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一人のクラシックオールドファン さんのレビュー一覧 

検索結果:2357件中46件から60件まで表示

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     2013/10/19

    ブラームス「ドイツ・レクイエム」はドイツ語によるレクイエムでプロテスタントだったブラームスが新旧訳聖書から歌詞をピックアップしたものらしいです。「ドイツ・レクイエム」は他のレクイエムにもあるように7楽章から成り真ん中の第4楽章を中心に対称的になって人生への肯定的な明るさと力強さを謳いあげます。作曲時期としてはあの第一交響曲より以前というからブラームスも意気軒昂な頃で「レクイエム」というタイトルとは趣きを異とする大変進取的な曲で小生勝手に判断するにカラヤンの資質にマッチした曲の一つでカラヤン自身も何とはなしにある「こだわり」を持っていたのでしょうか、収録回数が多くCDだけでも本盤1964年BPO,SVを振って独唱陣にはグゥンドラ・ヤノヴィッツ(ドイツ出身のS、当時27歳)、エーベルハルト・ヴェヒター(オーストリア出身のB、同35歳)を従えての演奏(タイム@11’35A14’46B11’47C5’43D8’15E12’34F12’15)をはじめをはじめ1947年VPO,SV,シュヴァルツコップ(S),ホッター(B)(モノラル、タイム@11’40A14’54B11’16C6’07D7’16E12’39F11’39)、1957年VPO,SV,デラ・カーザ(S),フィッシャー=ディースカウ(B)(モノラルライブ、同@11’31A14’46B10’45C5’30D8’01E12’45F12’13)、1976年BPO,SV,トモワ=シントウ(S)、ヴァン・ダム(B)(同@11’10A14’48B11’13C5’28D7’48E13’15F11’34)、1983年VPO,SV,ヘンドリックス(S),ダム(B)(同@11’15A15’07B11’07C5’29D7’31E13’11F11’31)等が販売されております。演奏傾向はオーケストラBPOの磨きぬかれた鋼鉄感と合唱のウィーン楽友協会CO(SV)の練れた合唱とのブレンドがこの曲の訴求力を否が応でも高めて行ってカラヤンのこの曲への自信の程らしきものを提示している様であります。第1曲序奏に乗って薄めの美しい合唱「悩める者は幸せ」からカラヤンのレガート臭い節々はブラームスのまだ若いロマン性を安らかに表現します。ここでのテーマが後の曲でも何回か現れます。第2曲「人はみな草のごとく」では第1曲とは対照的に低めの力強く響きあう詰めの厳しい合唱とバックサポートのティンパニーでその躍動感というか壮麗感に唖然 ! ・・・つい惹き込まれ気味になります。 第3曲はバリトン歌手ヴェヒターが求心力のある落ち着きぶりを朗々と発揮します。勿論大フーガが本命でそのコントロールぶりは見事でオルガンを伴って堂々と閉じます。続いてピチカート風な弦をバックに平穏に流れ中程での軽いフーガの後は又平穏に戻って充分引っ張って第4曲を経て第5曲・・・。第6曲はそのバリトンが彷徨う様な合唱に取っ掛かりを入れ全奏「怒り」へ・・・。区切る様にハ短調独特の押し強さをカラヤンは管楽器をアクセントとして強調します・・・この辺りは流石上手いものですね。最終曲「死に行く者は幸せ」は曲目自体ちょっと付け足し的な印象を私は持っているのですがやすらぎ気分の合唱からスタートし第1曲テーマを断片的に循環し最後は持ち上げる様にハープとともに終わります。カラヤン時代幕開けBPOであるだけに私の先入観かも知れませんが中々カラヤン56歳充実した雄渾たる断片を聴いた様です。高品質盤も出ておりカラヤン・ドイツレクイエム代表演奏となって久しいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/10/18

