの『未完成』も,シューリヒトの第9も,最後の音が止んだ時,「あぁ…この続きを聴きたい…!」となる。もしかしたら,この感じこそ“未完作品”の理想なのかもしれない…。ヴァントのように「完全に完成された作品だ!」と感じさせてくれるような演奏,クライバーやシューリヒトのように「あぁ…この続きを…!」と感じさせてしまうような演奏,2通りのスタイル,どちらも素晴らしい。 ベートーヴェンの32番…弟子が「2楽章で終わりですか…?なんで続きがないんですか…?」と尋ねたらしい。この作品も弟子にとっては“未完”だった…。ベートーヴェンが弟子に聴かせた演奏,ベートーヴェンが本当に望んだ最後のソナタの姿は,バックハウスのような表現だったのかもしれない…。
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