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eroicka さんのレビュー一覧 

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     2010/05/13

    クナのブルックナーがステレオで残されただけでも喜ぶべきだが、ステレオ初期のDeccaの録音の冴えなさはこの大曲の壮麗な響きをとらえきっていない。さらに悪いのは、クナのスタジオ録音に対するイージーな姿勢(練習なしのぶっつけ本番)で、緊張感のなさがあからさまに出ており、造形の構成力や大伽藍を思わせる響きの構築美に欠けている。「改訂版」という改悪版での演奏も興をそぐ。せっかくの古雅な往年のWPの響きも活きてこないのが残念だ。クラシック通で知られる評論家・俵孝太郎氏が言うように、クナはライヴの人であり、しかも出来不出来も大きい。有名なウエストミンスター録音のクナ・ミュンヘンのブル8もこの演奏と同様のことが言える。ぜひライヴ盤と聞き比べていただきたい。当時の契約関係で実現しなかっただろうがクナでなくクレンペラー、ベームやカイルベルトならWPも輝かしく響き、誰もが認める名盤となっただろう。こんな巨匠の名を貶めるようなテキトーな演奏を市場に出し続けるぐらいなら、他に眠っている無名の演奏家の名盤を流通させるべきではないのかと思う。例えば同時代にはフリッツ・レーマンなどのように地味だが滋味あふれた演奏をする他にも指揮者がいたはずだ。有名演奏家なら何でも売れるはずという姿勢は見直し、もっと吟味してから商品化すべきだ。ガキの頃、この演奏の廉価LPを買って、演奏のまずさはともかく音の悪さに「モノラル以下だ。金返せ」と思ったものだが、さすがに関係者の努力や技術力によるリマスターで多少は音質は改善はされているようには思う。海外製の雰囲気ある音のオーディオで聴けば、どうにか何とか楽しめよう。近く平林氏のオープンリールテープ復刻版というのが出るらしいが、どうなのだろうか。アンチとして貶しつつも気にもなるという意味では不思議な味のある演奏である。

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     2010/05/11

    ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番はテンポの伸縮が激しく、終楽章ではオケともども一気に大団円に向かって疾走する。ミスもあるが、よく指が回るものだ。重戦車のような響きを備えた若獅子・ホロヴィッツのケレン味あふれた悪魔的な魔力をたたえたソロに、堂々とワイルドな硬派のガチンコ勝負を挑むコーツの指揮が素晴しい。ありきたりの伴奏指揮者ではなく、ホロヴィッツと真っ向から荒々しくぶつかり火花を散らす。このロシア系英国人指揮者は、もっと評価されてしかるべきだろう。スタジオセッション録音のくせに尋常でないほどのテンションが高い爆演で、ライヴのような演奏の瑕もあり、某評論家氏の某Y泉社系の本では「破綻したトンデモ演奏」とまで評されている。いささか誇張はあろうが、自在ぶりに快哉を叫ぶ人もいれば、「乱暴だ」と眉をひそめる人もいるだろう。ホロヴィッツはこの協奏曲を50年代前半にライナー指揮のモノラル録音を、70年代後半にはオーマンディ指揮のライブ盤を残しているが、ここまで表現は激しくない。この協奏曲の初録音(作曲者自演は1940年録音。ギーゼキングとメンゲルベルクのライヴも1940年)であり、録音の古さも相まって、好悪は分かれようが、この協奏曲を愛する人には、一度は聴いてほしい録音だ。

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     2010/05/07

    1945年の放送録音で音は今ひとつだが、バーンスタイン愛好者にはお勧め。バーンスタイン&ニューヨーク・フィルは1959年の録音と1979年のライヴ録音があり、年々テンポが遅くはなっているものの、解釈のツボやコンセプトは驚くほど同じだ。若々しい情熱がオケに伝わり、他の2つの録音にも増して、熱い演奏になっている。

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     2010/05/06

    ダルベールの30年代前半を中心とする演奏集。皇帝は第一楽章のみだが、変幻自在のアクセルブレーキぶりに加え、古い放送用録音?からも偲ばれる美しい音色に魅了される。この気ままぶりは、現代なら悪趣味と糾弾されようが、後期ロマン派の名残を感じることができる。SP音源の自作などからもこの大家のロマン的な演奏の片鱗を知ることができる。

