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シャルヴェンカ さんのレビュー一覧 

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     2022/05/04

    ベートーヴェン、シューベルトとドンピシャ同世代のクーラウ。ソナチネで有名というが、このピアノ四重奏曲は古今東西の名曲に肩を並べるどころか突き抜けてしまうくらい素晴らしい。1番の冒頭「おや?これはベートーヴェンの3番の協奏曲の雰囲気だな」と思う間もなくピアノの独壇場となる。正にこれは弦楽四重奏付きのピアノ協奏曲だ。勿論技術的にも協奏曲のレベルを凌駕している。他のピアノ四重奏曲とはカテゴリーが違うとさえ感じてしまう。ピアノ四重奏曲はピアノ三重奏曲の3割程度の作品の数。思い浮かぶ名曲はブラームス、フォーレ、R.シュトラウス、シベリウスなどと多くない。特にハ短調の1番はフォーレの2曲を抑えてナンバー1と言ってもいいかも知れない。なぜクーラウは知られていないのか?名前が地味なのか…。それはさて置き、短調作品に真の名曲多し!今回もそれが証明された最高の出会いでした。

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     2022/05/01

    シューマン、フランク、スメタナ、ボロディン、ブラームス、チャイコフスキーなど錚々たる弦楽四重奏曲の傑作が生まれた年代。ブラームスの影響? とんでもない、私は間違いなくフォルクマンの作品を上に掲げます。もともと短調作品の収集時に偶然見つけたのだか、特に5番は聴き始めてすぐに鳥肌が立ち、私の中のベストテン入り。ステンハンマルの2・4・6番、グラズノフの4番、カバレフスキーの1番、シベリウスの短調2曲、フォーレなどの作品に肩を並べるほど好きになった。他の短調作品も素晴らしく、どうしてフォルクマンの名前が知られていないのか理由がわからない。マンハイムSQもフォルクマンの音楽に心から共鳴し、霊感迸る素晴らしい演奏を聴かせてくれる。クラシック音楽に傾倒して40年余り、こうして隠れた名曲に出会えるのが最高の楽しみです。

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     2021/12/20

    同じアーティストの第3、4集を聴いた瞬間、ピアノトリオの新しい世界が開けたと投稿。そして残る短調作品の10番、国内では取り寄せで海外から注文、何とか年内に届いた。10番は予想通りの名曲、ところがここでは初期の2番に注目! 冒頭モーツァルトを思わせる爽やかなピアノソロで始まり、思わず全曲聴いてしまう。オンスロウは弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲それぞれ30曲以上あり、短調作品の一部を聴いたが、圧倒的にピアノトリオが素晴らしい。私はここに宣言します。ピアノトリオの最高峰はジョルジュ・オンスロウです! しかも彼は若い頃に猟銃の誤射で聴力を失っている。これ以上の奇跡があるだろうか?! オンスロウ、沢山のクラシックファンに浸透させたい名前です。

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     2021/11/22

    社会人成り立てで今はなき石丸電気に通い始めた頃にいち早く発売された輸入盤レコードを入手。その後程なくしてCD時代に突入。今回レビュー投稿にあたって同じウィーン・フィルを指揮したマゼール盤を取り寄せて聴き比べてみた。マゼール盤はアバト盤より全曲で7分長い。ゆっくりなマゼールは期待できるのだが、始まり2分ほどトランペットの3連符に続くロングトーンで勝負がついてしまった。アバトの勝ち! こうして改めてアバト盤を聴くと、兎に角音質が良い。デジタル録音最初期のものだが響きそのものが素晴らしい。現在のレベルに引けを取らないどこれか、こちらの方が上なのではないか。頭欠け6連符のトランペットもトロンボーンも他の追随を許さない。フィナーレ最後の金管セクションのコラールはオケの力の限界を感じるが、それ以外は超優秀。この演奏はウィーン・フィル、アバト共にベスト録音と認識している。その後アバトは天下のベルリン・フィルと録音しているが、私は基本的にライブ録音は聴かないし、アバトはシカゴ響を指揮していた頃が最もインスピレーションに富んでいたと感じているので、当時なぜウィーン・フィルなんだと不満に思ったが、この演奏を聴いて自分の間違いを悟った。ところで私はソニーのデジタルメディアプレーヤー即ちデジタルウォークマンを発売時から10年以上愛用しているが、CDをダイレクト録音すると、トラックごとに音が切れてしまう。MDで出来ることがなぜ出来ないのかとメーカーに問い合わせたが録音方式が違うのでと一蹴された。アバト盤もマゼール盤もトラックが沢山あるので、切れ切れの演奏になる。特にマーラーとオペラは未だMDLP=160分を使用せざるを得ない。現在も解決されていないのだろうか。楽章や幕の途中、演奏が続いている箇所にトラックは必要だろうか。