    先日コープマン指揮アムステルダム・バロックO等によるバッハ「クリスマス・オラトリオ」のレビューを書き込んだ際ミュンヒンガー指揮シュトットガルトCO他による同曲演奏の「気楽さ」も参考引用しました。そういう状況下で当該「クリスマス・オラトリオ」のLPを引っ張り出してきて改めて聴きました。何しろ二時間半を超す長大な曲で途中体力負け・睡魔が襲う時間もありましたが兎に角そんなにしょっちゅう聴く曲ではないのでLP盤を表裏ひっくり返し、盤を取替え聴き通しました。「クリスマス・オラトリオ」(1966年録音、タイム1部31’45、2部32’50、3部24’00、4部26’00、5部25’10、6部25’10→トータル164’55)・・・バッハの四大宗教曲を録音した指揮者は累計では多いのですがミュンヒンガーは当時(録音当時51歳)ではまだ少ないその演奏家の一人でありアメリング(S、同33歳)の清澄な歌唱ぶりがどの曲にも徹底されております。それはともかく四つの内彼のクリスマスオラトリオは傑作・秀作と思います、又、私は彼の四大宗教曲で一番気に入っております。何と言っても元々長調的なものが上手な彼の演奏は暖かく何を次代に伝えるべきか多分本能的に分かっていたとも思います。そこには何も厳しいだけ、キリキリ深刻学術的なだけの演奏では求められない一期一会があります。他の独唱陣・・・H.ワッツ(A、同39歳)、P.ピアーズ(T、同56歳)、T.クラウゼ(B、同32歳)も夫々リューベック合唱団共々よく健闘しており兎に角深夜を過ごすに相応しい穏やかな演奏で最高ランクに改めて受け取りました。なお、本レビュー文骨子は私の以前のハンドル・ネームで書き込んだものを引用しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/10/17

    以前レビューを入れた者ですがデータ的なものを補完させていただきます。ジャケットのカラヤン、グールド二人のまだ若き時代の演奏家としての姿が印象的なCDです。出た当初は「こんな組合せって!?」とかなりな意外性を楽しんだものです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の方は別のCDで聴いており当該CDレビューに書き込んだ記憶をベースにデータを補完して今回はメモします。先ず音質上モノラル・ライブなので贅沢は言えませんが演奏は比較的両者個性をセーヴしたのか凡庸と感じました。演奏タイムは@16’07A9’20B8’56とややゆったり目に進めて行きます。1957年演奏なのでグールド25歳、カラヤン49歳で充実して行きつつある時代でBPOも第1楽章から奥行感のある威力あるサウンドを展開します。勿論ライブ故の雑音、アンサンブルの甘さはありますがカラヤンという気のせいか伴奏がこの曲に少し過ぎる程のしなやかなスマートさを繰り広げています。グールドはカデンツァを含んでそんなに奇行的な処はありません・・・マトモなんです。中間楽章もそういった事で実に美しい穏やかさです・・・私はこの曲の分かり易さにはゾッコンであります。最終楽章も〆直前充分引っ張って効果を上げています。ピアノ協奏曲第3番は一頃珍しいケンプ/ミュンヒンガー、ハスキル/ミュンシュ、ケンプ/マゼール等リリース目白押しの中でグールドも勿論個性満開というわけではなく同曲のone of themといったところ。グールドのこの曲の他の収録には1955年H.ウンガー/CBSSO(モノラル、タイム@15’20A8’12B8’33)、1959年L.バーンスタイン/コロンビアSO(同@17’15A10’49B9’26)があります。同年収録のシベリウス交響曲第5番(タイム@12’25A7’46B10’16)は1952年のPHO(同@13’51A8’59B9’35)、後年1960年のPHOとのEMI盤(同@13’22A8’09B9’03)、そしてBPOとのDGG盤数種・・・1965年収録分(同@14’10A8’20B8’57)及び1976年収録分(同@14’14A9’02B9’15)の基本線有き通りですがやはり音質が気になってしまいます、経年に伴うタイム的なブレが小さいのがカラヤンらしい処ですね。まぁ、本盤はグールドとの共演を記念的に素晴らしいとしましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります) 。

