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JCS さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/03/10

    いままで色んなCDで聴いて来ましたが、昔初めて買つたSXL盤ベートーヴェンop.7, 79, 110のソナタ三曲で知つたバックハウスとは音がずゐ分違つてゐて、まずそれを回復することが出来ず、入り口で止まつてしまつて前に進めない思ひでした。今度のセットで、やうやくしつとりとした、充実して落ち着いた音が鳴りました。これでこそ。有り難いです。たいへん嬉しいです。 録音時期、演奏家の時期と録音技術の時期、会場や録音会社により、音は変はるだらうし、それはLPでも同じ、それを色々と体験して行つて、時には楽譜を開いたりして「この演奏家の音」を聴き取り、確かめるやうになる、今更ですが、改めてさういふことを思ひます。繰り返し同じものを何度も聴いて、やつと分かる(会得する)のだから、仕方がないです。 バックハウスに耳を傾けると、他のレヴュアーもお書きになつてゐるやうに、アーティキュレーション、ルバート、フレージングが曲の骨格、構図を正しく表現すると主張されてゐる建築のやうです。それはもちろん作品に対する彼自身の理解、解釈に基づいてゐて、それは一時の気分や感興では崩れない。作品がそのやうに作られてはゐないと主張され、それなら、逆に感興の赴くまま弾いても許されるのか?さうではない、感興は事前の準備、解釈、鍛錬によつて齎されるもの、さうバックハウスは告げてゐるやうに感じます。これを精神性と呼ぶか。然り、武士のやうな精神性。自分が乱れる弱さを断つ精神性ではないでせうか。 ヴィデオにベームとやつたベートーヴェンの四番があり、今入手できるDVDには省かれてゐるが、バックハウスのインタヴューがあつて、その冒頭を夢のやうに弾いた後、オーケストラと一緒では、弾きたくとも、かうは弾けないと語つておいででした。忘れられません。作品がベートーヴェンだつたりモーツァルトだつたりすれば、武士と言つても、いつも強面で武張つてゐるわけではありえず、バックハウスは色々に弾いてゐて、弾き分けてゐて、夢のやうにも、甘美にも弾いてゐる。それに出会ひ、感得するのは、バックハウスばかりでなくて、音楽好きの誰もが知る醍醐味の一つですね。 ギレリスとどう違ふか、だつて?

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/11/11

    サンプラーですが、楽章まるごとは収録されてゐるので、全曲のセットを買ふかどうか決心するには役立つので有り難いです。昔LPで聴いてゐた人には、Grand Slamのテープ起しを除けば、今まで出てゐたCDは全く別物だつたのではないかと、殆ど確信してゐます。だから違ふ音がするのは違ふ音楽で、それが受け入れられない人には、自分は何を求めて聴いてゐるのか、自問させられて困つた人が多かつたのではないか。私もその一人。今度のはGSテープ起しのやうな色つぽさや艶かしさは退き、かはりに生彩と精細さが増した感じを受けましたが、しかし違つてはゐても発展的に違つてゐるので、ますます聴き込みます。新たな発見があります。Thank you very much!です。以前クリュイタンスのセットがWarnerから発売された時、SACD版も出て、T社のそれまでのSACDと比較してずい分華麗な音になり、私には違和感がありました。それは好みの範囲かも知れません。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/13

    自分の年齢(70才!)がさせるのか、この組曲がマイナーと言はれる意味は、大曲でない、有名でない=つまりそれ程私たち聴き手を惹きつけない、エポック・メイキングでない、そして作曲家自身も重んじてゐない、そのうちのどれだらう、と考へるのが私たち(ふつうのマイナーな)愛好家のやることではないか。あまり強く惹きつけられたり、取り込まれたりするのは困る?場合もあつて、それは愛好家の誰もが経験してゐることではないか。マリナーといふ音楽家は、ベートーヴェンからブルックナーやマーラーに至る深刻重厚長大な音楽には余り(殆ど全く?)取り組まなかつた人のやうで、聴いてゐると妙な色つぽさや陶酔もなく、開放感があり、それはそれで快く、他の人とはちがつた音楽のたのしみがあると思ひます。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/08/05

