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ゆりぞう さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/07

    第1集のレビューにも記したが、クレンペラーのワーグナーが大音量でも一切のストレスなしに楽しめる。これは、英コロンビア盤SAXブルーシルバー以来のことである。EMIジャパンは良い仕事をしてくれている。感涙。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/07

    EMIジャパンの仕事にまずは心から感謝である(ケースの装丁はのぞく)。かつてのアナログレコードの時代、この第1集と第2集はバラでも出ていたが箱モノでも出ていた。私の所持していたのは箱の方であるが中身はオリジナルのSAXブルーシルバーである。その音質の豊穣なことは国内盤LPはもちろん後のCDではなおさら絶対に味わえないものであった。それが今日SACDとして、ほぼ復活したのである。しかもオリジナル通りのカップリングとジャケットで。これはもうファン心理をがっちりつかんではなさない。「思い出」を大事にしたい老人には感涙ものなのである。年寄りはこのようなものに金をつぎ込むのである(小金のある年寄りにお金を使わせるのは経済的良循環にもつながる)。しかしこのような素晴らしい企画に対して、「高い」とか「最初から3枚組にしろ」とか「(シングルレイヤーなのだから)つめこめ」とか、若い人からはそのような要求もあるだろうから、そのうちそれに応じた安いセットを準備するのも良かろう(しかしまあ、それは輸入盤に任せたら良いか)。とにかく、私のように考えているファンは周囲に実に多いのだから、EMIジャパンは今の路線を転換せず、引き続き過去のアナログのSACD化を続けてもらいたい(ケースの装丁はのぞく)。それにしても、クレンペラーのワーグナーを大音量でストレスなく聴ける日がまた来るとは・・・。EMIジャパンの技術者の皆さん、本当にありがとう。

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     2012/11/16

    昔からこの1970年盤よりも1957年録音の米コロムビア盤が気に入りであったが、1970年盤もSACD化されたのでこの際聴いてみた。貧弱なCDの音質が英オリジナルアナログと同等の音質に激変していて、これはうれしい限りだが、それでも所詮1970年代のEMIの音である。現在ソニーから出ている1957年盤SACDの方がうんと好録音。演奏もそちら(ソニー)のほうがしまりがあって覇気がある。こちら(EMI)は大人の音楽が鳴っているけれどもちょっとゆるくてうるさい。私にとっては演奏録音ともに1957年盤が圧勝である。ソニーにはセルの名盤の数々をもっとSACD化してもらいたいものである。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/16

    昔から好きではない録音であったが、SACD化された音の確認のため購入した。期待通り、従来のCDに比べてはるかに「原音(つまり英オリジナルLPの音)」に肉薄した音質を享受できた。しかし、1970年頃からHMVは録音がホールトーン重視になったようで分離の悪いがさつな音質になった。ちょうどその頃の録音である。その意味で、オリジナルアナログで聴いても「それほどたいしたことない」といった印象ではあったので、本SACDにも過剰な期待をしてはいけない。最新録音にもちろん及ばないばかりか、ロストロのシングルレイヤーにはうんと劣ると思う。また、この音源はチェロと管弦楽のバランスが悪く、一昔前のイエペスのアランフェスを思い出す(アルヘンタがバックのもの)。それは「巨大なギターを弾いている」と揶揄されたようにギターを強調しすぎたが故の管弦楽とのバランスの悪さが顕著であったのだが、本録音にもそれと同じことが当てはまると思う。デュ・プレのチェロがやたらと大きいのである。もちろんそのせいで彼女の白熱の演奏はいっそう強調されるわけだが、違和感はぬぐえない。暑苦しいのである。「ほら、どうだ、すごいだろう!」と押し付けられているような感じがするのである。デュ・プレのタイプであればもっと控えめな音量で録る方がいっそう感動的であったはずだ。おそらくこれが私が本演奏をどうしても好きになれない理由なのだろうと思う。その点、エルガーの録音の方がうまくいっていると思うのである。

