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フォアグラ さんのレビュー一覧 

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/11/25

    「わが祖国」はあまり上手くないオケと未熟な指揮者がやっても真摯で誠実な演奏なら聴き手に感動を与えられる曲である。小林/読響の演奏はその正反対のものだ。オケは上手く弦もうなるよう。小林はオケを煽りオーバーアクションな表現を加えていくが、これがことごとくすべっている。聴き手のイライラは募るが「ブラニーク」の最後の和音を長く引き伸ばすに至って、イライラは怒りに変わった。これまでに聴いた「わが祖国」のうち最も下品な演奏だと思う。しかもこの演奏を「音楽人生で最上」という小林研一郎の音楽とはなんなのだろう。チェコ・フィルとのものはこんなことはなかった。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/11/04

    マキシン・サリヴァンの歌声は本当に癒される。CD3枚続けて聴いてもまだ聴きたいくらい。ジャズテイストは低めだが、暖かくソフトな歌い口が癖になる。バック・ミュージシャンも豪華で、クロード・ソーンヒル、テディ・ウィルソン、ボビー・ハケット、ベニー・カーターらのバンドが務め、バンド・メンバーにはヴィック・ディッケンソン、デクスター・ゴードンの名前も見え、ミッチ・ミラーがオーボエを吹いていたりする。マキシン・サリヴァンの当時の人気が偲ばれる。UKのアクロバットの仕事は丁寧で、録音が年代順に並べられ復刻も上出来だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/11/02

    生誕100年を過ぎ来年は没後50年になるツィンマーマン。これまではツェンダー、ギーレン、コンタルスキー、ホリガーといったコンテンポラリー・スペシャリストのみが取り上げていたのが、ここにきてネルソンス、リントゥらがクラシック・レパートリーとしてプログラミングしてきている。生前シュトックハウゼンら後輩から前衛の姿勢に欠けるとして批判され本人も悩んだそうだが、前衛の概念が消えた現在ならばその音楽をフェアに評価できると考えるし、リントゥらもそう考えているのだろう。実際ここに聴く音楽は20世紀後半に生まれた最も優れた作品群といっていいと私は思う。45分に及ぶ「ヴォーカル・シンフォニー」はただならぬ緊張感に充ち少しも弛緩しないし、晩年の「フォトプトシス」の濃密な音空間には圧倒されずにはおかない。こんな傑作を書いた絶頂期に自死に至ったのは残念としか言いようがない。ヴァイオリン協奏曲はこれほど凄まじい音楽ではないが聴きごたえある曲であるし、演奏も抜群。無調音楽がイケル口の方にはお薦めしたい。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/10/31

    21世紀になって19世紀ロマン派の未知のオペラの傑作に出会えるのは本当に驚きだ。cpoには感謝したいが、これほど充実した作品が上演も録音もなかったのはなぜなのか。充分オペラティックであり、ブルッフらしいメロディも充ちておりオーケストラも魅力的。演奏は声楽陣が水準の出来。ヒロインのカウネは力不足。オットーもフォークトだったらもっと感動的だったろう。それでもプラハ・フィルハーモニー合唱団の出来が素晴らしく(合唱が極めて重要であり劇的カンタータ的なところもある)、ブルーニエの指揮もノンビブラートを使ったり表現が多彩で見事なもの。これを聴けたことを感謝し満点とする。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/10/15

    バーンスタインの「春の祭典」はNYPとの第1回録音がスリリングで断然素晴らしく、次いでイスラエル・フィルとの晩年の録音が重いリズムと噛み締めるような解釈が独特の味になっていた。それに比べてこのLSOとの2回目録音は個性が薄く、凡演というレベルだと思う。当時バーンスタインはLSOを高く評価するようなことを言っていたが、それにしては最初の「千人の交響曲」以外、「復活」もハイドンもストラヴィンスキーも感心しない出来なのだ。バーンスタインの指示に対してオケの反応が鈍い。バーンスタインの欧州での活躍の窓口にLSOはなったため感謝していたのかもしれないが、彼の本領が発揮された演奏ではないと感じる。録音もいまいち。ジャケットが素敵なので持っているが、それ以外の取柄はあまりない。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/09/26

    はじめて聴いたカラヤンの演奏がこれなので、刷り込みもあるかもしれないが、それでも抜群の名演奏だと思う。カラヤンらしい緻密な合奏力、構成力とともに、カラヤンらしくないはちけれんばかりの躍動感、生命力があり、息をもつかせない。録音も同時期のチャイコフスキーやシベリウスより優秀だ。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/08/31

