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ほんず内閣総理大臣 さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/16

    「グレの歌」、ま、とにかく大変な作品で、実演も何度か聴きましたが、歌手のみなさんにいつも同情の念を持ってしまいます。あの大管弦楽相手に歌うのは大変だよ。バイロイト祝祭劇場のような音響で演奏してみたらどうかなあとか、いろいろ思ってしまいます。それはともかく、私はこの曲、ただロマンティックの故に惹かれ、愛好しております。シノーポリのこのディスク、豪華歌手陣を揃え、オケはSKD、まことに強力な布陣であり、それにふさわしい立派な演奏に仕上がっております。歌手はみな力演、出番の多いモーザーもラーモアも良い歌で、他も万全。合唱も優秀。シノーポリも第2部以降は曲の精緻な再現に努めてて(第1部はちょっと色気あり)、優秀なオーケストラもしっかり演奏し、大曲を見事に鳴らし切りました。前衛性とかよりもロマンティックな作品としての魅力に視点を置いた(インバルは前衛性をよく出してました)、今は亡きシノーポリの傑作ディスクでありましょう。録音も超優秀。あらゆる細部もとらえつつ、全体の量感もしっかり再現されています。いいんじゃないでしょうか。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/16

    ジュリーニさんでは、先にロスフィルとのボックスを絶賛いたしました。時期的にはその少し前に録音された曲を集めた、このEMIのボックス、こちらもまた実にすばらしい演奏ばかりであります。以下、個人的感想。最も感銘を受けたのはベートーベンの第7。弛みがなく、生気溌溂、音楽が躍動していて曲の魅力があふれんばかり。次にはブルックナーとマーラー。ブルックナーでは厳しさと和らぎとが交互に現れて徐々に力を増してゆく、そのさまがまさに壮観。マーラーでは、むしろ楽想に素直に情感を乗せて明瞭に力強く打ち出す歩みがすばらしい。ブラームスももちろん名演。響きの重なりあいが実に美しく、それでいて歌も見事な演奏。管弦楽曲では、ベルリオーズが実に美しい。声楽部の曲を欠く抜粋ながら、何だかこれでもう十分という気がするくらい。力強くも美しく、すばらしい出来栄えだ。最後のストラヴィンスキーは、個人的には特別な感想なし。特にペトルーシュカは組曲の作り方に違和感があって、むしろ不満かも。ただ演奏はちょっと重いながら切れ味のある、ジュリーニさんらしいもの。どの曲も本当に鮮やか、見事、すばらしいとしか言いようがありません。そして、シカゴ交響楽団の優秀な技量がこの演奏を実現しております。音色の美しさ、迫力は言わずもがな。ライナーとショルティの路線のせいで、このオケについては技術の優秀さばかり喧伝されるように思いますが、このアルバムで聴きますと、むしろその表現力の豊かさに感心いたします。一時期、ショルティとジュリーニはシカゴ響の音楽監督(首席?)を二人体制で勤めましたが、確かそれはショルティの要請によるものであったと何かで読んだ記憶があります。アンサンブルの引き締めをショルティが担当し、表現力の向上をジュリーニが担当すれば、それはもう地上最強ですね。その最良の成果がこのボックスに集約されているかもしれません。みなさま言う通り、面割はヒドイけど、内容の豊かさに免じて許してやりましょうか。録音は、ブラームスでややヒスが目立ちますが、他は何にも問題なし。クリアーで量感もたっぷり。まことによいボックスです。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/11

