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うーつん さんのレビュー一覧 

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/09/28

     私の前にレビューが182件! こんなに多くのレビューが投稿されたディスクは他にないのでは? 詳しい感想は先人にお任せします。ただ一言いいたくて投稿します。 


    「この演奏を聴かずして『音楽』は語れないであろう。」  

    それくらいのあらゆるエッセンスが凝縮されていると思う。まさにクラシック音楽ディスクの世界遺産ともいうべき作品です。いつ聴いても何回聴いても様々な発見や思索へ導かれる。たとえクラシック音楽リスナーでなくとも、およそ音楽を愉しむ人なら一聴していただきたい。新しい世界が拓かれるはずです。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2016/09/22

     精緻で、そして、密やかに、声のアンサンブルが織りなすバッハの世界。紹介でも書かれているとおり楽器の伴奏はない。楽器に頼らずともこれだけの世界が築けることに唸らされる。あたり前な話だが、声があるからこそメッセージを生み出せるわけだし、それ以上の道具が必要だろうか?と問いかけてくるようにも感じる。

     
      まずは静かに耳を傾けてもらいたい。大きい音量で聴くより、少し抑えた音量で聴いた方がこのアンサンブルの美しさと儚さが感じられると思います。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/09/07

     通常盤のCDで聴いてます。  粒がそろったチャーミングな演奏。21番のカデンツァは両端楽章ともに微笑ましい佳演。20&22番はすでに出ているから、23番以降も今後のリリースを期待しています。Blu-spec CDの音で聴いてないので1つ星を自粛します。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/08/17

     曲調からしても予想はつけやすいが、その予想以上にのびやかで朗らかな演奏だと思う。ありそうでなかなかない組み合わせのディスク、その狙いはきちんと達成されていると思う。聴いていて愉しくなってくる。余計な理屈抜きに愉しめる1枚としてお勧めできる。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/08/11

     ラトルとBPOがようやくベートーヴェンの全集を発表してくれた。古今さまざまな全集を名だたる指揮者が世に問うてきたが、それらにひけをとらないどころか、十分に存在意義をアピールできる品質にあると思う。フルトヴェングラーやカラヤンなどの演奏と異なるのはもう仕方がないし、そもそも同じなら発表する意味もなくなるのだから。




       端的に表現すると、筋肉質で軽快ながら重厚さにも不足しない明晰なベートーヴェンと私は解釈している。 変に理屈ばって語らせることもなく、BPOに歌わせていき、しめるところではビシッとしめる。楽器編成は決して大きいわけではないが、ここぞという時の「ドカン」と来てほしいところでは豪快にやってくれるBPOの凄さ。洗いなおした楽譜を使いながらも、それに固執したり無理やりな強調に頼らずに、むしろそこから更なる喜びを見出すような新鮮な感覚が印象に残る。特典映像のドキュメンタリーで観ても「ラトルと楽団が同じ目標を掲げて共に作り上げていったベートーヴェン」であることが理解できる。

     

     
       1番や2番のフレッシュな演奏、3番の凄烈な迫力(第2楽章、弦の弱音の使い方は鳥肌モノ)、4番のはつらつとした明るさ(クライバーのそれにも匹敵)、5番のたたみかけるようなパワー、6番ののびやかな歌(第5楽章の喜びの表現は絶品)、7番では楽団が実力を発揮しリズムの自由闊達さは最高潮、8番に表われる遊びの自由な精神、9番の崇高な戦いと讃歌・・・。     決まりきった言葉遊びになってしまったが、おそらく皆が期待するベートーヴェンの交響曲を、BPOの機能性で表現しきった力作と評価したい。 毎度ながら安くはないベルリン・フィル・メディアのCD&BDセットだが、その価値は十分すぎるくらいあります。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/07/16

     フルニエによる無伴奏チェロ組曲の演奏を聴き、「ようやくバッハ無伴奏の本命に出会えた」と感じた。  カザルスにはじまりいくつかのディスクを聴いてきたが、曲の中で深呼吸できるような落ち着いた演奏は(私の試聴歴の中では)これが初めて。今まで聴いてきたものはそれぞれ工夫と意匠を凝らしていることは感じるが、何やらスムーズにサラサラとしている印象(カザルスはゴツゴツ野太いですが。)がぬぐえず、そこの浸りたいという気になれなかった。それでも各ディスクによって、演奏の多様性を可能にするバッハの奥深さと難しさは考えさせられます。

        フルニエの無伴奏はというと、変に考えさせずにバッハの音楽に身をひたすことができる演奏と感じました。持っておくべき無伴奏チェロ組曲の記録としてお勧めです。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/31