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     2010/05/05

    これは夭折したカペルのライブのみならずセッション録音を含めても代表的なものだ。ブラームスの協奏曲の隠れ名盤だ。当時のアメリカ流の速いテンポが基調だが、ピアノは緩急自在。燃えるオケと火花を散らす白熱の名演だ。1950年代前半のNYの放送録音としては悪くないものだ。M&Aからはホロヴィッツがワルター指揮コンセルトヘボウと競演したブラームスの協奏曲第一番(欠落部分も丁寧に補っている)も出ていたが、目下廃盤の模様。このCDも興味のある向きは早めにご入手を勧めたい。

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     2010/04/29

    クーレンカンプの協奏曲録音は、このCDに収録のテレフンケン録音のほかは、戦争中の1943年ライヴのフルトヴェングラー・BPとのシベリウス(EMI、メロディアなど)のほか、戦後のショルティとのベートーヴェン(Decca、4枚組「ショルティファーストレコーディングス」に所収)やシューリヒトとのブラームス二重協奏曲(チェロはマイナルディ、スイスロマンド管 dante、dutton=10年春現在廃盤)、ブルッフの第一番(チューリヒトンハーレ管?dante=同)ぐらいしかない。この盤が出るまではテレフンケン=テルデックが長い間廃盤にしていたことから、これは貴重である。Podiamからも近くクーレンカンプのシリーズが出るようだが、曲目・価格ともここまで良心的ではない。往年のヴァイオリンの名手に関心がある人は忘れずに入手しておきたい品である。

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     2010/04/29

    珍しいワルターのイタオペ。40年代のMETのライヴで、43年の「運命の力」(Naxos、8110038)と2種類しかない貴重なものだ。この44年の「仮面舞踏会」は、55年のミトロプーロスMETの「仮面舞踏会」(Myto、051H098)と出演者はだいぶ重なり、燃焼度の高い演奏スタイルもどことなく似ているので、興味ある方には、聴き比べをお勧めする。このころのワルターはナチの魔の手と大戦を逃れアメリカに亡命したばかりで、新天地にふさわしいマッチョな演奏スタイルを模索していた時期だ。すでに高齢だったワルターがオーケストラピットに入る機会は数えるほどしかなかったが、「フィデリオ」や「フィガロ」「魔笛」など、残された数少ない放送録音は、引き締まった緊張感と力強さの中に、歌心の豊かさがにじみ、すばらしいものばかりだ。

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     2010/04/29

    年季の入ったファンの中には、LP時代後期、EMIセラフィムシリーズの1300円LPにあったクリュイタンスの演奏で田園や第九を聴いた方は多いはず。当時から定番の一つとして知られたものだ。15年ほど前ごろにRoyal classicsやDischyなどから廉価盤で全集が出て、最近はEMIが廉価盤で出すなどロングセラーとなっている。演奏は総じて遅めのテンポで、フルヴェン時代の名残が色濃いベルリンフィルの重厚な響きを生かしつつ、古典的な均整美や明るいロマン性を引き出している。特に精緻な「田園」は世評が高く、第9も合唱や独唱がすばらしく、ロングセラーの名に恥じぬものだ。いずれにせよ、フランス・ベルギー系の指揮者に対し、一般的に抱くイメージからすると、かなりドイツ風の骨っぽい演奏に仕上がっている。未だにロングセラーになっているのは頷けよう。4000円前後からそれ以下のベートーヴェン交響曲全集といえば、カラヤンやバーンスタイン、サヴァリッシュ、マズア、ブロムシュテット、クレツキ、ケーゲルなど、いまや良質な廉価盤が目白押しだが、その中でもファーストチョイスには最適なものの一つという位置づけには変わりあるまい。惜しむらくは録音で、(ステレオ初期のEMIの録音に共通する問題だが、)音場の広がりや全体の響きを重視するあまり細部が聞き取りにくく、ヒスノイズが目立つのが惜しい。もっとも、数年前のカラヤン・フィルハーモニアの全集(第8のみステレオ)やシューリヒト・パリ音楽院の全集(第9のみステレオ)に比べたら、50年代後半に全部ステレオというのは幸運ともいえ、いささか欲張りすぎなのかも知れない。なお余談だが、この全集の第8は、LP時代、EMIとは別の某レコード会社が「フルヴェンのライヴ」として音質をモノラルに劣化させ偽装し、LPを発売したことがあったらしい。

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     2010/04/28

    アンチカラヤンで、なおかつフルヴェン・クナ信者でない人にお薦め。これを聴けば、カラヤン嫌いが直るかも知れない。「カラヤン臭」と揶揄される独特の美的センスのサウンドはここにはまだなく、覇気にあふれ颯爽と作品に向き合う若獅子のような、若い巨匠の姿がここにはある。不謹慎な例えで恐縮だが、仮にカラヤンがカンテルリのように50年代半ばに夭折したとしても、一連のフィルハーモニア時代の録音だけでも名指揮者として十分後世に名を残せたであろう。テンポは概して後年のものより速めで、名手ブレインらを擁したフィルハーモニア管弦楽団の力にも感心させられる。特に3番や7番、8番、9番あたりは印象に残る。モノラルだが、品の良い上質な音である。