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     2021/11/21

    行きつけのクラシック専門店でベートーヴェンの前半15曲のソナタのCDが見つからず、たまたま手にしたバレンボイムの75歳記念39枚組CDに収録されていた。正直私はシューベルトのソナタは聴かなくてもいいと思っていた。何の思い入れもなくシューベルトを聴くと…。目からウロコ、すっかりシューベルト・ファンになってしまった。バレンボイム実に70歳を超えての演奏。どこにも年齢を感じさせない、瑞々しく入念な演奏に、もうベートーヴェンはいいと、こればかり1ヶ月以上聴き続けてしまった。長調作品では7、9番、短調作品では同じイ短調の14、16番と初めて聴いたのに、すっかり取り憑かれしまった。バレンボイムの作品に対する思い入れがひしひしと伝わってくる。願わくば短調作品で素晴らしい6、11番も加えて欲しかった。

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     2021/11/21

    オケコンについてのみコメント。この録音の2年前にRCA初デジタル録音されたオーマンディと手兵フィラデルフィア管の演奏がレコード・アカデミー賞を受賞して話題になった。ジャケット全面のバルトークの赤い顔。吹奏楽部の合奏練習の合間、みんなに聴かせた記憶がある。ショルティもこの録音に触発されたのだろう。確かに全曲通して圧倒的な演奏には違いないが、その後のデュトワやシャイーなどの演奏と比較すると、オケの技術で押し切ってしまった感がある。そんな中ショルティ盤が圧倒的に優れている箇所を紹介する。第1楽章6分半から始まる金管セクションのコラール。ここでの2ndトロンボーンの素晴らしさ。本来高音部で目立つべき1stが食われてしまっている。私自身2ndトロンボーンで全日本吹奏楽コンクールを経験しているが、一般に管楽器パートで一番技術が高いのは1st奏者だ。これは私の勝手な想像だが、この部分だけ奏者を入れ替えたのではないかと感じている。間違っていたらシカゴ響の皆さん、ごめんなさい。どちらにしてもこれぞ世界一の金管セクションと断言します。蛇足だが、シカゴ響のオケコンはショルティ、レヴァイン、ブーレーズといずれもレコード・アカデミー賞を受賞している。同じ楽曲で同じオケでここまで受賞が続くと、賞自体の権威が疑われはしないか。ただ、金管セクションについては同じオケなのにショルティ盤が圧倒的、実に不思議だ。私の勝手な想像はここから来ているのである。