     かうして素晴しい復刻盤を出して下さつて心から感謝致します。実は私もエソテリック盤を購入して残念でした。SACDはどれでもみんな良い、または気に入るわけでないのはどうしたことか・・ かつてLPの時代でも、最初はドイツ輸入盤でチャイコフスキーは発売されてベストセラーになつてゐましたが、それを友人に貸したら、彼は傷つけてしまひ、新しく彼が買はうとしたら、もう国内盤に切り替はつてゐました。それを受け取つて聴いたら低音が薄い、キラキラした音でがつかりしたことを思ひ出します。
     ただ欠点が全然ないわけではなくて、やつぱり少し色がさめたやうな感じはします。しかしあたたかい、美しい、充実した音です。ほんたうに嬉しいです。有り難いです。これを SACDで出してもらへたら、私も喜んで直ぐ買ひます!
     演奏は、大演奏家たちの大演奏といふ他ないです。第一楽章が全体の半分以上といふ曲で、私には悲愴を除けば、この作曲家の作品で一番よく分からせてもらへる演奏です。ただのファンでもこんなに感ずるのだから、協演したウィーン響の楽員たちが感奮しなかつた筈はなくて、それを御すイン・テンポ音楽家の指揮者でさへ、うつとりしたり、物々しかつたり、涼やかだつたり、足を踏みしめたり、リヒテルと共に邁進熱中してゐると思ひます。
     モンサンジョンの本で、第二楽章で頼んでおいた指示を指揮者が出さなかつたと言つて、リヒテルはひどい誤りが生じたと。なんともはや。
     ラフマニノフのはうは、指揮者は役不足で、リヒテルは自分でより多く立ち回らなくてはならなかつたやうに思はれます。ザンデルリンク盤と比較してさう思ひます。ずゐ分昔に「音楽の友」誌に91年か92年のインタヴュー記事が掲載され、30年以上前のそのザンデルリンク盤を喜んでゐて、しかし曲の出だしの自分の演奏について音を弾きもらしたと悔やんでゐました。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/17

    まつたく素晴しい!バルビローリといへばシベリウス、マーラー、エルガーや、最近廉価盤セットで出たブラームスで、ベートーヴェンを挙げる方はないのではないか。解説を書いてゐる TULLY POTTER によれば、そもそもレコード会社も戦前戦後、英国人指揮者にベートーヴェンを録音してもらふのは消極的だつたとある。ハレのヴァイオリン奏者に手紙でバル氏は「エロイカには参つてゐる。その深さが本当に分かり始めてゐる。まつたく途方もない作品だ、さうだらう?」と66年に書いてゐたさうで、もうすでにベルリンでマーラー指揮者の名声を得たあと、編成も音響もずつと簡素な音楽に対しての取り組みだ。鉄のカーテンの向ふでエロイカをやつたあとの手紙で、そしてこの67年の録音です。全曲どこでも、第三楽章の弦のきざみでも歌つてゐます、声でからだで。すぐあとの全奏の迫力・・ BBCのオケは何度もやつてゐる曲だらうに、手馴れて流してしまふやうなことが、全曲どこにもまつたく無いです。つねに人懐こさ、正直さ、迫力があつて実に素晴しく、感動しました。バル氏は日本でのプログラムにエロイカを組み、亡くなる直前までニュー・フィルハーモニアと練習してゐたと POTTER は書いてゐます。音もとても良いです。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/08/05

