EL-MALOインタビュー

Wednesday, March 19th 2008

無題ドキュメント
EL-MARO 柚木隆一郎


  Archive (更新の予定)
※更新日はあくまでも予定ですので、変更の場合があります。御理解の程を。
  第1回 「アッパーなものを!」
  第2回 「エルマロにとっての90年代」
  第3回 「配信よりもCDで勝負!」
  ※全編掲載終了時に素敵なプレゼント企画を実施します!
2008-03-13
2008-03-17
2008-03-19



第2回 「エルマロにとっての90年代」


--- 90年代のエルマロのファンというか音楽リスナー自体も、“もっと面白いことを!”という過度な期待を持っていたんだと思いますね。

柚木 ある意味そういう悪循環はあったかもしれないね。それこそ、そう言われたていた時はもっと上を行く作品を創らなければと思っていたし、それか、そういう考えを全て裏切ってやろうかとかも考えていたしね。
  ほんと、90年代はそういう気負いばかりでしたね。それと、周りの同世代の連中と、“今回こういうの出来たんだけど”ってね。お互いの作品を聴かせ合って刺激し合ってね。とにかく斬新なものを創ろうと気負っていたと思う。

--- そういうプレッシャーから今は全て解き放たれて作品を創ることができたと。

柚木 いや。だからといって、今回の作品を創るにあたってそういう熱の全てがなくなって、ドライな感情になってしまったわけでもなく。逆に、音楽家としての体力がどのくらいあるんだろうかとか。感覚とかが鈍っていないかとかの心配がありましたから。そういう意味での違うプレッシャーはありましたよね。

--- このアルバムの音って、まさに90年代後半の匂いがすごくあるんですよね。サンプリング手法やブレイクビーツやメロディーや。そこかしこに匂いを感じ取ってしまって。
  でもそれが決して懐かしいものではなく、斬新かつ新鮮に聴こえるんですよ。やはりここでこれをやれるのはエルマロでしかやれないんだろうなって思いました。

柚木 そんなこと言ったら、俺たち“隙間産業”みたいだよね(笑)。まあ、そう言われればそうなんだろうけど。やってる本人はそこまで意識していないというか。
  でも、なんでもいいんだよね、ひょっとしたら僕らは既にリバイバル的な扱い方をされてしまうのかもって思ってしまう時もあるけど、やっている本人にしてみればいつでも新人のつもりでいるんですよ。
  でもね、そのリバイバル的な扱いでも、そこに僕らの役割があるんだったらそれでもいいと思えるようになったというか。そういうのも含めて前に進んでいるということがあればいいんじゃないかなと。聴く人の価値観で好きに聴いてもらえればいいと。そういう風に思えてきてますね。こう考えると、僕らも少しずつ大人の階段を上りつつあるのかな(笑)。

--- (笑)。アルバムを創るにあたって、90年代以降、アイゴンさんも柚木さんもそれぞれソロとしての活動もしていらっしゃったので、リアルタイムの音楽に敏感に、客観的に音楽シーンを見れるようになったという強みがあったのでは? と思ったんですけど…。

柚木 うん…。まあ、敢えてインプットしていたかというとそうでもないんですよね。それこそ、音楽よりも、世の中で起こっていることとか、絵を観に行ったりとか、そういうことから得るものが反映されているような気がしますね。もう、90年代という時代に色々と詰め込みすぎちゃったんですよ。ほんとうに。
  改めて考えると、僕の中では、97年を境に20世紀のポップミュージックが総括されたという気がして。
  それ以降何か新しいもの、大きなものが出てないと思うんです。まあ、ヴァリエーションの変化とかテクノロジーの変化とかで、マイナーチェンジは施されて来ていて、出てくる土壌というか、そういうのは変わった気がするんですけど、自分の目の前には未だデカい動きというものは出て来てないんですよ。
  それ故に、音楽よりも世の中のニュースとかに敏感に反応してしまうというか。もう、毎日のように殺人事件のニュースが流れていたりね。そういうところに感覚がいってしまっているんですよ。

--- なるほど。もう少しアルバムの楽曲について詳しく聞かせて頂きます。アルバム全体の楽曲についてなんですけど、サンプリングされた音の数が決して少ないわけじゃないんですけど、絶妙な配置によって良い意味ですかしているところが凄いなと思いまして。音のサラウンド感も絶妙で。

柚木 そうですね。今回わりとそういうところは僕のほうがこだわったかもしれないですね。昔はとにかく詰め込んでいたんだけど、今回は自分の部屋のエアー感というか。すぐ目の前にあるような音という感触を上手く表現したいと思っていて、こうなった感じですね。

--- 今回の収録曲の奇数曲が柚木さんで、偶数曲がアイゴンさんになっているのですが、これは意図的なんですか?