    オペラの達人、真の巨匠クナッパーツブッシュを堪能できるセット。とりわけ「マイスタージンガー」52年、55年、60年が最高。実に楽しく、そして深く感動させられる圧倒的なもの。次いで「バラの騎士」2種。音はウィーン盤のほうがよいが、演奏は甲乙つけがたい。「オランダ人」も「トリスタン」も「神々の黄昏」も本当に特別な演奏だ。クナの振るオペラは呼吸というか音楽の振幅が深く、とてつもない迫力の一方で人間味が滲みだし退屈する暇がない。音の古さなんかどうでもよくなってしまう。歌手も皆素晴らしい。クナは練習なし、といわれているがこれほどの表現が練習せずに生まれるとはとても思えない。プラッソンがまだ楽団員のころ、リハーサルでおしゃべりに興じていたらクナに「出ていけ!」と怒鳴られた、というエピソードをかつて語っていたが、これがクナの実像ではないか。練習嫌いだったかもしれないが、必要な練習はしっかりやったに違いない。「フィデリオ」は音楽を進める覇気が落ち、冗長になってしまったが、それでもクナのドラマを作るコツは見える。戦前の演奏では「フィガロ」が面白い。モーツァルト・オペラの全曲が残っていないのは全く残念。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/15

    ほぼ同時にメンブランからセットが出たが、値段は張るがスクリベンダムのほうをお勧めしたい。ドイツ音楽が収録されているからで、アルヘンタが決してラテン系の音楽だけの人ではなかったことがよくわかる。中でも「ザ・グレート」は名演であり、セント・ソリ管も優秀だ。ブラームスではメニューインがテクニックは荒れ気味ながら凄いテンションの演奏を披露している。「アランフェス」「スペインの庭の夜」アルベニスの「イベリア」は今もなお決定盤といってよくリマスタリングも優秀。チャイコフスキーの4番はデッカのスタジオ録音とライブの両方があり、どちらも優秀だが、やはりライブの迫力は格別。ただし、スイス・ロマンドは下手だ。アンセルメは自分の後任にアルヘンタを考えていたようだが、アルヘンタは役不足。グリュミオーとのデュオでのピアノの腕前も聴けるなど、アルヘンタを知るには格好のボックスだ。、いつもながらHMVのアルヘンタ年表は読みごたえ十分。カザルス、ピカソなどから「フランコ=悪」が日本では定着しているが、年表を見ると、そんな単純な図式ではなかったことを教えられる。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/04

    日本音楽界にとっても記念碑的なコンサート記録だと思う。なるほど当時の読響は上手くない。管楽器のミスは数知れず弦は響きに高級感がない。読響が特に下手なわけではなく、これが東京のオケの水準だったのだが、やはり第1楽章を聴いていて残念な気持ちが強かった。楽団も大物マゼールを迎え極度の緊張もあったろう。だが、短い休憩を挟んで第2楽章から音楽は豊かに流れ出す。マゼールはオケの能力を考慮してか、思わぬ声部を引き出す、ということは今回せず、テンポのデフォルメで音楽を引き立たせようとしているが、それは第3楽章あたりから打つ手打つ手が決まるという感じになってくる。そして終楽章。ミスもあるもののオケはマゼールの指揮に憑かれたような集中度の高い演奏を繰り広げる。合唱が入ってきてからの高揚は凄まじいとしか言いようがない。これほどの燃焼度のコンサートがこれまでどれだけあっただろう。ブラボーの絶叫は興覚めだが、気持ちはわかる。私もマゼールの来日公演は数多く聴いたが、これは別格であり、こんな凄みのある人だと初めて知った。販売目的で収録されたものではないので、音は鮮明だが潤いに欠ける。だが、この記録が残ってよかった。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/02

    音質は極めて良好。クナッパーツブッシュの鼻息や指揮台を踏み鳴らす音まで捕らえられ生々しい限り。往年の大演奏を満喫できる。「コリオラン」は巨大なスケール。「皇帝」のクナッパーツブッシュの録音はカーゾンとのデッカ盤があるが、ピアニストの「格」が違う。ここでのバックハウスは絶好調。圧倒的な推進力、輝かしい音色、多彩なタッチが素晴らしい。テンポを揺らすのもクナッパーツブッシュではなくバックハウスだ。7番は期待通り第2楽章、終楽章のテンポが遅い。ただし終楽章は興が乗ってどんどんテンポが速くなる。こういう即興性こそクナッパーツブッシュの魅力だろう。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/06/26

    本当に素晴らしい演奏で深い感銘と興奮を受けた。ケンペはウィーン・フィルとのセッション録音も名演だが、演奏の白熱度、合唱の圧倒的迫力でこちらのほうが上だ。歌手はハーパーが声質が合わないが、他の歌手は皆見事。同時期のベームの「マイスタージンガー」に比べはるかに音質が良いのもありがたく、このオペラのベスト演奏だと思う。もはや現在のバイロイトではこんな演奏は不可能だ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/16

