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フォアグラ さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/05/30

    私をマーラーに引きずり込んだのが9番。以来この曲は特別であり、そしてバーンスタイン/イスラエル・フィル公演が9番経験の頂点となった。ところが、それ以降急速に9番に対する興味を失い、いまやマーラーでも一番聴かない曲になってしまった。曲に飽きたのだ。9番は最高傑作とも言われるが、中学生の私が虜になったということは意外に単純な曲でもあるのだと思う。インバルもハーディングもそしてバーンスタインのライヴも再び私に興味を持たせてくれはしなかった。たまたまこのhmvのレヴューを読み、まさかね、と思いながらショルティ盤を発注。驚きとしか言いようがない。暴力的とすら言えそうなパートの鳴らせ方。全ての音が自己主張する中、ショルティは猛獣使いのようにムチを入れまくる。ここには厭世観など薬にしたくともなく、ただただアグレッシヴな音楽がある。私が探していた9番の新しき道がある。シカゴとの再録音とは全く違う。hmvを通じてこの演奏に出会えたことに感謝したい。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2015/05/29

    ヒンデミットは決してマイナーな作曲家ではないのだが、作品集としてセット化されているものは少ない。ブロムシュテットもケーゲルも作曲者自演も曲数が足りない。こういう時に頼りになるのはcpo。管弦楽のための協奏曲、フィルハーモニー協奏曲、シンフォニエッタといった重要作が網羅されたセットはこれだけである。cpoでお馴染みのアルベルトの指揮は堅実、丁寧なもの。abcとの共同制作でオーストラリアの3つのオケが起用されているが、メルボルン響が頭一つ抜き出ている印象。ただ、「画家マチス」や弦と金管のための演奏会用音楽のような有名曲にはスーパー・オケの録音がいくつかあり、ヒンデミットの音楽自体がヴィルトーゾ性の高いものだけにこの演奏に食い足りなさを覚えるのも事実。なお、バラで持っていたのがセット化されたのを知って購入したのだが、従来のバラ発売仕様のものをカートンに入れただけで、省スペースに全くならなかったのはがっかりだった。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/05/06

    マーラーの「リュッケルト歌曲集」が超名演。曲順は「私はこの世に忘れられ」から始まるが、オーケストラの前奏から胸が締め付けられ涙が出る。厭世とか達観とも違う澄み切った世界。フォレスターの歌唱も実に素晴らしいが、それでもフリッチャイのレヴェルには達していない。いや、フィッシャー=ディースカウでも無理だろう。あらゆるマーラー演奏のなかで5指に入ると思うのだが、知られていないのが残念だ。このマーラーだけでも買う価値はあるし、フリッチャイの実力のすごさを認識するのに充分。ただ、どうして「ドン・ジョヴァンニ」をハイライトにしたのか。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2015/04/16

    私はバルトークのヴァイオリン協奏曲が大好きなのだが、これまで聴いてきたなかでもこれはベスト演奏だと思う。まずはコチシュのスコアの読みの深さが突出しており、これだけのオーケストラ・パートは他の演奏では聴けない。民族色を打ち出した演奏ではないのだが、それでも随所にいい意味での泥臭さが出て味わいを増している。ケレメンのヴァイオリンも深い共感を持ったもので、テクニックの羅列になっていない。ラプソディ2曲も名演。これもよい曲だが、オーケストラ版の優れた演奏はあまりなく、これもベストであろう。ハンガリー・ナショナル・フィルも好演。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/04/13

    待望の武久によるパルティータ全曲である。驚いたことにフォルテピアノによる演奏だが、ジルバーマン・モデルのこの楽器とバッハの接点については、武久氏による詳細な解説が添付されており、ひとつの可能性として肯定すべきものなのだろう。演奏は素晴らしいものだ。テンポの絶妙なゆらぎが聴き手をバッハの深淵な世界に導く。これまで、レオンハルトの旧盤を愛聴してきたが、武久氏の演奏はそれ以上と感じた。チェンバロ・クラスター付きのため、部分的にチェンバロにして演奏しているのも興味深かった。ここからは、勝手な呟きである。私はフォルテピアノの魅力に未だに気づけないでいるが、そういう人は意外に多いのではないか。一時モーツァルト、ベートーヴェン(あるいはシューベルト)はフォルテピアノ全盛であったが、このところモダンピアノに戻ってきているように思う。この演奏の見事さは充分承知し、フォルテピアノとバッハの相性の良さに感心しながらも、「ゴルトベルク」を知っているものとしてはチェンバロで弾いてほしかったという感想も捨てられない。それでも満点。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/04/09

