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Abbadian さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/14

     これには参った。どのような調律法が使われているかなどの問題以前に,このピアニストはバッハを弾くための基本的テクニックを身に着けていないことが第1番のフーガから露になってしまう。特に,多くのピアニストが苦労して鍛えているはずの「3,4,5指」の独立性・運動性・均質なタッチが確保されていない(これはプロのピアニストとしては基本のテニクニックである)ため,フーガの各声部の弾き分けができていない,否,場合によっては弾けてさえいない。「3,4,5指」が絡む部分になると,殆ど,所謂指が「転んで」しまう有様で,音が団子になったり,急に音量・音色が変わってしまったり(「運指が良く分かる」ともいえるが)・・・・。更にペダルを少なめにしようとしているのはいいが,シフのような熟達のテクニックがないため,何ともブツ切れの,変に一部を強調したような不自然なフレージングになり,声部の絡み合いが全く楽しめない。ピアノを自ら弾かない人はどうか分からないが,ある水準以上までピアノ演奏に取り組んできた者にとっては,全曲聴き通すのはとても辛い盤である。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/08

     非常に高いレベルの演奏であることは間違いない。しかし・・・同じLSOとのライヴ録音としては,ブルックナーと同一線上で比較することはできないながら,充実の極みとも言えるベートーヴェンを採りたいし,ブルックナーなら,正に至高の名演であったBRSOとの5番に一歩を譲るという印象が免れない。最近のハイティンクにしては踏み込みが感じられず,何か無難に美しくまとめすぎたのではないだろうか。確かに低域が少し薄いし,あまりに滑らかに整理されたサウンドに,LSOの言わば「中性性」のマイナス面が出てしまった印象である。できることならBRSOとの演奏で聴きたかった。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/28

     この演奏自体は名演。極めて明晰で,寧ろいわゆる伝統的な「ロシア的」演奏からは遠いところにあり,新鮮でさえある。この曲集を敬遠していた向き(私もそうであった)にこそ是非聴いていただきたい。しかし,一言申し上げたいのはH氏のコメントについて。インターネットでは,確かに「小難しい」議論や「難しいものを如何にも難しそうにする」意見は敬遠されるだろうが,高度な見識や理路整然とした知的な議論が敬遠されるわけではない。前者が困りモノなのである。特にこのレビューは,購入者のための参考となるべきものであるから,分かりやすく,簡潔かつ趣旨の明瞭な文章や表現でお願いしたいものである。「分かりやすい」(安易や軽薄とは決して同義ではない)コメントを書くことは当然難しいが,せめて「難しい(かどうか分からない)議論を実態以上に難しく感じさせる」コメントや高踏的な議論,商品コメントを逸脱した(と感じられる),知識を披瀝するかのようなコメントは避けていただきたい。

    13人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/04/30

     こんなことは書きたくないのだが・・・・この演奏の本質的な凄さは,フィルハーモニーで生を聴いた者以外には分からないかもしれない。何と言ってもDGの録音が,この演奏の具現している異様なまでの真実・迫力を十分伝えてはいないからだ。特に,ホール全体を満たした充実し切った音楽とその空気感―例えば,冒頭のCbの,人間の存在を押し潰すかのような強烈な弓圧,アルマの主題を奏する,徳永氏率いるVnパートの溢れるような歌(これらは皆,ラトルによってBPOから完全に失われた),椅子から転げ落ちそうになった,Hrnの強烈としか言いようのない吹奏,また第3楽章(第2,第3楽章の順序については意見もあろうが)の,正に室内楽的な透明かつ遠近感の見事な演奏,そして最後にやってくるカタストロフィー―これらが皆,一回りも二回りも小さくなり,ホールが震えるような音圧を伴って聞えてこないことが残念である。しかし,音場の再現力に優れた装置で聴けば,かなりの部分それは補えると思われる。少なくとも私の,最高級とは言えない装置でも,あの日のフィルハーモニーの空気を思い出すことはできた。この音盤に記録されている情報だけでは分かり辛いが,バーンスタインやテンシュテットとは異なった方法でアプローチされた,虚仮脅しでない,間違いなく最高度に音楽的な「悲劇的」である。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/04/10