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     2012/11/15

    それにしても次から次へと楽しい箱ものが出てきますねえ。とても全部を丁寧に聴く時間はないけれども、所有欲は大いに満たされます。お得です。しかし一方、ベームの田園とカラヤンのブル7がシングルレイヤー2枚で9000円ならそちらを買いたいというような人(たとえば私)もいます。どちらがどうとは言わないけれど、流れは価値の多様化であり選択肢の広がりであり、その点においては良い時代になったということです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/09

    往年の大演奏のSACD化が進む昨今ではあるが、やはりオペラは後回しになっているようであり、カラスやバルツァのSACD化を鶴首で待っているところである。このラトル盤は、それらがSACD化されるまでの「つなぎ」としてほとんど期待せずに購入したのだが(ましてや従来ラトルは好きでないのだが)、まあ驚いた。これは小生にとって、「ジャスト・サイズのカルメン」であり「ウェル・バランスなカルメン」である。室内楽風というと少し大層だが、どこにも一切の仰々しさがなく手作り風、すべての音符に心がこもっている風情で聴き手の心を捉えて話さない。長いオペラを続けて聴き通したのは最近ではまれなる体験であった。コジェナーはカルメンの妖艶さを強調しておらず、どちらかというとお上品ではあるが、それがまた管弦楽の指向するものと見事に一致しているように思われ演奏全体が実にバランス良く流れるのでずっとずっと快感が続くのである。何らかの違和感にふっと我に返るということが全然ない。このようなカルメンは初めてである。録音ももちろん二十丸(SACD)。トータル星7つ。

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     2012/11/07

    意外なことにレヴューがないので書く。ダウスゴーはこれまでもシューマン、シューベルト、ドヴォルザーク等で(録音も含め)目の覚めるような名演を成し遂げている。日頃、古くからある名盤を聴くのがほとんどで「新しい指揮者」にとんと冷たい私であるが、この人だけは別格である。さて、この悲愴であるが、昔からモントゥー指揮ボストン交響楽団を愛好してきた老人耳からするとその21世紀版とも言える演奏であった。オケが両翼配置であることだけではない。その音楽の良い意味での軽さ、さらっとした淡白さの中にある(意外なくらい)ドラマティックな展開。粘らず重々しくならず、全然うるさくない。疲れない。良い音楽だなあと、何度でも繰り返して聴きたくなる。そのようなところがモントゥー盤と同等なのである。ボストン交響楽団のどこかまろやかな音色のせいもありモントゥー盤にはこれに気高い品格のようなものが加わるが、ダウスゴーは小編成であるので、よりいっそう音楽の呼吸が伝わる。音量に圧倒されることなく音の起伏に気持ちがついていける。ドラマティックながらもそれが決して過剰にならないところが実に良いのである。それにしても第4楽章終結部の低弦の効果は実に見事であり、これが実演ならブラボーおじさんになること間違いなしである。ロメオも同趣向の名演である。この一枚、私にとっては今年一番の新譜であり、悲愴のひとつの理想の形を示す最高の演奏と評価したい。ダウスゴーの次の新譜が楽しみでならない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/06

    過去の名盤がSACD(特にシングルレイヤー)化されるたびに繰り返し言い続けていることだが、まあ見事な音質で、これは英オリジナルレコード(初版)と同じ音がするのです(同じ初版でも音質劣化の激しい東芝の国内盤ではありません)。思い起こせば、30年以上前、アナログレコードからCDに世の中がどんどん変わっていったとき、本物のオトキチはCDに愛想を尽かして高価なオリジナルレコードを求めるようになった(私もその一人である)。しかし、こと音質だけに限れば、もうオリジナルアナログレコードはまったく不要であると言って良い。現在もなおアナログ党である人がこの音質を聴けば何と言うだろうか?もちろん、カートリッジを換える楽しみはないわけだが、あるいは「もの」としてのレコードにあるような存在感はないわけだが、これほど気楽に最高音質を享受できる時代がやって来たのである。(パッケージは最低クラスであるが)とにかく、EMIジャパンには感謝しつつ、さらに継続して販売してほしいと思う。どうかよろしく頼みます。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/27

