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つよしくん さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/26

    最近のベートーヴェンの交響曲の演奏は、古楽器奏法や古楽器演奏が主流となりつつあるが、そのような中で、本盤のような重厚で男性的な名演に接するとほっとすると同時に、深い感動を覚える。第4は、ベートーヴェンの交響曲の中でもリトマス試験紙のような曲であり、指揮者の力量が試されるなかなかの難曲であると言えるが、他方、古今の一流指揮者が忘れ難い名演を遺してきた曲でもある。ケンぺは、例えば、ムラヴィンスキーやクライバーのように、最強奏と最弱音のダイナミックレンジの広さを殊更に強調するのではなく、アプローチとしてはあくまでもノーマル。したがって、あくまでも中庸のインテンポで進行していくのだが、決して体温が低い演奏ではなく、どの箇所をとっても熱い血が通っている。第3楽章など、他のどの演奏よりも快速のテンポだが、それでいて、全体の造型にいささかの揺らぎも見られないのはさすがと言うべきであろう。第5の第1楽章のテンポは実にゆったりとしている。しかし、決してもたれるということはなく、第1楽章に必要不可欠な緊迫感を決して損なうことなく、要所での音の強調やゲネラルパウゼの効果的な活用など、これこそ名匠ケンぺの円熟の至芸というべきであろう。終楽章のテンポはかなり早いが、決して荒っぽさはなく、終結部のアッチェレランド寸前の高揚感は、スタジオ録音とは思えないほどのド迫力だ。70年代初めの録音としては、なかなかの高音質であり、できれば、将来的にはHQCD化していただきたいと思えるような歴史的な名演と高く評価したい。

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     2009/10/25

    ルービンシュタインの芸風は、シューマンのピアノ曲との相性が抜群のようだ。本盤を聴くとそれがよくわかる。特に、幻想曲ハ長調でそれが顕著であり、この曲の持つ文字通りの幻想的でかつロマン的な香り立つ叙情を、極上のピアニズムで歌いあげている。テンポ設定もごく自然体であり、恣意的な解釈はどこにも見られない。もちろん、ルービンシュタインならではの同曲への解釈やアプローチの仕方はあるのだろうが、そうしたピア二ストの個性よりも、幻想曲ハ長調の美しさ、素晴らしさだけが伝わってくる。これは、ルービンシュタインが同曲の本質を捉えきっていること、そして、ルービンシュタインの芸風と楽曲が符合しているからに他ならないと思われる。正に、作曲者と演奏者の最高の幸福な出会いがここにある。他方、クライスレリアーナも名演というべき出来なのだが、こちらの方が、幻想曲ハ長調ほどの高みには達しておらず、隋所にルービンシュタインのこう考えるという解釈が滲み出ている。それが普通ではないかと言われればそれまでであるが、ルービンシュタインほどの巨匠、そしてシューマンとの相性の良さを考慮に入れると、もう一段上の演奏が出来たのではないかと、少々高望みをしたくなる。Blu-spec-CD化により、音質のグレードが相当にアップし、名演を高音質で味わうことができることになったことを大いに喜びたい。

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     2009/10/25

    ハイフェッツの超絶的な技巧を存分に味わうことができる一枚だ。ツィゴイネルワイゼンをはじめ、ポピュラーな名曲がてんこ盛りであるが、ハイフェッツの芸術性に裏打ちされた技量のあまりの素晴らしさ故に、決して飽きることなく全曲を聴き通すことが出来た。例えば、詩曲では、抒情豊かに旋律を奏でるなど芸術性にも不足はなく、ハイフェッツが決して技量一辺倒なヴァイオリニストではないことがよくわかる。もちろん、カルメン幻想曲では、あまりの圧倒的な技量のすざましさに、ノックアウトされてしまった。50年代前半のモノラル録音ではあるが、Blu-spec-CD化によって相当な音質改善が見られ、ハイフェッツの超絶的な技量をかなり鮮明な音質で味わうことが出来るようになったのは嬉しい限りだ。

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     2009/10/25

    最近では、ベートーヴェンの交響曲の演奏にも、古楽器演奏や奏法の波が押し寄せてきているが、本盤が録音された70年代は、まだまだ大オーケストラによるスケールの雄大な演奏が主流であった。独墺系の指揮者でも、カラヤンやベームと言った巨匠が交響曲全集を相次いで録音、また、クーベリックやバーンスタインによる全集も生み出され、いずれも高い評価を得た時代であった。そんな中で、決して華やかさとは無縁のケンぺの全集が、レコードアカデミー賞を受賞するなど、一世を風靡するほどの評判を得たのはなぜなのだろうか。本盤を聴いて感じたのは、確かに、巷間言われているように、厳しい造型の下、決して奇をてらわない剛毅で重厚なドイツ正統派の名演と評することが可能であるが、決してそれだけではないようなケンぺならではの個性が色濃く出ているという点だ。例えば、第2の冒頭の和音の力強さ。第2楽章のこの世のものとは思えないような美しさ。第3楽章は、他のどの演奏にも増して快速のテンポをとるなど、決して一筋縄ではいかない特徴がある。第6の第1楽章もかなりのスローテンポ。同じようなスローテンポで第2楽章もいくかと思いきや、第2楽章は流れるようなやや早めのテンポで駆け抜ける。第3楽章に至ると、これまたすざまじい快速テンポ。こうして両曲の解釈を俯瞰してみると、ケンぺが単にドイツ正統派の演奏という一言では片付けられないような個性的な演奏を繰り広げていることがわかる。それでも、ドイツ正統派の玉座の地位を譲らないのは、ケンぺがベートーヴェンの本質を鷲掴みにしているからに他なならない。録音も、70年代前半のものとしては、十分に合格点を与えることができる水準であると思う。