     S.ハフのピアニズムは,ロルティエなどとは比較にならない高みにあることは,過去の彼の多くの録音やライヴで明らか。真のヴィルトゥオーゾとは彼のためにある賛辞であるようにも思われる。(ちなみに,ピアノを長年弾き,多くのピアニストの演奏を聴いてきた小生にとっては,ロルティエは「弾けない」ピアニストの一人に過ぎない。)このアルバムは,その彼としても未踏の沃野を開拓してくれるのではないか,との絶大な期待を抱かせるに十分な内容である。しかし,またもH氏の高踏的・高尚なレビューが付されていて,購入を躊躇してしまう。そして,必ずいる,グループと思われる4人程度の同調者・・・。強くお願いしたい。購入者を戸惑わせるような,購入を検討する際却って邪魔になる,小生のような浅学者に理解困難なレビューはやめてほしい。そのような感想は,自らのブログなどで思う存分やってもらえばいい。そのため,★一つ減点とする。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/27

     高評価の方が多いが,ヤング女史は,ブルックナーとブラームスの音楽の特質・様式感等の違いを全く理解していないか,その違いを過剰に意識したのではないか。とにかく,違和感のあるブラームスだ。アタックが常に「ふわっ」としていることで,アンサンブルやフレージングがもやもやし,またピラミッド型のサウンドではなく,中低域全体が膨らんで締りがなくなっている結果,「壮大」ではなく,芯がない肥満気味の音楽になってしまった。オケに戸惑いのようなものも感じられ,しばしば縦の線がずれることも気になる。彼女のブルックナーでは,こんな違和感はなかった。残念である。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/28

     素晴らしいの一言。ハイティンクの長い音楽家人生が,今円熟の極値を迎えつつあることが痛感させられる感動的な演奏である。ここにはブルックナーの音楽に必要な全てがあり,如何なる過剰もない。BRSOも,ブルックナーの音楽への確信を持ってリードするマエストロに全面的な信頼を寄せていることがよく分かり,(ファンの方には申し訳ないが)ヤンソンス指揮の時とは比較にならない,ブルックナーに相応しい充実したサウンドを創造している。それにしても最近のハイティンクのライウ録音には本当に外れがない。LSOとのベートーヴェン全集(凄い!)やR.シュトラウス,フランス国立Oとのマーラー,そして今回のBRSOとのブルックナーと,いずれも最大限の賞賛を与えられるべき見事な出来栄えである。以前はハイティンクを軽視していた自らの耳を恥じつつ,今後の彼の録音は全て傾聴するつもりである。BRSOも,ハイティンクとの録音をもっともっと行ってほしい。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/27

     これは素晴らしい!どの曲もきわめてレベルの高い演奏だが,特筆すべきはブラームスの「第1」だ。バレンボイムは多忙すぎて,時として密度の低い演奏をすることがあるが,この「ブラ1」は・・・・あのラトルとの抑圧され飼い慣らされきったBPOによる,一見重厚・実は生命力欠如の軽薄かつ退屈な演奏とは比較にならない,マグマのような熱い音楽が奔流のように溢れ出る,正にこの曲に相応しい名演だ。物珍しいことは一切していないが,BPOの各団員がこんなに全力で弾き,吹いているのを久し振りに画面で見,まだまだいい指揮者の下では凄い演奏をするオケだということが確認できてほっとした。樫本の初々しいコンマスぶりも好感が持てる。バレンボイムこそ現在BPOのシェフとして最も相応しい指揮者の一人だと思う。なお,ワイラースタインの弾くエルガーも,あのヂュ・プレの演奏とは味わいは異なるが,若々しくしなやかで,しみじみとした情感にも欠けていない,見事な演奏だ。これは「アンチ・ラトル」派必見・必聴の1枚だ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/10/16