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     2013/10/16

    ジャケットのカラヤン、グールド二人のまだ若き時代の演奏家としての姿が印象的なCDです。出た当初は「こんな組合せって!?」とかなりな意外性を楽しんだものです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の方は別のCDで聴いており当該CDレビューに書き込んだ記憶をベースにデータを補完して今回はメモします。先ず音質上モノラル・ライブなので贅沢は言えませんが演奏は比較的両者個性をセーヴしたのか凡庸と感じました。演奏タイムは@16’07A9’20B8’56とややゆったり目に進めて行きます。1957年演奏なのでグールド25歳、カラヤン49歳で充実して行きつつある時代でBPOも第1楽章から奥行感のある威力あるサウンドを展開します。勿論ライブ故の雑音、アンサンブルの甘さはありますがカラヤンという気のせいか伴奏がこの曲に少し過ぎる程のしなやかなスマートさを繰り広げています。グールドはカデンツァを含んでそんなに奇行的な処はありません・・・マトモなんです。中間楽章もそういった事で実に美しい穏やかさです・・・私はこの曲の分かり易さにはゾッコンであります。最終楽章も〆直前充分引っ張って効果を上げています。ピアノ協奏曲第3番は一頃珍しいケンプ/ミュンヒンガー、ハスキル/ミュンシュ、ケンプ/マゼール等リリース目白押しの中でグールドも勿論個性満開というわけではなく同曲のone of themといったところ。グールドのこの曲の他の収録には1955年H.ウンガー/CBSSO(モノラル、タイム@15’20A8’12B8’33)、1959年L.バーンスタイン/コロンビアSO(同@17’15A10’49B9’26)があります。併録のバッハのピアノ協奏曲第1番もモノラル・ライブで1955年録音のA.マクミラン/トロントSOバックの演奏(同@8’13A6’21B8’02)でマァグールドにとって重要なレパートリーであるバッハの主要な協奏曲の割には難なく過ぎた感じです。なお、このBWV1052協奏曲にもグールドには多く記録が残っており1957年L..バーンスタイン/コロンビアSO(モノラル、同@8’39A7’14B8’23)、同年グールド/レニングラード音楽院アカデミックSO(モノラル・ライブ、@8’46A7’22B8’39)、1958年G.L..ヨッフム/スウェーデンRSO(モノラル・ライブ、同@8’10A6’58B8’20)等と思われます。カラヤンとの共演を記念的に素晴らしいとします(タイムについては盤により多少異なる場合があります) 。

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     2013/10/15

    本盤はバッハ等バロック音楽において古楽器を使ってノン・ビブラート奏法により手兵アムステルダム・バロックOを振って演奏活動して来たトン・コープマンが44歳の頃の1988年モーツァルト作品に対しても同じアプローチにより収録したもので主体は祝典用セレナードK250「ハフナー」(演奏タイム@9’47A9’47B3’43C9’15D5’25E8’43F5’11G8’19)であります。この曲はセレナードと言ってもタイムメモの様にトータル一時間を要するもので第1楽章スタートからやや忙しく動き回るところから最終楽章祝典ムードでの高潮して〆に到る間各楽章で短調挿入とかVソロの挿入とか変化に富んだ作品であり、コープマンは持ち前の生気溢れるタッチで艶やかに如何にも彼らしく音を弾ませバロック的なフレージングも当然加味して次々と曲を進めて行きます。ただ私は彼の演奏に対してその特徴であるチョコチョコした「軽々しさ」がどうも気になって仕方ないケースが多く本モーツァルトも何かビジネスライクに聞えてしまう時がありました。それでもカデンツァ的なVソロやホルンは逆に淡々と押し付けがましくなく、ティンパニーの扱いも結構決まっていて野外効果万全の印象は受けました・・・このティンパニーのアクセント的扱いはK239セレナード「セレナータ・ノットゥルナ」(同@4’05A3’50B5’10)でも聴けました。「ハフナー」セレナードにおいては、そういう事でもう少し全体としての伸びやかさも欲しいとは思いましたが贅沢なのかも知れません。併録の行進曲K249(同3’59)は勝負が早いだけにこんなものでしょう。彼も「エラート」レーベルから自主レーベルへと替わってある程度年数が経ち微妙な時期なのかも知れませんね。本盤は素晴らしいランクとしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/14

