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eroicka さんのレビュー一覧 

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/11

    強い覇気と強靭なアンサンブル、独逸風のゴツゴツした重厚な響きと構成感が素晴しい。この頃のベルリンフィルは、カラヤンがシェフになって、サウンドが徐々にカラヤン風な明るく豊麗なものに変化しつつある時期だったのだが、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など、このころのベームの一連の録音は、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。スクエアで辛口な演奏だけに、「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、様々な演奏を幅広く聴きこんだうえで、筋金入りのリスナーになって再び聴いてみると分かってくるだろう。いまや過去の人になりつつあるが、我々、LP後期に育った世代には忘れじの巨匠であることには違いがない。

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     2011/06/22

    少年期に何枚か買った記憶がある。レヴァインのこのマーラーチクルスはアメリカの優れたオケを明るくグラマラスに鳴らし、まるでオペラのようにマーラーの心象風景のドラマを再現するといった趣だ。役にのめりこまず距離を置いた上で、苦い葛藤や狂気を舞台で演じるかのごとき感がある。そこには共感はあっても同化はないのだが。CD時代前夜の70年代末当時、マーラーといえば、バーンスタインやワルター、ショルティ、カラヤン、クーベリック、ハイティンクらが人気全盛の中で、アバドやレヴァイン、小澤、マゼール、シャイーという当時の若手の俊英が吹き込む新風は当時の若いマーラーファンには新鮮であった(遅咲きの「新人」、テンシュテットも異質ながらその中にあったが)。あれから30年、ラトルやヤンソンス、ゲルギエフをはじめ、ハーディング、ルイジ、ネルソンス、ネゼセガンらといった多彩な次世代が、おのおの独自の解釈とオケの機能美を追求し、マーラー演奏は21世紀においては、もはや作曲者の狂気や情念は浄化、もしくはデフォルメされ、(作曲者の意図を具現化したものか否かは別として)様々な解釈がなされる「古典」と化しているが、その地平を切り開いたのは、カラヤンやアバド、レヴァインらに他ならない。その意味で、マーラー演奏史を語る上では必ず外すことのできない録音だ。声楽のある2番と8番を録音しなかったのは、レヴァインのオペラの手腕をみると、実に残念。2番は最近になってライヴ盤が出たのが救いだが、8番はいまだCDがないようで、早く録音が望まれる。それにしてもこの安さよ。ほぼ全部バラで持っていても、セットの便利さゆえにまた買ってしまった。

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     2011/06/15

    晩年のフリッチャイの名演。中学に入った頃、1300円のグラモフォンの廉価LPで聴いて以来の愛聴盤。遅いテンポと柔和なウィーン交響楽団の響きは懐かしい味がする。もっと知られても良い名演奏だ。国内盤でも何度か出たが、この頃、すでに夭折の巨匠の体を、不治の病魔が蝕んでいたと思うと、耳を傾けるたびに、切ない気分にさせられる。今でも私の中では、モーツアルトの後期交響曲といえば、ワルター・NYP盤(コロンビア響盤は当時は高すぎてFMからエアチェックした)やクレンペラー・フィルハーモニア盤、スイトナー・ドレスデン盤、その後に買ったベームCOA,BPO,VPO盤やカラヤン盤、バーンスタイン盤などとともに、この演奏は重要な物差しとなっている。尤もその後、アーノンクールCOA盤をはじめとする古楽系の演奏も多数出てくるにつけ、時にはこれらの巨匠時代の遺産も古さが否めないのは確かだが、これからも忘れてはならない演奏として、カタログに残して欲しい。