     このような歴史的名演は,一部の輸入盤のようなセンスのいい「持つ喜び」を感じさせるジャケットを使って,セットにして発売してほしいものである。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/04

     皆さん,あまりの高評価の連続で,ちょっと引いてしまうが,私にはこの演奏は非常に違和感が強かった。全体に演奏が乱暴である。また,BDSOの演奏レベルが,残念ながらBPO,MPOと比較すると大きく見劣りする。ヴァントの演奏は,音楽の各パートを緻密に積み上げつつ,その中でオケの積極的音楽性を活かして,構築性と柔軟性を両立させているという演奏だと思うが,この演奏は,ヴァントがオケを十分掌握せず,ブラスや打楽器が勝手に突出している演奏が耳につく。音色もヴァントの演奏とは思えないほど,融合せず生のままである。ヴァントはこのような演奏を望んだのだろうか?特にブル/5は,オケの能力不足が甚だしく,BPOとの演奏を凌駕する部分は見つけられない。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 14人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/06

     いつもこの方々は難しいことを書かれますね。そもそもSさんの仰る「中心和音」って何でしょうか?私も少々音楽を勉強しましたが,「中心和音」なる用語は浅学にして知りませんでした。この言葉の意味が分からないので,この演奏の評価の意味が良く分かりません。また,極端なダイナミズム記号は別にドビュッシーに限ったことではありませんし,主題の「連続変形」なる用語もどの曲のどの部分を指しておられるのか不明で,この演奏の特性とどのように関連付けられるのか分かりません。私の頭が悪いのでしょうか・・・?また,Hさんの「練習曲集は「こんな曲だったけ?」というほどハーモニー構成が違う」とのレビューですが,それは例えば,和音の各構成音の音量・音質のバランスが非常に特殊だという意味でしょうか・・・?でも,そんな演奏は「変」ではないかと・・・。更に,「20世紀の名演群の凄さと問題点」と仰るのですが,そもそも「前奏曲」におけるギーゼキングとミケランジェリという,凡そ性格的に異なる2つの演奏をいっしょくたにされて「凄さと問題点」と言われているのであれば,どう理解すればいいのか分かりません・・・・。もう少し凡人が読んでも分かるようなレビューをお願いします。現時点では,この演奏を購入するのにはリスクがあるように思われてしまいます。

    14人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/01/24

     サロネンの指揮者としての能力がいきなり全開となった,画期的名演である。村井様のご指摘どおり,サロネンの目指す方向性にしっかり沿ったソリストは勿論素晴らしいが,サロネンの巨大編成オケ・合唱の統率力の見事さは,アバド盤と双璧であろう。特にここで私が指摘したいのは,最近力任せのラフな演奏を聞かせることの多かったPO―インバルとの来日公演のマーラーなど,インバルの無統制もあって,「ドンガラガッシャン」という感じの,ブラスや打楽器が勝手に暴れまわり,弦は粗いアンサンブルに終始するといった,とんでもない代物であった―を,短期間でここまで緻密で音楽的なオケに変身させるとは,驚嘆すべき音楽性とトレーニング能力である。また合唱も,ラトルとの「第9」や「千人」で,思わず失笑するような子供っぽい演奏をしていたCBSO合唱団(他)に,豊かで音楽的な歌唱をさせていたことも特筆したい。そして音楽全体を,LAPOとの来日公演で聞かせたように,緻密でありながら壮麗で熱く描き尽くした感があることが本当に見事である。今後のこのコンビの成功は約束されたと言っていいだろう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/01/24