    これは待望の発売、ぜひとも聴きたかった演奏です。海賊盤は「ステレオ」と称しつつ劣悪な音でしたから、今回の正規発売はまことに喜ばしい。で、その音質ですが、クリアーで、オケもコーラスもソロも全部しっかりととらえられていて、この名演を楽しむのに何の不足もありません。但し、ステージ上のノイズが相当入っていて(特に第1幕)、そこは若干きついなあ。ですが、トータル、良好ないし優秀です。さて、肝心の演奏。ベームの指揮は早めのテンポですが不自然なところはありません。むしろ、極めて長大なこの楽劇を実演で演奏するにはよいのではないかな。バサバサ曲にカットを施すより、ずっといいですやね。で、例によって、強烈に金管を鳴らしていかにもベームらしいサウンドになっています。部分的には爆演に近い気もしますが(第1幕前奏曲)、カペルマイスターのベーム先生、その辺は劇場の響きにきちんと合わせて配慮していたに相違ありませぬ。これは録音の上での問題でしょうかな。同時期のリングやトリスタンと同様、迫力はありますが割合淡白な調子で、多少評価は分かれるような気もします。でも、オケの表情付けは実に精妙で、さすがだなあと思わせます。歌手は、特に誰がいいとかはあまり思いませんでした。アダムは若くて軽い感じの声のザックス。ザックスは決して老人ではないので、これはまあ配役としてはいいでしょう。ただ、深みにはちょっと欠けるかなあ。若い二人は可もなく不可もなし。ジョーンズは大声量ぶりがこの録音でも分かります。親方たちは出番も少ないし、特別何とも。キャリア初期のクルト・モル、50年代初期のヘルデンテナーのトレプトウの出演は、わかる人にはニヤリとさせます。コーラスは申し分なし。記念碑的演奏の高音質によるリリース、大いに歓迎しましょう。オルフェオさん、こういうヨーロッパの劇場ライヴ、もっとたくさん出しましょう!

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/10/10

    ネゼ=セガンさん、ブル8で大いに感心し、これも期待を持って聴きました。結果は、まことに結構!ゆったりしたテンポは、ブルックナーの時と同じ。テンポや音量の変化をあまりつけないので、ごく自然な調子で音楽が流れます。楽想のもたらす雰囲気が実に心地よく表され、このビューティフルな曲を大いに堪能しました。もっといろんな刺激物を入れようと思えば入れれるのに(ホーネックはやりましたな)、そういうアプローチにはこの人は興味はないようです。正攻法ですが、いずれレパートリー拡大とともに、それだけではなかなか行き詰る日も来るかもしれません。でも、きっと大変な才能、なんとかハードルを越えてゆくでしょう。オケはここでも立派。しっかりした技量です。不足なし。独唱は録音がちょっと近いかな、少しデリカシーに欠ける音の大きさですが、歌そのものは指揮者のアプローチにも沿って、ニュアンスを大切にしたいい歌です。録音は文句なし。個人的には大変気に入ったアルバムで、みなさまにお薦めいたすところであります。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/07

    皆さんの興味はやっぱりムラヴィンスキーの「幻想」ということになるのでしょう。しかし、これはいただけません。要は、音質が劣悪に過ぎます。極めて硬質のドライな音で、シンセサイザーにも聞こえるくらいの美感のなさ。ダイナミックレンジは狭く、しかもフルオーケストラでは音が割れ、第4楽章以降は何ともヒドイ。よって、普通に「幻想」を楽しめないのはもちろんのこと、ムラヴィンスキーの芸術、彼の「幻想」へのアプローチをここに聴きとることはできません。一方の、父ヤンソンスの「幻想」。HMVの記述は間違いで、正しくは1961年のモノラル。実はムラヴィンスキーの演奏と同年なのです。ところが音質はこちらは断然良好です。基本的にやや硬質なのは同じですが、程度ははるかにましで、しかもレンジはこちらはしっかりと入っています。そして、演奏的にも私はこちらの方を面白く聴きました。熱気や勢いで飛ばすことなく、むしろ第5楽章でのサバトの「怒りの日」など、普通と違う処理でなかなかに曲者です。但し、オーケストラに粗さがあって、仕上げは万全ではなし。また、この演奏本当にレニングラードフィルなのかどうか、音色的には疑わしい気もしますけど、どうなんですかねえ。ま、とにかくこのセット、よほどのマニア向けであります。9割ほどの人にはお薦めしません。(+_+)