    エラートとEMIフランスがワーナー傘下になったことで実現したルーセル・エディション。CD11枚は多いとは言えないが、主要作は網羅されており便利だ。ワーナーのBOXの楽しみはリマスタリングだが、今回エラート録音の音質改善が著しい。フランス国立放送管やコンセール・ラムルーはシカゴやボストンと比べメカニック的には勝負にならないが、音の鮮度を増したことにより往年のフランスの音が溢れんばかりに耳に届くのは嬉しい。演奏は総じて高水準だが、デュトワのようなルーセルの命である躍動するリズムを表現できなかったものも混じっているのは仕方ないところ。貴重なのはCD2の室内楽とオペラ・バレエ「パドマーヴァティ」。これだけでも価値があるし、演奏も大変優れている。なお、表紙のルーセルのカラー写真は百年程前のものだろうし、オリジナル・ジャケットも復刻され、相変わらずワーナーの仕事は極めて良心的であり、心から感謝したい。欲を言えばエラートのジャケットにはエラートのロゴもオリジナルのものを復刻してほしかった。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/11

    イギリスの若手ローワン・ピアースのソロ・デビュー盤。といっても既にAAMやレザール・フロリサンで活躍し、動画サイトでも見ることができる。まず、その伸びやかな美声と確かなテクニック、若々しい溌溂とした歌唱に魅了される。曲もパーセルの名曲がずらりと並ぶし、エガー、カーターの素晴らしい伴奏も聴きものだ。美人だし、数年後にはバロックではなくてはならない人気歌手になっているだろう。録音優秀。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/04

    ウォレンスタイン以降のLAP録音を収録。ウォレンスタインは米デッカ音源だそうだが、それならオリジナルジャケットにしてほしかった。まあ、それでもLAPはメータから。立役者のメータがCD5枚とはドゥダメルの評価は辛口ぎみだが、今聴いても当時のメータの若々しい活力に満ちたダイナミックな演奏は魅力的。後年ルーズになってしまった内声への目配りも効いている。音質が良くなっているのも嬉しい。次のジュリーニは「悲愴」を除く全てのDG録音を収録。ぐっと大人の音楽になる。同時期のシカゴやロンドンのオケでは音楽の充実が推進力を妨げる面が感じられるのだが、LAPではそれがない。オケの若さとやる気がジュリーニの欠点をカバーしたと思われる。ジュリーニ芸術の頂点にLAPという手兵がいたことは本人にとっても音楽ファンにとってもこの上なく幸せなことだった。これまた音質向上しており、ドビュッシー、ラヴェルの色彩は眩いほど。プレヴィンはプロコフィエフ1枚だけだがこれも名演。LAフィルの粗めのざっくりとした響きはプロコフィエフにピッタリであり、このコンビでの交響曲全集が完成しなかったことは残念だ。サロネンはショスタコーヴィチ4番が超名演。「オランゴ」のハチャメチャさも強烈でお客も圧倒されている。サロネン自作もセンスある優れた作品。これらに比べると現音楽監督のドゥダメルのものは聴き劣りする。ブラームスは新登場といっても2012年録音と新しくない。ゆったりとしたテンポのしなやかな演奏だが、詰めの甘さも散見される。ジョン・アダムズの作品もいまいち。彼の曲は「中国のニクソン」あたりの20世紀のもののほうが冴えている。ただ、DVDでのドゥダメルはメリハリがきき生彩ある演奏で魅了する。彼やソフィエフなど今の若手はパフォーマンス込みというところがあり、音だけでは魅力が伝わりにくい。ボーナスCDのライブがなかなか面白い。クレンペラーは音が悪く欠落もあるが、むせるような歌は戦後の演奏では聴けないもので興味深い。ベイヌムの2曲はステレオで「ラ・ヴァルス」は光彩陸離たるもの。メータ、ジュリーニあたりは既にお持ちの方も多いと思うが、で総合点でお薦めするに足るボックスだと思う。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/03/28

    今一推しのカルテットがルーマニアのアルカディア。これまでのメンデルスゾーン、ブラームス、ヤナーチェクもよかったが、今回のバルトークで一段と熟成した音楽を聴かせる。前にも書いたが、このカルテットの特徴は4人の技量が完全に均一なことで、それにより通常のカルテットより第2ヴァイオリン、ヴィオラが前に出てくる。響きは練り上げられタペストリーのよう。その分、民族性やバーバリスティックな面は後退するが、音楽は洗練され濃密である。これまでのバルトークとは明らかに違う。アルカディアはレーベルを転々としていたが、シャンドスには是非腰を入れて録音継続してほしい。

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