    実に見事な音質です。本当にうれしいです。英オリジナル・アナログレコードの音が聞こえてきます。これまで、CDでは絶対に聞けなかった音です。EMIのシングルレイヤーはユニバーサルよりもいいですね。ユ二バーサルはものにもよるでしょうが、若干「中抜け」したような印象があります。こちらはがっちり中身が詰まっています。早くも続編が楽しみでなりません。クレンペラーのブラームスのSACD化もぜひよろしくお願いします。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/23

    高校生の頃、ベルリンフィルを振った9番(東芝盤LP)を聴いてとてつもなく感動し、その後5番を聴いて感心し、そしてこの6番を聴いて(悪い意味で)仰天した。何だこの冒頭の遅さは!以来、この6番だけはどうしてもだめだった(同じバルビの遅いテンポでもシベリウス・3番あたりだと馴染めたのだけれども)。しかしその後、少々歳を取ってから、英オリジナルアナログ盤を入手できたので聴いてみると、その高音低音とも余裕ある分離の素晴らしく良い音質ゆえか、素直に耳に入るようになった。すると演奏内容にも、こちらの臓物が引き裂かれんばかりのパッションを感じ取れるようになり、一気に私の中で(タイプは違うが)カラヤン盤と双璧となった。その名盤がSACDになり、本当に驚くべきことに、英オリジナルアナログ盤と同様の音を出すようになったのである。これはシングルレイヤーということもあるのだろうか、同じEMIから出ている9番やエソテリックから出ている5番と比べてもまた一段とオリジナルに近い音質であるように思える。東芝国内盤LPや通常CDでは絶対に得られなかった「臓物引き裂かれ」が久々にやってきた。ふるえました。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 21人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/08

    まず音質であるが、これはもう文句のつけようがない。昔、東芝国内盤レコードを聴いて、ずいぶん薄っぺらい録音だなあ、とがっかりした青春時代。しかし高じて英オリジナル・アナログ(ASDの全集箱物の方)を聴くとこれがもう驚きの別次元の音質であった。いくら高くてもこれを求める価値は絶大であった。ところがCDの時代になるとなんとも味気ない、ただきれいになっているだけの、力のない、鼻づまりのする、長時間聴くと頭が痛くなる、恐ろしくお粗末な音になってしまった。しかし、本SACDは若干蒸留が効きすぎたくらいに鮮明になり、高域低域奥行きともASDを見事に再現していると言って良いと思う。 次に価格であるが、これはかなり多くの人から不評を買っているようだ。これは一枚一枚の値段ではなく、ベートーヴェンの交響曲全集全部そろえると3万円以上する点においてであろう。だが、これはオリジナル・カップリング重視の観点からは仕方ないことと思う。今回の配品は、過去の思い出を取り戻したいと思っている金持ち年寄り向けということである。英ASDのジャケット裏を丁寧に再現された四つ折りコピーが添付されていることからもそれは伺えるのである(ただし、ニッパー君が黒塗りにされているのは極めて残念だが商標権の問題で仕方なかったのであろう)。多分、近い将来ボックスものになり、値段は1万円台に下がるだろう。ちなみに、小生はその全集の方(黒を基調とした箱にクレンペラーの威厳のある横顔)に思い出があり、実はそちらも待ち望んでいるのだが。ところが、である。仮説の通り、もしもそのような金持ち年寄り向けであるなら、ちょっとケース体裁がいただけません。ユニバーサルやDENONのシングルレイヤーに比べいかにも安っぽいのと、何より、ケースを開くと「他の商品の宣伝」が目に入るのである。これは、ひとえにEMIジャパンのセンスのなさを象徴している。恥ずかしくないのだろうか?もっといえば、「この会社(経営者)は、顧客の気持ちよりも己の儲けを最優先しているのではないだろうか?」と小生は疑うのである。そのような会社の志の低さを感じてげんなりするのである。そんなことだから、このベートーヴェンの全集も「わざわざ枚数を分けたのではないだろうか」などと疑われてしまうのである。「この商品はどの価値観を優先的に提供するのか」、残念ながら、この点においてはかなり中途半端な商品であると思う。会社の人にはっきり言う。私は、ケースを開くたびに泣いているのである。(星は演奏と音質と、少しでもオリジナルに近づけたいと願って商品化された志のある社員スタッフの人に対して)