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/07

    まあ、こりゃ、いかんね。オーケストラの技量がまるでダメで、演奏しきれていません。もちろん、ウィーンやベルリン、シカゴのようなのを期待はしていませんよ。ただそれにしても、どのセクションもまるでいかんな。弦は粗く、木管は間違いが目立ち、金管はパワーなし、打楽器は締まりがない、といふことで、これじゃあマーラー演奏の資格はないな。そして、その辺の指導不足はきっと指揮者のせいだね。ライヴではあるにせよ、ちゃんとリハーサルを積んで、しっかりしたリードをすれば、こんな惨状は呈さなくて済んだはず。処々にある乱れも、決して演奏の高揚から生じたものではなくて、ただの演奏技術上の瑕疵。正直、まるで取り柄のない、マーラーの第6交響曲のディスク。甚だ残念。但し、ヨーロッパの地方オケの状態を知るという意味では、大いに意味のあるディスク。「地方オケがこんな大曲を演奏するところまで来ましたよ〜」的な、地元支援者配布用記念盤ということならわかるけどな。酷評してしまいましたけど、特にこのオケにも指揮者にも思い入れのない単なるディスク購入者としては、こう言わざるを得ません。

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     2011/10/04

    実に奇怪千万な、迷ディスク!まず、「DISK2」とか書いてあって、「これって実は二枚組のかたわれなんぢゃないの?」という疑問、ふつふつと興ります。演奏者についての説明も録音データも一切なし。ショルツさん、以前、駅頭のワゴンセールに「南ドイツフィル」を指揮したブルックナー交響曲第5番のディスクがあったぞ。それはハイスピードで結構迫力のある、ステキな演奏でした(なので、今回も買ってみた)。でも、どういう人なのか、まるで知らんなあ。そして、奇怪なのが録音!!第2楽章のソロはまるでSP復刻のような古めかしい音で(楽器自体が変な音!)、ヒスも派手。ところがフルオーケストラは大迫力でキチンと入っている。第3楽章の弦のピッツィカートは超巨大な音量でこれまたビックリ。さらに、フィルアップの「モーツァルティアーナ」もデリカシー皆無の巨大音量で開始!!と、どこをとっても、入念で質の高い仕事とはとても言えない、はっきり言えば欠陥商品。しかし!この交響曲第4番の演奏はどうだ!スーパーパワフルで、思い入れたっぷり!これでこそ、この曲は引き立つというものだね。第4楽章なんか、8分3秒というタイミングですぜ。ムラヴィンスキーよりも速いんじゃないかな(未確認)。オーケストラもやや粗いながら、ま、十分でしょう。こういう珍盤にもめぐりあえるから、いろんなディスク漁りはやめられない。大いに満足。世界は広いな。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/04

    一種キワモノ的なディスクではありますが、ま、興味を持って聴いてみました。文句なしに面白いのは「トリスタン」。「ねっとり」感をとにかくきわだたせた編曲で、コンセプトはよくわかって何とも面白い。他は特に感心するところはなし。当方、日頃より、オリジナルの楽劇でこれらの曲を楽しんでおりますので、正直なところ、「こんなアレンジなんかしないで歌を入れたらいいんぢゃない?」と素朴に思ってしまいました。歌を楽器に換えることで何か特別な効果が出ているとも思えないし、むしろ人の声が持っている「繊細さ」が吹っ飛んでえげつない音楽に化した部分すらあります。そういう意味で、このアレンジのディスク、私は高く評価する気にはならないなあ。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/04

    音質はまあまあ。年代を考えれば「優秀」かもしれませんが、格段良いと言えるほどではありません。それでも、音楽を楽しむには十分な水準です。さて、このディスクに聴くライヴのワルター、力強く、颯爽として、いかにも「実演向け」スタイルであります。繊細さやニュアンスの豊かさではなく、楽想に合わせて湧きでる感興を隠すことなく表に出した、そんな印象です。音楽が活きていて、ストレートです。「ハフナー」はまさに沸騰するかのような活力が、マーラーでは耽美的な朗々たる歌が、それぞれ何と魅力的なことでしょう。なかなかに楽しめる、よい記録としての一枚。