    実は初めて聴く指揮者ではなく、はるかな昔、朝日新聞が新宿の朝日生命ホールで様々な演奏会を、読者無料ご招待として開催してゐたことがありました。新宿もすつかり様変はりしてしまひ、そのホールも建物もとうの昔に無くなつてゐます。ハガキで応募し当選した何度かの一回が、近衛秀麿指揮のオーケストラ演奏会でした。そのとき一度だけの出会ひでしたが、レコードで聴いてゐた海外のオケに比べて、音はキレイでないなとは思つたのですが、音楽に実体のある重さを感じました。充実とまでは分からなかつたのですが。「親方」と呼ばれてゐると聞いて、さうかと思つたのを覚えてゐます。50年前のこと。
     CDの音はきれいで聴きやすいです。どれも充実した、歌ふ演奏です。充実してゐて、落ち着きと言ふか、自信のある歌ひぶりです。流れない、途切れてしまふのかと一瞬心配しましたが、そんなことはなくて、流れの先を見越して走るやうな軽薄なところが全くなくて、いまやつてゐるこのフレーズ、この音をしつかり鳴らさう、奏でよう、とそんな感じです。歌ひぶりとその転換に、欧米人とは違ふわが国民の心栄へがのぞくやうな感じがしたのですが、それをまた改めて確かめてみたいと思ひました。
     近衛版ですか、モルダウから聴き始め、始めからトライアングルが鳴つてゐるので驚きました。新世界よりを全曲通して聴いたのは何年ぶりか。オケがこなし切れず、もつと強い表現になるべきだつたものが、弱くなつてしまつたのではと感じた箇所がときどき。けれど全体として立派な演奏であるのは間違ひありません。お見事!

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/05

    ブルーレイになつてこれが究極盤?一番初めは我がTDKコアが世界に先駆けて、たぶん2002年12月に62年の全部、それから63年と63年ジークフリート牧歌と三枚のDVDを順に発売しました。レビューを見ると、ご存知でない方もをられるやうなので。
     今度の編集には放送局のけたたましい開始ファンファーレが入らず、ホッとします。またこのサイトではヴァーグナーとベートーヴェンをまとめ直して演奏(上映?)する編集であるかのやうな表示ですが、そんなことはありません。実際の演奏順ですからご心配なく。

     クナッパーツブッシュは拍手喝采がよほど嫌ひだつたのは、あちこちに書いてあります。指揮台に上がる前、丁寧な(そして優雅な)お辞儀を楽員に対し、そして客席になさるのですが、喝采に応へるのは全くダメ。といふ様子がこの映像でよく分かります。最初の曲のレオノーレを始めたくとも、ボスコフスキーが無視して!クナーに答礼を促してゐます。でそれをさせられて、客席が歓声をあげて開始となります。(別のクナッパーツブッシュの生涯のDVDでは、ミュンヘンの音楽批評家が何度もクナーと呼び、クではなく、ナーの方にアクセントがありました。だからクナと呼ぶのは正確ではありません。)
     パルジファルの練習風景で、巨匠が左腕をねぢつて突き出しながら立ち上がる、見てゐるこちらが息を呑むシーンがありますが、このレオノーレのフィナーレのクライマックスでも同じシーンがあります。体の動きが少ないので有名なやうですが、椅子に座りながらも、じつとはしてしてゐられず、何度も座り直すかのやうなところがあります。だから何度も立ち上がつてゐるかもしれませんが。しかしクライマックスが過ぎ、曲がをはつても、息があがつてゐるやうなところは全くなくて、まず楽員に丁寧で優雅なお辞儀をされて、次いで聴衆の方を向き頭を下げて、直ぐ退場されます。
     カメラはクナーばかりを写すといふことが、残念ながら全然ないので、退場したあと、戻つて来たのか、来ないのか確かとは分かりませんが、歓声があがつたのは、たぶん一度は戻つて来たのでは。
     また第4協奏曲が終はると、近寄つて来たバックハウスの手を握り、何か言葉を交すと、ピアニストを置き去りにして、自分だけさつさと退場してしまひます。バックハウスはそのあと普通にオケに感謝し、聴衆に応へ、ひとりで退場し、またひとりで戻つて来る様子が映ります。とても可笑しい。
     まるでミーハーみたいな事を言つてゐるでせうか?分かるだけでも、ボスコフスキーやバリリ、ブラヴェッツ、シュトラッサーが写つてゐます。オケのメンバーには三十代は殆どゐないのではないか、四十代、五十代、六十代ではないか。つまり皆戦争を経験して来た人たちで、カラヤンは既に大活躍してゐたのでせうが、重厚長大で、かつ真剣深刻な音楽を本物として来た人達ではないかと思ひます。楽しみが無いといふことではなく、焦点は楽しみ、娯楽にはないといふことです。クナッパーツブシュもバックハウスも剛直、剛胆といふほかないです。
     感傷とは偽りの感情の意味だと、どこかで読みましたが、この第4協奏曲でオケもピアノも甘美で、ほんものの陶酔もあります。歌ひ回しが違つてゐるために揃はないといふところがありますが、相手に合せず、そのままで平気といふのも大したものといふ気がします。第二楽章、指揮者は本当はもう少しテンポを早くしたかつたのではないか。ボスコフスキーがそれを抑へてしまつたのではないか。ピアノはそのために伸び伸びと弾けたのでは?私の錯覚でせうか。
     練習嫌ひで有名な指揮者ですが、ラヂオやレコードで音楽を聴いたりしてゐなければ、自分でピアノを弾くとか、オケと練習するとかせずにゐられたのか、本番だけで気が済むものでせうか。それも何だか不思議な感じがします。