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/06

    ワーナーのエラート・SACDシリーズはどれも素晴らしい音質で、オリジナルアナログの持つ雰囲気を十全に再現していると思う。本SACDも、懐かしいクルト・レーデルの名盤が瑞々しく息を吹き返してくれることは間違いない。エラートレーベルは他にもあれこれ年寄りには懐かしさ満点で、今後いっそうのカタログの充実を期待したい。近い将来、カール・リステンパルトのアルビノーニの作品集(アダージョも入っている)の復刻も希望します。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/03

    この中におさめられている音源の中では、マゼールとアバドがまったく異なる芸風で面白く、記憶に強く残っている演奏である。それも含め全部で38種類!斬新な企画なので歓迎される向きもあろうが、「少しずつ積み重ねる行為を否定されるような」とおっしゃる気持ちも大変よくわかる。また、このようなボックスものの登場に、どうせ全部をじっくりと聴く時間なんぞないのだと己に言い聞かせつつも、 HMVレビューに何度も訪れている自分。己の所有欲の深さに直面して狼狽する自分がある。。・・・近々上記のアバド盤がSACDで発売されるが、その1.5倍の価格でこれだけの音源が手に入るのだ。実に驚くべきことだが、でも小生はそのSACDを1枚買って何度も楽しみたいと思う。また、マゼール盤がSACD化されることも心待ちしたいと思う。とはいえ、何も本ボックスにケチを付けているわけではないし、これを求める人を物欲の強い人などと自分のことを棚に上げて批判するつもりは毛頭ない。究極の音質も欲しいし量も欲しいという、小生こそ物欲の固まりであるのだから。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/02

    もう30年も前、CDがアナログディスクにとって代わったが、その最大の失望は「バイオリンの音」であった。このために、小生はレコードをやめることができず、やがて、高価なオリジナルレコードの収集に走り出した。その音は、別世界であったからだ。しかしSACDとして復刻された過去の名盤の数々を聴くにつれ、(音質のためだけなら)もうオリジナルレコードも不要であるとの思いを大変強くしている今日この頃であるが、本SACDはそのことをあらためて痛切に感じ入らせてくれるのである。エラート・アナログ盤とまったく遜色のない、いや、それ以上の、実に素晴らしい音質である。やっとやっと、オトキチには、本当に良い時代になったのである。もっともっとSACDによる過去の名盤の数々の復刻を、各社に期待します。とりあえず、ワーナー、ありがとう!(ちなみに、今回のワーナーのシリーズはどれもこれもあたりはずれがなく、本当に素晴らしい音質なので、皆さん安心してお求めください。パガニーニもブリュッヘンも、驚きますよ!)

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/25

    SACDは過去の音源をオリジナル・アナログディスク並みに鳴らしてくれる。このマルティノンも、大変うれしいSACD化である。かつてより、ミュンシュに比べておとなしい演奏という印象であったが、本SACD盤を聴くと、繊細な響きはいっそう魅力的でありつつも、一方でミュンシュに勝るとも劣らぬくらい力強さを持った演奏であることが大変良くわかる。従来のCDではこのような感動は得られなかった。アナログレコード同様、鼻づまり感のないSACDの効果である。終楽章で、一切抑圧されることなく響き渡るオルガンとラッパ。伸びきる弦の高域。分離の良さ。歳も忘れてスピーカーの前で小躍りした。心臓がバクバクした。ミュンシュのXRCDと本盤さえあれば、もういいかげん、「オルガン付き」は卒業したいものである。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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