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     2011/10/01

    ああ、なるほど、これは面白い本です。我々が学校で習い、なんとなく常識化している「ドイツ中心(優越)」の音楽史が、いかに偏ったものであるか、たっぷりと教えてくれます。それも、ある程度クラシックを聴き続けて作曲家の名前とかに心当たりがいろいろあると、「確かに言われてみればそうだよね」と納得することしきり。美術と同様、イタリアの栄光はまさしく正しく評価され、知られて当然でありましょう。あらためて、イタリアの作曲家たちの作品、とても聴きたくなります。但し、音楽史叙述における「ドイツ中心主義」の跋扈という問題と、ではドイツ流「重厚長大」音楽が魅力に乏しいのかということとは、また別の話。シューマンのご大層な主張とは別に、ブラームス、ワーグナー、ブルックナー、マーラーらが、各自の想念と強烈な個性とを思う存分楽曲に注ぎ込んで強烈無比な作品を作り上げ、現代人がそれに大いに魅かれているという事実もまた確かにあります。ですから、イタリアの復権は全く正しくその通りでありましょうが、ドイツの音楽そのものの「魅力」もまたあらためて語られるべきではないかな、という気も少しいたします。でも、大いに学ぶところのある本です。ぜひ、手に取ってみてください。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/25

    ボックス全体の評価としては、なかなかに難しいものがあります。録音が新しい、晩年の演奏は、なぜか意外にオケの乱れが処々に聴かれ、また録音の関係か、いかにも潤いのない音で、だいぶ興が削がれます。一方、モノラルものについては、これまた楽器や音量のバランスがムラヴィンスキーの意図をどれほどきちんと反映しているか全く当てにならず、ちょっと爆演系の記録という感じもないではなし。ムラヴィンスキーという、超個性的な希有の芸術家の偉大な業績を知るには、このボックスはあまりにも問題要素があり過ぎると思われてなりません。但し、この演奏家を追い続ける方にとっては、リハーサルやインタビューも含め、このボックスの持つ意味は大変に大きいでしょう。演奏された音楽そのものを楽しむより、演奏家に著しく偏って関心を持たれるべき商品でありましょうな。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/23

    インバルさんのフランクフルトとのディスクについて、「今、ワンランク上のオケで、ライヴならば、いっそう素晴らしいだろうになあ」と書いたのですが、このディスクはそれに応えてくれたものでしょうか。私は、この演奏、二日目の3月31日にホールで実際に聴きました。それはそれは、とても素晴らしい演奏でした。30日の方がもっとよかったという声も聞かれましたが、31日も見事な出来。曲を完全に手中に収めた指揮者の確信に満ちたリードのもと、オーケストラはしっかりと付いて行って、さらには自分たちの力を発揮・アピールしていました。ありとあらゆる要素が盛り込まれたこの大交響曲、諸要素をそのまましっかりと表現すれば、それでむしろ全体の完結感は成就できます。旧盤も立派でしたが、この新録音は、知情意のすべてが揃った一層立派な出来。オケにもう少し音色の美感があれば完璧でしょうけれど、ま、それはよしとしましょう(実演ではその辺は良かった気がする。録音のせいかな)。なお、当日は演奏会としてもよかったなあ。集まった聴衆の誰もが、この演奏会を大切にしようという気持ちを持っていて、演奏中は神妙に聴き、終了後も余韻までしっかり楽しむべく、フライング拍手もなくとてもいいタイミングで賞賛の拍手が始りました(このディスクは30日の拍手かな?)。秋のRCOでは余韻ぶち壊しのフライング拍手でがっかりだったのでねえ(なお、演奏自体も含め、このインバルさんの方が上でした)。終了後には、インバルさんとフェルミリオンさんのサインももらえたし、万事が万事、幸せな記憶とともにあるこのディスク。個人的な感慨ともども、大切なものとなりました。ありがたき、幸せ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/23