柚木 いや、偶然なんですよ。ほんと。曲順も。昔に比べるとそういうところもあまりこだわりを持たなくなったというか。2-3回でさくっと曲順を決めてしまったんですよね。

--- アルバムに収録されている曲の中で一番思い入れのある曲、苦労した曲とかありますか? 楽しかった曲とか。

柚木 まあ楽して創った曲は1曲もないんですけれど。まあ、これから下半期はライブをやろうかなぁとか思っていたり(※ライブ決定しました! 右メニューを参照)。このアルバムのリリースの後にお互いのソロアルバムをリリースしようかとか考えていたりするので、それらの活動を今後続けていくにつれて、改めて客観的に見れるようになるのかなと思います。
  今はちょっとわからないですね。だって、過去のアルバムを聞きなおして、“あ!こういうところもあったんだ!”、“ほんとうはこういうことを言いたかったんだ”って、10年経って気づくこともありますから。

--- しかし、アイゴンさんと柚木さんで、お互いに別々にレコーディングをしながらもこれだけ統一性のあるものが創れるのはマジック以外の何ものでもないと思うんですけど。

柚木 まあ、それはね。同じメンバーでもあるわけだしね。意志の疎通はちゃんとありますからね。

--- では、アイゴンさんが創ってきた曲を初めて聴いたときどのように思いましたか?

柚木 “俺の曲はアイゴンに気に入ってもらえたかな? 大丈夫かな?”って心配しました(笑)。ていうかね、彼が一人でスタジオにこもって創っているというのを聞いてちょっと心配はしたんですけど、変な心配はしなかったですね。アルバムがちぐはぐなものになるとかね。アルバムを作るにあたって、彼と最初に4曲セッションした時点で、だいたい伝わったかなと。
  その後、すぐに「Limit 45」が上がってきたときには既に安心してましたからね。


第3回へつづく…

  Archive (更新の予定)
※更新日はあくまでも予定ですので、変更の場合があります。御理解の程を。
  第1回 「アッパーなものを!」
  第2回 「エルマロにとっての90年代」
  第3回 「配信よりもCDで勝負!」
  ※全編掲載終了時に素敵なプレゼント企画を実施します!
2008-03-13
2008-03-17
2008-03-19

 

 復活!EL-MALO!!

 



ページTopへ戻る

最新インタビュー

ジャパニーズポップス
 おとぎ話
 フルカワミキ
ロック&ポップス
 Queenadreena
 Radiohead
ダンス&ソウル
 matthias tanzmann
 Calm
ジャズ/ワールド/イージーリスニング
 Melissa Nadel
 Sergio Mendes
TV & 映画 & 書籍
 『死化粧師オロスコ(完全版)』 釣崎清隆
 森達也 『死刑』創刊記念


Noface Butt 2 Eyes
 CD  Noface Butt 2Eyes

1 Introduction
2 Limit 45
3 Baby It's You
4 Crap
5 Contortion
6 Country道路
7 Satellite Of Mine
8 NYX
9 Scab Blues
10 Bright Lights
11 Sweet
12 W.O. & W.W. ~Wipe Out & Wishing Well~
13 No Shame

 Profile

會田茂一
柚木隆一郎

 

 LIVE決定!!

MySpace Presents
EL-MALO'08
「NOFACE BUTT 2EYES」


2008年5月26日(月)
Open /18:00
Start/19:00
LIQUIDROOM
発売日
2008年4月19日(土)
問合せ
ディスクガレージ
03-5436-9600
Weekday
12:00→19:00

3月18日より MySpaceのエルマロページで先行予約を行います。




Rock & AlternativeLatest Items / Tickets Information