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     2009/10/24

    昨年発売された、アシュケナージ&シドニー交響楽団のコンビによるラフマニノフ交響曲・管弦楽曲全集からの分売。当該全集におさめられた楽曲の中でも、なかなか演奏されることがない曲をおさめたのが本盤の特色。ただ、SACD化というアドバンテージがあるにしても、1枚3000円のCDで、収録時間が40分ちょっとというのはいかがなものであろうか。よほどのクラシックファンでもない限り、収録された曲がほとんど知られていない曲であることも併せて考えると、本CDに食指を伸ばす者は少ないのではあるまいか。むしろ、商売を度外視してでも、名演奏をできるだけの高音質で聴者に届けたいというメーカーの心意気を褒めるべきなのかもしれない。ただ、私としても、いささか心配になったので、敢えて書かせていただいた。演奏は、ラフマニノフを得意とするアシュケナージならではの名演であり、シドニー交響楽団も、アシュケナージの統率の下、なかなかの好演を示していると思う。

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     2009/10/24

    アシュケナージのエルガーシリーズは、本盤で終結することになるが、最初の交響曲第1番や第2番では、シドニー交響楽団の未熟さもあって今一つの出来であり、先行きを大変心配していたが、第3集のエニグマ変奏曲あたりから、漸くエンジンがかかってきた気がする。本盤では、威風堂々行進曲が名演と言っても過言ではない出来だと思う。シドニー交響楽団もなかなかの好演を見せており、SACDによる高音質録音も見事である。ただ、カプリング曲の弦楽セレナードはもう一つの出来だと思った。シドニー交響楽団も、このような味付けやスパイスが必要な曲では、まだまだ未熟さを露呈してしまうということなのかもしれない。

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     2009/10/24

    厳しい造型、愚直なまでのインテンポ、重心の低い重量感溢れるサウンドなどを兼ね備えた、いかにもドイツ正統派の重厚な名演だ。したがって、華麗さとか派手さなどとは全く無縁であるが、ケンぺのベートーヴェンの本質を鷲掴みにした愚直なまでの真摯な解釈が、我々に深い感動と、ベートーヴェンの交響曲の真実に触れたという充足感を我々に与えてくれるのだと思う。ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団も好演を見せており、録音も、70年代の前半のものとしては、十分に合格点に達していると言える。

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     2009/10/24

    シューマンのピアノ独奏曲は、あくまでも私見ではあるが、ロマン的かつ幻想的な雰囲気に満ち溢れた曲が多く、それだけに、厳格な造型を重視したり、抒情よりも理屈が先に立つピアニストが演奏すると、面白みのない退屈な曲になり下がってしまうのではないかと思っている。その点で、ルービンシュタインの芸風は、シューマンの演奏者としては全くの問題はなく、シューマンの作品に内包するロマン的かつ幻想的な抒情をあますところなく表現し尽くした充実した名演を繰り広げている。しかも、60年代前半という、ルービンシュタインの全盛時代の録音であり、技量の面においても、最高のパフォーマンスを示している。それにしても、Blu-spec-CDというのは実に素晴らしい音質だ。60年代前半の演奏を、これほどのグレードの高い音質で味わうことができるのは、現代の我々にとって何という幸せであろうか。

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     2009/10/20

    全体を40分ちょっとで駆け抜けているが、この快速テンポは、かのムラヴィンスキーの60年代の名演に匹敵するものだ。全体的な造型や、演奏の性格はムラヴィンスキーの名演に準じるものであり、手兵のクリーヴランド管弦楽団を「セルの楽器」と称されるまでに鍛え上げたセルの片鱗が見られるが、例えば、第1楽章の終結部のテンポの激変や、終楽章のアッチェレランドなど、セルにしてはめずらしい踏み外しも見られる。SHM−CD化により、音質の改善がかなり見られるのは嬉しい限りだ。