    本盤はバッハ等バロック音楽において古楽器を使ってノン・ビブラート奏法により手兵アムステルダム・バロックO&COを振って演奏活動して来たトン・コープマンが52歳頃1996年にバッハの大作「クリスマスオラトリオ」を収録したもので受難曲やミサ曲等バッハ宗教曲がどちらかと言えばしんどい部類に入る中でこの曲は他の曲からの転用的なもの(パロディと呼ばれています)を主体に周知の通り六部のカンタータの様なものから構成されていて内容的に若干軽めな感じである事がコープマンの芸風に嵌って意外と聴き易い仕上げとなっています。私はコープマンの演奏に対してそのビジネスライクの性急さにあまり好感を持っていなかったのですが本盤での彼の演奏は曲方向感にマッチしたのか期待以上の感動をもたらせてくれました。演奏タイムは第1部25’59+第2部27’48+第3部22’10+第4部22’11+第5部22’01+第6部22’31と他の演奏と比して少し速いのはコープマンらしいですね、それに何と言っても伸びやかで明るめなのが聴き進み易い雰囲気を作ってくれます。独唱陣はリサ・.ラーション(S、スウェーデン、当時29歳)、エリーザベト・フォン・マグヌス(A、オーストリア、同42歳)、クリストフ・プレガルディエン(T、ドイツ、同40歳)、クラウス・メルテンス(B、ドイツ、同47歳)とベテラン揃いです。私は曲と共に声色もプラスしてアルトソロアリアに係る箇所が気に入っております・・・従って第5部のアルト、テノールとの三重唱アリア「ああ、その時はいつ現わるるや・・・」等も含みます。ミュンヒンガー盤と共に気楽な演奏としてこの曲に相応しい一つのアプローチと私の中では出来上がっている素晴らしい演奏であります。なお、私の聴いているCD盤(WPCS-10593/4)解説メモに記してある演奏タイムが第1部25’52+第2部27’29+第3部21’58+第4部22’00+第5部26’55+第6部28’15と特に第5部、第6部が実録と差が大きいのには気がかりでありました。データともなるものでありますからちょっとチェックが必要なのかも知れません・・・以降盤でデータ修正されているなら悪しからず。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/10/13

    ジュリーニは好んでフランクの交響曲を採り上げたらしく今では四種類・・・いや五種類?の演奏記録が残っているそうで本盤はまぁ晩年とも言えようジュリーニが78歳の時1993年VPOを指揮してのライブ収録(タイム@21’30A12’21B12’53)分。・・・感じた事をメモさせていただきます(本盤レビュー欄をお借りして以前ジュリーニ/BPOの1986年録音演奏DG盤 CDレビューにおいてジュリーニ指揮分のフランク交響曲記録盤を三種類と記していましたが小生の把握不足で現在は4〜5種類あります)。先ず、ジュリーニはイタリア指揮者でありますがオペラ伴奏等その普段多数の曲で見せる芸風は微塵も軽やかと言ったイメージではなくむしろこのフランクの交響曲に似合ったじっくりした腰つき「運び」で重量感溢れるサウンドをVPOからフランクの音色たるオルガン的な響きをオーケストラを手なづかせつつ導き取り組んでおります。第1楽章は重々しくスタートするこの曲、単にフランス風ではなく強い筋肉質的な肌触りがし、この曲本来持ち合わせているのとは異なる別の重厚さが支配する楽章です。華麗壮麗という語で片付けて良いのか分かりませんがゆっくり「演出」・・・ソフトにスマートさを展開します。オルガン的響きを重過ぎない程度に更に曝け出し(少しそれを強調する雑さも気にはなりましたがライブ故と割り切って・・・)最後の全奏ではその彷彿する響きに独墺の雰囲気(ジュリーニの持つドイツ的性格と南欧風感覚が共に示され、その為曲の折衷的性格が巧まず示されておるのではないでしょうか)を聴きとりました。第2楽章は性格上神妙に進め最終楽章は再び壮麗な響きを前面に出し、終わりの方はハープがその辺りを整えつつ演奏は閉じて行きます。あれこれ既存のテーマを噛ましつつ(循環主題になって)、ちょっと執拗ではありますが低音旋律も強調して重々しいながらしなやかで美しい感触で華やかな印象にて〆に仕上げて行きます。全体終わって見て、ウーン・・・ジュリーニが・・・このスロー・ペースに乗せて・・・正直鬱陶しい場合にも遭遇しますが・・・ライブであることでこの曲のテーマたる「人生とは?」という神に対する真剣で暗い問いに始まり、光による神の導きによって「人生は喜びである」という答えに至るまでの葛藤を描いたとすればそれはそれで説得性あるものと私の様な素人には映って来ます。ジュリーニのフランク交響曲には1957年PHO(タイム@17’28A11’43B10’29)、1986年BPO(同@20’23A11’57B12’15)、1996年スウェーデンRSO(ライブ、同@21’32A12’33B13’33)、X年(未確認)バイエルンRO(同未確認)があり年を重ねる毎にタイム的には概ね長めになって来ていますねぇ。。併録のP.クロスリー(ピアノ)との共演である「交響的変奏曲」(セッション、同16’21)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/10/12