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     2021/11/21

    手兵コンセルトヘボウ管との81年デジタル再録音。勇退後ウィーン・フィルとの95年新録音が確かレコード・アカデミー賞を受賞したと記憶しているが、私は断然前者が好きだ。ショスタコーヴィチの一連の交響曲にも言えることだが、仄暗くて重圧な作品にこそ、このオーケストラの個性的な音色がぴったり合う。ホルン・セクションは癖がなくほぼ世界最高。これに対し、トランペットとトロンボーン・セクションは少々癖がある。特にトロンボーンは粘る。賛否分かれるところだろう。この演奏の一番の特色は素晴らしいホールの響き。ムジークフェラインも響きが良いことで知られているが、音の溶け合いという点でコンセルトヘボウに軍配が上がる。空席と満席で殆ど残響時間が変わらないと言われているが、残響が長いと却って演奏は難しくなる。指揮者も奏者も残響を計算しておかないととんでもない演奏になってしまうのだ。ハイティンクはほかの作品もいくつかウィーン・フィルと録音を残してるが、あちらはアバトやカラヤンもあるので、78年録音の7番も含め、コンセルトヘボウ管でデジタル再録音して欲しかった。この8番はショスタコーヴィチの8、13番、マーラーの7番と共にハイティンクの交響曲録音の金字塔である。

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     2021/11/19

    高校2年、全日本吹奏楽コンクールを目指して猛練習に励んでいた頃にレコードを入手。強烈なジャケット写真も未だ新鮮だ。カセットテープへの録音を頼んだフルートパートの女子から狂った音楽だと言われてしまった。一方の私は冒頭のソロがどの楽器なのか認識出来ず、早速スコアを入手。それがファゴットだと知った。独特な響きだ。続くは世界一の木管セクションの独壇場。軽々と演奏している。そしてこの演奏が他の追随を許さないシーンが強烈な絃楽器の返し奏法で始まる乙女たちの踊り。裏泊の8本のホルンはほぼ100%の演奏がグシャッとただの不協和音なのだが、この演奏は唯一ハーモニーとして成立している。続く絃楽器、16分音符の3拍目休符のリズムと他の楽器群の8分音符のリズムがガッチリ噛み合う。今聴いても鳥肌が立つほどの鮮やかさ。全体に他の大多数の演奏の一つ上の次元を行くリズム感とダイナミクス。ホルン・セクションは正に世界一だ。これが45年前の録音だとはとても信じられない。春祭は特に後半に変拍子が多発するが、スコアを見ながらCDの演奏に合わせて指揮をしても99%最後まで辿り着けない。当時1%は成功してました。かつてカラヤンが最後の3小節の指揮のうまい方法を思い付いたと子供のように喜んでいたという逸話がある。サー・コリン・デイヴィスという指揮者は、例えばハイドン、シューベルト、シベリウスなど決して冒険の必要のない正当的な演奏をするというイメージがあるのだが、ペトルーシュカ、火の鳥と、コンセルトヘボウ管との録音は別人のようなインスピレーションに溢れている。ハイティンクがこれら三部作をベルリン・フィルとのセッションまで持ち越したのは、デイヴィス盤を強く意識したからではないか。指揮者、オーケストラ共にベスト録音と言い切ってしまおう。

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     2021/11/19

    それにしてもこのオーケストラは音楽監督が目まぐるしく変わる。普通ならばオケの演奏水準に悪影響が出るのだが…。ドビュッシーについては高校時代、吹奏楽部で夜想曲の祭りや海をコンクールシーズン以外に練習曲として取り入れていた。また牧神の午後への前奏曲は、当時好きなフルート・パートの女子に、ソロのパート譜を印刷と間違えるくらい正確に五線譜に写譜して渡したことがある。ドビュッシーの作品についてはハイティンクとコンセルトヘボウ管の演奏が素晴らしく、ここのレビューにも投稿したので、ロイヤル対決が実現。美しく行儀の良い正確な演奏ではあるが、そこから先に訴えてくるものがなく、単に上手な演奏だなで終わってしまう。大好きなオケだけに期待が大きく、評価もより厳しくなってしまうのかも知れないが、演奏そのものへのアプローチは指揮者のインスピレーションが決めるものだから、オーケストラ側に罪はない。やや癖のあるコンセルトヘボウ管と、殆ど癖のないスコティッシュ・ナショナル管、文字通りロイヤル対決。現在両者の聴き比べが私の一番の楽しみである。その聴き比べを一冊の本にするのが夢です。