     ピアノが、Blu-Rayになつて美しく鳴るやうに感じます。(ついでに言ひますが、ArtHausの62年だけのDVDが発売された時、その冊子のゴットフリート・クラウス解説には、今度のBlu-Rayでは削除されたバックハウスについての部分があり、ザルツブルクに住んでゐた84才のピアニストとの会話の中で「信じてくれ、私の生涯で一日たりとこのト長調協奏曲の出だしを弾かずに来た日はなかつた。恐ろしく難しく、満足できたことが全くなかつたから。」と聞かされたこと。また「ベートーヴェンがソナタを16曲しか書いてゐなかつたら、私の人生は全然違つてゐたよ。」とも。以上ご紹介いたします。)

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/14

     初めて聴くピアニスト。まだ二枚しか聴いてゐないのですが、陶酔しました。やはらかで豊潤な音で、おほらかで、とにかくあふれる歌の音楽。聴き手に心開いて。ミケランジェリのやうな聴き手を無視でなければ、聴き手から孤立してゐるかのやうなタイプでは全然ありません。(若い頃はさうではなかつたといふ説がある)シューマンの子供の情景やショパンのバラード3番、4番は絶品と思ひました。歌の移り変はりが豊かで、人のいのちの呼吸があります。しかし1番、2番は、別な歌に切り替はる間(ま)がないといふか、異常なもの、激越なもの、魔的なものが現れないやうに思ひました。
     Ernst A. Lumpeといふ英語だけの解説を読むと、かつて小さなレコード会社と契約して、そのLPが、時に別のピアニスト名で発売されたこともあり、しかし彼の演奏であることは間違ひないとか、残念ながらMaster Tapeが失はれてゐてとか、とにかく全体としては、板起しのはうが多いやうに書いてあります。
     しかし聴いた二枚は決して聴きづらくはありませんでした。知られざる(我国では)大ピアニストかも知れないと思ひ、期待に胸ふくらんでゐます。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2016/01/21