    ずいぶんと久々にこの演奏、聴きました。最晩年のベーム。ま、同時期のほかの演奏を想起すると、「重そう」とか「もたもたしてそう」とか、よろしくないイメージがありましょう。ところが!これらの演奏、実にすばらしい!!確かに演奏時間は長いですが、ちょっと長いというくらいで(たとえばバーンスタインは明らかに「長い」)、遅いとか鈍重とかいう言葉は全く当てはまりません。サウンドも、ロンドン交響楽団のおかげでしょうか、ウェルバランスで、いわゆるドイツ風重厚さではありません。さて、三曲とも、力感にあふれてしっかりと指揮者がリードし、堅実で、中味の詰まった大変に立派な演奏です。チャイコフスキーの巧みな書法がしっかりと再現され、迫力も十分。ベームの職人的能力の最良の面がいかんなく発揮された、見事な出来ではないでしょうか。これ、もしブラインドで聴かされたら、最晩年のベームだなんて絶対思わないんじゃないかなあ。先入観や偏見を捨てて、虚心に聴けば、この演奏の充実ぶり、よくわかると思いますよ。悲愴は感銘深く、第5番はまさに威風堂々。第4番の詠嘆も深い。お薦めします。ホントに、虚心に聴いてください。素晴らしい演奏です。録音も優秀。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/22

    ひたすら個人的な好みで書かせていただきますが、私、この演奏(ディスク)が大好きであります。ジンマンさんの設定するテンポが実に適切で心地よく、安心して聴いていられます。楽器のバランスも良く、いたずらな金管の咆哮や打楽器の炸裂もなし。しっかりした技量のオーケストラが、まことに申し分なくこの美しい交響曲を歌いあげております。それもこれも、ジンマンさんによる確かなリードがあってのことでしょう。この曲、プレヴィンの数種のディスクもすばらしいですし、一方、強烈に個性的なスヴェトラーノフの演奏も魅力的ですが、すべての仕上がりの質の高さではこのジンマンさんのディスクが最高ではないかと私は思うのであります。久々に聴きなおしてその想いをさらに深くしました。「ヴォカリーズ」でのマクネアーの美声もまたよし。しっとりとした見事な歌、オケも精妙でまことに結構。録音は、ちょっと鮮度がない気もしますが、テラークなので基本は立派なもの。ベートーヴェンやマーラーで一躍注目される前の時期の演奏ですが、ジンマンさん、もう充分な実力と成果とをお持ちでした。万事が素敵なこのディスク、ぜひ、多くの方に聴いてほしいなあ。なお、個性的とか、ロシア臭ぷんぷんとかがお好きな方には向いてないでしょうね。そういうのが聴きたい時もあるので、これ1枚で足りるということはありませんが、スタンダード的演奏としては大変によろしい、と思います。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/20

    ザンデルリンクさん、お亡くなりになられたとの由。合掌。長い現役生活を通じ、社会主義にも振り回された、なかなかに波乱の生涯ではなかったかと拝察いたします。さて、このディスク、物故のニュースを知り、聴いてみることとしました。ここまでのみなさまのレビューはほとんどが大変に高い評価。期待して聴きましたが、甚だ遺憾ながら、いかがでしょうか、当方はさして感銘を受けませんでした。全編にわたって決然としたリードがなく、アインザッツの不揃いは気になり、強い表現意欲も感じられません。エグモントは平凡。バッハはソリストとも息が合わず、どこか手探り状態。ブラームスは構えの大きさが安定感を与えますが、一種その地味な武骨さが風合いを滲みださせているというくらいで、格別の充実感はなかったなあ。録音は、基本音楽はよくとらえていますが、ややヒスが目立って、しかも交響曲などは開始直前の「呼吸」がバサッと切られたままに唐突に始まって、ちょっとガサツな編集。残念ながら、故人の業績をしのぶには至りませんでした。ま、私個人の好みがどうも合わないのかもしれません。チャイコフスキーもさっぱりいいと思いませんでしたし。妄言多謝。あらためて、合掌。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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