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     2021/11/19

    カリンニコフ?聞いたことがないなあが第一声。このオーケストラは本当に異常なほどにレパートリーが広い。私の手元にある交響曲だけで、バックス、ルーセル、ステンハンマル、ダンディ、バーバー、アルヴェーン、ガードナー、スタンドフォード、ラウタヴァーラなどメジャーではない作品に溢れている。これらにマーラー、ブルックナー、ドヴォルザーク、ショスタコーヴィチ、シベリウスなどのメジャー作品が加われば、下手するとちゃんと聴かずに終わってしまうものもあるかも。さてこのカリンニコフ、35歳で急逝したと知って興味を持った。いきなり日本人好みの懐かしく素朴なメロディーに心を奪われる。その一方で金管セクションの扱いは野心的で、ドヴォルザークの前半の交響曲を彷彿とさせる。カリンニコフの方が少し洗練されているかな。聴いていて爽快感もある。チャイコフスキーを卒業したい方、された方にお勧めするロシアの交響曲、そして瑞々しい演奏です。

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     2021/11/19

    80年代初めフランス物で世界のクラシック・ファンを驚かせたデュトワとモントリオール響の演奏も悪くはないが、このハイティンクとコンセルトヘボウ管の瑞々しい演奏を聴くと、無味乾燥に感じてしまうのは私だけか。76年録音と言えばディヴィスの名盤「春の祭典」と同じ時期。静と動の対比がえげつない。夜想曲は金管セクションのバランスに不満を感じるが「管弦楽のための映像」と「牧神の午後への前奏曲」は身も心も溶けてしまいそうな美しさだ。世界一の木管セクションに拍手!!当時のレコード芸術誌の批評(名人芸の集積、自由自在に吹く木管、どこまでも伸びてゆく絃楽器。それらは常に目のつんだ響きの中から決して抜け出さない……)正にその通り。この演奏を聴いたらベルリン、ウィーン、シカゴのオーケストラも黙ってしまうのではないか。オーケストラの極限の美しさを追求した名盤は、数あるハイティンクの録音の中でベスト3に君臨する。亡くなられたハイティンク氏に改めて敬意と感謝を捧げたい。

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     2021/11/19

    私が最も信頼しているこのオーケストラは兎に角レパートリーが広い。しかも招く指揮者もバラエティーに富み、いつ練習しているのかとこちらが心配してしまう。このオケを一流に育て上げたのはヤルヴィの功績だが、様々な客演指揮者とのセッションもオケを育てた大きな要因だろう。特にトムソンとのニールセン、ギブソンとのシベリウス、セレブリエールとのグラズノフなどは決定盤と言える。そしてラフマニノフ。指揮者として駆け出しだったアシュケナージとコンセルトヘボウ管の演奏を長く愛聴しているが、さすがにオケのバランス処理にはやや不満がある。さあスコティッシュ管はどうか。う〜ん、演奏そのものはいつも通り品のある美しさだが、そこまで訴えかけるまてば…。第一はテンポかな。全体にやや遅めの設定が裏目に出ているのでは。同じロシア出身のアシュケナージの感性に軍配を上げざるを得ない。

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     2021/11/19

    5年ほど前だろうか。まだネットを利用していなかった私は、年に数回千葉の田舎から高速バスで東京に出掛け、御茶ノ水のディスクユニオンで中古CDを漁っていた。ある時そう言えばドヴォルザークの交響曲は7番以前は知らないなと思いつき、手にしたCDかこの全集だった。ヤルヴィもロイヤルスコティッシュナショナル管弦楽団もお初。選んだ理由は単に格安だったから。そしてまず聴いた1番、冒頭ホルンの響きに圧倒されてしまった。それまで散々世界の一流オーケストラの演奏に接してきた上で驚いてしまったのだ。以来このオーケストラのCDを集めまくり、遂に私の中でロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団を押し退けて世界一のオーケストラになった。ドヴォルザークのほぼ無名な交響曲に生真面目に全力で取り組んだ演奏は、私たちに作品の真価をも教えてくれる。特に金管セクションは常に品位を保ちながらも過不足ない演奏を聴かせてくれ、世界中のオーケストラが手本とすべき水準だ。1番、2番、4番、5番が演奏作品共に素晴らしく、7〜9番はもういいかなと思えるほど。更にこのオーケストラのレパートリーの広さも世界一ではないだろうか。沢山の作品全てにどうやって高水準な演奏を保っているのか。きっと各パート間で納得いくまで話し合い、高い理想を掲げて練習に取り組んでいるのだろう。私もそういうオーケストラに勤務したかった。