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     2011/06/07

    ずっと前に買ったDVDがどこかに行ってしまったので、安さにつられ買いなおしてしまった。98年の新演出初日の公演で、演出も主要キャストと指揮者も2001年の来日公演と同じ。あれから10年も経ってしまったが、懐かしく思える。だだっ広いNHKホールの最上階で双眼鏡片手に観劇したが、生ドミンゴは勿論、ボロディナのよく通る声に驚いたものだ。私が見た日とは別の日に、当時の小泉純一郎総理が観に来て新聞に載っていた。フランス語の響きの繊細さとは無縁だが、ゴージャスな声の競演とレヴァインのスケールの大きい音楽、そして華やかなバレエと舞台は一流のエンターテイメントだ。演奏後に収められたドミンゴの表彰セレモニーも微笑ましい。欲を言えば、メトの演出(モシンスキー)は洗練はされているが、保守的な殻を破れず、最近の独仏墺の歌劇場に多い、現代社会に対する風刺や人間の本質を描く前衛性が前面に出た過激な演出が少ないのが物足りなくもあるのだが。例えば、フランダース歌劇場のニツァンとズアビ演出による、イスラエル・パレスチナの対立を皮肉った演出も可能なだけに、この保守性はどうにかならんのかと思う。

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     2011/06/04

    名高いブラームスの交響曲1番はもちろん、グラフマンやルービンシュタインとのピアノ協奏曲2曲が素晴しい。メンデルスゾーンもイタリア・宗教改革だけでなく、SACD化シリーズにはなかったと思われる(記憶違いならすみませんが)スコットランドの熱い名演も入っており、この値段も相まって、実にありがたいセットだ。ダブっていても買ってしまう。EMIなどへの再録音(ブラ1)や、近年、蔵出しされたライヴ盤に比べると、この時期のものはいくつかの例外を除き、安定感はあるものの、全般的に幾分、おとなしい印象を受けることがあるが、それは録音のせいなのか、ボストン交響楽団のサウンドと技量が安定している為なのか。ベルリオーズのセット(勿論、幻想交響曲も54年と62年の両方採録)や、ドビュッシー・ラヴェル作品集、ベートーヴェンの交響曲集などがこの廉価ボックスで出れば、なお嬉しいのだが。昔の少年時代、RCAレーベルの1500円や1700円のミュンシュ=ボストンシリーズのLPを少ない小遣いでせっせと集めていたものだが、音は格段に良くなり、しかも廉価盤LP2枚分の値段でLP10枚分の音源が揃うとは、年寄りの繰言のようだが、本当にいい時代になったもんだ。

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     2011/06/01

    セッション録音では、旧商品の項にも書いたが、1,2,3,4,5,6,9番などが優れている。それだけに、LPOというオケの技量とアビーロードという分離の悪く狭い音場の録音が惜しまれる。当時からオケや録音には強い不満はあったが、ヒューマンな解釈が好きで愛好してきた。クーベリックのDGのセッション録音同様、全集としての一定の統一感や安定感という質の高さは高く評価でき、ライヴ盤が出てこない状態であったら、これだけでもマニア受けする全集という位置づけだっただろうが、その後出てきたライヴの凄絶さ(U先生のような言い方)を一度聴いてしまうと、このセッション録音には指揮者の芸術の全貌をとらえきっていないもどかしさを抱かざるを得ない。後年、EMIが発売した90年前後の5、6、7番のライヴ盤も一緒に入っているが、この鬼気迫る表現を聴いてしまうと、セッションの全集は幾分薄味で、もう少しマエストロが生きながらえて、CSOのようなしかるべきオケでライヴ録音の全集に再挑戦したら、と惜しまれる。鬼籍に入った以上、厳しい言い方をすると、70年代後半に「東独の無名指揮者だから」とばかりに先見性のないやっつけ仕事でお茶を濁した大手レコード資本に対して残念に思う。この良心的な値段はマエストロへの贖罪のなせる業かと皮肉すら言いたくなるが、このシリーズが新譜で出ていた頃の昔はLP1枚2500円だったのだから、当時、少年だった小生は好きな曲しか買えず、今のファンは実に幸せである。全集もEMIライヴも既にお持ちという人はもう要らないが、未聴の人は、この値段なのでこれを機にもっておいて損はない。さらに、LPO以外にも、ボストンやシカゴ、NDRやCOAなどとの共演の放送録音があるので、正規盤発売を強く願いたい。

