Queenadreena インタビュー

2008年3月10日 (月)

無題ドキュメント
Queenadreena



interview with Katie Jane Garside(Queenadreena)
text by takehiko hosaka(HMV)


--- 今回の来日は、Queenadreena としては初めてで、Daisy Chainsaw(注:1)以来の来日になるかと思われますが、何年ぶりの来日になるんでしょうか?

Katie Jane Garside(以下、Katie) 15年ぶりになるわ。

--- では実際15年ぶりに来日してみて、15年前の日本と今の日本とを比べてみて変わったところって何かありましたか?

Katie いろんな人にそのようなことを聞かれたけど、私の印象だと、15年前に日本に来たときは、日本の女性のパワーとか存在感をあまり感じることが無かったの。
  15年前にちょうど取材を受けた女性のジャーナリストに、「女性パフォーマーとしてのあなたの役割は?」って聞かれて。当時、私はその質問自体に驚いたのよ。それは、自分が女性であるからとか考えたことが今まで無かったから。でも、その頃は、女性の声、発言というものを日本のみんなに聞かせることが重要なことだったみたいで。
  だけど、今回来日してみて思ったのは、日本の女性自身が、自分から存在感を出して表現してきていることを感じることが出来て…。それが一番の変化かしら、と思った。それを、周りの人に聞いてみたら、みんなが“そうだね”と言ってくれたので…。なので、私が一番感じた変化は、女性の意識の変化だと思う。それを強く感じたわ。

--- なるほど。では、15年振りに「British Anthem 2008」という会場でライブを演って感じ取ったものって何かありましたか?

Katie 私はステージ上に立つと別人になってしまうの。自分であって自分でないという存在というか…。

--- ライブ会場では男性のファンの方がかなりの数を占めていたと思いますが…。

Katie そうだったのね…。あの、私は、アーティストとして、フロアから誰が見ているとか考えることがないからわからないの…。そういうことを考えてしまうと、アーティストとしての役割を出来ていないと思ってしまうから。だからごめんなさい…。その質問には上手く答えられないわ…。
  パフォーマーとして私の中でのオーディエンスは、鳥がさえずっているような感覚でしか捉えれなくて…。それはそれでとても心地よく感じるのよ。でもやっぱりそれ以上のものをステージの上では見たり感じたりすることが出来なくて…。

--- デビュー以来一貫してそのようなスタイルを貫き通していますが、そのようなライブパフォーマンスは、やはり、今後どのような活動をしていっても変化して行かないものなんですか?

Katie あれはライブの演出というのではなくて、あれが私の在り方そのものだから。ほんと、ライブでの私は別人になっているから。スイッチを入れることによって切り替わるものなの。普段存在している意識をちょっと別のところにおいて、無になるという感じ。これはライブパフォーマンスだけではなく曲作りのときでもそうで。アーティストとしての私の全てを形成しているものだから、それが今後変わるというのは物すごく考え難いものだわ。
  ちなみに、今、別プロジェクトでRuby Throatというものをやっているんだけど、そのバンドは音楽的にも静かなもので。Chris Whittinghamというギタリストと一緒にやっていて。ハワイ育ちで日本人とのハーフなの。で、Ruby Throatは、Queenadreenaと音楽は違ってもアーティストという意味においては、私自身から発せられるエネルギーとかテンションというのは同じなのよ。ただ、音楽が違うだけで。
  だから私自身の音楽に対するアプローチが変わったり、パフォーマンスが変わるとしたら、雷にでも打たれて待ったくの別人にならない限り、決して変わらないものだと思う。

--- Katie Jane Garsideという人間が存在する限り、どこに行ってもそのパフォーマンスとスタイルは変わらないということですね。

Katie そうね…。

--- 今までのQueenadreenaの作品というのは基本的に聴き手に対して表現を力強くぶつけてくるものが多かったかと思うんですが、今作は逆に聴き手側から作品の中に入り込んで行ってしまうような感覚がすごく強いんですよ。それは、あなたの内面に眠っていたものが自然と如実に現れた作品になっているからこそなのかと…。

Katie そう? ありがとう。アーティストとしては、もちろん作った本人だから、客観的に見ることは無理だと思うし、そこに主観が入り込むのは当然だと思うんだけど、でも今創ったものよりも10年という時間が経っているから多少客観的に見れるようになっているのは事実よね。
  だからこそ、Crispinと私はすごく驚いたのよ。“なんでこんなにいいものを10年前に私たちは捨てちゃったんだろう?”って。すごく不思議な気持ち。まるで隠れたお宝を今になって思いかけず発見したという感じなのよ。

--- Queenadreenaとして3枚のアルバムをリリースし、今後、新作を控えているというところで。この作品をリリースしたのは、ある意味、今までの活動を総括したいという気持ちもあったんでしょうか?