    デ・ワールトはラフマニノフの交響曲がまだそんなに定着して取り上げられてはいなかった1970年代から・・・即ち彼がロッテルダムPO音楽監督に就任した頃から交響曲集の収録をして2001年には本盤演奏を含む二回目の全集をオランダ放送POと完成しております。何故か彼にはラフマニノフ作品との相性?が良いのか演奏会でも取り上げる機会が多かったと聞いております。さて、その交響曲集の中で抜群に人気のある第2番が本盤のメインで前述通り2001年ワールトが丁度60歳の頃での録音演奏(タイム@22’29A9’18B13’44C13’42)で2003年収録のユース・シンフォニー(同13’36)が余白に入っております(残念ながら私はこのユース・シンフォニーは未聴です)。ラフマニノフのこの交響曲(に限らずラフマニノフ作品全体何れも?)は寄せては返す波の如く間合い無く有るのか無いのかのメロディが哀愁感も込めて繰り返されそれにプラスする香辛料での味付け次第で辟易とする場合もあります、殊にこれは小生だけの感覚なのでしょうがロシア臭が前面に漂うとこの曲の持つ「甘さ」も人口甘味料になってマァ別世界の在り様になってしまう処です。ところがワールトの演奏は蕩々とBGM風の流れの中でそうしたロシア抒情を強調しない基調であります。第1楽章では適度な暗めの情念をゆっくり携えて進んで行きます。Vソロも切々さは程ほどでやがて最終コーナーではオーケストラ全奏を少し感情起伏を示して例のラフマニノフ・クロージングへ。第2楽章は草原を駆け抜ける様な軽快な感じでスタートしますが躍動感が好ましいですね、やがて又メロディアスな冗長な場面に移って行く楽章自体は演奏ではメリハリがついている様に思いました。この曲の象徴的な楽章・・・第3楽章は例の旋律を弦が掠めつつただひたすら儚げな世界、美しい世界を管が念押しして行きます。いよいよ最終楽章はこれまでの様々なテーマを引っ掛けて伸縮させドンブラ・コンブラと経緯しつつフィナーレはややテンポアップさせて大きくクライマックス〆に結び付けます。まあ、この交響曲自体に一般で言う交響曲的「起承転結」は求められないのかな・・・とは改めて感じ入った次第です。ワールトの一回目のロッテルダムPOとの1976年の演奏タイムは@18’31A9’07B13’53C13’13であり又彼には1996年シドニーSOとのライブ盤(タイム未確認)も残っているそうです。本盤は素晴らしいランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/11

    本盤は廃盤になってしまっていますが別盤で出ているので参考メモさせていただきます。1969年故ミュンシュの後関与することになったOPを振って本場作曲家フランクの交響曲を録音したのが本盤聴きものとなっております。演奏タイムは@20’49A10’31B11’21と特に第1楽章はじっくりと華麗に取り組んでおりOPをも手中にしたある種高ぶりのようなものも感じられます。重々しくスタートするこの曲、単にフランス風ではなく強い筋肉質的な肌触りがし、この曲本来持ち合わせているのとは異なる別の重厚さが支配する第1楽章です。華麗壮麗という語で片付けて良いのか分かりませんがゆっくり「演出」よろしくカラヤン節・・・ソフトにスマートさを展開します。オルガン的響きを更に曝け出し少しそれを強調する雑さも気にはなりましたが最後の全奏ではその彷彿する響きに独墺の雰囲気(彼の持つドイツ的性格と南欧風感覚が共に示され、その為曲の折衷的性格が巧まず示されておるのではないでしょうか)を聴きとりました。第2楽章は性格上神妙に進め最終楽章は再び壮麗にオルガン響きを前面に出し終わりの方ハープのカラヤンらしい使い方を経てギンギラした演奏は閉じます。オルガン的響きを更に曝け出し少しそれを強調する雑さも気にはなりましたが最後の全奏ではその彷彿する響きに独墺の雰囲気を聴きとりました確かにここにはカラヤンでないと出せないサウンドがあり一般的ではありませんが一聴価値はあります・・・退屈しません。そしてあれこれ既存のテーマを噛ましつつ、ちょっと執拗ではありますが低音旋律を強調して重々しいながらしなやかで美しい感触で華やかな印象にて〆に仕上げて行きます、口当たりが良かったのか私にとっては聴き易かったですね。カラヤンのフランク交響曲はこのカラヤン61歳の頃のEMI原盤演奏しかないようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/10/10