    マルティノン/シカゴのレコードは売れなかったらしいが、このラインナップをみるとRCAは本気でこのコンビを売るつもりだったのかと首を傾げざるを得ない。ライナー、ミュンシュ、モントゥーで主要レパートリーをステレオ録音してしまったのと、マーラー、プロコフィエフがラインスドルフ/ボストンに振られたのが不運ではあったが。ただ、マルティノンがレイ・スティルら一部団員と深刻な対立をしていたのは事実だし、退任後フランス国立放送管弦楽団と絶頂期を迎えたさなか、改組で飛ばされハーグに都落ちして亡くなったことも鑑みるに、あまり人徳のある人ではなかったのかもしれない。しかし、それでもマルティノン/シカゴは面白いのだ。「アルルの女」「バッカスとアリアーヌ」は最高の演奏だと思うし、「不滅」のティンパニのドカンドカンという壮絶な迫力は他の演奏では聴けないものだ。不仲だった団員によって広められたシカゴの暗黒時代説が真実か是非聴いてみて判断してほしい。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/04/05

    70年代後半のチック・コリア3部作といわれるものの第1作にして最高傑作。他の2作との違いは、チックがここではジャズ、フュージョンという枠を超えた音楽を創造しようとした意欲作だという点だと思う。スティーヴ・ガッド、アンソニー・ジャクソンの最強リズム・セクションを従えてのプレーも圧倒的だが、クラシック・プレイヤーとして著名なヴァイオリンのアイダ・カヴァフィアンやチェロのフレッド・シェリーを起用し、彼らが切り込んでくるスリルは従来のジャズを超えており、シンフォニックといいたい世界を生み出している。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/03/11

    第1集は全て持っているのでパスしたが、第2集は比較的珍しい音源があり購入。私の持っていなかったものについて。ブルックナー7番は後年の演奏とはかなり違う。ブルックナー最美の旋律である第2楽章はなんと27分30秒かけて深くたっぷり歌い感動する。ベートーヴェン9番は極めてモダンな演奏で同時期のフルトヴェングラーと大変な違い。ただし、終楽章の独唱陣は古臭く、ヘルマンの歌いだしなどジョークかと思ってしまう。モーツァルトの36番、41番はベームのものではこれが一番好きだ。他は有名なものばかりだが、最もドイツ的な演奏である「ミサ・ソレムニス」(聖ヘドヴィヒ大聖堂合唱団の素晴らしさ!)、「4つの最後の歌」のマイ・ベストであるデラ・カーサの歌唱、ステレオ録音とは音楽の張りがまるで違うブラームスなど改めて感嘆せずにはおけない。音質は良くなったものがない代わりに悪化したものもないのでこれで充分だろう。一時廃れたイメージのあったベームが最盛期の演奏で再評価が進むのは嬉しいことだ。第3集のモーツァルト4大オペラも名演揃いであり、特に「コシ」と「ドン・ジョヴァンニ」はベスト演奏。お奨めしたい。

    12人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/02/27

    80年代から小澤のライヴは随分聴いたが、私の求める音楽とは違うという結論になり、最近はご無沙汰である。(「ヴォツェック」は私の聴いたワーストオペラ公演)ところが、今回なんとなく買った「ファウストのごう罰」を聴いて本当に驚いた。70年代の小澤はなんという精彩ある音楽をやっていたのか。俊敏で豪快で繊細。名盤といわれるミュンシュをはるかに凌ぐ。ボストン交響楽団がまた素晴らしい。この頃は、アメリカ・オーケストラの黄金時代だが、クリーヴランド、シカゴ、フィラデルフィアとはまた違った魅力に満ち一歩も引けを取らない。この後小澤は、ドイツ的なもっと濃く深い音を求め、シルヴァースタインらと対立、頸にするのだが、その結果私が聴いてきた80年代からのマーラーやリヒャルト・シュトラウスでのボストンの音は、もうここでの音ではなくなっていた。小澤という音楽家とドイツ後期ロマン派との相性も含め、彼の進んだ道は正解だったのだろうか。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/02/05

