Top 100 Japanese pops Artists - No.19

2003年11月12日 (水)

ザ・ブルーハーツ。青春のひたむきな儚さと危さ、なんとも蒼い恋、それによる失恋、 熱い勇気、社会への敗北感。そして未来への希望。
ブルーハーツの音楽から想起されるのは校舎というロケーションだ。なぜかこの風景がよく似合う彼らの音楽は、多く の若者を虜にし、胸を熱くさせてくれた。いったい、何人の男子が彼らに憧れ、バンド活動をスタートさせ、そして挫折したことであろう。 今しかない焦燥感に満ちあふれたサウンド、青春そのも のの詞、ヒロトの直球ヴォイス、マーシーによるシンプル&メロディックなギ ターは、まさにパンクの新時代を創り上げた。

ヒロトとマーシーを中心に結成され、実質的なデビュー作となった人にやさしくで、日本におけるパンク・シーンを開拓。 その後もライヴハウス等で異常なまでの人気を博し、 リンダリンダ情熱の薔薇など多くのヒット作をリリース。88年に全国的にその名を知らしめるトレイン・トレインでブレ イクを果たした。そのメッセージ性 の強い歌詞は、メディアから社会派などとも称されたが、本人たちはそれをひどく嫌った。彼らが望んでいるのはことはそん な社会的評価ではないのだ。

90年代に入っても、ロック的な純度はそのままに多様なアプローチでハイ・キックススティック・ アウトなど、名作を次々にリリース。
そんななか1995年ラジオ出演中に「今後の予定は?」と聞かれ、 「特にないんですけれど、解散ぐらいかな」と言って突然の解散をしてしまった。ブルーハーツの残した音楽は多くの若者を救い、色褪せることなく今でも時代を越えた若者達へいつまでも熱く届くことだろう。
圧倒的なカリスマ性を持っていた主要メンバーの甲本ヒロト真島昌利ブルーハーツ解散後すぐに、ザ・ハイロウズというバンドを結成して現在も活動中。バンドのサウンドは継承しつつも より突き詰めた歌詞世界を展開している。 世の人々への強い共感からくる歌詞は、ヒロトの心の声はある意味閉じ込められた世界のものであるような内容だが、 実は同じような想いを抱えている青少年たちを始め、敏感な老若男女もまったくおなじ気持ちであった。それゆえに普遍的なメッセージ として広まっている。

歌詞についてふれると、純粋であるがゆえに、世の中の不条理なことに目を背けられなかったもどかしさはシングル作品チェルノブイリ人にやさしくチェインギャングなどの形となって吐露されている。 ただ歌詞のなかにもあるようにそれを実行できる“聖者”にもなりきれない哀しさ。もがいている内的世界をメロディとともに 吐き出し、伝えた。そしてそれに反応した多くの若者達。 ブルーハーツとは、若者が突き走るだけのパンク・バンドではなかったのである。 圧倒的な体験を持って、目の前にあるどうしようもない現実と、それに向かって解決の道を見つけて行こうとしたバンドだったのだ。

ブルーハーツというバンドが解散してからもう8年が経ち、もう彼らの存在は過去のものとなりつつある。 だが彼らの永遠の青春ミュージックは多くのフォロワーが後をたたない。 最近のエモ/パンク系のなかでも最も勢いのいいStance punksや、 胸キュンロックを突っ走るGoing Under Ground、多感な少年&少女の熱い支持を得たGoingSteadyなどなど、 公表している・いないにも関わらずブルーハーツに影響されたバンドは数知れない。 それには彼らをリスペクトするアーティスト達がトリビュートしたBlue Hearts 2002 Tribute でも顕著に表れている。
確実に受け継がれている彼らの血はいつまでも我々の胸を熱くさせる。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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