    確か1981年初めにカール・リヒターの突然の訃報には大変驚きそして愕然としたことを覚えております。彼のバッハ演奏をLP盤で接してそのオルガン等鍵盤作品、手兵ミュンヘン・バッハO指揮しての管弦楽曲・協奏曲、そしてカンタータ・受難曲等宗教曲の厳しい確固たるバッハの作品の信仰に支えられた構造性だけではなくロマンチックな情感すら湛えた世界を我々素人にも示してくれたものです。そうしたリヒターは育った環境が教会関係でもあったことから多分他の演奏家よりより峻厳たる信仰意思の下でバッハ等の作品を演奏していたであろうから突然の「死」などに拘わろうとは自身も思っていなかったのでは・・・。バッハを中心に数多くの演奏収録も行っていたわけですが本盤はDECCAに記録された初期の収録活動での1954年彼がまだ若き28歳の頃にスイス・ジュネーヴのヴィクトリアホールのパイプ・オルガン(演奏会用パイプ・オルガンの最高傑作と言われています)を使ってのバッハの名曲を収めたものであります。収録曲はトッカータとフーガ ニ短調BWV565(タイム9’48)、幻想曲とフーガ ト短調BWV542(同14’33)、パッサカーリアとフーガ ハ短調BWV582(同15’31)、コラール・プレリュード「目を覚ませと呼ぶ声が聞え」BWV645(同5’35)、プレリュードとフーガ ホ短調BWV548(同14’13)と有名な曲ばかりで前述の如く伝統的な演奏様式と現代的な美的感性が勢いのある若さと相俟って見事にマッチングした演奏で録音の良さ(DECCAの最初のステレオ録音らしいですよ)が更にプラスして本演奏を名盤に位置づけて久しいです。彼は続く年代ではDGアルヒーブにその演奏を記録し例えばオルガンでは同ブランドに在籍した盲目のオルガニストであるヴァルヒャと良き競争をしていました。リヒターにとってバッハのオルガン曲再録はそう頻繁なものではありませんでしたが超有名な曲については例えば次の様な具合で記録が残っています。代表にBWV565,BWV542の収録年度、使用オルガン、演奏タイムをメモしておきました。1965年スイス・マガディーノの教会ライブBWV565(8’22),BWV542(12’10)、1964年デンマーク・コペンハーゲンのイエスボー教会オルガンBWV565(8’52),BWV542(12’34)、1969年東京武蔵野音大ドイツ・クライス社製オルガンライブBWV565(9’03),BWV542(12’08)、1979年東京カテドラル聖マリア大聖堂オルガンライブBWV565(9’01),BWV542(15’02)。年齢を経るに従ってバッハの音楽への敬愛の情は勿論深い嘆息交じりも否定出来ない感じにはなっては行ったそうでが、やはり本盤の溌剌さは何よりではないでしょうか。最高ランクに・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/09

    台風が近づいて来ている十月初旬 私の地元と言ってもさしつかえない兵庫播州地方でBPOの若き第一CMの樫本大進さんが主催する「ル・ポン2013」音楽祭(ル・ポンとは架け橋の意)が開催されていて若き演奏家達が室内楽中心に連日プログラムを繰り広げております(彼はTVでもよく出演しており先日の「題名のない音楽会」でも見ました)。音楽祭と言えばアルゲリッチが九州等にて展開している事がすぐ思い浮かぶ程彼女の存在感は大きなものでやはり若き演奏家連中を招いて器楽、室内楽を演奏してもう久しく時が経っています。本盤はそうした音楽祭でのライブではありませんがもう馴染みとなったA.ラビノヴィチとのピアノ・デュオでブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」(タイム16’11)、2台のピアノの為のソナタ(同@14’48A8’18B7’03C10’27)並びにワルツ集5曲(同0’52+1’40+1’21+1’16+1’55)で何れも1993年スタジオ録音であります。「ハイドンの主題による変奏曲」は今更申し上げるまでもなくオーケストラ作品に、2台のピアノの為のソナタは最終的にはピアノ五重奏曲になったものですね。2台のピアノでありますから当然第一ピアノと第二ピアノの各担当があり本盤では第一担当は「ハイドンの主題による変奏曲」の方をアルゲリッチ(52歳)、その他をラビノヴィチ(48歳)と振り分けておりますが演奏基調のアイデンティティは見事に果たされていると思われました。スケール感において我々聴き慣れているオーケストラや室内楽での演奏と互角とまでは行かなくてもちょっとした声部のニュアンスの違いなどはより見通し良く聴き捉える事も出来ピアノ・デュオならではの面白さを楽しめましょう。ただ、アルゲリッチならではの激しい場面は共演で少し中和されている感じもしました。なお、ブラームスにとってはこれらの作品は単なる二番煎じではなく独立性を有した特別版として扱っている心算だそうです。それと「ハイドンの主題による変奏曲」はおそらくアルゲリッチのお気に入りの一曲なのでしょうか、2005年スイス、ルガーノ音楽祭でのライヴ盤ではアルゲリッチの秘蔵っ子若手ポリーナ・レスチェンコと組んでのこの曲を演奏(同17’16)しており、更に2012年同じくルガーノ音楽祭でニコラ・アンゲリッシュとのライブ演奏盤(同17’25)も有る様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/08