    ドヴォルザークも素晴しい!まつたく嬉しいです、こんなに素晴しい演奏で。録音もとてもキレイ。うちのそんなに立派でない装置でも、とても清潔な音がしました。皆さんのレヴューを読むと、指揮者への感激、札響への感激、Kitara といふホールの感激に満ちてゐますね。お幸せです。
     素人の妄言かもしれませんが、音楽家のなかで大人物と思ふのはバッハ、ベートーヴェン、それとヴァーグナー。ブラームスやドヴォルザークはそれ程とは思へないなどと言つたら、怒る人もゐるかも。しかしベートーヴェンに取り組む演奏家には、相応の器量が必要で、さういふ人物が後者をやると、やり過ぎとか、ずれたりとか、何かはみ出して違つたものになるとか、そんなことを感ずることが自分にはあります。しかし、このドヴォルザークにはそれがまつたく無くて、それで音楽に無理がなくて、そのため今までピンと来なかつた箇所が、驚きと共に実によく分かり、どこを聴いてゐても、終始親しく心に触れてくるやうでした。
     チェロはオケのトップの方ださうで、もちろん迫力も気合もありますが、指揮者の指導もあつて(とライナーにもある)オケと気張つて対決したりは、全然してゐません。この曲でさうした演奏は聴いたことがありませんでした。器量とさうしたあり方が相俟つて、そして母国で13年間もドヴォルザーク協会の会長を務めたといふ指揮者の丹念な理解と愛情によつて、この演奏が特別なものになつてゐるやうに感じました。まつたく嬉しいです。
     札響の指揮者に対するとても素直な信頼と尊敬も感じ、さうでなければ、この演奏は成らなかつたと思ひます。我々日本人が、長年これらの音楽に接して来た理解や愛情が、名演奏の土台になつてゐることも間違ひないと思ひます。たうとう欧米のオーケストラとは違つた美しさが、ここにも現れてきたと思ひました。

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     2015/09/29

    録音はピアノがオケに埋もれず、前に出てゐる。オールソンはそれなりにゴツゴツ弾いてゐる。尾高さんのオーケストラは苦痛、悩み、晦渋、激しさといつたものより、まず清潔な清らかで静かな感じが来る。そしてドヴォルザークのやうな素直さ。それで分かるものがある。しかしそれでは出て来ない、分からないものもあるとは思ふ。きちんとしてゐて破綻はなくて立派ではあるが、本格的なブラームスか?と訊かれたら、やはり違ふのでは、と答へる。外人オケに日本人の音楽をやらせてゐるやうに思つた。それは指揮者として立派な力量だと思ひます。勿論皮肉や批判ではありません。以上、一番を聴いての感想。

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     2015/04/18

    高校生の時初めて買つたイタリア・オペラの全曲盤。すみずみまで何度も聴いたが、今考へてみると、オペラとして楽しんでゐたかどうかは、まつたく疑問。なにせ一番心動いてゐた箇所は、独奏チェロの伴奏の場面、リゴレットとスパラフチーレの出会ひなんだから。ドイツ音楽にはなかつた、別の生命に感動してゐた。スカラ座の演奏か、と聴き入つてゐました。
     その後パヴァロッティの初の日本登場、NHKが招いた公演で、さうかテノールとはかういふものなのかを経験した。上野の文化会館でホールがオレンジ色の空気で染まり、一杯に溢れてきました。指揮のマタチッチは固くて鈍重でまつたく良く無かつたこと(初めて指揮した、と聞いた。)それから、日本オペラ受容史に載るのではないかと思ひますが、女心の歌のあと、何と舞台に駆けあがつたファンがゐた、花束を持つて!拍手は当然ハッとして一瞬静まる。トランプ・カードを空に投げ捨て見得を切つてゐるパヴァロッティは困りますよね、どうしようかと思つてゐるのがよく分かつた。結局無視したのですが、横目で見ながら。マタチッチが指揮を始めて、舞台の破局とはなりませんでした。しかし、スゴイことですよね。バーンスタインの公演で失神した人がゐたといふのと双璧か。
     閑話休題。
     その後この演奏をCDでも勿論聴きましたが、音楽が寸詰まり。昔のLPの記憶に比べ、狭くて小さな音楽で聴いてゐて窮屈、苦しくなつてしまふ。だからくり返し聴く気が起きなかつた。
     さて、SACDは偉大です!まずステファノの声が甘美にして瑞々しい。なるほどさういふテノールだつたのか、と良く分りました。カラスは、ジルダ役には合はない。それがミミやアミーナでの場合との違ひは、主役ではないからだと思ふ。しかし合はなくても、聴くこちらの胸はときめく。意識的なんだらうに、人間の声、魂の叫びに沿つた声の自然だからなんだと思ふ。意識(言葉)と自然、はてはこの世とあの世の、両方への集中。大演奏家たる所以。それとゴッビ!そのスパラフチーレとの二重唱。己へのつぶやきと相手への語りとの違ひが、これほどよく分るものかと思ひました。声も実に美しい。そしてオケもさう。素晴しい。
     もし短所があるとしたら、長年聴いて来た者としての感想ですが、キチンと立派に出来上がつてゐるところではないでせうか。ご存知のやうに、過激な悲劇なわけですが、破局の感じがスタジオでは出せない、といふ当たり前のことでせうか。そんな破局にいつも触れてゐたい訳ではまつたくなくて、では、何なんだらうと自分に問ふわけです。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/10