Katie 私は今までのアルバムを3部作と捉えていたの。で、この3部作が終わったらQueenadreena自体も終わりだと思っていたの。私の中では、3rdの「Butcher & The Butterfly」でこのバンドは終わりだろうと思っていたのよ。それは、前からCrispinとも話しをしていて。“このバンドは終わるけど、また5年後くらいに一緒にやれればいいね”みたいな感じで。これは本当に思っていたことなの。
  でも、ここ2-3年の間にソロ・プロジェクトのRuby Throatを結成し活動するようになって、すごく開放された気分になって。
  例えるならば、今までは頭の上に水のタンクがあって、そこの蛇口から水が流れてこなかった、というか、蛇口すらついていなかったのかもしも知れない。でも、今は、蛇口があって、そこからわーっと水が出てきて、改めてタンクの中に水を注ぎ込むことが出来るようになったの。色んなことが自分で出来るような可能性を掴めるようになった。そこで改めて、Queenadreenaをはじめられると思ったのよ。
  そういった意味では、今までの作品で零れ落ちたデモというものを一度挟んで、今までの活動を一掃して、新たなQueenadreenaをはじめるということに関しては有効であると思っているわ。でも今思うとね、今までの3枚のアルバムっていうのは、私やバンドにとって、学習過程であったのかもとさえ思うの。
  だから次のアルバムこそが、Queenadreenaにとっての本当のアルバムになるかもしれないという気持ちにまでなっているの。

--- 今までのキャリアを考えても、紆余曲折しながらまた新境地に進もうとしていることは、すごいチャレンジですよね。

Katie やっぱりそういう新境地を見据えられるようになったのは、音楽を続けていく術を身に着けたからといことだと思うの。今までは私の頭の中で、いろんなことが原因で、前に進むことを阻んでいたから。アーティストとして了見が狭かったと自分自身で思うだけど…。
  さっきも言ったように、やっぱり、蛇口を開けて水を流さないと新しいものが入ってこないということがわかったのが一番よね。で、その流れを止めてしまうと同じことの繰り返しになってしまうじゃない? そうじゃないんだということ、それを見つけたということが強いと思う。

--- そのQueenadreenaにとって新境地に至るであろう、ニューアルバムはどのような作品になるか教えていただけますか?

Katie まだほとんど取り掛かっていない新作について語るのは危険なことだと思うんだけど…。今言えるのは、すごくシンプルで、音数も少ないものになると思うわ。
  全体のイメージは、Crispinと私で考えているんだけど、これから強力なリズムセクションが加わってまた形相が変わっていくと思うし。実際リハーサルはもう既に始めていて。そこからマジックが産まれると思っていてるの。
  で、今現在の新作の私のイメージは、荒馬が丘を駆け上っていくような感じ(笑)。そういうイメージかしら…。

--- ありがとうございました。それでは最後に、Daisy Chainsawからの長年のファンも含めて、Queenadreenaで新たにあなたたちのファンになった、全てのみなさんにメッセージをお願いします。

Katie 私は性格的に孤独を好むタイプで…。人とは接触しないタイプで…。それなのにこれほどまでのたくさんのみんなが私の音楽を聴いてくれるというのは嬉しいショックであるの、実は…。ある意味、それを私の中でどう捉えていいのかわからない時期があって。未だにそれに対して感傷的になるのは怖いのよね…。でも、みんなが情熱を持ってくれているのは非常にありがたいことで。私自身が作品を創るときに何が自分にあるのか? ということを考えると、私なりの音楽に対する情熱に他ならないから。そういう音楽に対する情熱は素晴らしいものであると思っているので。みんなの気持ち、私たちに対する情熱は、ほんと、ありがとう、と思っているわ…。うん…。ありがとう。


おわり…

 

 Queen Adreena初来日!新作も!

 



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Queen Adreena / Ride A Cock Horse

 CD  Ride A Cock Horse



 注釈

(注:1)
Daisy Chainsaw/Eleventeen
1991年、バンドのレーベル"Deva Records"からファースト・マキシ・シングル"Love Sick Pleasure"をリリース。その中の"Love Your Money"がいきなり大ヒット(※このアルバムに収録されています)。一躍アンダーグラウンドからメジャーフィールドへ這い上がり、あっという間にポップアイコンとなったケイティ。しかしバンドの命は短命であった。

Daisy Chainsaw/Eleventeen<

 CD  Eleventeen