    夥しい数の録音を残したカラヤンには意外とハイドン交響曲の数が少なく結果として1970年代初めの頃ほんの数曲をEMIに、そして1980年代初めの頃に所謂ザロモン・セット中心に18曲をDGにどちらもBPOを指揮して収録しております。ただ私がクラシックを聴き出した頃にはカラヤンのハイドン交響曲盤と言えばDECCAよりの第103番「太鼓連打」(1963年演奏)と第104番「ロンドン」(1959年演奏)とのカップリングLPに親しんでこれが結構気に入っていました。当時ハイドンと言えば確かに「交響曲の父」とは聞いてはいたものの「時計」「驚愕」の有名な楽章の聴きかじり止りであった私などにもそのカラヤンLPの演奏はしなやかなスマート・颯爽さをVPOサウンドに包んで実に分かり易い仕上がりだった事を覚えております。本盤はそれから二十年近く経った1981〜1982年にカラヤンも70歳台半ばにかかろうとする頃にBPOを振って録音した前述の分で曲は第94番「驚愕」(タイム@9’41A5’40B4’14C4’06)、第100番「軍隊」(同@8’44A5’22B5’51C5’21)、第101番「時計」(同@8’22A9’12B8’53C4’30)で最近でのカラヤンのハイドン交響曲CD7〜8枚セットの状況でこれらの代表曲だけのバラ販売は大変助かります。肝心の演奏は流石かつての先のVPOとの演奏の様なしなやかなスマート・颯爽さは影を潜めてはいますがカラヤンらしい「鳴りっぷり」には事欠きません。一時時めいたピリオド奏法とは一線を隔したハイドン交響曲の鷹揚さも健在! なお、これら三つの交響曲の内「時計」交響曲には数少ない初回録音・・・冒頭に触れたEMI盤・・・がありそれは1971年演奏されたもの(同@7’56A8’44B8’21C4’43)であります。余談ですが「時計」というタイトルは第2楽章の時計の振子に似た規則正しいリズムに寄せて後の人が命名したらしく我々はラジオ受験講座で懐かしい曲ですね。私は別盤で「驚愕」「時計」の当該演奏を聴いており本盤併録の交響曲第100番「軍隊」は聴いておりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/07

    夥しい数の録音を残したカラヤンには意外とハイドン交響曲の数が少なく結果として1970年代初めの頃ほんの数曲をEMIに、そして1980年代初めの頃に所謂ザロモン・セット中心に18曲をDGにどちらもBPOを指揮して収録しております。ただ私がクラシックを聴き出した頃にはカラヤンのハイドン交響曲盤と言えばDECCAよりの第103番「太鼓連打」(1963年演奏)と第104番「ロンドン」(1959年演奏)とのカップリングLPに親しんでこれが結構気に入っていました。当時ハイドンと言えば確かに「交響曲の父」とは聞いてはいたものの「時計」「驚愕」の有名な楽章の聴きかじり止りであった私などにもそのカラヤンLPの演奏はしなやかなスマート・颯爽さをVPOサウンドに包んで実に分かり易い仕上がりだった事を覚えております。本盤はそれから二十年近く経った1981〜1982年にカラヤンも70歳台半ばにかかろうとする頃にBPOを振って録音した前述の分で曲は第94番「驚愕」(タイム@9’41A5’40B4’14C4’06)及び第101番「時計」(同@8’22A9’12B8’53C4’30)で最近でのカラヤンのハイドン交響曲CD7〜8枚セットの状況でこの代表曲だけのバラ販売は大変助かります。肝心の演奏は流石かつての先のVPOとの演奏の様なしなやかなスマー・颯爽さは影を潜めてはいますがカラヤンらしい「鳴りっぷり」には事欠きません。一時時めいたピリオド奏法とは一線を隔したハイドン交響曲の鷹揚さも健在! なお、この二つの交響曲の内「時計」交響曲には数少ない初回録音・・・冒頭に触れたEMI盤・・・がありそれは1971年演奏されたもの(同@7’56A8’44B8’21C4’43)であります。余談ですが「時計」というタイトルは第2楽章の時計の振子に似た規則正しいリズムに寄せて後の人が命名したらしく我々はラジオ受験講座で懐かしい曲ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/06