     現代音楽やサティの演奏で見かける名前をシューベルトのソナタで発見するとは。高橋アキによるシューベルトを恐る恐る聴いてみた。ピアノのためだろうか、ピアニストの演奏の際立たせ方のためだろうか、今までと違った音(声部?)や旋律が耳に飛び込んでくる。とても新鮮で新しい演奏だ。多くのピアニストがよく歌わせる所と違う部分を聴かせてくれるのは、「(表面的・一義的でない)心の内奥の声を代弁したい」といった考えなのかは判らないが、そう思わずにはいられない演奏。

     
      ドラマ性を表現したいといったコメントを演奏者は表明しているが、特に見せつけるような印象がないので、過度のドラマ性を求めたい方には物足りないかもしれないが淡々と物語が紡がれていく向きを好む方にはお薦めしたい。

     
    ピアノの音は光り輝くようなきらめきより、艶が程よく落ち着いた漆の塗りもののような印象。

     
      蛇足ながらこういった静謐なシューベルトと、例えばフェルドマンなどをカップリングしたコンサートなどあったら面白いのではないだろうか。これこそまさに高橋アキならではのプログラムだと思うのだが…。

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     2016/03/14

     バーンスタイン&RCOで聴き慣れていた曲をブーレーズで聴いてみた。ドロドロしたメルヘン、あるいは肥大化したロマン性の権化ようなバーンスタイン盤(言い方はひどいがこの演奏、大好きです。)と比べると、すがすがしいメルヘン、あるいはほこりやアブラを洗い流したロマン性・・・。聴いて非常に感動した。同じ曲でもこれほど違って聴こえるのか。二人の指揮者のスタンスで推測するなら、主観と客観の違いといえばいいのか?  ともあれ、聴き比べするといい勉強になります。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/14

    私は現行版が好きです。原典版と通して聴くと(現行版で聴き慣れているせいだろうが)やはり現行版に落ち着いたことに合点がいく。原典版ではあれもこれも盛り込んだ意欲作といった感想。楽想を絞り込み素材を削ってあれだけの曲になったということだろう。ただし気を付けておきたいのはどちらが優れているということではない。これだけ創作に気力を傾けている作曲家の苦労の過程を知ることができる…ということなのだろう。作曲の厳しさをも感じられる意欲的なCDと言えると思う。


      カヴァコスの演奏は原典版にしても現行版にしても繊細な演奏。オイストラフの野太く野性味あふれる演奏を求める方には細く聞こえるかもしれない。でも張り詰めた感じが、これはこれで現地の厳しい自然を表しているようにも思える。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2016/02/22

     フェルドマンの曲をカシュカシアンが奏することに注目して購入。カシュカシアン(深く瞑想的!声とのコラボも実に良い。)の同曲もすばらしく愉しめたが、勝るとも劣らずケージやサティも良かった。フェルドマン→ケージ→サティという系譜の組み合わせでもあろう。「瞑想と音」という切り口にもうなずける組み合わせ。、風景や空間や景色にしみこんでいく音たちに、閑かに耳を傾けることを求める方におすすめしたいディスクだ。

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     2016/02/15

    故吉田秀和氏のエセー集「永遠の故郷」からヴォルフのリートに興味を持ち、なんとかこの6枚組をみつけて購入。歌詞対訳がないのは判っていたがやはり無いと苦しいものである。その後、偶然9枚組(POCG-9013/21。スペイン歌曲集やイタリア歌曲集も含まれた方)を見つけ即購入。こちらは国内盤ゆえ歌詞対訳はじめライナーノートが充実しており、これでようやくヴォルフの世界の「歩き方」が見えてきた。  ・・・なんかCDレビューと違う方向な気もするが、要するにそんな無駄に見えるような買い物してでも持っておくべきディスクであろう、と思う次第である。

       ヴォルフのリートは親しみやすいとは思えないが、噛めば噛むほど味が出る趣があるディスク。ディースカウ&バレンボイムのコンビの息の合った演奏、今のデジタル録音のような「キラキラ&クリア」でなく、ややくすんで落ち着いたアナログ時代ならではの音作りがヴォルフにはあっている気がする。 詩に、そして曲にのめり込み、やがてそれらに精神を食い殺されてしまった彼の短い一生に想いを馳せながら、そこまでして書き遺したこれらの歌に耳を傾けるのも一興だろうと思う。全て聴き終えたわけではないので★は3つと自粛しておきます。ただ聴き終えたディスクの中での感想であれば★5つの価値と重みは充分ある。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/02/14

