Top 100 Japanese pops Artists - No.42

2003年10月20日 (月)

1978年10月2日、福岡で生まれる。幼い頃から芸能入りし、子役として活躍していたが、歌手としてデビューするまでは、自らの方法としての「歌」という表現にふれることはなかった。親戚のお兄さんの影響で子供の頃はロック(Led ZeppelinDeep Purple)を聴いていたようだ。今はBabyfaceEn Vogueなど、ブラック系を好んで聴いている。
19歳のとき、「Poker Face」でデビュー。自らの作詞曲としても最初となる作品。痛烈な言葉で、たったひとりの孤独な少女に自分自身を投影した詞。最近の作品とは趣の違いがあるにしろ、浜崎あゆみはこのときから確実にアーティストとしての一歩を踏み出していた。

デビューのきっかけは、当時漠然とした日々を送っていた彼女が、たまたまベルファーレでエイベックスのプロデューサーに出会ったところから始まる。これといった志も目標もなかった日々が、突然ベクトルを持って動き始める。とはいうものの、まだアーティストとしてのアイデンティティは確立されていなかった。自ら手掛けた詞であるにもかかわらず、「Poker Face」 「You」の辺りでは幾分か目覚めきっていない印象を受ける。

しかし、自らの言葉で表現することに躊躇わず、ペースをあげて作品をリリースしていく浜崎。リスナーは次第に、単なるアイドルシンガーではなく、意思を持つひとりのアーティストとしての彼女の歌に共鳴し始める。ダンスミュージックというスタイルではなく、彼女が発する言葉の一つ一つが人々を捕らえたのだ。そして、シングルで次々とオリコンの上位にランクイン。ドラマのタイアップもあり、CM、歌番組など露出の機会も以前に増して増え、99年の元旦にリリースされた1stアルバム「A Song For Xx」も初登場1位を獲得。デビューからわずか数ヶ月の間に、5枚のシングルとアルバムをリリース。尋常でないペースだ。

その後、同年11/9にはオリジナルアルバムとしては2作目の「Loveppears」、翌年9/27には3作目「Duty」を発表。どれも記録的セールスとなり、今年3/28にリリースされた初のベスト盤「A Best」は、発売日を同じくしてリリースされた宇多田ヒカル「Distance」と並んで、1週間で400万枚もの歴史的ヒットを飛ばした。

これまでの浜崎の作品のなかでとりわけ目立つのは、他のアーティストと比べてリミックス作品が多いという点である。「Ayu Mi X 2 Version Us + Uk」「Ayu Mi X 2 Version Non Stop Mega Mix」「Ayu Mi X 3 Non Stop Mega Mix Version」 「Ayu Mi X 4 + Selection Non Stop Mega Mix Version」 など、シングルのカップリング、という扱いではなく、ひとつのコンセプトアルバムとして何作ものリミックス盤が発売されているのだ。シーンを築いてきた発信源のクラブで、浜崎あゆみがいかに注目されるアーティストであるかがうかがえる。9/27にリリースされた「Cyber Trance Presents Ayu Trance」は、ここのところシーンを賑わせているトランスバージョンであり、前作「Super Eurobeat Presents Ayu Ro Mix」から2部作となる「Super Eurobeat Presents Ayu Ro Mix 2」は、お馴染のユーロビートバージョンである。

ファッションやメイクなど、ビジュアル面でも時代のリーダーとなり、存在そのものがカリスマとなったいま、もはやだれも彼女を単なる飾りや広告塔だとは思わない。自分の言葉を確実に持っている浜崎はプロデューサーのブランドネームを必要とせず、自らの手で居場所を確かなものにした。彼女は、これまでに経験してきた過去と向き合い、感じてきた痛みや辛さでさえも偽りのない言葉で表現する。想像のなかの出来事ではない、真実だけのソリッドな歌世界は精神的であり、哲学的でもある。

かつてドラマ「未成年」のなかで、河合我聞の恋人役を演じていた浜崎は、バレエ教室に通うお嬢様役で、小柄で透明感のある、守ってあげたくなるような線の細い女の子だった。その印象が強かっただけに、今の彼女からとめどなく流れ出るアーティストとしての本質が、一体どこに隠されていたのか未だに不思議に思う。いつからか、アーティストとして音楽番組にも度々姿をあらわすようになって、気が付くとそこには以前見たときと全く違う浜崎あゆみがいた。

2002年1/1にはアルバム「I am...」がリリース。それまでのシングル曲に加え、当時のリリース前のCMタイアップ曲なども収録。
2002年もリリースが多数あり、シングルでは「Free & Easy」に始まり、2002年唯一のミリオンヒット「H」(すべてタイアップありの名曲揃い)、長編ミュージックフィルム「月に沈む」にまで発展した「Voyage」と、Remixアルバム3枚、シングル3枚をリリース。そして12/18にはそれらを含む5枚目のオリジナルアルバムRainbowをリリース。2003年は、究極のバラードを集めたA Balladsも好セールスを記録。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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