    4人のBのヴァイオリン・ソロ作品集。パッサカリアではじまりシャコンヌで終わる構成。バルトークが目も覚める超名演だ。この曲からこれだけ多彩な世界を引き出した演奏を私は知らない。メイン・ディッシュのバッハはもうひとつの出来。圧倒的なデクニックに精神の成熟が追いついていないような...。でも、バルトークだけでも満点の価値があると思う。優秀録音盤。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/01/28

    オハイオ・ライト・オペラは埋もれたオペレッタやミュージカルを取り上げるクリーヴランド近郊のウースター大学を本拠地とする団体で、既にカールマンやハーバートのものが出ている。1921年初演の「ブロッサム・タイム」はフランツ・シューベルトの恋と友情の物語で、音楽はさながらシューベルト・メドレーだ。オーケストラは30人ほどで、響きもチープだが、小さな劇場でミュージカルを聴く臨場感はある。歌手もなかなか好演であり、堅いことを言わなければ楽しめる。ただ、こういう作品は劇場で見るのが一番だとは思うが。

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     2015/01/22

    普段メンデルスゾーンを聴くことはないが、ピアノ・トリオだけは時々聴く。CDは2番がカプリングされているものが少ないので新譜の登場は嬉しい。ファン・ベーレ・トリオは初めて聴くが、トリオ名はアムステルダムの通り名からきているそうで、なんだかラ・サールを思い出させる。演奏は好演だが、やや気になったのはチェロが大人しいこと。トリオなんだから3人が対等に会話しなければ、と思いながらボーナスCDの1番初稿を続けて聴いたのだが、こちらはチェロも活躍しはるかに熱の入った演奏になっていた。1番、2番はイタリアで収録し、その後1番初稿をオランダで入れたようだが、本拠地オランダで全て収録したほうがよかったんじゃないかな。ちなみに1番初稿は、これはこれでよい作品であり、一聴の価値はある。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/01/09

    「コシュート」はかつては秘曲扱いだったが、その後ドホナーニ、フィッシャー、コチシュなどの優秀な録音が出ている。それらに比べ、ファレッタは曲の構成力が弱く、盛り上がりを作れずに終わってしまう。比較的知られた「2つの肖像」も並の出来。組曲第1番はまあ楽しく聴けるが、ファレッタの表現とオケの開放的な音色でアメリカ音楽のように感じる。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/22

    メモリーズのブラームスに続きベートーヴェンが出て私の願いは叶った。そして結論は、スタインバーグ/ピッツバーグの全盛期がコマンドで録音されたことは何という不幸だろう、ということだ。ブラームスを聴いた時は復刻の不備と考えたが、このベートーヴェンを聴くと、これがコマンドの音なんだと考えざるをえなくなった。人工的でうるさく、汚い音、そういえば、コマンドのオーナー・イノック・ライトがやっていた安っぽいイージー・リスニングもこんなサウンドだったっけ。演奏は4番、5番、7番が優秀で音もなんとか聴ける。最悪は9番。ここでのスタインバーグのオーケストレーション改変も大いに疑問。これはスタインバーグ追っかけ向きであり、一般には音がストレートに鳴るキャピトル録音をお奨めする。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/22

    ブレヒト作品集となっているが、正しくはワイルの舞台作品集であり、その決定盤といっていい。「三文オペラ」は30年のテレフンケン盤と58年のコロンビア盤両方が収められ、ブレヒト自身が歌う「モリタート」なんていう珍品も入っている。30年盤と58年盤ではロッテ・レーニャの声が別人のように変わっているが、その中間である40年代のレーニャの歌が収録されているのも至れり尽くせりだ。ブロードウェイ時代の作品では名曲「マイ・シップ」の入った「レディ・イン・ザ・ダーク」が実に楽しい。レーニャの歌ったワイル作品の強烈さには誰も敵わないし、ブレヒトと別れた後の過小評価されがちなワイルの作品の面白さも聴け、さらに激安。音も良好。文句なしだ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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