LITTTLE TEMPO　TICO　インタビュー

続き…

配信を聞いて、CDを買って、7インチを買って、
さらにライブに来てくれたら4種類の音を楽しめるんだよ？
これほど幸せなことはないと思うんだよね。
どれがいい音かっていうのを聴き比べられるんだから。

--- 愚問なんですが、山と海と言えば、川という言葉が出てきてもいいかな？　って思ってしまったんですけど…。

TICO　あ。川も好きだよ、俺。渓流釣りするから。前にさ、熊に会ったんだよ、熊に。樋熊の小熊だったんだけど。

--- え？　場所はどの辺りだったんですか？

TICO　もう恐怖で覚えてない。記憶飛んでいるから(笑)。でもさ、小熊がいるってことは近くに親熊がいるってことだからさ。一番危険なわけよ。もう、自然の驚異をまざまざと感じたわけよ。
　 で、結局大丈夫だったんだけどさ。もう、怖くてすぐにでも人と喋りたくなって、近くのガソリンスタンドのオヤジを捕まえて、“今、川に熊がいたよ！”って行ったらさ、“この辺りじゃ当たり前だよ”って軽くかわされて（笑）。

--- かなり山奥に入ったところだったんですね。

TICO　そうだね。車で林道を奥まで走って行ったからね。ていうか、この経験が、記憶の奥に刷り込まれていたから『山と海』っていうタイトルが自然に出てきたんじゃないかな(笑)。いつのまにかトラウマというか俺のDNAに刷り込まれてたんだ（笑）。すげぇな、俺。

--- (笑)。話変わりますが、このアルバムのダブ・バージョンを作る予定はあるんですか？

TICO　そうっすね。機会があれば作りたいっすね。

--- このアルバムをアナログでリリースされる予定は？

TICO　アルバムではないですけど、7インチで切って出したいっすよね。何曲か。

--- やはりアナログへのこだわりというのは強いんですか？

TICO　うん。やっぱ7インチにすると、現場でDJとかがかけてくれるからね。金にはならないけど、7インチっていいじゃないっすか。
　 それとさ、みんなさ、iPodだとかなんだとか言いながらさ、7インチを好きだと言ってくれる人がいるのが嬉しいというかね。

--- 最近、急速に渋谷界隈のレコ屋が閉店してしまってますよね。そういうのを目の当たりにするとやっぱり寂しいですか？

TICO　そりゃぁ寂しいですよ。俺はほんとアナログ愛好家だから。ていうか、ただの時代遅れの人間なんですけどね。でもね、大事にしていきたいですよね、アナログというものは。
　 だって、子供とかがさ、iPodの音が音楽の本当の音だって思うようになっちゃ駄目だと思うんだよね。ここはバシッと言わせて貰いますよ！　カセット、レコードの音はいいんだぞ！　と。

--- iPodで聞けるような、配信で圧縮されたデータの音が良いというところで判断されるのは怖いですよね。

TICO　ね。それだからこそ、みんなでLITTLE TEMPOのライブに来てもらって、“生の楽器の音っていいじゃん！”と。“気持ちいいよね！”って思ってもらいたいよ。ツアーに来てくれよと（笑）。
　 それと、結成15周年だから、随時おめでとうのプレゼントを受付けているからさ。なにかくれと(笑)。

--- みなさん、LITTLE TEMPOがプレゼントを募集していますので、ライブに行く方は是非ともプレゼントを持参してください。

TICO　いやいや（笑）。それはそれとしてもさ。やっぱ音の話はしっかり伝えておかないとね。ほんとこのまま言ったらやばいっしょ？　CDとかさ、売れなくなってきているでしょ？

--- そうですね…。

TICO　そうなるとジャケットとか、中のインデックス読んだりすることも無くなってくる訳でしょ？　そういう楽しみがなくなっちゃうんだからね。けしからん！

--- そう言って頂けるとHMVとしても嬉しいですよ。パッケージが売れてこその世界ですから。

TICO　まあ、実は、このアルバムでLITTLE TEMPOとしては初めて楽曲を配信する予定があるんだけどね(笑)。

--- え？　そうなんですか？

TICO　配信もやるということは、僕らの音楽を聴いてもらえる幅が広がるということが大前提だから。だって、頑なにね、配信しないという立場になるのもイヤじゃん？　大人としてさ。そういう余裕がないとさ。

--- さっき、“けしからん！”って言ってましたよね？（笑）

TICO　いやいや。イデオロギーとしては間違ったことを言っていないということは信じてよ。お願いだから(笑)。
　 とにかく、 どういう風に聴いてもらってもいいけど、やっぱりレコードの音は気持ちいいから。もうそれだけは間違いないからさ。じゃなければ未だにレコードを好きだと言ってくれる人いないよ？　それが証明してくれているってことだよ。

--- レコードからCDに移行して、音楽の聴き方が激変してからかなり経ちますが、レコードは未だに残っていますからね。

TICO　そうそう。まずは、配信を聞いて、CDを買って、7インチを買って、さらにライブに来てくれたら4種類の音を楽しめるんだよ？　これほど幸せなことはないと思うんだよね。どれがいい音かっていうのを聴き比べられるんだから。　今までにここまで幅広く音楽を聴き比べることが出来る時代がありましたか？

--- そうですよね。そういう捕らえ方している人、あまりいないかもしれないですね。いいですよね。

TICO　音をほんとに好きだったらそのくらいまでして聴き込んでみましょうよってことですよ。

--- そうですね。改めて音の聴き方というところで勉強させていただきました！

TICO　やっべぇ。ここでいいこと言っちゃったよ。もったいない(笑)。

続く…