     「水」という正体を持たぬ、ゆえにイマジネーションを掻き立てられる物質に焦点を絞ってCDにしていくことはまさにグリモーらしい着眼だと思う。水にインスピレーションを得た曲だけで終わらず、N.ソーニーの「トランジション(transition)」をはさむことで水の形態や状態が変遷・変化していく様子を表現していく・・・といったところか。水にまつわる作品集だけに、ふつと切れることなく移り変わるようにアレンジしてある。個々の曲の良しあしを論じるより、CDという音楽媒体によるインスタレーション(Installation art)と見たほうが妥当だろう。私には少なくとも意欲的でイマジネーションをくすぐる面白い1枚と思える。あまり深く考えず楽な気持で接した方がグリモーとソーニーの意図に通じるのではないだろうか。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/02/05

     一番よく聴くのは激情型のバーンスタイン&VPO、次に聴くのは劇場型ラトル&BPO。ブーレーズの当盤はその次に甘んじてはいるが気分で聴き分けている。私にはこの演奏もあり。たしかに「想い」「情」というところからは離れたところにあるが、そこからこそ見えるものもある。スコアの透かし彫りのような…と言ってはみたいがおたまじゃくしに疎い私だから偉そうには言えない。でもマーラーが書き込んだ複雑な音のあれこれがクリアに耳へ飛び込んできたときの驚きと悦びを味わいたいときはこのCDはおすすめです。これはブーレーズのマーラー・チクルス全体にいえますね。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/02/05

     旧全集を長く聴いていてからようやく新全集を入手したクチです。旧全集盤の緊迫感あふれる厳しい音作りも魅力的だが、新全集盤のふくよかな音の流れも素晴らしい。むしろどちらがいいというより感じ方の角度の問題なのであろう。富士山が様々な角度・視点から見ることができ、そのどこから見ても「不二山」であるように。

      他のレビュワー氏がご指摘の「作品一つ一つが宝石のよう」なのは私も同感です。蛇足ながら加えて言うと、音の一粒ずつが砂金採りの工程のように思える。あまたの砂粒の中からきらっと光る砂金が見つかる・・・ウェーベルンの音、そして音楽をこのように表してみたい。この一粒の砂金をブーレーズと仲間たちがきれいに掬い取ってくれるわけだ。とても価値ある6枚組としておすすめしたい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/02/04

     イエローレーベルから2作目のディスクが登場。シューベルトの即興曲に小品集、ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」とくれば聴かずばなるまい。
     先に結論から述べておくと『ぜひ聴いてほしい傑作』となってしまう。

      私の大好きなシューベルトは渋くてほろ苦い。決して大仰な仕草は見せない。あまり感情移入を施さない演奏に聴こえた。それでも、いやそれだからこそシューベルトの気持ちが伝わってくる気がする。のめり込まずに少し引き気味で演るから本質に近づけるのだろうか。


      そして「ハンマークラヴィーア」。これがこのCDの目玉なのは間違いない。こういう表現が適切かは判らないが、ロシア・グランド・ピアニズムとはこんな感じなのだろうかと唸ってしまった。とにかく音の迫力がすごい。そして弾き急いだり、せわしいところはない。堂々と音を鳴らし切り、しかもそれぞれの音に色がつくような印象だ。颯爽と超絶技巧で弾いてしまう演奏(ポリーニに代表されるような。ポリーニの演奏も神業的な迫力で好き。)でも聴きごたえがあるこの曲をさらに巨大なスケールで描いている。


      圧巻は後半の2つの楽章。第3楽章の思索と瞑想、そしてそこから至る法悦。このソナタの聴きどころと私は思っているがテンポも音の質量(?)もずっしり。ピアノ一つでオーケストラもかくやな音を散りばめているがいかにもという感はない。そして第3楽章からほとんどそのままの流れで最終楽章へ入り込んでいくのだが、冒頭から前楽章の延長のような凝縮したテンションで繋いでいき、フーガの伽藍の手前から急に輝きが増し天空に目線が拡がっていくような錯覚に陥ってしまう。こういった曲のクライマックスを築いていく技量と迫力に恐れ入ってしまった。まるで第3楽章もこのフーガの伽藍の基礎建築であるかのようだ。ここでもテンポをいたずらに早めたり揺らすことをせず、堂々たる威容で進んでいく。どの声部も音が充実しており、作曲者の企図したであろう輝きが見えてくる。なかなかこういった充実極まるディスクにはお目にかかれないと思う。そんなわけでもう一度結論を述べておくと『ぜひ聴いてほしい傑作』となってしまうのだ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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