LITTTLE TEMPO TICO インタビュー
2008年5月7日 (水)
inteview : 土生“TICO”剛
text : HOSAKA & HORITA(HMV)
続き…
みんなが集まって自然に音を出したらレゲエになるからね。
TICO これは、前にDJ KENTAROくん(注:1)とセッションすることがあって。そのときに出来た曲なんですよ。だからノリノリになったのかな。DJ KENTAROくんと、この曲でライブを演ったこともあるしね。 --- そういった形で、TICOさんがLITTLE TEMPOの為に作ったという曲以外に、他の方とセッションして産まれたものというのは、“Little Journey”のほかにも今回のアルバムに入っているんですか? TICO 入ってるよ。例えば、“ランデブー”っていう曲は、こだま和文さん(注:2)と代官山のユニットで一緒にライブでやることになったときに、その時の為に作ったやつで。やっぱ人と接すると、何かいいのが出てきたりしますね。 --- こだまさんと一緒に演奏する感じはどういう感じなんでしょうか? TICO いやもう最高っすよ。音だけだったら。もう、音だけだったらね(含み笑い)。音のヴァイブスが最高なんですよ。もうそれだけっすね。 --- こだまさんと一緒に音を鳴らして産まれるヴァイブスと同じような感覚を、この『山と海』収録曲の中で一番感じるものを強いて挙げるとすると度の楽曲になりますか? TICO 「山と海」だね。うまく言葉では説明できないけど。 --- このアルバムに費やした制作期間というのはどのくらいなんでしょうか? TICO 1年くらいだね。1年前くらいに元々あった曲含めて、去年の4月くらいからデモテープをがーっと作り始めて。 --- 作曲をするときに、頭の中でイメージされる風景ってありますか? TICO 音作ってて、その音が自然とイメージを沸かせるようなものになっていくという感じかな。 --- 先ほど、デモテープの時点で付けていたタイトルを全て変えられてしまったとおっしゃってましたが、9曲目の「温泉物語」なんていう、今までのLITTLE TEMPOでは考えられないような日本語のタイトルがユニークだなと…。 TICO そう? この曲のタイトルをイメージしながら聴くと、ほんとに温泉に浸かっている気分になれるんで、いいっすよ。浴衣美女が見えてきますよ(笑)。 --- (笑)。今回、カバーソングとして「Over The Rainbow」が収録されているのですが、この曲をセレクトした理由を教えてもらえますか? TICO この曲は以前からライブで演ってて。でもライブで演ってる感じとは違う感じでレコーディングしたかったから、みんなでセッションしてこういう形になったんですよ。最終的にはみんなでせーので一発録りで。 --- この曲は、スティールパンの音色がとても綺麗ですよね。まさにタイトルどおり、虹色のような音というか。和音の響きがとても綺麗に彩られているというか。 TICO まさに、そのとおり。 --- レコーディングしているときは、あまり時間に縛られない状況で演奏をしているんでしょうか? TICO いや。やっぱ時間に制限があるからね。それと、短い時間に集中してレコーディングしたほうがいいもの録れると思ってるから。 --- ジャマイカには行かれたことあるんですか? TICO ありますよ。ていうかヒット曲なんて出るわけないよなぁ(笑)。 --- いやいや(笑)。あの、今、ジャマイカという言葉が出てきたのでお聞きしますが、やはりLITTLE TEMPOにとってレゲエ、ダブというのはバンドを構成する通低音とし未だに欠かせないものなのでしょうか? TICO もう、そういうことを考えたことすらないですね。みんなが集まって自然に音を出したらレゲエになるからね。 --- もう、LITTLE TEMPOの音楽に血肉化されていると。 TICO うん。みんな大好きなんっすよ、レゲエが。 --- みんなで音を出した瞬間にばしっとレゲエのビートが鳴ると? TICO すぐにばしっとはならないよ。みんな個々それぞれ違う活動をしているから。ずっとLITTLE TEMPOをやっているわけじゃないから。みんなそれぞれ色んなところでセッションして。そしてLITTLE TEMPOとして集まって。そこでまたセッションしてというね。 --- そういった個々の活動を経て集まったメンバーと久しぶりに会って音を出したとき、新鮮な気持ちになったりしますか? TICO なりますよ。“こいつ、すげぇ!”とか。逆に、“こいつ、ひどい!”ていうやつもいますし(笑)。人それぞれの刺激がありますからね。 --- その、“こいつ、ひどい!”ていう方の名前を挙げたらまずいっすよね?(笑) TICO 何? 僕たちのバンドを解散させる気?(笑) --- いやいやそんなつもりはないですよ(笑)。やはり個々の活動をされていながらまた集結するのは難しいのかな? と思うんですよ。そう考えるとみんなの音への信頼というものが強いのかなって。 TICO まあね。そうなんだけど、スゴイ成長して戻ってくる奴もいるし、ホント駄目な感じで戻ってくる奴もいるから。そういう奴は改めて俺が叩きなおしてね。魂の1000本ノックを入れてね(笑)。 --- TICOさん自身、最近、レゲエ以外にセッションして刺激を受けたものや、聴いて衝撃を受けて影響を受けた音楽って何かありますか? TICO エイベックス・トランス。 --- ほんとですか? TICO いやいや、嘘ですよ(笑)。 --- (笑)。では、レゲエ以外の新しい音楽に関して、敏感なほうですか? TICO どうなんだろうな…。音楽聴きたくなるときと、全く聴きたくなくなるときがあったりするくらいですし…。ていうか、いつも僕が最近聴いているのは、演歌なんですよ。 --- それはほんとですか? TICO これはまじ。演歌最高ですよ。とくに八代亜紀さん。今の俺は、八代亜紀さんが好き。他にも色んなの聴くけどね。 --- 演歌の魅力は、メロディーですか? リズムですか? TICO 大人になって味がわかってきたというか…。あのね、ビヨンセもいいけどさ、八代亜紀さんとか、都はるみさんを忘れてもらっては困るわけよ。俺から言わせてもらえればね。“日本のこころ”だね…。って話がずれてきちゃったじゃん(笑)。 --- いやいや。演歌にも山とか海の情景があるじゃないですか? TICO そうだね。景色の見える歌だね。 --- そんな演歌好きなTICOさんが、『山と海』というタイトルをつけたということは、どこか日本的なものを音のイメージに加えたいからという気持ちがあったのかと深読みしてしまうんですけど。 TICO ま、とにかくね、日本的とか関係なくてさ、山と海って最高じゃん? このインタビューの最初の、“サイコーーーーーーー! 気分は日本晴れ!”じゃないけどさ(笑)。やっぱ好きだな、俺は。
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CD 山と海
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DVD Enter The Newground: Live !!
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CD 1982 / 2002
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