     他の方にお叱りを受けそうだが,余りの高評価の連続に,「天邪鬼」としてはやや唖然。私にとって「牙を抜かれた」ギーレンの演奏は,全く魅力を感じないものだ。20年以上前,Intercordレーベルにおいて,ブルックナーを中心に,硬派でラディカルな有無を言わせぬ説得力のある演奏を聞かせていた頃のギーレンが懐かしい。今のギーレンの音楽からは,若々しい生命力が失われ,それに代わる深みや緻密な音楽作りが感じられないのが,個人的に最も不満がある。例えば,「第9」の第4楽章の低弦によるレツィタティーヴォも,もっと各奏者の感性・テクニックを一本の線・一本の歌にできるはずだ。また,スコアに忠実なようではあるが,肝腎のスコアが内包する音楽の「情感」が全く伝わって来ない,常に低体温の演奏は感動から遠く,ベートーヴェンを聴きたいと思った時,この演奏に手が伸びることはないと感じる。オケのアンサンブル能力も一流とは言えず,何かざわつき,演奏にびしっと焦点の定まったところがないのである。確かに非常に安い価格設定であるが,私にとっては,「安いだけ」のDVDであった。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/12/15

    この演奏を,カラヤンの同曲最高の演奏というには,やはり若干の音楽のたるみ,オケの統率能力の綻びがあって,躊躇せざるを得ない。特に,SHM-CD化された87年録音を聴いてしまうと(未聴の方,少々高価ですが,SACDで聴くのとはまた異なった,大きな聴後感の変化があると思いますよ。),晩年のカラヤンが全力を振り絞った演奏とはいえ,留保が付く。しかしそれでも,ラトルの「重厚さを装った,実は軟弱な」演奏でのBPOの,悲しくなる程の低域の弱体化(CbとTrbの弱体化は目に余る),ヴァイオリンの音の線の細さ,ソロ楽器の自己主張のなさ(パユやマイヤーは勿論上手いが,パズルの1ピースのよう。クラリネットのフックスなどは,下手ではないのか・・?)を聴くと,カラヤン時代のBPOの発する音そのものに歴史的価値があったことを痛感させられる。今のBPOから完全に失われた「音の奔流」がある。これは,ブラームスでも「第1」では必要なのではなかろうか?カラヤンが晩年に至るまで,好んで「第1」を演奏したのも,そのような曲の性格とカラヤンの求める音楽の方向性が一致していたからではないだろうか?(ちなみに,ラトル盤のDVDをご覧になった方,ヴァイオリン以下,弦楽器の弓の動きが異様に小さく,弓圧もいかにも低そうに弾いていたことにお気付きでしょうか?カラヤン時代の,弓全部を大きく使って,全身で強靭な音を出していたBPOの弦楽器奏者の姿はそこにはありませんでした・・・・。)

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/12/14

     これは凄い朗報!!クーベリックとの1977年の「ブル8」は,海賊盤ながら私の愛聴盤であり(録音もそこそこ悪くなかった),クーベリックの遺したブルックナーの中でも,海賊盤で2枚組のもう1枚に入っていた「第6」とともに,スタジオ録音とは全く異なった,最も熱く説得力のあるものではないでしょうか。元々の音源の音質がいいと思われるので,期待大です。そして,本当に嬉しいのは,コンドラシンとのフランクがついにCD化されることです!これはもう,すこぶるつきの超名演だと思います。音は暖かく美しく,しかも音楽はライヴならではの,ちょっと他では聴けない圧倒的高揚を伝えて止みません。凄いとしかいいようのない演奏です。LP時代に本当に擦り切れるくらいまで聴いて,コンドラシンの急逝を心から惜しんだものです。それに,録音の数は多くないながら,そのどれもが名演といっていいデイヴィス時代のエルガーとVW。個人的には,BRSOは,マゼール時代に一度その高貴な音楽性を失ってしまったと感じており,70年代後半〜80年代は,このオケの一つの絶頂期だったと確信していますので,この3枚に6000円を払っても惜しくないと思っています。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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