    カバリエは並外れてゐると思ふ。世界中で愛されたのは、結局、母性があらはれること、かの女に優るひとはゐないからではないだらうか。トスカにふさはしいか、どうかは分らない。自分はトスカの歌を聴いてゐないやうだ。何を歌つてもカバリエになる、それを聴いてゐるから満たされる。役柄に一番ふさはしいのはどれかとは思ふのだけれど。SACDは素晴しい。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/10

    かういふアンソロジーが出ると、まつたく知らなかつた録音を見つけて興奮することが時々ありますよね。ボールトが伴奏してゐるウェーゼンドンクとシュトラウスの歌曲があつたとは!ほかのは大体知つてゐたが。届くのが待ち遠しい。

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     2014/12/10

     当初の予定が変更になつたやうで、一年早く出版になる!
     去年六本木のサントリー美術館で出会つた鳳凰堂の飛天たち、さらに臼杵の石仏様とどのやうに再会できるか、まつたく楽しみ。平安の昔の人々といまのわれわれが同じ日本人とは、たうてい思はれない・・しかし・・

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/11/25

    実に素晴しい!たうとう・・
     実はこの中の「ある晴れた日に」とマノン「この柔らかなレースの中で」は、親父がコロンビアの電蓄を買つた時の試聴盤、17センチEPの裏面で、熱中して聴いてゐた。45回転盤でした。その表はカラヤンのスケーターズ・ワルツ。歌詞もオペラもカラスも何にも知らぬまま夢中で聴いてゐた。Chi sara? Chi sara? ..Che dira? Che dira?といふ箇所が、鬼火が闇に明滅するやうな、輝くやうな感じがして、そしてそのあとやつて来るクライマックス!そのあとに続いたマノンのまた甘美なこと。小学三年生の時だつたから、子供といへどバカにならない、と言ふか、当時から成長してゐないといふことに過ぎないか!?
     で、自分でレコードを買ふやうになつて、LPでは鈍くふやけた音で全然ダメ。かつての感激はどこに?CDでも国内盤、輸入盤、ナクソス復刻盤と聴いたが、やはりダメ。昔の45回転EPと比べてゐたからです。
     SACDが待ちきれず、今度のリマスター外盤CDを聴きましたが、音がキンキンして別物。これでダメなら遠いかなたの夢になると思ひつつかけたのです、SACD盤を。たうとう出会ひましたね。しかもはるかに、ただの再会以上!カラスのいきづかひさへ聞こえるやうで、オケの立派さ、豊かさも相まつて、音楽がより大きくたつぷりきこえて来ます。
     この頃は、プッチーニはもう聴かないやうになりつつあるのですが、かうやつて聞かせてもらふと、ある趣きにも出会ひ、耳を傾けたことでした。
     やはりSACDは素晴しい。皆さんの評判はこれから出て来るのでせうか。みんな買ひなほすことになつてしまふのか!嗚呼  

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