    2002年レーピン31歳の頃にゲルギエフ(当時49歳)指揮マリインスキー歌劇場O(旧キーロフO)のバックでロシア作品二曲を演奏したライプ録音盤であります。ロシア作品をロシア演奏家が立ち向かうわけですから、しかもライブというわけでそれなりな生々しさ・・・好き嫌いは別にして・・・が出た仕上がりになっています。先ずポピュラーなチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(タイム@18’21A6’10B10’12)は普段私が他演奏で聴いていたこの曲においての華やかさからはちょっと異なったイメージが展開され第1楽章での艶っぽさ少し抑えたVの骨太とも言える特徴でカデンツァも充分変化間取りしながら進める様や同じ楽章でのオーケストラ全奏の音色等はロシア的な雰囲気と捉えてよいのでしょうか。中間楽章以降ではソリスト対オーケストラの格闘?は素晴らしいとは思いましたが若干音の現れの偏りらしき処や似合わぬ残響で私自身は迷いました。それでも最終楽章の緩急変化球の投げ合いやゆっくり攻めて思わせぶりに甚振る有様はもう二人の巧者の世界なのでしょう・・・正直残念ながら小生の好みの範囲とはずれてしまってはいました・・・OKランクに。ミヤスコフスキーのヴァイオリン協奏曲(同@19’39A9’40B7’40)の方は曲自体私は初めて聴いたのですが前世紀作品とは思えぬ位ロシアの憂愁な雰囲気を分り易く綴った作品でしかも本盤は今を時めくロシアの演奏家によるものですからひょっとしたらこちらの方が今後記録的に長生きするかも知れませんね。余談ですがレーピン・・・少し中村獅童に似てます?・・・の演奏するチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲には1994年まだ若き頃E..クリヴィヌ指揮LSOとの共演(同@18’12A6’36B9’58)もCDである様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2013/10/05

    L..ウラッハは古き良き時代のVPO首席奏者として務めて後輩A.プリンツ、A.ボスコフスキーらを育成したクラリネット奏者で演奏は確かな技術に支えられあくまで典雅で滑らかなその味わいは残っている録音盤がたとえモノラルであっても確かに伝えてくれています。そういう点からすれば毎年何百枚とリリースされる新たな演奏家による新盤の「立場」が頭打ちというかいつまでも表層雪崩の様に定着地しにくいのは才能ある者にとって忸怩たるものがありましょう。ただ、そうした事は前提環境でこのビジネス世界は動いてはいると思います。本盤は1951年ウラッハが49歳の頃にウィーン・コンツェルトハウスSQとの共演のモーツァルトのクラリネット五重奏曲(タイム@9’43A8’35B8’04C10’17)と1954年ロジンスキー指揮ウィーン国立歌劇場Oのバックで演奏したクラリネット協奏曲(同@12’56A8’04B9’23)であります。私は別盤で前者五重奏曲の方を聴いていましたので少しメモを入れさせていただきます。第1楽章から生々しいゆったりした音色が展開して行きます。第2楽章では秋の日差しを感じさせ作曲者晩年の心情も映えた様な雰囲気です。第3楽章でのメヌエット・トリオでのVの優雅さも素敵ですね。最終楽章の変奏曲形式では更にそのVの思い入れが増幅し余韻を噛ましつつ〆に活発に動き全体に温かい懐かしさの感触の内に曲は終わります。演奏も素敵ですが作品自体の良さが大いに寄与しているのでしょう。ウラッハのモーツァルトのクラリネット五重奏曲には後年1955年収録のドイツのシュトロスSQとの演奏(タイム未確認)も残っているそうですが一般的には本ウィーン・コンツェルトハウスSQとの演奏で間に合う?とは思います。ただ協奏曲の方は逆に別の1949年カラヤン指揮VPOとの共演(同@12’29A8’09B8’45)が評価は高い様で難しいところですね。OKランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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