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     2009/10/19

    ヘンデルのようなバロック音楽を、大オーケストラを指揮して演奏するというのは、もはや随分と過去の時代のもののように思うが、本盤のような名演に接すると、現代の古楽器奏法や古楽器演奏などというものが、実に小賢しく感じる。本盤が録音された60年代前半というのは、セルの全盛時代であり、手兵のクリーヴランド管弦楽団とは、「セルの楽器」とも称されるような精緻な演奏が信条であった。しかし、ロンドン交響楽団を指揮した本演奏では、むしろ、豊穣にして豪壮華麗なオーケストラの響きをベースとした温もりのある名演と言った趣きがする。こういう演奏に接すると、セルは、特にクリーブランド管弦楽団以外のオーケストラを指揮する場合には、冷徹な完全主義者という定評を覆すような、柔軟にして温かい演奏も繰り広げていたことがよくわかる。SHM−CD化によって、若干の音質向上効果が見られたのも嬉しい限りだ。

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     2009/10/18

    オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団という、かつて一世を風靡した黄金コンビの素晴らしさを堪能できる名演だと思う。何よりも、カルメンについては、組曲のすべてがおさめられているのが嬉しい。カルメンという長大なオペラの中の隋所におさめられている珠玉の名曲をほぼすべてを味わうことができる。確かに、フランスのエスプリを味わうには、やや趣きが異なる演奏であるのかもしれないが、アルルの女を含め、各楽曲を抜群の技量で巧みに描き分けていく名匠の老獪さには、ただただ圧倒されるのみである。Blu-spec-CD化により、この黄金コンビによる名演をかなりの高音質で味わうことができるようになったのは、嬉しい限りだ。

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     2009/10/18

    かつて「フィラデルフィア・サウンド」として一世を風靡した、全盛期のフィラデルフィア管弦楽団ならではの極上のシルキーな音色を堪能できる名CDだと思う。オーマンディも、このようなポピュラー名曲を振らせると、抜群の巧さを発揮し、本盤におさめられた各曲ともに、正に、名指揮者と名オーケストラという最高の役者の揃った超名演ということができる。Blu-spec-CD化により、音質にはかなりの向上効果が見られ、特に、ダッタン人の踊りにおける合唱がより鮮明に聴こえるようになったのは素晴らしい。

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     2009/10/18

    フランス人でありながら、ベートーヴェンやブラームスなどのドイツ系の音楽を得意としたミュンシュならではの、フランスのエスプリよりは、重心の低い重厚さを全面に打ち出した名演だと思う。牧神午後への前奏曲の官能的で重量感溢れる響きは、あたかもトリスタンのような趣きであるし、夜想曲の雲のどんよりとした抒情と祭りのアグレッシブなパッションの大爆発の絶妙な対比。交響組曲「春」の緩急自在のテンポを駆使した描き方も円熟の極みであり、ミュンシュのパッションは、ラ・ヴァルスとボレロに至ってついに頂点に達する。こうして聴いてくると、カプリング曲の組み合わせも実に見事であり、ドビュッシーやラヴェルの有名曲を抜群の名演で味わうことができる名CDと言うことができるだろう。Blu-spec-CD化によって、音質のグレードがかなり向上したのは嬉しい限りだ。

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     2009/10/17

    ドヴォルザークの第9は、ずいぶんとテンポは遅い。第1楽章の呈示部の反復を省略しても43分も要するというのは、本演奏のテンポの遅さを証明するものであるが、決してもたれるということはない。むしろ、誠心誠意、心をこめて演奏をしているといった趣きであり、こうしたオーマンディの第9という、いわば通俗名曲に対する真摯な姿勢が、我々の心を打つ。これは、最晩年になって、オーマンディが到達した至高・至純の境地というべきものであり、実に味わい深い名演と評価されるべきであると考える。カプリングのスケルツォ・カプリチオーソ、スラブ舞曲、モルダウは、いずれも聴かせどころのツボを心得た名演というべきであり、最晩年の名匠の高踏的な遊びの境地すら感じさせる。Blu-spec-CD化によって、音場がやや広くなった感じはあり、特に、ドボルザークの第9ではかなりの音質向上効果が見られたのは嬉しい限りである。他方、モルダウなどは、マスターテープの劣化が感じられ、この点は少々残念であった。

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     2009/10/17

    チャイコフスキーの第5は、オーマンディ得意の曲とのことであるが、本盤はずいぶんとテンポの遅い構えた演奏だ。かと言って、チャイコフスキーならではの暗さとか深刻さとは無縁であり、どこまでも明るい爽快さが持ち味だ。フィラデルフィア管弦楽団のシルキーな音色が、こうした演奏の特色を助長させているように思うが、チャイコフスキーの演奏としてはどうだろうか。チャイコフスキーの交響曲にも、様々な演奏様式があってしかるべきとは思うし、本盤の演奏も決して凡演というわけではないが、私としてはいささか物足りなさを感じた。むしろ、カプリングされているスラブ行進曲やイタリア奇想曲の方が、聴かせどころのつぼを心得た名演だと思う。Blu-spec-CD化による音質向上効果は、音場がやや広がった感じはしたが、マスターテープにもよるのだろうが、さほどの向上効果が感じられないのは残念であった。

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