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     2011/05/24

    DGから出ていたCDや中古LPを持っているが、この曲を語るにははずせない規範的な名演。サンティーニはフルトヴェングラーと同じ1886年生まれで、1964年に亡くなっている。ゆっくりしたテンポ運びと格調高く大仰過ぎぬ演劇性、そして歌を大事にした音作りと歌いまわしは、ジュリーニに通じるものがあるといえば、ほめすぎだろうか。ステッラやクリストフ、ラボーも勿論良いが、特にコッソットとバスティアニーニの声の魅力には陶然とさせられる。スカラ座のオケ・コーラスともこの演奏の格調の高さに華を添えている。50年代半ばのEMI盤に次いで2度目の録音でステレオ。十八番だけに両者とも甲乙つけがたい出来だ。このほか、サンティーニには、ボエーム、シモンボッカネグラ、ジャンニ・スキッキ、アンドレア・シェニエなどのスタジオ録音があり、さらにライヴ録音もいくつか出回っている。

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     2011/05/20

    悲愴はいつものムラヴィンスキー節で大きくスタイルに変化はないが、1937年録音のショスタコ5番は後年の筋肉質な響きで疾駆するムラヴィンスキーのスタイルとは全体的にテンポは遅めで雰囲気の違った慎重なテンポ運びの演奏だ。まるで、コンドラシンなど別人のようなスタイルなので、驚いた。別人の演奏だと疑ったが、直後に日本ビクターのシリーズの特典盤で出ていたSP起こしのCD(プレミアつきで一枚偶然6000円)を中古屋で見つけて、演奏時間を調べたら、ほぼ一致していた。ムラヴィンスキーにとって、この曲は十八番中の十八番だが、演奏スタイルがこうも変わったのはなぜか。最初は新しい曲だけに楷書体で慎重に演奏していたのが後年になって解釈に自信がつき、チャイコフスキーのように疾駆する演奏に変えていったのか?それとも、当時のスターリン体制という政治的事情が影響を与えたのか?様々な想像を膨らませてくれる1枚だ。

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     2011/05/14

    15年ぐらい前にPHILPSレーベルのヒストリカルものシリーズで出ていたものの再発売。以前のCDも持っているが、安さにつられて買ってしまった。指揮がマニアにしか受けないロスバウトだけに、10年ほど、たまに大型中古店でしかお目にかからない状態だった。クラシック界も様変わりする中で、こうした隠れ名盤を世に問い続けるレーベルの心意気を感じる。コンセルトへボウとロスバウトという異色の組み合わせのセッション録音(1961年)だが、カサドシュの端正で典雅な演奏ぶりよりもロスバウトの指揮ぶりの方に瞠目させられる。ロスバウトは終始、快速で演奏をリードしてゆくのだが、メンゲルベルク時代をしのばせる引き締まったアンサンブルと輝かしい響きを、この名門オケから引き出してくれる。高域のヒスノイズは年代相応だが、生々しく豊麗なステレオだ。ロスバウトはこの翌年急逝しており、意外にステレオのセッション録音は多くないので貴重だ。カサドシュはミトロプーロスやカイルベルトらとのライヴがあり、そちらの方がのびやかに本領を見せている。余白のソナタはモノラルライヴだが、10年ほど前にフランスSONYが出したもの一連のオランダライヴ同様、カサドシュの美しいタッチと豊麗な響きを楽しむにはもってこいの演奏である。。

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     2011/05/08

    フランス語の響きが絶妙に美しい。この歌劇は、デルモナコやドミンゴ、カレーラス、クーラ、ヴィッカース、スティーヴンス、バンブリー、ルードヴィヒ、オブラスツオワ、ボロディナなど著名な歌手が競って録音しているが、歌は素晴しくてもフランス語の響きの美しさは薄い。終幕の神殿崩壊のスペクタクルと甘美な歌、派手なバレエといった見世物興業に堕しかねないこの作品(作品の底の浅さに起因する部分もあるが)を、洒脱で品よくまとめている。現代の有名指揮者のセッション録音や50年代〜DVD時代に至るメトのライヴものに比べ迫力はないだろうし、歌手も指揮者も今では知る人の少ないマニアックな名盤だが、この1枚はこの曲を語るには必須のものだろう。このスタイルが本来の姿といえるかは知らないが、一つの演奏様式として貴重な文化遺産といえる。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/08