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     2021/11/18

    シカゴ響のマーラー第9と言えばレコードアカデミー賞を受賞した1976年録音のジュリーニ盤が有名だが、その6年後の82年にショルティが15年振りに再録音したこの演奏は、良くも悪くもジュリーニとは好対照。柔のジュリーニ、剛のショルティだろうか。私は基本オーケストラ曲はスコアを見ながら鑑賞するのだが、ジュリーニ盤は特に金管セクションが聴き取れない箇所が多々ある。これに対しショルティ盤は第1楽章に限ってはスコアをほぼ完璧に再現している。冒頭4小節目、ハープに導かれるホルンのゲシュトプフの響きを聴いただけで、ショルティの並々ならぬやる気が窺える。その雰囲気のまま最後まで一気に駆け抜ける爽快な演奏。さて、スコア通りの演奏が必ずしも良い演奏とは限らないが、スコア通り演奏するのはプロとしては最低限。なので私はショルティ盤を高く評価する。但しそれは飽くまで第1楽章のみという条件付きで。残る三つ、特に後半の二つの楽章はボロボロ。あまりに第1楽章に精魂を注ぎ過ぎたのだろうか。もう一つシカゴ響にはブーレーズ盤がある。こちらはいつも通り一流オーケストラの能力に乗っかった自己主張の希薄な演奏。ところで、第9の第1楽章のテンポ、即ち演奏時間について触れてみる。一番遅いのが31分後半のジュリーニ、次が30分後半のテンシュテット、そしてショルティとシャイーが30分前半と、主要な演奏で30分を超える演奏はこのくらいしか見当たらない。作品によって極端に遅いテンポを取るバーンスタインですら29分後半。逆にショルティはいつも速めのテンポを取るのにここだけは遅めのテンポだ。極論だが第1楽章に30分以上かけた演奏なら全体として外れはないと思います。

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     2021/11/15

    本来ならばベルマンと組んだ全集の方にコメントすべきだが、私には敢えてこちらを選ぶ理由がある。それはオラシオ・グティエレスへの強い思い入れがあるからだ。グティエレスは1970年のチャイコフスキー・コンクールで2位になった。その後にプレヴィン/ロンドン響とチャイコフスキーとリストのそれぞれ1番の協奏曲を録音したレコードを街のレコード店で偶然手に入れた。グティエレスの写真はとても若くて初々しく、また解説では彼こそ1位とコンクール会場でブーイングが起こったとあった。そして彼のピアノをマスカットのような透明な響きと絶賛していた。実際に聴いてみると、響きの美しさは何か特別なピアノを使用しているのではと感じる上、リズム感も技術もゾクゾクするほどで正に完璧。私にとって今日までこの演奏に太刀打ちできるピアニストを知らない。前置きが長くなったが、そのグティエレスとヤルヴィ、そして大好きなコンセルトヘボウ管と揃えば悪いわけがない。透明なピアノの響きと冴え渡るリズム感はここでも健在だ。プロコフィエフの作品は親しみ易いものとそうでないものの格差が大きい。交響曲もピアノソナタも一部の作品しか判らない。ピアノ協奏曲はギリギリかな。それよりもコンセルトヘボウ管ファンとしては、アシュケナージと5番しか録音していない交響曲全曲を誰でもいいから録音してもらいたい。ヤルヴィ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管の全集と是非聴き比べてみたい。

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