Top 100 Japanese pops Artists - No.6

2003年11月25日 (火)

日本のポップス史上、名実ともに最高のミュージシャンであり、シンガーソングライターである山下達郎。彼の描き出す珠玉のメロディーに、ハイトーン・ボイスなのに湿り気があり、流れるような歌声と絶妙なコーラスワークが溶け合う楽曲の多くは、私たちに至福の時間を味わわせてくれます。リスナーの年代によって、思い出深い曲は十人十色だと思いますが、達郎の最も代表的な(セールス的にも)最高傑作といえば「クリスマス・イヴ」になるでしょう。JR東海のクリスマス・キャンペーンのCMソングとして1989年に起用され、爆発的な大ヒットを記録してから、以降クリスマス・シーズンの定盤曲になっていることは、誰もがご存知のことでしょう。2000年のミレニアム・クリスマスにこのCMが復活したとき、勿論CMソングは達郎の「クリスマス・イヴ」で復活したことも話題となりました。

山下達郎は1953年、東京に生まれ、中学時代にベンチャーズに影響を受けて音楽活動を開始しました。そして、大学在学中に大貫妙子らとシュガーベイブを結成したのが1973年。この年、はっぴいえんど解散コンサートに参加した彼は、大瀧詠一と運命的な出会いをし、伝説の名盤「Songs」を制作することとなりました。今作は達郎のR&B〜ソウル趣向と、大瀧のフィル・スペクター〜アメリカン・ポップス趣向との融合されたサウンドを生み出し、「ダウン・タウン」や「すてきなメロディ」など、今もってエヴァーグリーンな名曲の数々が収録されています。しかし発表した翌年、マスコミから黙殺された形となった今作を残し、解散してしまいました。けれども、今作は間違いなく日本のポップスの歴史上に残る名盤であり、原点であったことは今日の評価からも明らかです。

シュガーベイブ解散後、1976年に大瀧詠一と伊藤銀次とともにシュガーベイブの延長とも言える素晴らしい楽曲が収録された「ナイアガラ・トライアングルVol.1」を発表。同年「Circus Town」でソロデビューすることになりました。今作ではニューヨーク・セッションによる完成されたクオリティーの高さが海外でも絶賛され、日本ポップスの指標となったのです。1977年にはポップ色が増した「Spacy」、78年の「Go Ahead!」、79年の「Moonglow」と意欲的にリリースしていきました。

彼の転機となったのは、1980年にシングル「Ride On Time」がCMソングに起用され、一気に大ブレイクして音楽シーンの中核へと踊り出たことであり、それによって同タイトルのアルバムが初めて好セールスを記録、ポップな楽曲と伸びやかな歌声が旋風しました。そして82年、彼の人気を決定的にした最高のポップチューンが散りばめられた「For You」、続く83年「Melodies」は海外のソフト・ロックに引けをとらない素晴らしいハーモニーを紡ぎ、前述の「クリスマス・イヴ」が収録された傑作盤としてリリースされることになりました。

その後も、アメリカン・ポップスを昇華した良質なポップソングをリリースし続ける一方、様々なシンガーへの楽曲提供やプロデュースを行なっています。代表的なものとしては竹内まりやなどニューミュージック系のシンガーへの楽曲提供が多いが、アイドル時代の近藤真彦の大ヒット曲「ハイティーン・ブギ」や、最近では同じジャニーズのKinki Kidsに提供した「硝子の少年」「ジェットコースター・ロマンス」で彼のポップセンスの健在をアピールしました。そして最近では7年ぶりとなった新作「Cozy」をリリース、作詞に松本隆を起用したことでも話題となりましたが、その普遍的な珠玉のポップソングは和製ポップスの最高峰といえるでしょう。

2002年2月には、名盤「For You」などを含む一挙7タイトルがデジタルリマスターされて再発!これはボーナストラックをそれぞれのアルバムに追加収録しているもので、全ての作品がビックヒット!改めて達郎の素晴らしさを確認できる出来事でもありました。
2002年のもうひとつのビックリリースは、10月リリースの裏ベスト盤とも呼べる「Rarities」。シングルオンリーの曲や、シングルのカップリング、未発表セルフカバー、新曲など未アルバム化レア音源を集めまくったファン待望作品です。「デリ!スマ」テーマソング「LOVE GOES ON〜その瞳はGODESS」や、シングルのみの発売だった「君の声に恋してる」(初回限定生産のため、現在は入手困難)など、気になる曲が多数収録されています。
2003年には木村拓也主演のドラマ「GOOD LUCK!!」の主題歌としてRide On Timeが23年の時を経て待望のシングルカット。続いて2000トンの雨が映画「恋愛寫眞」(堤幸彦監督:広末涼子、松田龍平)テーマ曲としてリリース。世代を越え新たなるファンを増やしつづけています。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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