    NAXOS盤を持っているが、フランス語の響きが絶妙に美しい。この歌劇は、デルモナコやドミンゴ、カレーラス、クーラ、ヴィッカース、スティーヴンス、バンブリー、ルードヴィヒ、オブラスツオワ、ボロディナなど著名な歌手が競って録音しているが、歌は素晴しくてもフランス語の響きの美しさは薄い。終幕の神殿崩壊のスペクタクルと甘美な歌、派手なバレエといった見世物興業に堕しかねないこの作品(作品の底の浅さに起因する部分もあるが)を、洒脱で品よくまとめている。現代の有名指揮者やメトのライヴものに比べ迫力はないだろうし、歌手も指揮者も今では知る人の少ないマニアックな名盤だが、この1枚はこの曲を語るには必須のものだろう。

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     2011/04/15

    例の51枚組BOXには採録されてない録音だ。技のキレなどでは、30年代の旧録音にはかなわないが、清澄な音色と真摯な表現には打たれる。1950年代後半のモノラル録音だが質は高く、ソロ楽器だけだからステレオでないハンディを感じない。廃盤にせず、カタログにずっと残してもらいたい録音だ。

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     2011/03/19

    1945年1月のブラ1は大戦中ベルリン最後の演奏会。この数日後、ウィーンでブラ2・フランクを演奏した直後、スイスに亡命する。ウィーンの演奏会は全曲残っているが、残念ながらベルリンのブラ1は空襲や停電のせいでか最後の楽章しかのこっていないが、マニアには有名な演奏だ。昔、disque refrain盤で初めて聴いたとき衝撃をうけた。大戦で国土は焦土となり、数多の市民が犠牲となった時代、明日はどうなるか分からないという絶望感が創造力をかきたて、あらゆる音が煮えたぎっている。大戦中のWFはどれも激しいものばかりだが、これはとりわけ際立っている。この演奏を聴けるだけでもこの1枚は価値がある。いま大震災で数万人の犠牲者が囁かれさらに原発が危機を迎えている状況下において、襟を正して聴かれるべき音楽だ。47年ルツェルン盤も実に生気あふれた名演で音さえよければ51年のNDR盤や52年のBPO、WPを超える名盤と評価されたかもしれないが、回転ムラの多い録音が痛く、コアなマニア以外には薦めない。

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     2011/03/07

    ぱっと見はいつものマエストロの端正な造形にも見えるが、時折見せる大胆な表情付けに驚かされ、この演奏の特別さを物語る。それは衒いではなく自然に出てくるものだろう。BSO盤や89年サイトウキネン盤にはなかった世界観だ。サウンドもいつものサイトウキネンとは違うオーラを感じる。命の危機を感じながら復帰してきたマエストロへの共感のなせるわざであろう。このあと、マエストロは再び「腰痛」で休演しているが、よもや病巣の転移などということはないことを切に祈りたい。願わくば、朝比奈師やストコフスキーのように90歳過ぎまでも現役でご活躍いただき、日本の音楽界にご貢献いただければ、と、切に願いたい。

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     2011/02/26

    脂の乗った時期のボールトの隠れた名演。50年代後半当時はシューマンの交響曲全集といえば、クレツキなど、五指にもみたぬ数しかなかっただろう。当時は珍重されたはず。ボールトはvangaurdにベートーヴェンの英雄などを入れているが、それと同傾向での力強い快速演奏で、特に2,3番は時には乱暴に思えるほどの快速テンポが個性的でユニークだ。この衒いのなさが、かえって曲想のダークな部分をあぶりだす瞬間があり、不思議な魅力を湛えている。メジャーたりえないこういう隠れ名盤を出してくれるのはマニアとしてありがたい。数年前、安い古LPを入手して聴いていたが、これだけ素晴しい音質でCD化されるとは。私が持つLPはPyeやNixaなどの高い英米盤ではなく、昭和40年代の日本製の廉価盤のせいか音が歪むチープな音質だったので、個人的には実に嬉しい商品だ。このレーベル、目が離せない。

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