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     2010/04/27

    48年ロンドンでのデッカのセッション録音。SPのノイズが盛大だが、音の鮮度と臨場感はこれが一番ではないかと思われる。ベールがとれたように、演奏のディティールが聴こえる。ノイズが気になる向きにはナクソス盤をお薦めする。板起こしレーベルが続々と増えて、グリーンドアも影が薄れがちだが、このフルヴェンの40年代後半録音のSP復刻のシリーズは良いものが多い。

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     2010/04/27

    戦前のベルリンフィル時代、テレフンケンに録音されたクライバー父の代表的な名演が揃う。未完成やティルはあらえびす氏の「名曲決定盤」でも取り上げられている演奏だ。節度を守った端正な表現の中に、息子に引き継がれる歌心や軽やかさ、爽快さものぞく。音も悪くはない。未完成はベルリンフィルが発売した一連のCDにも入っているが、まとまってテレフンケン録音が聴けるのはありがたい。興味ある方はもう一種類の序曲・管弦楽曲集とともにカタログに残っているうちにどうぞ。

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     2010/04/27

    板起こしのようだが、ノイズは軽減されており、高域カットも適度に行われており、好ましい。ブラームス2番のLPO盤は、昔お世話になった国内K社の1000円LPだとモノラル期のDECCAらしい妙にこもったサウンドが気になってしまい、演奏の魅力が今ひとつ伝わらない隔靴掻痒の感があったのだが、これは最近の板起こし復刻盤同様、そのような印象は受けない。このシリーズはオバートソーン氏が関わっているだけのことはあり、値段を考えると大きなハズレは少ない。そこが、廉価ヒストリカルレーベルでも、なんでも擬似ステレオ化や高域ノイズカットさえすればすべて聴きやすくなるとばかりに玉石混交(無論、良いものもあるということだ)の復刻を繰り広げている某Archipel社や某Urania社(「ウラニアのエロイカ」で有名なLP初期の伝説的な会社ではなくイタリア系のCDレーベルの方)あたりと決定的に違うところだろう。蛇足だが、テレフンケンが1942年に録音したブルックナー7番の第2楽章アダージョは、大戦末期にドイツの放送局がヒトラーの自殺を報じるラジオニュースで使用したという。

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     2010/04/26

    EMIのフィルハーモニア管弦楽団とのモノラル盤に若々しさやしなやかさでは一歩譲り、DGのアナログ後期の70年代の録音に比べ、なるほどスケール感やアンサンブルの精度では劣るものの、素直な精神やストレートな造形という点では、捨てがたい。ベートーヴェンの交響曲の大半は、この録音で初めて聴いたのだが、未だに廃盤の憂き目に会わずにのこっているのは、この録音の評価の高さを物語っている。カラヤンアレルギーの方には、EMI盤の方が聴きやすく、いわゆる「カラヤン臭」が強くなり始めたこの録音は勿論お薦めしないが、値段・演奏ともに一般には十分ファーストチョイスたりうるセットだ。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/22

    演奏は有名な爆演で、その凄まじさはここで改めて言及するまでもあるまい。フルヴェンが戦後初めて指揮活動を再開した一連の演奏会の3日目?のもので、この日だけは会場はティタニアパラストではなく放送局のホールに観客を入れて放送したという説もある。そのせいか、初日のものより元の音質は全般的に良い。本家DGのCDは、リマスターで聴きやすくなったが、かわりに臨場感や熱気が薄まった。この板起こしCDは、LP時代の臨場感や熱気がダイレクトに伝わる音質なのが好ましい。だだ、予備として保管していた未通針のLPレコードにしては(普通よりは少なめだとしても)若干の針音があるのは惜しい。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/21

    奏法や解釈が時代遅れだのテクニックに難があるとの声もあるが、我々のようなオヤジ世代には、なんといってもこの曲の演奏といえば、グールドの2種類か、このリヒターのDG盤か、ヴァルヒャ盤あたりが思い浮かんでしまう。様々な技巧派のピアノの名手や、新興勢力からいまや主流派となった古楽器演奏家の名盤が目白押しではあるが、この盤のドイツ的なまじめさ、堅実さは忘れがたく、不朽の名盤の名にふさわしいものだ。

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